
「トラックも用意したし、運転手も確保した。あとは許可申請だけ。」
そう思っていたのに、車庫の問題で運送業許可が取得できないケースがあります。
一般貨物自動車運送事業(いわゆる運送業許可)では、営業所や車両だけでなく、車庫についても厳しい要件が定められています。
今回は、運送業許可の申請で実際によく問題となる「車庫が原因で不許可になるケース」を解説します。
そもそも車庫はなぜ重要なのか?
運送業では、事業用トラックを安全かつ適切に管理する必要があります。
そのため運輸局では、
- 十分な広さがあるか
- 出入りに問題がないか
- 適法に使用できる土地か
などを審査します。
車庫の要件を満たしていない場合、他の要件を満たしていても許可を受けることはできません。
ケース① 車両がすべて駐車できない
車庫には、申請する事業用車両すべてを収容できなければなりません。
例えば、
- 車両同士の間隔が取れない
- 敷地から車両がはみ出す
- 駐車はできても出庫できない
といった場合は認められません。
図面上は問題なく見えても、実際の運用を考慮すると不適切と判断されることがあります。
ケース② 進入道路が狭い
大型トラックが通行することを前提として審査されます。
そのため、
- 道路幅が不足している
- 急カーブで大型車が曲がれない
- 通行が著しく困難
といった場合は問題となります。
車庫そのものの広さだけでなく、そこへ至る道路も重要な審査ポイントです。
ケース③ 農地をそのまま使おうとしている
土地の所有者から、
「自分の土地だから自由に使える」
と言われることがありますが、農地の場合は注意が必要です。
農地は農地法による規制があり、そのまま車庫として利用することはできません。
農地転用許可や届出が必要になる場合があります。
ケース④ 使用権限を証明できない
借地を車庫として利用する場合は、
- 賃貸借契約書
- 使用承諾書
などが必要です。
口頭での約束だけでは認められません。
また、契約期間が短すぎる場合なども問題になることがあります。
ケース⑤ 他の用途と共用している
申請上は車庫として使用するとしていても、
- 他社の車両が置かれている
- 建設資材が保管されている
- 倉庫代わりに使用されている
といった場合は、必要面積を確保できていないと判断されることがあります。
現地確認で発覚するケースもあります。
ケース⑥ 用途地域の制限に抵触している
都市計画法上の用途地域によっては、運送業の車庫として利用できない場合があります。
特に住宅系の用途地域では注意が必要です。
「空いている土地だから大丈夫」と判断せず、事前確認が重要です。
ケース⑦ 営業所との位置関係に問題がある
車庫は営業所と適切な位置関係にある必要があります。
あまりにも離れている場合は、
- 運行管理が困難
- 車両管理が適切に行えない
と判断される可能性があります。
車庫選びは許可取得の第一歩
運送業許可では、
- 車両購入
- 人材確保
- 資金準備
に目が向きがちですが、実は車庫の確保が最初の重要ポイントです。
車庫の問題は後から修正が難しく、土地探しからやり直しになることもあります。
まとめ
運送業許可で車庫が原因となり不許可になる主なケースは次のとおりです。
✅ 車両が収容できない
✅ 進入道路が狭い
✅ 農地をそのまま利用している
✅ 使用権限を証明できない
✅ 他用途と共用している
✅ 用途地域の制限がある
✅ 営業所との位置関係に問題がある
運送業許可は「車庫があればよい」というものではありません。
事前に確認しておくことで、申請後のトラブルや余計な出費を防ぐことができます。
いしかわ行政書士事務所では、一般貨物自動車運送事業許可のご相談を承っております。
車庫の要件確認や許可取得に向けた準備について、お気軽にご相談ください。
