トラック運転手として雇える在留資格まとめ|永住者・定住者・配偶者・特定技能

この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。

外国人をトラック運転手として雇えるかは、「外国人だから働ける・働けない」と一括りにはできません。

最初に確認するのは、在留カードに記載された在留資格です。

トラック運転手として働ける主な在留資格は、次のとおりです。

在留資格トラック運転業務主な確認事項
永住者可能在留カードの有効期間、運転免許
定住者可能在留期間、更新時期、運転免許
日本人の配偶者等可能在留期間、在留資格、運転免許
永住者の配偶者等可能在留期間、在留資格、運転免許
特定技能1号(自動車運送業分野)要件を満たせば可能試験、日本の免許、受入れ会社の要件
技術・人文知識・国際業務原則として不可専門業務と実際の担当業務
技能実習トラック運転業務は不可特定技能への移行要件
留学・家族滞在フルタイム乗務は不可資格外活動許可と週28時間以内の制限

在留カードに「就労制限なし」と記載されている人は、在留資格上はトラック運転手として雇用できます。

一方、特定技能で雇う場合は、本人が試験や運転免許の要件を満たすだけでなく、運送会社側にも認証取得や協議会加入などの準備が必要です。

この記事では、永住者・定住者・配偶者・特定技能を中心に、トラック運転手として雇える在留資格と、採用前に確認したいポイントを整理します。

永住者・定住者はトラック運転手として雇える?

永住者と定住者は、身分や地位に基づく在留資格です。

在留資格による職種の制限がないため、日本で有効な運転免許を持っていれば、トラック運転手として雇用できます。

永住者の場合

永住者は、在留資格上の活動内容や在留期間に制限がありません。

トラック運転手だけでなく、荷役、倉庫作業、配車、事務、営業など、会社の業務へ幅広く従事できます。

ただし、「永住者だから期限確認は不要」というわけではありません。

永住者には在留期間の満了日はありませんが、在留カード自体には有効期間があります。採用時は在留カードの原本を確認し、カードの有効期間と本人の顔写真を照合します。

定住者の場合

定住者も職種による就労制限がないため、トラック運転手として雇用できます。

ただし、定住者には在留期間が設定されています。

採用前に、次の項目を確認してください。

  • 在留カードの「在留資格」が定住者になっているか
  • 「就労制限の有無」が就労制限なしになっているか
  • 在留期間の満了日はいつか
  • 満了日が近い場合は更新申請を予定しているか
  • 日本で有効な運転免許を持っているか

定住者という資格名だけを確認して終わらず、雇用後も在留期限を管理します。

日本人の配偶者等・永住者の配偶者等はトラック運転手として雇える?

日本人の配偶者等と永住者の配偶者等も、身分や地位に基づく在留資格です。

在留資格による職種の制限がないため、トラック運転手として雇用できます。

「日本人の配偶者等」には、日本人の配偶者だけでなく、日本人の特別養子や日本人の子として出生した人も含まれます。

「永住者の配偶者等」には、永住者・特別永住者の配偶者や、永住者等の子として日本で出生し、その後も引き続き日本に在留している人が該当します。

これらの在留資格でも、採用時には在留カードの原本を確認します。

  • 在留資格
  • 就労制限の有無
  • 在留期間の満了日
  • 在留カードの有効期間
  • 顔写真と本人
  • カード裏面の記載
  • 更新申請中かどうか

配偶者関係を理由とする在留資格でも、運送会社が婚姻関係の詳細へ必要以上に立ち入る必要はありません。

会社が確認するのは、現在の在留資格で就労できるか、在留期間内か、乗務に必要な運転免許を持っているかという点です。

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技術・人文知識・国際業務の外国人をトラック運転手にできる?

在留資格が「技術・人文知識・国際業務」の人を、トラック運転手として採用することは原則としてできません。

技術・人文知識・国際業務は、自然科学・人文科学の知識を必要とする専門的な業務や、外国の文化に基盤を持つ業務を対象とする在留資格です。

運送会社では、たとえば次のような業務が該当する可能性があります。

  • システム管理
  • 海外取引に関する業務
  • 通訳・翻訳
  • 貿易関係の事務
  • 専門知識を必要とする企画業務

これに対して、トラックの運転を主な業務とする採用は、技術・人文知識・国際業務で認められた活動とは通常一致しません。

「運送会社で雇える在留資格」と「トラック運転手として雇える在留資格」は同じではありません。

事務職や通訳として採用した人を、繁忙期だけ実態としてドライバーへ配置することも避ける必要があります。

トラック運転業務へ継続的に従事させる場合は、就労制限のない在留資格を持っているか、自動車運送業分野の特定技能1号の要件を満たす必要があります。

技能実習から特定技能へ移行すればトラック運転手として雇える?

