土砂・残土を一時的に置くだけでも盛土規制法の許可が必要?

この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。

「残土を一時的に置くだけだから盛土規制法は関係ない」

「あとで搬出する土砂なので、盛土にはならない」

このように考えやすいところですが、盛土規制法では、土地を恒久的に造成する盛土だけでなく、一定規模以上の土石を一時的に堆積する行為も規制対象になります。

国土交通省も、盛土規制法では農地・森林の造成だけでなく、「土石の一時的な堆積」も含めて規制すると案内しています。

ただし、すべての一時置きに許可が必要になるわけではありません。

確認したいのは、

  • 計画地が規制区域内か
  • 土砂・残土をどこに置くのか
  • どのくらいの高さまで積むのか
  • 何㎡の範囲に置くのか
  • 工事現場内やその付近で一時的に置くものか
  • 別の土地を土砂置場・ストックヤードとして使用するのか

という点です。

この記事では、愛知県で土砂・残土を一時的に置く場合に、盛土規制法の許可や届出が必要になるケースを整理します。

一時的に置く土砂・残土も盛土規制法の対象になる

盛土規制法では、盛土・切土による土地の形質変更だけでなく、「土石の堆積」も規制対象とされています。

愛知県も、一定規模以上の

  • 土地の形質の変更
  • 土石の一時的な堆積

について、許可の対象になると案内しています。

つまり、

「土地を高くするための盛土ではない」
「工事が終わったら撤去する」
「一時的な残土置場として使うだけ」

という理由だけでは、盛土規制法の対象外とは判断できません。

土石を一定期間積み上げて保管する場合は、「土石の堆積」として規模を確認する必要があります。

愛知県公式:盛土規制法の許可・届出対象工事を確認する

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盛土規制法は何㎡・何mから許可が必要?高さ・面積の基準を解説

