トラックを増やしたい|増車前に車庫・台数・届出をどう確認する?

この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。

仕事が増えて、新しいトラックを1台入れたい。

中古車で条件のよい車両が見つかった。

荷主から増便を頼まれて、急いで車両を用意したい。

このようなとき、先にトラックを購入してから増車手続きを考えることがあります。

しかし一般貨物の増車では、車両そのものより先に確認したいことがあります。

それが、

  • どの営業所へ増やすのか
  • 増車後の全車両を今の車庫へ置けるか
  • 車庫変更を先に行う必要がないか
  • 増車後の運転者・管理者を確保できるか
  • 今回の増車が通常の事前届出で進められるか

です。

「1台買えば、そのまま緑ナンバーを付けられる」と考えるのではなく、今の事業計画へその1台を追加できるかを先に確認します。

最初に「どの営業所へ何台増やすか」を確認する

一般貨物の車両数は、会社全体だけではなく営業所ごとに管理されています。

そのため、

「会社全体で10台から11台になる」

だけではなく、

「西尾営業所を5台から6台にする」

というように確認します。

増車を考えたら、まず次の4点を書き出します。

  • 増車する営業所
  • 現在の配置台数
  • 今回増やす台数
  • 増車後の配置台数

複数営業所がある場合は特に重要です。

別の営業所からトラックを持ってくる場合も、単に社内で車両を移動すれば終わりとは限りません。

どの営業所に何台配置する事業計画になっているかを基準に確認します。

車を買う前に今の車庫へ追加できるか確認する

増車で最初に止まりやすいのが車庫です。

「駐車スペースが少し空いている」

だけでは、一般貨物の車庫として余裕があるとは判断できません。

増車後の全事業用車両を収容できるかを確認します。

増車後も必要な間隔を確保できるか

中部運輸局の基準では、一般貨物の車庫について、計画する事業用自動車をすべて容易に収容できることが必要です。

さらに、

  • 車両と車両
  • 車両と車庫の境界

には、それぞれ50cm以上の間隔を確保します。

現在5台を置いている車庫へ6台目を入れるなら、

「空いている部分に入るか」

ではなく、

「6台すべてを必要な間隔で配置し直しても入るか」

を確認します。

増車車両が現在より大型なら、1台追加するだけでも必要面積が大きく変わります。

車庫が足りないなら増車届より車庫変更が先になる

ここが増車前に特に確認したいところです。

増車後の車両を収容するため、

  • 車庫を広げる
  • 別の車庫を追加する
  • 車庫そのものを移す

必要があるなら、単純に増車届だけを出せばよいわけではありません。

自動車車庫の位置や収容能力の変更は、車両数の変更とは別の事業計画変更です。

そのため、

トラックを購入
→増車届
→車庫が足りないことが分かる

ではなく、

増車後の車庫を確認
→必要なら車庫変更
→増車

という順番を考えます。

増車そのものより、先に車庫変更の準備が必要になることがあります。

増車は原則として実施前に届出する

一般貨物で各営業所に配置する事業用自動車の数を変更するときは、原則として事前に届出を行います。

中部運輸局は、一般貨物自動車運送事業の「事業計画変更届出書(増減車の届出)」を公開しています。

つまり、

トラックを営業所へ追加
→しばらく使う
→後から届出

という手続きではありません。

増車することが決まった段階で、実施前に手続きを進めます。

中部運輸局の処理方針でも、繁忙期などは当日に確認処理できない場合があるため、できる限り実施予定日より前に提出するよう示されています。

納車日が決まっている場合ほど、直前ではなく早めに確認します。

1台増やす場合と大規模に増やす場合は同じとは限らない

通常の増車は事前届出で進めます。

ただし、短期間に大幅な増車を行う場合などは、通常の1台増車と同じ確認だけでは終わらないことがあります。

中部運輸局の現行処理方針では、

今回増やす車両数と、申請日前3か月以内に増加した車両数の合計が、

3か月前時点のその営業所の車両数の30%以上となり、かつ合計が10両を超える場合、

新規許可に準じた基準による審査を行うとされています。

たとえば、

5台から6台へ1台増やす場合

と、

短期間に数十台規模で増車する場合

では、同じ「増車」でも確認の重さが違います。

これから急速に車両を増やす予定なら、今回の1回だけでなく直近3か月の増車数まで確認します。

車庫だけでなく人員も増車後の状態で確認する

新しいトラックを用意しても、運転する人がいなければ稼働できません。

