外国人ドライバーを雇いたい|採用できる在留資格とできない在留資格

この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。

外国人からトラックドライバーとして応募があったとき、最初に確認するのは在留資格です。

「日本で働ける外国人だから採用できる」

「就労可能と書いてあるからトラックにも乗せられる」

とは限りません。

外国人ドライバーを採用するときは、

  1. 今の在留資格でトラック運転業務ができるか
  2. 日本で有効な運転免許を持っているか
  3. 乗務予定の車両と免許区分が合っているか
  4. 特定技能なら本人と会社の両方が要件を満たすか

を分けて確認します。

まず在留資格だけで見ると、主な判断は次のとおりです。

在留資格トラックドライバーとして採用
永住者可能
定住者可能
日本人の配偶者等可能
永住者の配偶者等可能
特定技能1号(自動車運送業・トラック)要件を満たせば可能
技術・人文知識・国際業務原則不可
技能実習そのままでは不可
留学フルタイムドライバーは不可
家族滞在フルタイムドライバーは不可
特定技能1号の他分野そのままでは不可
特定活動指定された活動内容による

候補者から在留資格名を聞くだけではなく、在留カードの原本を確認して判断します。

最初に在留カードのどこを見る?

採用前には、在留カードで少なくとも次を確認します。

  • 在留資格
  • 在留期間の満了日
  • 就労制限の有無
  • 資格外活動許可の有無
  • カード自体の有効期間
  • 本人の顔写真

特に重要なのが「在留資格」と「就労制限の有無」です。

ただし、「就労可」と理解できる場合でも、在留資格によって認められている仕事は違います。

たとえば「技術・人文知識・国際業務」は就労資格ですが、トラック運転を主な仕事として認める在留資格ではありません。

「働けるか」ではなく「ドライバーとして働けるか」まで確認します。

永住者はトラックドライバーとして採用できる

永住者は、在留資格による職種の制限を受けません。

そのため、日本で有効な運転免許を持ち、乗務するトラックに必要な免許区分を満たしていれば、在留資格上はトラックドライバーとして採用できます。

特定技能へ変更する必要もありません。

ただし、永住者だから在留カードの確認が不要になるわけではありません。

永住者には在留期間そのものの満了日はありませんが、在留カードには有効期間があります。

採用時にはカード原本と本人を確認します。

定住者もトラックドライバーとして採用できる

定住者も、在留資格による職種制限がないため、トラックドライバーとして採用できます。

ただし、永住者とは違い在留期間があります。

採用前には、

  • 在留資格が「定住者」になっているか
  • 就労制限の記載
  • 在留期限
  • 在留カードの有効期間
  • 更新時期
  • 日本の運転免許

を確認します。

採用時に有効でも、在留期限が数か月後ということもあります。

入社後も期限管理が必要です。

日本人の配偶者等・永住者の配偶者等も採用できる

「日本人の配偶者等」と「永住者の配偶者等」も、身分・地位に基づく在留資格です。

職種の制限がないため、トラックドライバーとして働くことができます。

ここでも特定技能への変更は不要です。

ただし、

「日本人と結婚していると言っている」

だけで判断しません。

在留カードに記載されている現在の在留資格を確認します。

離婚や死別などによって、その後の在留資格に影響する場合もあるため、本人の家族関係ではなく、現在有効な在留資格で判断します。

特定技能1号なら要件を満たせばトラックドライバーとして採用できる

自動車運送業分野は、特定技能1号の対象分野です。

トラック区分では、事業用トラックの運転と、それに付随する業務へ従事できます。

特定技能で採用する場合は、

  • 外国人本人の要件
  • 運送会社側の要件

の両方を確認します。

外国人本人に必要な主な要件

トラック運転者の場合、主に次を確認します。

  • 自動車運送業分野特定技能1号評価試験(トラック)の合格
  • 日本で有効な第一種運転免許
  • 国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上
  • 特定技能1号の在留資格