技能実習の在留資格のまま、トラック運転手として働くことはできません。

トラック運転手として働くには、自動車運送業分野の特定技能1号など、運転業務が認められた在留資格への変更が必要です。

技能実習2号を良好に修了した人については、トラック分野では、職種や作業の種類にかかわらず日本語試験が免除されます。

ただし、次の要件まで一律に免除されるわけではありません。

  • 自動車運送業分野特定技能1号評価試験
  • 日本で有効な第一種運転免許
  • 特定技能1号への在留資格変更
  • 受入れ会社側の要件
  • 1号特定技能外国人支援計画に基づく支援

「技能実習を修了しているから、そのままドライバーとして配置できる」と判断しないでください。

技能実習の修了状況、試験免除の対象、特定技能評価試験、日本の運転免許、在留資格変更を一つずつ確認します。

特定技能で外国人ドライバーを雇う条件

自動車運送業分野では、特定技能1号によるトラック運転手の受入れが始まっています。

特定技能で採用する場合は、本人側と運送会社側の両方が要件を満たさなければなりません。

外国人本人に必要な要件

トラック運転手として特定技能1号の在留資格を得るには、主に次の要件が必要です。

  • 自動車運送業分野特定技能1号評価試験のトラック区分に合格する
  • 日本語能力試験N4以上または国際交流基金日本語基礎テストに合格する
  • 日本で有効な第一種運転免許を取得する
  • 特定技能1号の在留資格について許可を受ける

トラック区分の特定技能評価試験を受ける人は、試験日に有効な日本または外国の運転免許を持っている必要があります。

また、特定技能の日本語要件を満たしていても、点呼、安全教育、荷主とのやり取り、事故時の報告を理解できるかは別に確認します。

試験合格だけで、会社の運行管理に必要な日本語をすべて理解できると判断しないことが大切です。

日本の運転免許が必要

外国で大型トラックを運転していた人でも、外国の免許だけで特定技能のトラック運転業務へ就くことはできません。

日本で有効な第一種運転免許が必要です。

採用予定者が海外にいる場合は、準備のための在留資格「特定活動(特定自動車運送業準備)」を利用し、日本へ入国してから外免切替などにより日本の免許を取得する方法があります。

2026年4月に改定された出入国在留管理庁の案内では、トラック運転者の準備期間は6か月で、更新は1回限りとされています。

ただし、第一種免許を取得した後は、速やかに特定技能1号への在留資格変更を進める必要があります。日本の免許を取得しただけでは、特定技能のトラック運送業務を開始できません。

運送会社側に必要な要件

特定技能外国人を受け入れる運送会社には、主に次の要件があります。

  • 道路運送法に規定する自動車運送事業などを経営している
  • 自動車運送業分野特定技能協議会の構成員になる
  • 働きやすい職場認証制度の認証を受ける、またはGマーク認定事業所を有する
  • 適切な雇用契約を締結する
  • 1号特定技能外国人支援計画を作成する
  • 自社または登録支援機関を通じて必要な支援を実施する

協議会の加入手続きは、在留資格申請までに必要です。国土交通省は、届出内容の確認に1か月程度を要する見込みと案内しています。

候補者が決まってから認証や協議会加入を調べ始めると、予定していた採用時期に間に合わない可能性があります。

特定技能で採用する場合は、外国人本人の試験と免許だけでなく、会社側の準備状況から確認してください。

特定技能への変更が必要な人・必要ない人

外国人をトラック運転手として雇うからといって、全員を特定技能へ変更するわけではありません。

現在の在留資格特定技能への変更
永住者不要
定住者不要
日本人の配偶者等不要
永住者の配偶者等不要
技術・人文知識・国際業務トラック運転業務をさせるなら、原則として変更が必要
技能実習トラック運転業務をさせるなら変更が必要
留学・家族滞在フルタイムのドライバーとして採用するなら変更が必要
特定技能1号の他分野自動車運送業分野への変更が必要

永住者などの就労制限がない人は、日本の運転免許と乗務車両に合った免許区分を持っていれば、特定技能へ変更せずに働けます。

特定技能は、就労制限のない人に追加で取得させる資格ではありません。

一方、別の就労資格を持っていても、その在留資格でトラック運転業務が認められていなければ、そのまま乗務させることはできません。

在留資格を確認した後に運送会社が確認すること

トラック運転手として働ける在留資格を持っていても、在留資格の確認だけで採用判断は終わりません。

採用前は、次の順番で確認します。

  1. 在留カードの原本と本人を照合する
  2. 在留資格と就労制限の記載を確認する
  3. 在留期間と在留カードの有効期間を確認する
  4. 日本の運転免許証を確認する
  5. 乗務予定車両の車検証と免許区分を照合する
  6. 免許証の有効期限と条件欄を確認する
  7. 雇用条件と実際の担当業務を整理する
  8. 点呼・教育・事故報告を理解できるか確認する
  9. 採用後の外国人雇用状況届出を確認する
  10. 在留期限、免許期限、健康診断などを継続管理する

