
この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。
盛土規制法の許可が必要だと分かったあと、
「申請には何をそろえればいい?」
「造成図面があれば申請できる?」
「住民への説明はいつ行う?」
「工事会社が決まってから申請するの?」
と、実際の申請準備で迷うことがあります。
盛土規制法の許可申請では、申請書だけでなく、
- 土地の位置や範囲を示す資料
- 盛土・切土の計画図面
- 擁壁・排水施設などの設計資料
- 土地所有者等の同意関係書類
- 周辺住民への周知を行ったことを示す資料
- 工事主の資力・信用に関する資料
- 工事施行者の能力に関する資料
などを整理します。
工事内容によっては、設計者の資格に関する書類も必要です。
そのため、
申請書を作る
↓
図面を集める
というより、
計画地と工事内容を整理
↓
許可要否を確認
↓
設計・図面を固める
↓
土地所有者等の同意・住民周知
↓
必要書類をそろえる
↓
許可申請
という順番で進める方が分かりやすくなります。
この記事では、愛知県で盛土規制法の許可申請をするときの必要書類、図面、事前相談から許可後までの流れを整理します。
まず許可が必要な工事か確認する
許可申請書を作る前に、そもそも盛土規制法の許可対象となる工事か確認します。
愛知県では、盛土規制法の規制区域内で一定規模以上の盛土・切土や土石の堆積を行う場合、あらかじめ許可または届出が必要です。
判断では、
- 宅地造成等工事規制区域か
- 特定盛土等規制区域か
- 盛土・切土・土石の堆積のどれか
- 高さは何mか
- 面積は何㎡か
- 崖が生じるか
などを確認します。
愛知県は許可要否を確認するための判定チェックシートを公開しています。
愛知県公式:盛土規制法の許可要否判定チェックシートを確認する
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許可申請前に事前相談を行う
愛知県では、盛土規制法の許可申請等について事前相談を受け付けています。
県が直接所管する地域については、原則として電子メールによる相談となっています。
事前相談では、少なくとも、
- 位置図
- 土地の平面図
を用意します。
相談内容によっては、
- 土地の断面図
- 土地の求積図
- 擁壁関係の図面
- 排水施設関係の図面
- 現況写真
- 許可要否判定チェックシート
なども添付します。
平面図では、盛土・切土を行う部分だけでなく、
- 工事面積
- 現況地盤高
- 計画地盤高
- 崖の位置
など、相談内容を判断できる情報を記載します。
つまり、事前相談の段階でも「住所と工事概要だけ伝える」というより、ある程度具体的な造成計画が必要です。
愛知県内でも申請・相談窓口は同じではない
愛知県内のすべての市町村について、愛知県庁が直接許可申請を処理するわけではありません。
名古屋市は政令指定都市、豊橋市・豊田市・岡崎市・一宮市は中核市として、それぞれの市が所管します。
また、愛知県から許可権限を移譲されている事務処理市もあります。
三河地域では、
- 碧南市
- 刈谷市
- 安城市
- 西尾市
- 知立市
- 豊川市
- 田原市
などが事務処理市として案内されています。
したがって、申請書を準備する前に、計画地を所管する窓口を確認します。
愛知県の手引や様式を参考にできる場合でも、実際の相談方法や提出方法は申請先へ確認して進めます。
盛土規制法の許可申請に必要になる主な書類
愛知県は、許可申請用のチェックリストと申請様式を公開しています。
宅地造成または特定盛土等の許可申請で使用する主な書類には、次のようなものがあります。
| 書類 | 主な内容 |
|---|---|
| 工事の許可申請書 | 工事主、土地、工事内容など |
| 資金計画書 | 工事に必要な資金計画 |
| 設計者の資格に関する申告書 | 対象工事で必要となる設計者の資格 |
| 同意を得たことを証する書類 | 土地所有者等の同意 |
| 工事主の資力及び信用に関する申告書 | 工事主の資力・信用 |
| 工事施行者の能力に関する申告書 | 施工能力の確認 |
| 暴力団等に該当しない旨の誓約書 | 工事主等に関する確認 |
| 住民への周知措置を講じたことを証する書類 | 許可申請前に実施した住民周知 |
土石の堆積については、宅地造成・特定盛土等とは別の許可申請書・資金計画書が用意されています。
申請する工事の種類に合わせて様式を選びます。
愛知県公式:盛土規制法の許可申請チェックリスト・申請様式を見る
