河川区域に工作物を設置するときの許可|河川法24条・26条とは

この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。

河川区域内に橋、排水管、通路、階段などを設置する場合は、河川法第26条の許可が必要になる可能性があります。

さらに、その工作物によって河川敷地を継続的・排他的に使用する場合は、河川法第24条の占用許可も関係します。

「工作物を置くなら第26条」「そのために河川敷地を占用するなら第24条」と分けて考えると、必要な手続きを整理しやすくなります。

工作物を設置するときは第24条と第26条の両方が関係することがあります

河川法第24条と第26条は、許可の対象が異なります。

根拠条文許可の対象主な内容
河川法第24条河川敷地の使用土地を継続的・排他的に使用する
河川法第26条第1項工作物工作物を新築・改築・除却する

河川敷地に橋や排水管を設置する場合、工作物の設置には第26条、その工作物による土地の占用には第24条が関係するため、両方をまとめて申請するのが一般的です。

愛知県の申請様式も、第24条と第26条について「土地の占用、工作物の新築、改築、除却」の添付様式を使用する構成になっています。

ただし、河川区域内の土地が申請者自身の権原に基づいて管理されている場合など、第24条の土地占用許可が必要ないケースもあります。この場合でも、河川区域内に工作物を設置する以上、第26条の許可は別に検討しなければなりません。

河川法第24条は河川敷地を占用するための許可

河川法第24条は、河川管理者以外の者が河川区域内の土地を占用するときに受ける許可です。

ここでいう「占用」とは、河川を散歩したり釣りをしたりする一般的な利用ではなく、特定の目的のために一定範囲を継続的・排他的に使用することをいいます。

例えば、次のような使用が該当する可能性があります。

  • 橋脚や通路を設置して河川敷地の一部を使用する
  • 排水管や給水管を河川敷地へ埋設する
  • 河川区域内に階段や進入路を設けて継続使用する
  • 工事後も残る工作物のために河川敷地を使用する
  • 河川敷を事業用施設の一部として使用する

第24条の許可では、単に土地を使用するかどうかだけではなく、その占用が治水、河川環境、他の河川利用者、河川の維持管理などへ支障を与えないかが審査されます。

申請すれば必ず許可される制度ではありません。占用目的や設置場所によっては、位置や構造の変更を求められたり、許可を受けられなかったりする可能性があります。

河川法第26条は工作物の新築・改築・除却に必要な許可

河川法第26条第1項は、河川区域内で工作物を新築し、改築し、または除却するときの許可です。

対象となる可能性がある工作物には、次のようなものがあります。

  • 橋、床版、進入路
  • 排水管、給水管、ガス管
  • 電線、通信線、管路
  • 階段、通路、柵、門扉
  • 樋門、排水口、取水施設
  • 護岸に取り付ける設備
  • 河川区域内に固定する仮設物

新たに設置する場合だけではありません。既存の工作物について、構造、位置、規模、用途を変える改築や、工作物を取り除く工事も対象になります。

「古い排水管を同じ場所で交換するだけ」「既存の橋を補修するだけ」という工事でも、許可内容を変更する申請や修繕に関する届出が必要になることがあります。既存の許可書を確認せず、単なる維持修繕と判断して着工しないようにしてください。

第26条では、次の点が審査に関係します。

  • 洪水時の水の流れを妨げないか
  • 堤防や護岸の安全性を損なわないか
  • 河川管理者による点検や工事を妨げないか
  • 工作物が流失・破損するおそれはないか
  • 周辺の土地や河川利用者へ支障を与えないか
  • 将来の河川改修計画と抵触しないか

そのため、申請書だけでなく、河川と工作物の位置関係が分かる平面図、縦断面図、横断面図、構造図などが必要になります。

第24条と第26条の組み合わせを具体例で確認

自分の工事にどちらの許可が関係するかは、「土地を占用するか」と「工作物を設置するか」を分けて判断します。

計画内容第24条第26条
河川敷地を広場などとして継続使用し、工作物は設置しない該当する可能性あり原則として対象外
河川敷地に橋を設置して継続使用する該当する可能性あり該当する可能性あり
排水管を河川敷地へ埋設する該当する可能性あり該当する可能性あり
自己の権原で管理する河川区域内の土地に工作物を設置する不要となる可能性あり該当する可能性あり
既存工作物を改築・撤去する許可変更や廃止の確認該当する可能性あり
工作物を設置せず、一時的に作業する占用以外の扱いとなる可能性あり作業内容による

