外国人ドライバーの運転免許はどう確認する?外国免許・中型・大型・けん引

この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。

外国人ドライバーを採用するときは、在留資格だけでなく、会社で乗務させる車両に合った日本の運転免許を持っているか確認する必要があります。

「母国で大型トラックを運転していた」という経験があっても、外国の運転免許だけで日本のトラックへ乗務できるとは限りません。

また、日本の免許証を持っていても、普通・準中型・中型・大型・けん引の区分や条件欄によって、運転できる車両が変わります。

採用面接で「大型車に乗れますか」と質問するだけでは判断できません。

本人の免許証と、乗務予定車両の自動車検査証(車検証)を照らし合わせることが必要です。

この記事では、運送会社が外国人ドライバーを採用するときに確認したい、外国免許、日本の免許区分、外免切替、中型・大型・けん引免許について解説します。

外国人ドライバーの運転免許は車検証と免許証で確認する

外国人ドライバーに必要な免許は、国籍ではなく、実際に運転させる車両によって決まります。

最初に、乗務予定車両の車検証で次の項目を確認します。

  • 車両総重量
  • 最大積載量
  • 乗車定員
  • 車体の形状
  • けん引する車両か
  • 被けん引車を連結する業務があるか

次に、本人の日本の運転免許証で次の項目を確認します。

  • 免許の種類
  • 免許の有効期限
  • 免許取得年月日
  • 条件欄
  • AT車限定の有無
  • 眼鏡等の条件

現在の第一種免許で運転できる主な車両区分は、次のとおりです。

免許区分車両総重量最大積載量乗車定員
普通免許3.5トン未満2トン未満10人以下
準中型免許7.5トン未満4.5トン未満10人以下
中型免許11トン未満6.5トン未満29人以下
大型免許11トン以上6.5トン以上30人以上

車両総重量と最大積載量の両方を確認し、どちらか一方でも上位区分に該当すれば、その区分に対応する免許が必要です。

たとえば、最大積載量が普通免許の範囲内でも、冷凍機、クレーン、パワーゲートなどの架装によって車両総重量が基準を超えていれば、普通免許では運転できません。

「2トン車」「4トン車」という現場での呼び方だけでは、必要な免許を確定できない点に注意してください。

取得時期による限定免許にも注意する

日本では、免許制度の改正によって、普通免許を取得した時期により運転できる車両の範囲が異なります。

免許証の条件欄に、次のような記載がある人もいます。

  • 中型車は中型車(8t)に限る
  • 準中型で運転できる準中型車は準中型車(5t)に限る
  • AT車に限る

免許証に「中型」と表示されていても、8トン限定が付いていれば、現在の中型免許で運転できるすべての車両を運転できるわけではありません。

採用後に車両を変更するときも、車検証と条件欄をもう一度照合してください。

外国免許を持っていても日本でそのまま乗務できるとは限らない

外国の大型免許を持ち、母国で長年トラックを運転していた人でも、その免許だけで日本の事業用トラックへ継続的に乗務できるとは限りません。

日本で運転するには、次のいずれかの方法により、日本国内で有効な運転資格を持っている必要があります。

  • 日本の運転免許証を取得する
  • 条件を満たす国際運転免許証を使用する
  • 外国運転免許証に日本語翻訳文を添えて運転できる制度を利用する

ただし、国際運転免許証などによる運転には、発給国、様式、日本への上陸日、運転できる期間などの条件があります。

日本へ長期間滞在し、運送会社で継続して乗務する人については、日本の免許を取得しているかを確認する方法が基本です。

外国免許の車種区分と日本の免許区分は、名称だけで同じとは判断できません。

外国の免許証に「大型」「Heavy Vehicle」などと記載されていても、日本の大型免許へ自動的に置き換わるわけではないため、外免切替の審査結果を確認する必要があります。