土地所有者等の同意を確認する
許可申請では、工事を行う土地について権利を有する者の同意を確認します。
土地所有者だけを見ればよいとは限りません。
計画地の権利関係を確認し、工事について同意が必要となる権利者を整理します。
申請直前になって権利関係を調べ始めると、同意取得に時間がかかることがあります。
そのため、
計画地を確定
↓
権利関係を確認
↓
必要な同意を整理
という作業は早い段階で進めておく方がよいでしょう。
愛知県は「同意を得たことを証する書類」の様式も公開しています。
許可申請前に周辺住民への周知を行う
盛土規制法では、許可を申請する前に周辺地域の住民へ工事内容を周知します。
土地所有者等の同意とは別の手続きです。
周知方法には、
- 説明会
- 書面の配布
- 掲示とインターネットによる閲覧
などがあります。
申請時には、住民への周知措置を講じたことを証する資料を提出します。
したがって、
申請
↓
住民周知
ではなく、
工事計画を整理
↓
住民周知
↓
周知記録を作成
↓
許可申請
という順番です。
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許可申請で必要になる主な図面
盛土規制法の申請では、工事の安全性や規模を確認するため複数の図面を使用します。
工事内容によって異なりますが、確認することが多い図面・資料には、
- 位置図
- 地形図
- 土地の平面図
- 土地の断面図
- 求積図
- 排水施設に関する図面
- 擁壁等の構造図
- 盛土・切土の施工計画を示す図面
などがあります。
図面で重要なのは、
「盛土部分を描いてある」
だけではありません。
例えば平面図で600㎡を盛土するとしているのに、求積図では550㎡になっていれば申請資料の整合が取れません。
また、
平面図の計画地盤高
↓
断面図の高さ
↓
盛土・切土の数量
↓
擁壁や排水施設の設計
が一つの工事計画としてつながっている必要があります。
平面図では現況と計画後の地盤高を確認する
愛知県の事前相談でも、土地の平面図は必須資料とされています。
平面図には、相談内容に応じて、
- 盛土・切土を行う土地の範囲
- 面積
- 現況地盤高
- 計画地盤高
- 崖の位置
- 擁壁の位置
などを示します。
盛土規制法では、高さ・面積が許可要否に直接関係します。
そのため平面図は、単に工事場所を示す図面ではなく、
「どこを、どのくらい造成するのか」
を確認するための基礎資料になります。
断面図では工事前後の高さを確認する
土地の断面図では、盛土・切土をする前後の地盤面を確認します。
例えば、
現況地盤
↓
どこを切るか
↓
どこに土を盛るか
↓
計画地盤がどの高さになるか
を断面で示します。
駐車場造成などでも、平面図だけを見ると「500㎡造成する」ということしか分からなくても、断面図を見ることで、
「実際にはどの場所を何cm・何m上げるのか」
が確認できます。
愛知県の事前相談では、平面図だけで相談内容を把握できる場合には断面図を省略できるとしていますが、本申請で必要となる図面は工事内容・技術審査に応じて判断します。
排水・擁壁などの技術基準も審査される
許可申請では、盛土の高さと面積だけが審査されるわけではありません。
盛土等による災害を防止するため、
- 地盤
- 擁壁
- 崖面
- 排水施設
- 盛土の施工方法
などについて技術基準に適合する必要があります。
そのため、工事規模や地形によっては、
「申請書を作れば許可が取れる」
という手続きではなく、設計内容そのものを検討する必要があります。
愛知県は許可申請等の手引とは別に「盛土規制法に係る設計指針」を公開しています。
設計者の資格が必要になる工事もある
盛土規制法では、一定規模を超える工事について、一定の資格を有する者による設計が必要になる場合があります。
その場合、申請時に設計者の資格に関する申告書や、資格を確認できる資料を準備します。
したがって、すべての盛土申請について、
「行政書士だけで図面・設計をすべて完結できる」
とは限りません。
造成設計、構造計算、測量等について他の専門家による対応が必要となる部分は、申請書作成業務と切り分けて進めます。
盛土規制法の許可申請の流れ
大まかな流れは次のようになります。
| 順番 | 主な作業 |
|---|---|
| 1 | 規制区域を確認 |
| 2 | 高さ・面積から許可要否を確認 |
| 3 | 計画地の所管窓口を確認 |
| 4 | 現況・造成計画を整理 |
| 5 | 必要に応じて事前相談 |
