この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。
外国人をトラック運転手として採用するとき、
「日本の運転免許を持っているから乗せられる」
だけでは判断できません。
確認するのは、本人の免許証に書かれている免許区分と、実際に乗せるトラックの車両総重量・最大積載量です。
たとえば「普通免許」を持っていても、現在の普通免許で運転できるのは原則として、
- 車両総重量3.5トン未満
- 最大積載量2トン未満
- 乗車定員10人以下
の車両です。
一方、古い普通免許から移行した「準中型5トン限定」や「中型8トン限定」を持っている人は、現在の普通免許より大きなトラックを運転できる場合があります。
採用前は、
- 日本の運転免許証を確認する
- 免許の種類と条件欄を見る
- 乗せたいトラックの車検証を確認する
- 車両総重量と最大積載量を免許区分と照合する
という順番で判断します。
まず日本で有効な運転免許を持っているか確認する
外国人ドライバーを採用するときは、在留資格と運転免許を別々に確認します。
在留資格上トラック運転業務ができても、日本で有効な運転免許がなければ事業用トラックには乗せられません。
採用前には、本人の運転免許証で、
- 有効期限
- 免許の種類
- 条件等
- AT限定の有無
- 中型・準中型の限定条件
などを確認します。
特定技能1号の自動車運送業分野でトラック運転者として受け入れる場合も、日本の第一種運転免許が人材基準の一つとされています。
今の普通免許で運転できるトラック
現在の普通免許で運転できる自動車は、原則として次の範囲です。
| 項目 | 普通免許 |
|---|---|
| 車両総重量 | 3.5トン未満 |
| 最大積載量 | 2トン未満 |
| 乗車定員 | 10人以下 |
ここで注意したいのは、「2トントラック」という呼び方だけで判断しないことです。
一般に2トントラックと呼ばれていても、車両総重量が3.5トン以上になる車両があります。
その場合、現在の普通免許では運転できません。
会社で確認するなら、車両の呼び方ではなく車検証を見ます。
準中型免許ならどこまで運転できる?
準中型免許では、原則として次の範囲まで運転できます。
| 項目 | 準中型免許 |
|---|---|
| 車両総重量 | 7.5トン未満 |
| 最大積載量 | 4.5トン未満 |
| 乗車定員 | 10人以下 |
普通免許では乗れない2トン車や3トン車でも、準中型免許なら運転できるケースがあります。
ただし、車両総重量か最大積載量のどちらか一方でも準中型の範囲を超えれば、中型以上の免許が必要です。
中型免許ならどこまで運転できる?
中型免許では、原則として次の範囲まで運転できます。
| 項目 | 中型免許 |
|---|---|
| 車両総重量 | 11トン未満 |
| 最大積載量 | 6.5トン未満 |
| 乗車定員 | 29人以下 |
一般に4トン車と呼ばれるトラックでも、車両仕様によって重量は異なります。
そのため、
「4トントラックだから中型免許」
と車名だけで決めるのではなく、実車の車検証で確認します。
大型免許が必要になるトラック
次のいずれかに該当する自動車は、大型自動車に区分されます。
- 車両総重量11トン以上
- 最大積載量6.5トン以上
- 乗車定員30人以上
大型トラックを運転させるなら、大型免許を確認します。
たとえば大型免許を持っていない外国人を採用して、
「海外では大型トラックを10年運転していたから大丈夫」
として乗務させることはできません。
海外での経験と、日本で運転できる免許区分は別です。
一覧で見るとこうなる
採用担当者が確認するなら、まずこの表で大まかに判定できます。
| 免許 | 車両総重量 | 最大積載量 |