日本語試験については、一定の技能実習2号良好修了者には免除の扱いがあります。

一方、特定技能評価試験や日本の運転免許まで自動的に免除されるわけではありません。

外国のトラック免許だけでは日本の営業用トラックに乗れない

海外で大型トラックを運転していた経験があっても、それだけで日本の事業用トラックに乗務できるわけではありません。

日本で有効な第一種運転免許が必要です。

さらに、

  • 準中型
  • 中型
  • 大型
  • けん引

など、実際に乗務させる車両に応じた免許区分も確認します。

在留資格が問題なくても、4トン車や大型車に必要な免許を持っていなければ、その車両には乗せられません。

在留資格と運転免許は別の確認です。

海外から採用する場合は免許取得前の準備期間がある

海外にいる外国人を特定技能のトラック運転者として採用する場合、日本へ来てから日本の運転免許を取得する必要があるケースがあります。

そのため、自動車運送業分野では、運転免許取得などの準備を行うための「特定活動」が設けられています。

トラック運転者については、この準備期間を利用して日本の第一種免許取得などを進める方法があります。

ただし、この「特定活動」の期間中から特定技能トラックドライバーとして自由に乗務できるという意味ではありません。

日本の免許取得と特定技能への在留資格変更を順番に進めます。

特定技能で採用するときは会社側にも要件がある

外国人本人が試験に合格していても、それだけでは採用できません。

トラック事業者側にも要件があります。

主なものとして、

  • 自動車運送業分野特定技能協議会への加入
  • 働きやすい職場認証制度またはGマーク制度の認証
  • 特定技能外国人を適切に支援できる体制
  • 特定技能雇用契約が基準を満たすこと