| 6 | 設計・図面を作成 |
| 7 | 土地所有者等の同意を取得 |
| 8 | 周辺住民へ事前周知 |
| 9 | 申請書・添付書類を整理 |
| 10 | 許可申請 |
| 11 | 審査・補正対応 |
| 12 | 許可後に工事へ進む |
| 13 | 対象工事では中間検査・定期報告 |
| 14 | 工事完了後に完了検査等 |
盛土規制法は、許可証を受け取ったところで手続きが終わる制度ではありません。
工事規模によっては、許可後にも中間検査・定期報告・完了検査が必要になります。
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盛土規制法の許可後に必要な手続き|中間検査・定期報告・完了検査
開発許可が関係する場合は申請を二重に考えない
都市計画法の開発許可が必要となる工事では、盛土規制法との関係も確認します。
一定の場合、開発許可を受けることで盛土規制法の許可を受けたものとみなされます。
そのため、
開発許可申請
+
盛土規制法の許可申請
を単純に2本並べて考えるのではなく、みなし許可になるかを確認します。
ただし、みなし許可となる場合でも盛土規制法の技術基準や許可後手続きが関係する場合があります。
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申請準備で最初にそろえておきたい資料
行政書士や設計者へ相談する場合も、最初に次の資料があると整理しやすくなります。
- 計画地の所在地
- 土地の範囲が分かる資料
- 現況図
- 造成計画図
- 現況地盤高
- 計画地盤高
- 盛土・切土を行う範囲
- 断面図
- 求積図
- 擁壁・排水計画が分かる資料
- 現況写真
すべて完成している必要はありません。
まず既存資料を確認して、
すでにある資料
↓
申請に利用できる資料
↓
不足している図面・設計
↓
誰が作成すべき資料か
を切り分けると進めやすくなります。
許可申請は工事日から逆算する前に計画を整理する
盛土規制法の申請では、
「工事開始日の何日前に申請すればよいか」
だけで考えない方がよいでしょう。
申請前には、
- 許可要否確認
- 事前相談
- 測量
- 設計
- 図面作成
- 権利関係確認
- 土地所有者等の同意
- 周辺住民への周知
- 添付書類の準備
などが必要になることがあります。
特に造成計画の修正が生じれば、図面・住民周知・申請資料の内容にも影響します。
土地利用や工事の計画段階から盛土規制法を確認しておく方が、後から工程を組み直すリスクを減らせます。
盛土規制法の許可申請は書類・図面・事前手続きを一体で進める
盛土規制法の許可申請では、
申請書
図面
設計
土地所有者等の同意
周辺住民への周知
を別々の作業として進めるのではなく、同じ造成計画をもとに整合させることが重要です。
例えば計画変更によって盛土範囲や高さが変われば、
図面
↓
求積
↓
技術設計
↓
周知内容
↓
申請内容
まで見直す必要が生じる可能性があります。
最初に工事全体を整理し、必要な専門家・資料・手続きの順番を決めてから進めると分かりやすくなります。
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愛知県三河の盛土規制法の許可申請についてご相談ください
いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、盛土規制法を含む土地利用に関する許認可手続きのご相談を受けています。
「盛土規制法の許可が必要と言われたが何を準備すればよいか分からない」
「造成図面はあるが申請に使えるか確認したい」
「住民周知や土地所有者等の同意を含めて手続きの順番を整理したい」
「設計者や工事会社と申請資料をどう分担すればよいか分からない」
という場合は、計画地、造成内容、現在お持ちの図面・資料などを確認しながら、申請に必要な手続きを整理します。
測量・構造設計など他の専門家による対応が必要な部分は、申請手続きと切り分けて確認します。
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出典
愛知県公式:愛知県における許可申請等の手続、愛知県公式:盛土規制法の申請様式、愛知県公式:盛土規制法の許可申請等に関する事前相談、愛知県公式:愛知県における規制区域、国土交通省公式:盛土規制法の概要
この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。
