
この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。
敷地の前に水路があり、そのままでは車が出入りできない。
このような場合、水路の上に橋や床版などを設けて、敷地への出入口をつくることがあります。
このとき確認したいのが、水路の占用許可です。
安城市では、市が管理する道路・水路に「通路(乗入れ口、鉄板敷による一時通路)」を設置する場合、占用申請を行い許可を受ける必要があると案内しています。
ただし、「水路」と呼ばれているものがすべて同じ制度で管理されているわけではありません。
- 河川法が適用される河川・準用河川
- 市町村が管理する水路
- 法定外公共物として管理されている水路
- 道路側溝
などによって、管理者や必要な申請が変わります。
この記事では、水路をまたいで車両や人の出入口をつくる場合に、どのような許可を確認すればよいか整理します。
水路の上に出入口をつくる場合は占用許可を確認する
水路の上へ橋、床版、鉄板などを設置し、民地への通路として継続的に利用する場合は、水路管理者への占用許可が必要になることがあります。
安城市では、市管理の道路・水路について、
- 通路・乗入れ口
- 鉄板敷による一時通路
- 排水管などの埋設
- その他の占用物
を設置する場合に占用申請が必要と案内しています。
つまり、
「自分の土地へ入るための出入口だから自由につくれる」
というわけではありません。
水路自体は公共用物であり、その上を個人や事業者が通路として使用する場合には、管理者の許可を確認する必要があります。
最初に確認するのは「その水路を誰が管理しているか」
出入口工事の前に最も重要なのは、水路の種類と管理者を確認することです。
見た目は同じ水路でも、
- 愛知県管理の河川
- 市町村管理の準用河川
- 市町村管理の水路
- 法定外公共物
- 道路施設としての側溝
などがあります。
愛知県は、道路法や河川法の適用を受けない里道・水路等を「法定外公共物」と説明しており、機能を有する法定外公共物については市町村へ譲与されています。
そのため、水路をまたいで出入口をつくりたい場合は、まず市町村や河川管理者へ、
「この水路は何として管理されているか」
を確認します。
河川法が適用される水路・河川では河川法の許可が関係する
対象が河川法の適用を受ける河川であれば、市町村の一般的な水路占用とは別に、河川法に基づく許可を確認します。
例えば、河川区域内に橋などの工作物を設置する場合には、河川法第26条の工作物設置許可が関係することがあります。
さらに、工作物を設置するために河川区域内の土地を占用する場合は、河川法第24条の土地占用許可も関係する場合があります。
愛知県の河川占用手続では、土地の占用と工作物の新築・改築について、第24条・第26条に関する申請様式が用意されています。
したがって、
「水路に橋を架ける」
↓
必ず市役所の水路占用
とは限りません。
河川法の対象であれば、河川管理者への河川占用・工作物設置許可として扱われます。
関連記事
河川区域に工作物を設置するときの許可|河川法24条・26条とは(post-2839)
市町村管理の水路では法定外公共用物等の占用になる場合がある
河川法が適用されない水路では、市町村の条例や規則に基づく占用許可となる場合があります。
例えば安城市では、市管理の水路に工作物・施設等を設けて継続使用する場合、法定外公共用物等占用許可申請書などを提出して許可を受ける仕組みがあります。
申請から許可書発行まで10~14営業日程度必要と案内されています。
申請時には、
- 位置図
- 平面図
- 断面図
- 構造図
- 現況写真
など、占用内容を確認できる資料を準備します。
水路をふさげばよいわけではない
出入口をつくる場合でも、水路本来の排水機能を維持する必要があります。
例えば、
- コンクリート床版を架ける
- ボックスカルバートを設置する
- 管渠を設置してその上を通路にする
といった構造が考えられます。
ただし、どの構造を採用できるかは、水路幅、水深、流量、維持管理方法、現場条件などによって異なります。
単純に水路を埋めてしまうと、排水能力を低下させたり、維持管理ができなくなったりするため、管理者が認める構造にする必要があります。
出入口の幅についても、希望する幅がそのまま認められるとは限りません。
申請では平面図・断面図・構造図が重要になる
水路をまたぐ出入口では、どこに、どのような構造物を設けるかを図面で示します。
主に確認する資料は次のようなものです。
| 図面・資料 | 主に確認する内容 |
|---|---|
| 位置図 | 計画地と水路の場所 |
| 平面図 | 水路・敷地・出入口の位置関係 |