などを確認します。

2026年4月にも自動車運送業分野の特定技能に関する基準改正が行われています。

そのため、採用時には過去の記事や古いチェックリストだけで判断せず、最新の要件を確認します。

Gマークがなくても特定技能外国人を採用できる場合がある

トラック事業者の場合、特定技能外国人の受入れ要件として、Gマークだけが唯一の方法ではありません。

国土交通省の制度概要では、

  • 働きやすい職場認証制度
  • Gマーク制度

のいずれかの認証取得等が示されています。

つまり、

「Gマークがないから外国人ドライバーを絶対に採用できない」

とは限りません。

自社がどちらの認証で要件を満たすかを確認します。

技術・人文知識・国際業務の外国人は原則ドライバーにできない

「技術・人文知識・国際業務」は、運送会社でもよく目にする就労資格です。

しかし、この在留資格は、専門的な知識や外国文化を基盤とする業務を対象としています。

たとえば運送会社なら、

  • 海外取引
  • 通訳・翻訳
  • 貿易事務
  • システム管理
  • 専門知識を使う企画業務

などが対象になる可能性があります。

トラック運転を主な仕事とする在留資格ではありません。

そのため、

「技人国だから就労可能」

としてドライバーに配置することは避けます。

繁忙期だけトラックに乗せるのも注意する

普段は通訳や事務をしている外国人を、

「今月だけ人が足りないから配送へ」

と配置する場合も注意が必要です。

在留資格は雇用先の会社名だけではなく、実際に行う活動内容との適合性で判断されます。

「運送会社で雇っているから、会社の仕事なら何でもできる」

というわけではありません。

技能実習のままトラックドライバーにはできない

技能実習の在留資格は、技能実習計画に基づいて決められた技能等を修得するための制度です。

技能実習の在留資格のまま、一般貨物自動車運送事業のトラックドライバーとして配置することはできません。

トラックドライバーとして働かせる場合は、特定技能1号など、運転業務が認められる在留資格への変更を検討します。

技能実習2号を良好に修了している場合は、特定技能の日本語試験が免除される扱いがあります。

ただし、

  • 特定技能評価試験
  • 日本の運転免許
  • 在留資格変更
  • 会社側の受入れ要件

を別に確認します。

留学・家族滞在ではフルタイムドライバーとして採用できない

「留学」や「家族滞在」は、原則として就労を目的とする在留資格ではありません。

資格外活動許可があれば、一定範囲でアルバイトをすることは可能です。

しかし、資格外活動許可は通常、週28時間以内などの制限があります。

そのため、

「資格外活動許可があるから正社員ドライバーとして採用できる」

とは判断できません。

一般貨物のトラックドライバーとしてフルタイムで勤務させるなら、トラック運転業務が可能な在留資格が必要です。

特定技能1号でも他分野ならそのまま乗せられない

在留カードに「特定技能1号」と書いてあれば、どの特定技能分野でもトラックドライバーとして働けるわけではありません。

特定技能は分野・業務区分ごとに認められる活動が決まっています。

たとえば、

  • 外食業
  • 介護
  • 建設
  • 工業製品製造業

など、別分野の特定技能外国人を、その在留資格のままトラックドライバーへ配置することはできません。

自動車運送業分野のトラック区分として必要な手続きを確認します。

「特定活動」は在留カードだけでは採用可否を判断できない

「特定活動」は少し扱いが違います。

特定活動は、法務大臣が外国人ごとに活動内容を指定する在留資格です。

そのため、在留カードに「特定活動」と書かれているだけでは、

「ドライバーとして採用できる」

とも、

「働けない」

とも判断できません。

旅券に添付された指定書などで、具体的に何の活動が認められているか確認します。

特に、自動車運送業分野の特定技能へ移行するための準備活動と、実際に特定技能ドライバーとして就労できる状態は分けて考えます。

採用できる在留資格でも免許が合わなければ乗せられない

ここは在留資格の記事で見落としやすいところです。

たとえば永住者なら、在留資格上は大型トラックを運転する仕事に就くことができます。

しかし、本人が普通免許しか持っていなければ大型トラックには乗れません。

採用前に、

  • 運転免許証
  • 有効期限
  • 免許区分
  • 条件欄
  • 乗務予定車両の車両総重量
  • 最大積載量
  • けん引の有無

を確認します。

「外国人を雇えるか」という問題を、

在留資格だけで終わらせないことが重要です。

在留資格は問題なくても日本語確認は必要

永住者や定住者などには、日本語能力試験に合格しなければドライバーになれないという在留資格上の条件はありません。

しかし、運送会社としては別の問題があります。

ドライバーは、

  • 点呼
  • 運行指示
  • 安全教育
  • 荷主からの指示
  • 道路標識
  • 事故・故障時の連絡
  • 労働時間や休憩の指示

などを理解する必要があります。

在留資格上働けることと、安全に運行できることは別です。

採用面接では、実際の業務で必要になる日本語コミュニケーションも確認します。

採用前にこの順番で確認する

外国人ドライバーを採用するときは、次の順番で見ると整理しやすくなります。

  1. 在留カード原本を確認する
  2. 在留資格を確認する
  3. 就労制限を確認する
  4. 在留期限を確認する
  5. トラック運転業務が可能な資格か判断する
  6. 日本の運転免許を確認する
  7. 乗務予定車両と免許区分を照合する
  8. 特定技能なら本人の試験要件を確認する
  9. 特定技能なら会社側の認証・協議会・支援体制を確認する
  10. 実際の担当業務を雇用条件と合わせる
  11. 採用後の在留期限・免許期限を管理する
  12. 外国人雇用状況の届出など採用後の手続きを確認する

最初にこの順番で確認すれば、

「採用した後にドライバーとして乗せられないことが分かった」

という事態を防ぎやすくなります。

応募者ごとの自己判定

応募者の状態最初の判断
永住者+必要な日本免許あり採用を進めやすい
定住者+必要な日本免許あり在留期限も確認
日本人の配偶者等+必要な日本免許あり採用を進めやすい
特定技能・自動車運送業+要件充足会社側要件も確認
技人国ドライバー採用は原則不可
技能実習在留資格変更等を確認
留学・家族滞在フルタイム採用不可
他分野の特定技能自動車運送業への変更を確認
特定活動指定書の内容を確認
在留資格は問題ないが免許不足必要免許取得まで乗務不可

「外国人だから」という一括りではなく、一人ずつ現在の在留資格と免許から判断します。

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まとめ

外国人ドライバーを採用するときは、まず現在の在留資格でトラック運転業務ができるか確認します。

永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等は、在留資格による職種制限がないため、必要な日本の運転免許を持っていればトラックドライバーとして採用できます。

特定技能1号の自動車運送業分野でも、本人と会社が要件を満たせばトラック運転者として採用できます。

一方、

  • 技術・人文知識・国際業務
  • 技能実習
  • 留学・家族滞在
  • 他分野の特定技能

などは、その在留資格のまま一般貨物のトラックドライバーとして配置できるとは限りません。

採用前は、

「在留資格」

「日本の運転免許」

「実際に担当させる仕事」

の3つを一緒に確認します。

外国人ドライバーを採用する前に確認したい方へ

「応募者の在留資格でトラックに乗せてよいか分からない」

「特定技能で採用したいが会社側の準備ができているか分からない」

「在留資格は問題なさそうだが、免許まで含めて一度確認したい」

という場合は、採用を決める前に候補者と会社の状況を整理します。

いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、外国人ドライバー採用前の在留資格・運転免許・会社側要件の確認整理に対応しています。

当事務所の対応は、雇用前の確認・整理が中心です。

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出典

出入国在留管理庁|在留資格一覧表

出入国在留管理庁|自動車運送業分野

出入国在留管理庁|特定技能の自動車運送業分野に特有の事情に鑑みて定める基準の改正について

国土交通省|自動車運送業分野における特定技能外国人の受入れについて

国土交通省|特定技能制度における自動車運送業分野の制度概要

国土交通省|自動車運送業分野特定技能協議会

この記事は、2026年9月時点の在留資格制度、自動車運送業分野の特定技能制度および運転免許制度をもとに作成しています。

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