外国免許から日本免許への切替手続き

外国の運転免許から日本の運転免許への切替手続きは、一般に外免切替と呼ばれます。

申請者の住所地を管轄する都道府県警察の運転免許センターなどで、本人が申請します。代理人による申請は認められていません。

外免切替を申請するには、原則として次の条件を満たす必要があります。

  • 現在有効な外国免許を持っている
  • 外国免許を取得した後、免許を取得した国に通算3か月以上滞在していたことを証明できる
  • 日本国内の住所を証明する住民票を提出できる
  • 外国免許の内容を確認できる日本語翻訳文を用意できる

審査では、一般に次の手続きが行われます。

  1. 予約
  2. 必要書類の審査
  3. 免許取得状況や滞在期間などの確認
  4. 適性試験
  5. 運転に必要な知識の確認
  6. 運転技能の確認
  7. 日本の運転免許証の交付

免許発給国などによっては、知識確認や技能確認が免除される場合があります。

一方、免許の取得日が免許証に記載されていない、出入国記録だけでは3か月以上の滞在を証明できない、更新前の免許証がないといった場合は、追加資料を求められることがあります。

外国の免許発給機関が発行する運転経歴証明書など、国ごとに異なる資料が必要になることもあります。

2025年10月から外免切替が厳格化された

2025年10月1日から、外免切替の住所確認、知識確認、技能確認が厳格化されました。

主な変更点は次のとおりです。

  • 外国人は原則として住民票の写しを提出する
  • 観光などの短期滞在者は原則として申請できない
  • 知識確認の問題数が10問から50問へ増えた
  • 知識確認は90%以上の正答が必要になった
  • 技能確認で横断歩道、踏切などの課題が追加された
  • 合図、進路変更、交差点通行などの採点が厳格化された

制度変更前よりも、書類準備と知識・技能確認に時間がかかる可能性があります。

愛知県では、運転免許試験場(平針)または東三河運転免許センターで、事前予約制による外免切替審査が行われています。

申請者が増えると、予約や技能確認まで待つ場合もあります。採用日と乗務開始日を同じ日に設定せず、免許取得までの期間を人員計画に入れてください。

なお、愛知県警察の案内では、外国免許から第二種免許への切替えはできないとされています。バスやタクシーへ乗務させる場合は、第一種免許とは別に第二種免許の取得方法を確認する必要があります。

中型免許を確認するときの注意点

4トン車などへ乗務させる場合は、中型免許が関係することがあります。

現在の中型免許で運転できるのは、車両総重量11トン未満、最大積載量6.5トン未満、乗車定員29人以下の車両です。

ただし、「4トン車」と呼ばれていても、増トン車や架装車など、中型免許の範囲を超える車両があります。

確認するときは、次の順番で照合します。

  1. 乗務予定車両の車検証を用意する
  2. 車両総重量と最大積載量を確認する
  3. 本人の免許証で中型免許の有無を確認する
  4. 8トン限定などの条件を確認する
  5. AT限定と乗務予定車両の変速機を確認する

「中型免許を持っています」という本人の申告だけで配車を決めず、免許証の原本と条件欄まで確認してください。

外国免許から切り替えた人については、どの日本免許へ切り替えられたかを、交付された日本の免許証で確認します。

大型免許を確認するときの注意点

車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上または乗車定員30人以上の車両を運転するには、大型免許が必要です。

大型ウイング車、大型冷凍車、大型平ボディ、増トン車などへ乗務させる場合は、大型免許の有無を確認します。

ただし、大型免許があっても、次の条件を別に確認する必要があります。

  • 免許の有効期限が切れていないか
  • AT限定などの条件が付いていないか
  • けん引免許が必要な業務ではないか
  • 在留資格上、トラック運転業務に従事できるか
  • 日本の交通ルールや標識を理解できるか
  • 初任運転者に必要な指導、適性診断などを実施したか