|---|---|---|
| 普通 | 3.5t未満 | 2t未満 |
| 準中型 | 7.5t未満 | 4.5t未満 |
| 中型 | 11t未満 | 6.5t未満 |
| 大型 | 11t以上も可 | 6.5t以上も可 |
ただし、古い免許には限定条件があるため、この表だけで判断しない場合があります。
「準中型5トン限定」と書いてあったら
外国人でも、日本で普通免許を取得した時期によっては、現在の免許証に
「準中型車は準中型車(5t)に限る」
などの条件が付いていることがあります。
平成19年6月2日から平成29年3月11日までに取得した旧普通免許は、現在は「準中型5トン限定」として扱われます。
この免許で運転できる範囲は、
- 車両総重量5トン未満
- 最大積載量3トン未満
- 乗車定員10人以下
です。
つまり、現在の普通免許より大きい車両を運転できますが、通常の準中型免許より範囲は狭くなります。
「中型8トン限定」と書いてあったら
平成19年6月2日より前に取得した旧普通免許は、現在は「中型8トン限定」として扱われます。
主な範囲は、
- 車両総重量8トン未満
- 最大積載量5トン未満
- 乗車定員10人以下
です。
この免許なら、現在の普通免許では乗れないトラックを運転できることがあります。
外国人だからこうした旧免許がないとは限りません。
日本で長く生活し、以前から日本の免許を持っている外国人なら対象になる可能性があります。
免許証の「種類」だけでなく「条件等」を見る
ここが採用時には重要です。
免許証に「中型」と表示されていても、条件欄に
「中型車は中型車(8t)に限る」
と書かれていれば、通常の中型免許とは運転できる範囲が違います。
同様に、
「準中型車は準中型車(5t)に限る」
という限定もあります。
したがって、
「免許証に中型と書いてあるから4トン・大型の手前まで全部乗れる」
とは考えません。
免許の種類と条件欄をセットで確認します。
車検証のどこを見る?
次に、実際に乗せるトラックを確認します。
車検証や自動車検査証記録事項で見る主な項目は、
- 車両総重量
- 最大積載量
- 乗車定員
です。
この数値を本人の免許区分と照合します。
たとえば、
車両総重量:6,800kg
最大積載量:3,500kg
というトラックなら、現在の普通免許では運転できません。
一方、通常の準中型免許なら、
車両総重量7.5トン未満
最大積載量4.5トン未満
の両方を満たしているため、免許区分上は運転可能です。
最大積載量だけで判断しない
運送会社では、
「このトラックは2トン車だから普通免許でいけるのでは」
と考えやすいですが、最大積載量だけでは判断できません。
普通免許なら、
- 車両総重量3.5トン未満
- 最大積載量2トン未満
の両方を満たす必要があります。
最大積載量が1,900kgでも、架装などによって車両総重量が3,500kg以上なら普通免許では運転できません。
逆に、車両総重量だけを見るのも不十分です。
免許区分は複数の基準で確認します。
AT限定も確認する
免許証にAT限定の条件がある場合は、トラック側の変速機も確認します。
AT・AMT車が増えているため、会社の車両によってはAT限定でも乗務できることがあります。
一方、MT車へ乗務させるなら、AT限定のままでは運転できません。
「大型免許を持っているか」だけでなく、その免許に付いている限定条件も確認します。
トレーラーならけん引免許も確認する
トラクタ・トレーラーなどを運転させる場合は、大型免許だけで判断しません。
一定の被けん引車をけん引する場合には、けん引免許が必要です。
そのため、応募者が
「大型免許あり」
でも、トレーラー運転者として採用するなら、けん引免許も確認します。
実際に担当させる車両から必要免許を逆算します。
外国の運転免許を持っているだけではどうなる?