| 横断図 | 水路幅、深さ、出入口構造 |
| 構造図 | 床版・管渠等の構造、寸法 |
| 求積図 | 占用範囲・占用面積 |
| 現況写真 | 現在の水路・敷地状況 |
河川法に基づく工作物設置・占用の場合も、愛知県は実測平面図、工作物の設計図、工事方法を記載した図書、占用面積計算書、現況写真、工程表などを添付資料として案内しています。
関連記事
河川占用許可に必要な図面とは?平面図・縦断図・横断図を解説(post-2843)
出入口をつくると道路側の手続きが必要になる場合もある
水路の反対側が道路になっている場合には、水路占用だけで手続きが終わらないことがあります。
例えば、
道路
↓
道路側溝・水路
↓
民地
という配置で、自動車の出入口を新設するケースです。
県管理道路では、自動車乗入口の設置は道路法第24条に基づく道路工事承認の対象として案内されています。
つまり、
水路をまたぐための占用
+
道路へ車両出入口を設けるための道路工事承認
の両方が関係する場合があります。
水路だけを見るのではなく、接続する道路側の工事内容も確認します。
建物を建てる場合は水路占用許可の有無が建築手続きにも関係することがある
敷地への接道・出入口として水路をまたぐ場合は、建築計画とも関係します。
碧南市の建築等許可申請の添付図書でも、水路占用許可や道路承認工事など他法令の手続きがある場合には、その申請状況や許可書の写しを確認する運用が示されています。
つまり、
建物の設計を進める
↓
最後に出入口を確認
↓
水路占用が必要と分かる
という順番では、建築計画そのものに影響する可能性があります。
土地購入や建築計画の段階で、道路と敷地の間に水路がある場合は、どのように出入りするのかを早めに確認しておくことが重要です。
「昔から橋がある」場合もそのまま使えるとは限らない
現地を見ると、すでに水路の上にコンクリート板や橋が設置されていることがあります。
しかし、
「昔からある」
=
「現在も適法な占用許可がある」
とは限りません。
既存の占用許可があるのか、許可名義は誰なのか、用途や構造を変更してよいのかを確認する必要があります。
例えば、
住宅用の出入口
↓
店舗・事業所の出入口
へ用途が変わる場合や、
普通車用
↓
大型車両が頻繁に通行
となる場合は、既存構造で問題ないかも含めて管理者へ確認した方がよいでしょう。
水路をまたぐ出入口をつくるときの確認順
手続きを整理すると、次の順番です。
- 水路の管理者を確認する
- 河川法が適用される河川か、市町村管理水路・法定外公共物か確認する
- 出入口の位置・幅・使用目的を整理する
- 水路をまたぐ構造を検討する
- 水路占用・河川法許可の要否を確認する
- 道路へ接続する場合は道路側の承認工事等を確認する
- 平面図・断面図・構造図などを準備する
- 管理者へ申請し、許可後に工事を行う
水路がある場合は、最初に「何条の許可か」を決めるのではなく、管理者と水路の法的位置付けを確認するところから始めます。
水路の管理区分を確認してから申請を進める
「水路をまたいで出入口をつくる」という工事でも、必要な手続きは一つではありません。
市町村管理水路なら水路占用、
河川区域なら河川法上の土地占用・工作物設置、
道路側の乗入口工事があれば道路管理者の承認、
というように、現場条件によって組み合わせが変わります。
特に、
- 新しく土地を購入する
- 駐車場や事業所をつくる
- トラック等が出入りする
- 建物を建築する
場合は、土地利用計画を固める前に出入口の許可要否を確認しておくと手戻りを防ぎやすくなります。
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愛知県三河の水路占用・河川占用についてご相談ください
いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、水路・河川に関する許認可手続きのご相談を受けています。
「敷地の前に水路があり、車の出入口をつくりたい」
「水路占用なのか河川法の許可なのか分からない」
「出入口の図面や申請書をどう準備すればよいか分からない」
「道路側の手続きも必要か確認したい」
という場合は、水路の所在地、管理者、出入口の用途・幅、現在の図面などを確認しながら必要な手続きを整理します。
どの許可が必要か分からない段階でもご相談ください。
出典
愛知県公式:法定外公共物(里道、水路等)について、愛知県公式:河川占用等許可事務手続きについて、愛知県公式:東三河建設事務所 維持管理課、安城市公式:道路・水路の占用、安城市公式:占用許可申請の流れについて
この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。