例えば、事業所への出入口を確保するため、河川をまたぐ橋を新設するケースを考えます。

橋そのものの設置には第26条が関係します。さらに、橋脚や橋台などによって河川敷地を継続使用する場合は、第24条も関係します。

一方、河川区域内でも、対象土地の権原関係によっては第24条が適用されず、第26条だけが必要となる場合があります。登記上の所有者だけで判断せず、河川区域、河川敷地、土地の管理関係を河川管理者へ確認する必要があります。

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申請前に確認する内容と必要書類

河川法第24条・第26条の許可申請では、最初に河川名と河川管理者を確認します。

同じ愛知県内でも、国、愛知県、市町村など、河川や区間によって管理者が異なります。窓口を間違えると、事前相談や申請をやり直すことになります。

相談前には、少なくとも次の情報を整理してください。

  • 工事場所の住所・地番
  • 河川名
  • 工作物を設置する目的
  • 工作物の種類、寸法、材質
  • 設置位置と占用範囲
  • 新築・改築・除却の別
  • 掘削や盛土の有無
  • 工事方法と予定期間
  • 土地の所有者・管理者
  • 既存許可の有無

愛知県内の県管理河川で申請する場合、主に次の書類が案内されています。

  • 許可申請書
  • 事業概要書または申請理由書
  • 位置図
  • 公図の写し
  • 土地の実測平面図
  • 縦断面図・横断面図
  • 工作物の設計図・構造図
  • 工事の実施方法を記載した書類
  • 工程表
  • 占用面積計算書・丈量図
  • 現況写真
  • 土地の権原や関係者との協議を示す書類
  • 他の行政庁から受ける許認可に関する書類

知立建設事務所の管轄地域である碧南市、刈谷市、安城市、知立市、高浜市では、申請書類は2部と案内されています。西三河建設事務所の管内でも、事務所審査案件は2部とされています。

必要書類や提出部数は、河川管理者と案件によって変わるため、申請様式をダウンロードして作り始める前に窓口へ確認してください。

許可前に工事を始めないよう注意

河川区域内の工事では、工事日だけを先に決めると手続きが間に合わないことがあります。

河川管理者は、申請書と図面から、工作物の設置位置、河川への影響、構造上の安全性、施工方法などを確認します。図面に不足があれば補正が必要です。

特に手戻りにつながりやすいのは、次のケースです。

  • 第26条だけでよいと考え、第24条の検討をしていない
  • 自分の土地なので河川法は関係ないと判断した
  • 河川区域の境界が図面に表示されていない
  • 工作物と堤防・護岸の位置関係が横断面図から分からない
  • 占用面積と図面上の範囲が一致していない
  • 既存許可の内容を確認せず、改築工事を始めた
  • 許可後の着手届や完了届を提出していない

また、道路から河川をまたぐ進入路を設置する場合は、河川法の許可だけでなく、道路法上の手続きや道路使用許可などが関係する可能性もあります。

まず位置図、公図、現況写真、工作物の概略図を用意し、施工方法を確定する前に河川管理者へ事前相談するのが安全です。

まとめ

河川法第24条は河川敷地の占用、第26条は工作物の新築・改築・除却を対象とする許可です。

河川区域内に橋、排水管、通路などを設置し、そのために河川敷地を継続使用する場合は、第24条と第26条の両方が関係する可能性があります。

ただし、第24条の要否は土地の権原関係によって変わることがあります。工作物の種類だけで判断せず、河川区域、土地の管理関係、占用範囲、工事内容を整理して管轄する河川管理者へ確認してください。

河川法第24条・第26条の申請でお困りの方へ

工作物を設置する計画では、「第24条と第26条の両方が必要か」「どの図面を用意すればよいか」の判断に時間がかかります。

いしかわ行政書士事務所では、三河地域を中心に、河川管理者と必要な許可の確認、申請書類の整理、河川法第24条・第26条に関する許可申請についてご相談を承ります。

ご相談の際は、工事場所、河川名、工作物の用途・寸法、工事予定日、位置図や概略図をお知らせください。

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出典

2026年8月。法令、申請様式、提出部数、窓口の管轄は変更される可能性があるため、公開前・更新時に河川管理者の最新案内を再確認してください。

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