外国の運転免許を持っている外国人の場合、日本国内で運転できるかは別に確認します。
一定の国際運転免許証等で日本国内を運転できる制度はありますが、期間や対象国・免許の種類などの条件があります。
また、運送会社が継続的に事業用トラックのドライバーとして雇用するなら、日本の運転免許を取得・切替してから乗務させるケースが中心になります。
特定技能の自動車運送業分野でも、トラック区分の人材基準として日本の第一種運転免許が求められています。
外国免許切替で日本の免許を取得した場合も種類を見る
外国免許から日本免許への切替をしたからといって、海外で持っていた免許区分がそのまま日本の大型免許になるとは限りません。
実際に交付された日本の運転免許証で、
- 普通
- 準中型
- 中型
- 大型
- けん引
のどれを取得しているか確認します。
「母国では大型トラックの免許を持っていました」
という本人の説明ではなく、日本の免許証を基準に乗務可否を判断します。
特定技能トラックドライバーも大型免許が必須ではない
特定技能のトラック区分では、「第一種運転免許」が人材基準となっています。
つまり、特定技能外国人だから全員が最初から大型免許を取得しなければならない、という意味ではありません。
実際に担当させる車両に必要な免許を持っていることが重要です。
たとえば準中型免許で運転できる車両だけを担当させるなら、免許区分上は大型免許までは必要ありません。
一方、大型車へ配置するなら大型免許が必要です。
在留資格と車両配置を一緒に考えます。
採用前に「どのトラックへ乗せるか」を決めて確認する
採用時にありがちなのが、
「とりあえずドライバーとして採用して、車両は後から決める」
というケースです。
しかし、免許の確認では逆のほうが分かりやすくなります。
まず、
「この人にはこの車両へ乗ってもらいたい」
と候補車両を決めます。
その車検証と本人の免許証を並べます。
確認するのは、
| 本人の免許証 | トラック |
|---|---|
| 免許種類 | 車両総重量 |
| 限定条件 | 最大積載量 |
| AT限定 | 変速機 |
| けん引免許 | トレーラーの有無 |
| 有効期限 | - |
この組み合わせが合えば、免許上の乗務可否を判断しやすくなります。
採用時に乗れなくても、免許取得後に配置できる
外国人応募者が、
「普通免許しか持っていない」
からといって、必ず採用を諦める必要はありません。
会社の採用計画によっては、
- 準中型免許を取得する
- 中型免許を取得する
- 大型免許を取得する
- けん引免許を取得する
までの期間を見込んで採用する方法があります。
ただし、必要な免許を取得する前に該当車両へ乗務させることはできません。
「採用できるか」と「今日からこの車両へ乗せられるか」を分けて考えます。
外国人ドライバー採用前の免許チェック
採用前に確認します。
- □ 日本で有効な運転免許証がある
- □ 免許の有効期限を確認した
- □ 普通・準中型・中型・大型のどれか確認した
- □ 5トン限定・8トン限定などの条件を確認した
- □ AT限定を確認した
- □ トレーラーならけん引免許を確認した
- □ 乗せる車両の車検証を確認した
- □ 車両総重量を確認した
- □ 最大積載量を確認した
- □ 免許区分と車両が一致している
- □ 在留資格上もトラック運転業務が可能
- □ 必要な免許取得前に乗務させない
「中型免許あり」の一言だけではなく、本人の免許証と車検証を並べて確認することが大切です。
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まとめ
外国人をトラック運転手として採用するときは、「日本の免許を持っているか」だけで判断しません。
本人の免許証で、
- 普通
- 準中型
- 中型
- 大型
- 限定条件
を確認し、実際に乗せるトラックの車両総重量と最大積載量を照合します。
現在の普通免許なら、原則として車両総重量3.5トン未満・最大積載量2トン未満です。
準中型、中型、大型になるにつれて運転できる車両範囲が広がります。
ただし、旧普通免許から移行した「準中型5トン限定」「中型8トン限定」などもあるため、免許の種類だけでなく条件欄まで確認します。
また、在留資格上トラック運転ができても、必要な日本の運転免許がなければその車両には乗せられません。
採用時には、
「この人の免許」
と
「実際に乗せる車両」
を一組として確認します。
外国人ドライバーの免許を採用前に確認したい方へ
「中型と書いてあるが4トントラックへ乗せてよいか分からない」
「外国免許から切り替えたが、どの車両まで運転できるか分からない」
「在留資格は問題ないが、大型車へ配置できるか確認したい」
という場合は、本人の在留資格・日本の運転免許・乗務予定車両をまとめて確認します。
いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、外国人ドライバー採用前の確認・整理に対応しています。
当事務所では、在留資格・免許・乗務予定車両・会社側の準備事項を整理し、採用前に確認しておく内容を明確にします。
運転免許そのものの取得・切替手続きや、入管への在留申請代理などについては、対応範囲を分けてご案内します。
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出典
出入国在留管理庁|特定技能1号の各分野の仕事内容(Job Description)
この記事は、2026年9月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。