外国で大型車を運転した経験は、採用時の判断材料にはなります。

しかし、外国での運転経験だけで、日本の道路事情、点呼、改善基準告示、荷主先での作業、安全教育などを理解しているとは判断できません。

免許確認と運行管理上の教育は分けて実施してください。

けん引免許を確認するときの注意点

トラクタにトレーラーなどの被けん引車を連結して運転させる場合は、大型免許だけでなく、けん引免許が必要になるのが一般的です。

大型免許を持っていても、それだけでトレーラーを運転できるわけではありません。

採用時は次の点を確認します。

  • トラクタを運転できる大型免許などを持っているか
  • けん引免許を持っているか
  • けん引免許の有効期限や条件に問題がないか
  • 外国でのトレーラー運転経験を確認できるか
  • 日本で連結・切離し、後退、内輪差などの教育を受けているか

一定の小型トレーラーなど、けん引免許が不要となる例外もあります。

ただし、運送会社が業務で使用するセミトレーラーなどは、通常、けん引免許が必要です。会社の車両と運行内容を確認して判断してください。

在留資格と運転免許は別々に確認する

在留資格は、日本でどのような仕事に従事できるかを判断するものです。

運転免許は、日本の道路でどの車両を運転できるかを判断するものです。

どちらか一方だけを確認しても、トラックドライバーとして乗務できるとは判断できません。

確認するもの主な確認内容
在留カード在留資格、就労制限、在留期限、資格外活動許可
運転免許証免許区分、有効期限、条件欄、AT限定
車検証車両総重量、最大積載量、乗車定員、車体の形状
雇用条件担当業務、乗務車両、勤務時間、報酬
運行管理点呼、教育、適性診断、健康診断、運転者台帳

永住者や定住者など就労制限のない在留資格を持っていても、車両に合った日本の免許がなければ乗務できません。

反対に、日本の大型免許を持っていても、その在留資格でトラック運転業務に従事できなければ、ドライバーとして雇用できない場合があります。

特定技能1号で外国人ドライバーを受け入れる場合も、日本で有効な第一種運転免許が必要です。

海外から採用するトラック運転者については、免許取得準備のための在留資格「特定活動」により、最長6か月の準備期間が設けられています。

この期間内に必要な日本の免許を取得できなければ、特定技能1号へ移行できない可能性があります。外免切替の予約状況も含め、採用計画から逆算する必要があります。

関連記事

外国人ドライバーを乗務させる前の確認

外国人ドライバーを採用した後で免許区分の不足に気づくと、予定していた車両へ乗務させられません。

外免切替の予約や追加資料の取得に時間がかかれば、採用日から実際の乗務開始まで空白が生じることもあります。

いしかわ行政書士事務所では、外国人ドライバーを採用する運送会社向けに、在留資格、運転免許、乗務予定車両、会社側の受入れ準備を整理しています。

免許の申請や知識・技能確認は本人が行いますが、採用前に何を確認すべきか、どの車両へ乗務できるかを整理しておくことで、採用後の手戻りを防ぎやすくなります。

お問い合わせはこちら

「運送業新規許可・許可後手続きのお問い合わせ」 ご依頼の流れや料金案内をしております。ご相談だけでも構いませんのでお気軽にお尋ねください

よくある質問

Q
外国の大型免許があれば、日本で大型トラックを運転できますか?
A

外国の大型免許だけで、日本の大型トラックへ継続的に乗務できるとは限りません。外免切替などにより日本で有効な免許を取得し、交付された日本の免許区分を確認してください。

Q
外国免許から日本免許への切替えは、会社や行政書士が代理申請できますか?
A

外免切替は本人が申請する必要があり、代理申請は認められていません。会社側では必要書類、予約日程、乗務開始予定などを本人と確認します。

Q
外国免許を取得した国に3か月以上滞在していたことは、どのように証明しますか?
A

パスポートの出入国記録などで証明します。出入国印がない場合や免許の取得日を確認できない場合は、免許発給機関の証明書など、追加資料が必要になることがあります。

Q
2トントラックなら普通免許で運転できますか?
A

「2トン車」という呼び方だけでは判断できません。現在の普通免許は車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満が対象です。架装によって車両総重量が増えていることもあるため、車検証を確認してください。

