駐車場造成でも盛土規制法の許可が必要になる?

この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。

「田畑を駐車場にするために土を入れたい」

「道路より土地が低いので、地盤を上げてから舗装したい」

このような駐車場造成では、盛土規制法の許可が必要になることがあります。

ただし、

駐車場をつくる

盛土規制法の許可が必要

というわけではありません。

確認するのは、駐車場という用途ではなく、

  • 計画地が盛土規制法の規制区域内か
  • 駐車場造成で盛土・切土を行うか
  • 盛土・切土の高さはどの程度か
  • 工事をする面積は何㎡か
  • 崖が生じるか

という点です。

アスファルト舗装するだけで盛土・切土をほとんど行わないケースと、田畑を50cm以上かさ上げして駐車場にするケースでは、盛土規制法上の判断が変わります。

この記事では、愛知県で駐車場を造成するときに盛土規制法の許可が必要になるケースと、工事前に確認したいポイントを整理します。

駐車場造成も盛土規制法の対象になることがある

盛土規制法は、住宅を建てるための宅地造成だけを対象とする法律ではありません。

愛知県は、一定規模以上の土地の形質の変更である盛土・切土について、土地の用途にかかわらず許可対象になると案内しています。

そのため、

  • 月極駐車場
  • 店舗の来客用駐車場
  • 会社の従業員用駐車場
  • トラックなど事業用車両の駐車場

を造成する場合でも、一定規模以上の盛土・切土を行えば盛土規制法が関係します。

重要なのは、完成後の土地を何に使うかではなく、造成工事で土地をどの程度変更するかです。

愛知県公式:盛土規制法で許可が必要になる工事を確認する

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舗装するだけなら必ず盛土規制法の許可が必要になるわけではない

駐車場工事というと、

砕石を敷く
アスファルトを施工する
ラインを引く

といった作業をイメージします。

しかし、盛土規制法で主に確認するのは、盛土・切土などによる土地の形質変更です。

すでに平坦な土地について、大きな盛土や切土をせず舗装するだけであれば、舗装工事そのものを理由として盛土規制法の許可が必要になるわけではありません。

一方、

田畑から駐車場にするため土地をかさ上げする
道路との高さを合わせるため土を入れる
傾斜した土地を切土して平らにする
切土と盛土を組み合わせて駐車場を造成する

場合は、盛土規制法の対象になる可能性があります。

したがって、

「駐車場を舗装するか」

よりも、

「舗装する前にどのような造成をするか」

を確認することが重要です。

田畑を駐車場にする場合は造成高さと面積を確認する

例えば、田畑600㎡を駐車場にするケースを考えます。

現在の地盤が道路より低いため、駐車場全体を50cm程度かさ上げするとします。

この場合、

駐車場だから許可

ではなく、

600㎡の範囲について、工事前後でどの程度地盤面が変わるのか

を確認します。

愛知県では、宅地造成等工事規制区域の面積基準について、標高差が30cmを超える部分の面積が500㎡を超える場合に許可対象となる考え方を示しています。

したがって、600㎡の駐車場造成で、500㎡を超える範囲について30cmを超えて地盤を変更するのであれば、面積基準から許可対象になる可能性があります。 :contentReference[oaicite:1]{index=1}

反対に、敷地全体が600㎡あるという理由だけで直ちに許可が必要になるわけではありません。

どの範囲で、工事前後の地盤高さが変わるのかを確認します。

面積が500㎡以下でも高さによって許可対象になることがある

駐車場の造成面積が小さければ盛土規制法は関係ない、とは限りません。

宅地造成等工事規制区域では、面積基準とは別に、盛土・切土によって生じる崖の高さなどにも許可基準があります。

例えば、小規模な土地であっても、

高低差がある敷地を大きく盛土する
切土によって高い崖をつくる

といった場合は、高さの基準から許可対象になる可能性があります。

つまり、

面積
または
高さ

のどちらか一方だけを見るのではなく、両方を確認します。

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盛土規制法は何㎡・何mから許可が必要?高さ・面積の基準を解説