在留カードの「就労制限なし」は、どのトラックでも運転できるという意味ではありません。

2トン車、4トン車、大型車、トレーラーでは必要な免許が異なります。車両総重量、最大積載量、乗車定員を免許証と照合してください。

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外国人ドライバーの採用前確認を整理します

候補者が永住者・定住者・配偶者等であれば、在留資格上は職種の制限を受けず、トラック運転手として採用できます。

特定技能で採用する場合は、本人の試験、日本の運転免許、会社の認証、協議会加入、支援体制まで確認が必要です。

いしかわ行政書士事務所では、外国人ドライバーを採用する運送会社向けに、在留カード、在留資格、乗務予定車両、運転免許、会社側の準備事項を整理します。

当事務所の対応は、採用前の確認・整理が中心です。入管への在留申請、社会保険・労務手続き、登録支援機関が行う支援とは業務範囲を分けてご案内します。

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よくある質問

Q
永住者は特定技能へ変更しないとトラック運転手になれませんか?
A

変更は不要です。永住者には在留資格による職種の制限がないため、日本で有効な運転免許と乗務車両に合った免許区分を持っていれば、トラック運転手として働けます。

Q
定住者は在留カードに期限があっても雇えますか?
A

雇用できます。ただし、在留期間の満了日と更新予定を確認し、雇用後も期限を管理してください。

Q
日本人の配偶者なら在留カードを確認しなくてもよいですか?
A

確認が必要です。本人の説明だけで判断せず、在留カードの原本で在留資格、就労制限、在留期間、カードの有効期間を確認します。

Q
技術・人文知識・国際業務の外国人をドライバーとして雇えますか?
A

トラック運転を主な業務にすることは原則としてできません。事務や通訳として採用した人を、実態としてドライバーへ配置することも避ける必要があります。

Q
技能実習2号を修了すれば、すぐトラック運転手になれますか?
A

すぐに乗務できるわけではありません。トラック分野では日本語試験が免除される場合がありますが、特定技能評価試験、日本の運転免許、在留資格変更などは別に確認します。

Q
特定技能試験に合格すればトラックへ乗務できますか?
A

試験合格だけでは乗務できません。日本で有効な第一種運転免許を取得し、自動車運送業分野の特定技能1号について許可を受ける必要があります。

Q
外国の大型免許があれば日本で大型トラックを運転できますか?
A

外国の免許だけで日本の事業用トラックへ継続的に乗務することはできません。日本の運転免許を取得し、乗務予定車両に必要な免許区分を満たす必要があります。

Q
永住者や定住者を雇う会社にもGマークが必要ですか?
A

永住者や定住者を雇うことを理由にGマークが必要になるわけではありません。Gマークまたは働きやすい職場認証制度の認証は、自動車運送業分野の特定技能外国人を受け入れる場合の会社側要件です。

Q
留学生をアルバイトのトラック運転手として雇えますか?
A

資格外活動許可があっても原則週28時間以内などの制限があり、長時間の拘束を伴うフルタイムのトラック運転手として配置することはできません。許可内容と実際の勤務時間を確認してください。

まとめ

トラック運転手として雇える主な在留資格は、永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、自動車運送業分野の特定技能1号です。

永住者・定住者・配偶者等は職種の制限を受けないため、特定技能へ変更する必要はありません。

特定技能で採用する場合は、本人側の試験と日本の運転免許に加え、運送会社側にも認証取得、協議会加入、支援体制などが求められます。

採用前は、次の項目を分けて確認してください。

  1. 現在の在留資格でトラック運転業務ができるか
  2. 在留カードと在留期間に問題がないか
  3. 日本で有効な運転免許を持っているか
  4. 乗務予定車両と免許区分が合っているか
  5. 特定技能の場合は本人と会社の要件を満たしているか
  6. 点呼、安全教育、事故報告を理解できるか
  7. 採用後の期限管理と届出を行えるか

在留資格と運転免許は、それぞれ別の制度です。

どちらか一方だけで判断せず、在留カード、免許証、車検証、担当業務を一緒に照合することで、採用後に乗務させられない事態を防げます。

外国人ドライバーの採用についてご相談ください

外国人ドライバーの採用では、在留資格の確認、運転免許と車両の照合、特定技能の会社側要件、採用後の運行管理を順番に整理する必要があります。

いしかわ行政書士事務所では、外国人ドライバーの採用を検討している運送会社向けに、会社側で確認すべき事項を整理します。

在留申請の代理、社会保険・労務手続き、特定技能外国人への支援実施は、それぞれの専門家や登録支援機関の業務と区別して進めます。

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出典

出入国在留管理庁「在留資格一覧表」
出入国在留管理庁「資格外活動許可について」
出入国在留管理庁「自動車運送業分野の『特定技能1号』になるための準備活動」
国土交通省「自動車運送業分野における特定技能外国人の受入れについて」
国土交通省「自動車運送業分野・特定技能Q&A」
国土交通省「特定技能制度(自動車運送業分野)」

この記事は、2026年8月時点の在留資格制度、自動車運送業分野の特定技能制度および運転免許の要件をもとに作成しています。特定技能の試験、準備期間、受入れ会社の要件、協議会加入方法などが変更された場合は、記事内容を見直してください。

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