Q
中型免許があれば、すべての4トン車を運転できますか?
A

4トン車という呼び方だけで一律には判断できません。車両総重量11トン以上または最大積載量6.5トン以上なら、大型免許が必要です。また、8トン限定などの条件欄も確認してください。

Q
大型免許があればトレーラーも運転できますか?
A

大型免許だけでは足りません。業務でトラクタとトレーラーを連結して運転する場合は、通常、けん引免許も必要です。

Q
国際運転免許証があれば、運送会社で継続して乗務できますか?
A

国際運転免許証には、発給国、様式、上陸日、運転できる期間などの条件があります。長期雇用するドライバーについては、日本の運転免許を取得しているかを確認する方法が基本です。

Q
特定技能の在留資格があれば、すぐトラックへ乗務できますか?
A

特定技能の要件を満たしていても、日本で有効な第一種運転免許がなければ乗務できません。会社側の受入れ要件、在留資格、運転免許をそれぞれ確認する必要があります。

Q
外免切替で大型第二種免許も取得できますか?
A

愛知県警察の案内では、外国免許から第二種免許への切替えはできません。バスやタクシーへ乗務させる場合は、日本で第二種免許を取得する方法を別に確認してください。

Q
免許証は採用時に一度確認すればよいですか?
A

採用後も有効期限を管理し、車両入替や配置転換で担当車両が変わるたびに再確認します。在留期限、健康診断、適性診断などの期限と一つの管理表にまとめると確認漏れを防ぎやすくなります。

まとめ

外国人ドライバーを採用するときは、本人の経験や外国免許の名称だけで乗務の可否を判断できません。

次の順番で確認してください。

  1. 乗務予定車両を決める
  2. 車検証の車両総重量と最大積載量を確認する
  3. 必要な免許区分を特定する
  4. 日本の免許証の原本、条件欄、有効期限を確認する
  5. 外国免許だけの場合は、外免切替の条件と日程を確認する
  6. 在留カードで就労の可否を別に確認する
  7. 採用後の期限管理と車両変更時の再確認を行う

特に外免切替は、2025年10月から住所確認、知識確認、技能確認が厳格化されています。

必要書類や予約状況によっては、採用してもすぐに乗務できません。採用候補者が決まった段階で、在留資格、免許、乗務予定車両を一緒に確認することが大切です。

関連記事

外国人ドライバーの免許と乗務車両を採用前に整理します

外国人ドライバーの採用では、在留資格だけでなく、外免切替、日本の免許区分、乗務予定車両、採用後の運行管理まで確認する必要があります。

いしかわ行政書士事務所では、外国人ドライバーを採用する前に、会社側で確認すべき事項を整理します。

入管への在留申請、外免切替の本人申請、登録支援機関による支援、社会保険・労務手続きなどは、それぞれの業務範囲を明確にしたうえで進めます。

碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、三河地域・愛知県内の運送会社からのご相談に対応しています。

お問い合わせはこちら

「運送業新規許可・許可後手続きのお問い合わせ」 ご依頼の流れや料金案内をしております。ご相談だけでも構いませんのでお気軽にお尋ねください

出典

警察庁「外国の運転免許をお持ちの方」
愛知県警察「外国免許切替審査の予約制導入について」
愛知県警察「運転免許試験場(平針)での外国免許から国内免許への切替え」
愛知県警察「外国免許から国内免許への切替え 運転免許試験場」
国土交通省「自動車運送業分野における特定技能外国人の受入れについて」

この記事は、2026年8月時点の運転免許制度、外国免許切替制度および自動車運送業分野の特定技能制度をもとに作成しています。免許区分、外免切替の必要書類・審査方法、愛知県警察の予約方法などが変更された場合は、記事内容を見直してください。

トップへ戻る