まず駐車場予定地が規制区域内か確認する

盛土規制法の許可基準を確認する前に、まず計画地が規制区域に入っているかを確認します。

愛知県では2025年5月9日から規制区域を指定し、盛土規制法の運用を開始しています。

規制区域には、

  • 宅地造成等工事規制区域
  • 特定盛土等規制区域

があります。

どちらの区域に該当するかによって、許可・届出の対象規模が異なります。

同じ600㎡の駐車場造成でも、区域によって必要な手続きが変わる可能性があります。

愛知県公式:盛土規制法の規制区域を確認する

駐車場造成で確認したい具体例

田畑をかさ上げして駐車場にする

盛土規制法が関係しやすいケースです。

道路との高低差をなくすために土を入れる場合は、

  • 盛土する高さ
  • 盛土する面積
  • 崖が生じるか

を確認します。

傾斜地を削って駐車場にする

切土も盛土規制法の対象です。

斜面を切って平坦な駐車場をつくる場合は、

  • 切土によって生じる崖の高さ
  • 切土面積

を確認します。

切土した土を敷地内の低い部分へ移す

一つの駐車場工事でも、切土と盛土の両方を行う場合があります。

この場合は、切土だけ、盛土だけで判断するのではなく、工事計画全体で許可要否を確認します。

既存の舗装駐車場を再舗装する

大きな土地の形質変更を行わず、既存舗装を撤去して再舗装するだけであれば、盛土規制法の許可対象となる盛土・切土がないケースも考えられます。

ただし、舗装下の路盤改良や地盤高変更を伴う場合は、その工事内容を確認します。

「砕石を入れるだけ」でも高さと面積を確認する

アスファルト舗装をしなければ盛土にはならない、というわけでもありません。

例えば駐車場造成で、

土を入れる
砕石を入れる
地盤を締め固める

ことによって地盤面を高くする場合があります。

盛土規制法では土地の形質変更を見るため、

「アスファルトではない」
「砕石仕上げだから大丈夫」

だけでは判断できません。

完成後の舗装種類ではなく、工事前後で地盤がどのように変化するかを確認します。

駐車場造成では盛土規制法以外の手続きも確認する

田畑などを駐車場にする場合、盛土規制法だけ確認すればよいとは限りません。

計画地や工事内容によっては、

  • 農地転用
  • 開発許可
  • 雨水浸透阻害行為許可
  • 道路に関する許可
  • 河川・水路関係の手続き

などが関係することがあります。

特に三河地域では、雨水浸透阻害行為の対象流域に入る場所があります。

田畑を一定規模以上の駐車場へ変更する場合は、

盛土規制法

雨水浸透阻害行為

の両方について確認が必要になるケースもあります。

盛土規制法だけで「工事できる」と判断するのではなく、土地利用全体から必要な許認可を確認します。

開発許可が必要な場合はみなし許可も確認する

駐車場造成に都市計画法の開発許可が関係するケースでは、盛土規制法との関係も確認します。

盛土規制法では、一定の場合、都市計画法の開発許可を受けることで盛土規制法の許可を受けたものとみなす制度があります。

その場合、盛土規制法について別途同じ許可申請をするわけではありません。

ただし、盛土規制法の技術基準や許可後の手続きが関係する場合があります。

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盛土規制法と開発許可の違い|両方関係するケース

駐車場造成ではこの順番で確認する

駐車場をつくる場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

順番確認すること
1計画地が盛土規制法の規制区域内か
2宅地造成等工事規制区域か特定盛土等規制区域か
3現在の地盤と計画後の地盤高
4盛土を行う範囲・高さ
5切土を行う範囲・高さ
6崖が生じるか
7工事面積が何㎡になるか
8許可・届出・手続不要のどれか
9開発許可・農地転用・雨水許可などが関係しないか

愛知県は許可要否を確認するための判定チェックシートを公開しています。

愛知県公式:盛土規制法の許可要否判定チェックシートを確認する

工事会社へ見積もりを頼む段階で高さと面積を確認する

駐車場造成で盛土規制法の確認が遅れる原因の一つは、

「駐車場をつくること」

だけが先に決まり、

「どの程度土を動かすのか」

が後回しになることです。

例えば、

土地を購入

駐車場工事を発注

造成図を作成

盛土規制法の許可が必要と判明

となれば、工期や造成計画に影響する可能性があります。

そのため、工事会社や設計者へ相談するときは、

  • 現況高さ
  • 計画高さ
  • 盛土量
  • 切土量
  • 造成範囲

も確認しておくと、盛土規制法の判断がしやすくなります。

駐車場だからではなく「造成内容」で判断する

駐車場造成で盛土規制法の許可が必要になるかどうかは、

「駐車場をつくるか」

では決まりません。

確認するのは、

現在の土地

どの範囲を造成するか

どの程度盛土・切土するか

高さ・面積が基準を超えるか

です。

特に、

  • 田畑を駐車場にする
  • 道路より低い土地をかさ上げする
  • 傾斜地を平らにする
  • 500㎡前後を造成する

場合は、工事を進める前に盛土規制法の許可要否を確認しておくことが重要です。

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盛土規制法の許可申請|必要書類・図面・手続きの流れ

愛知県三河の駐車場造成・盛土規制法についてご相談ください

いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、盛土規制法を含む土地利用に関する許認可手続きのご相談を受けています。

「田畑を駐車場にしたい」
「道路との高低差をなくすため土を入れる予定がある」
「駐車場工事が盛土規制法の対象か分からない」
「盛土規制法以外に必要な許認可も整理したい」

という場合は、計画地、造成範囲、現況高さ、計画高さ、盛土・切土の内容などを確認しながら必要な手続きを整理します。

許可が必要か分からない段階でもご相談ください。

お気軽にお問い合わせください

0566-68-5511

営業時間 9:00-21:00(土・日・祝日も対応)

出典

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この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。

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