工事現場で発生した残土を現場内に置く場合は許可不要になることがある

「土石の一時的な堆積ならすべて許可が必要」というわけでもありません。

愛知県は、次のようなケースについて許可を要しないと明示しています。

工事の施工に付随して、

  • その工事で使用する土石
  • その工事で発生した土石

を、

  • その工事現場
  • またはその付近

に一時的に堆積する場合です。

例えば、造成工事で掘削した土を、工事工程の途中で同じ現場内に仮置きし、その後に埋め戻したり搬出したりするケースが考えられます。

このような工事に付随した一時仮置きについては、愛知県は許可不要としています。

愛知県公式:盛土規制法に関するよくある質問を見る

別の土地へ残土を運んで置く場合は注意する

一方で、工事現場から土砂を運び出し、別の土地を残土置場として使用する場合は考え方が変わります。

例えば、

工事現場Aで残土が発生

トラックで別の土地Bへ運搬

土地Bに数か月間保管

別工事へ搬出

という場合です。

これは「工事現場またはその付近に工事に付随して一時的に置く」というケースとは異なる可能性があります。

土地Bが盛土規制法の規制区域内にあり、土石の堆積が一定規模を超える場合には、許可や届出が必要になる可能性があります。

したがって、

「最後には撤去するから大丈夫」

ではなく、

「どこに、どの規模で、どのような目的で置くのか」

を確認する必要があります。

土石の堆積は高さと面積の両方を見る

土石の堆積についても、盛土・切土と同様に規模の基準があります。

愛知県では、規制区域が、

  • 宅地造成等工事規制区域
  • 特定盛土等規制区域

に分かれており、区域によって許可・届出対象となる規模が異なります。

宅地造成等工事規制区域では、一定の高さ・面積を超える土石の堆積が許可対象になります。

特定盛土等規制区域では、それより大きな規模が許可対象となる一方、許可基準に達しない一定規模の土石の堆積でも届出が必要になる場合があります。

そのため、

「面積だけ」
「高さだけ」

で判断せず、両方を確認します。

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土石を置く土地が規制区域に入っているか確認する

盛土規制法の許可要否を判断するには、最初に土石を堆積する土地が規制区域内かを確認します。

愛知県では2025年5月9日から盛土規制法に基づく規制を開始しています。

愛知県内でも、

  • 宅地造成等工事規制区域
  • 特定盛土等規制区域

のどちらに該当するかによって、許可・届出の基準が異なります。

また、名古屋市・豊田市など、県ではなく市が許可権者となる地域もあるため、計画地の所在地から窓口も確認します。

愛知県公式:盛土規制法の規制区域を確認する

「残土置場」「ストックヤード」は一時堆積として確認する

特に確認したいのが、事業として土砂を一時保管する場所です。

例えば、

  • 建設工事で出た残土を集める土地
  • 複数の工事現場から土砂を搬入する土地
  • 他の工事で使用するまで保管する土地
  • 資材置場の一部を土砂置場として使う
  • ストックヤードとして反復して土砂を搬入・搬出する

といったケースです。

このような場所では、単なる現場内の仮置きとは異なり、独立した「土石の堆積」として規制対象になる可能性があります。

また、盛土規制法以外にも、土地利用や残土に関する条例など別の規制が関係することがあります。

盛土規制法だけを確認して手続きを終わらせないことも重要です。

土石の堆積には工事期間も設定する

土石の一時的な堆積は、恒久的な盛土とは異なり、最終的に土石を撤去することを前提とした行為です。

そのため、申請では、

  • いつから堆積するか
  • いつまでに撤去するか
  • 最終的にどのような状態へ戻すか

といった工事期間も整理します。

愛知県の許可申請等の手引では、土石の堆積に関する許可について、工事期間を設定して手続きを行う仕組みになっています。

「とりあえず置いて、使い道が決まったら搬出する」という状態ではなく、搬入から撤去までを一つの計画として整理する必要があります。

一時的な残土置場でも安全対策が必要になる

土石を一時的に置く場合でも、崩落や流出を防ぐ必要があります。

土石の堆積では、

  • 土石を積む位置
  • 周囲との離隔
  • 堆積する高さ
  • 土石の流出防止
  • 排水
  • 工事区域への立入防止

などを確認します。

大量の土砂を積み上げれば、恒久的な盛土でなくても崩落や流出による危険があります。

盛土規制法が一時的な土石の堆積まで対象にしているのは、このような災害を防止するためです。

許可が必要かはこの順番で確認する

土砂や残土を一時的に置く場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

順番確認すること
1土石を置く土地が規制区域内か
2宅地造成等工事規制区域か特定盛土等規制区域か
3工事現場内・付近の仮置きか
4別の土地へ搬出して保管するのか
5堆積する高さは何mか
6堆積する土地の面積は何㎡か
7どのくらいの期間置くのか
8許可・届出・許可不要のどれになるか

特に重要なのは、3番です。

同じ「一時置き」でも、

工事現場で発生した土をその現場内で一時的に置く場合

と、

別の土地を残土置場として使用する場合

では、盛土規制法上の扱いが同じとは限りません。

愛知県は許可要否の判定チェックシートも公開しています。

愛知県公式:盛土規制法の許可要否判定チェックシートを確認する

「一時的だから大丈夫」ではなく置き方と場所を確認する

土砂や残土を一時的に置く場合に重要なのは、「あとで撤去するか」だけではありません。

まず、

工事現場内の仮置きなのか

別の土地を残土置場として使用するのか

規制区域内か

高さ・面積はどの程度か

を整理します。

特に、複数の工事現場から残土を受け入れる土地や、継続して土砂を搬入・搬出するストックヤードでは、工事現場内の単純な仮置きとは分けて確認する必要があります。

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愛知県三河の土砂・残土置場と盛土規制法についてご相談ください

いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、盛土規制法を含む土地利用に関する許認可手続きのご相談を受けています。

「残土を別の土地へ一時的に置きたい」
「ストックヤードが盛土規制法の対象になるか確認したい」
「工事現場内の仮置きなので許可不要なのか確認したい」
「土砂を置く前に必要な手続きを整理したい」

という場合は、土地の所在地、土砂の搬入元、堆積する高さ・面積、予定期間などを確認しながら必要な手続きを整理します。

許可や届出が必要か分からない段階でもご相談ください。

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出典

愛知県公式:盛土規制法に関するよくある質問愛知県公式:愛知県における許可申請等の手続愛知県公式:愛知県における規制区域国土交通省公式:盛土規制法の概要

この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。

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