増車前には、

  • 新しい車両を誰が運転するか
  • 必要な運転者数を確保できるか
  • 運行管理者の必要人数が変わらないか
  • 整備管理体制に問題がないか

も確認します。

たとえば運行管理者は、営業所へ配置する事業用自動車数によって必要人数が変わります。

現在の台数では1人で足りていても、車両数が増えることで追加の管理者が必要になる場合があります。

そのため、

「空いている車庫がある」

だけで増車を判断せず、

車庫
+運転者
+管理者

まで増車後の状態で見ます。

過去の届出や報告が漏れていないかも確認する

これは増車届そのものを説明する記事ではあまり前面に出ていませんが、実際には先に確認しておきたいところです。

長く営業している会社では、

  • 過去の増車・減車
  • 車庫変更
  • 役員変更
  • 事業報告書
  • 事業実績報告書

などに漏れが残っていることがあります。

特に一定の事業規模拡大については、法令遵守状況も審査対象になります。

そのため、

「今度の増車だけ正しく出せばよい」

ではなく、過去の届出状況に不安があるなら増車前に確認しておいた方がよいでしょう。

たとえば、

現在会社では8台使っている
↓
手元の最後の増車届では6台
↓
今回さらに1台増やしたい

という状態なら、9台目の手続きをする前に、7台目・8台目がどう処理されているか確認します。

「車両を買う日」と「増車できる日」は同じとは限らない

トラックの購入契約は会社と販売店との取引です。

一般貨物の増車は運送事業上の手続きです。

この2つは同じではありません。

そのため、

「今日車両を買ったから、明日から緑ナンバーで使える」

とは限りません。

特に、

  • 車庫変更が必要
  • 大幅増車に該当する
  • 人員体制の確認が必要
  • 過去の手続きに未整理部分がある

場合は、通常の1台増車より準備が必要になります。

納車日を先に確定する場合は、増車手続きから登録までの日程も合わせて考えます。

中古車・ローン・リースでも増車できる?

一般貨物の増車は、新車を現金購入する場合だけではありません。

中古車、割賦購入、リース車両を使うこともあります。

重要なのは、

「自社の事業用自動車として使用できる車両なのか」

を確認することです。

販売店やリース会社には、一般貨物の事業用自動車として使用する予定であることを伝えます。

特に県外から中古車を購入する場合などは、

  • 車両の名義変更
  • 使用の本拠
  • ナンバー
  • 封印

などの登録手続きも関係するため、納車方法まで含めて順番を確認しておくと進めやすくなります。

増車できることを確認してから登録へ進む

増車が決まった後は、車両を事業用自動車として登録する手続きへ進みます。

増車届を提出すると、登録手続きに使用する事業用自動車等連絡書などを使って車両登録へつなげます。

そのため、

車両登録
→増車届

ではなく、

増車できる状態を確認
→必要な増車手続き
→車両登録
→緑ナンバーで稼働

という順番を基本に考えます。

ただし、具体的な登録手順は車両の名義や現在の登録状態などによって変わります。

この記事では、増車できるかを判断するところまでを中心にし、登録の詳しい順番は別の記事で整理します。

今の車庫に入らないなら「別の車庫を借りればいい」で終わらない

増車する車両を今の車庫へ置けない場合、

「近くにもう1か所駐車場を借りればよい」

と考えることがあります。

しかし、新しく借りる土地を一般貨物の車庫として使うには、

  • 営業所との距離
  • 必要な収容能力
  • 前面道路
  • 関係法令
  • 使用権原

などを確認します。

つまり、増車に必要だからといって、普通の月極駐車場を借りればそのまま使えるとは限りません。

新しい車庫が必要なら、

車庫候補を探す
→一般貨物の車庫として使えるか確認
→車庫の変更手続き
→増車

という順番まで考えます。

増車は、場合によっては「車両手続き」ではなく「新しい車庫探し」から始まります。

増車前にこの順番で確認する

トラックを増やしたいときは、次の順番で確認すると手戻りを減らせます。

  1. どの営業所へ何台増やすか決める
  2. 増車する車両の大きさを確認する
  3. 増車後の全車両を今の車庫へ配置できるか確認する
  4. 車庫が足りなければ車庫変更を先に検討する
  5. 運転者・運行管理者・整備管理者の体制を確認する
  6. 過去の車両数・届出・報告に漏れがないか確認する
  7. 今回の増車が通常の届出で進められるか確認する
  8. 増車手続きを行う
  9. 車両登録・緑ナンバーの手続きへ進む
  10. 稼働を開始する

「増車届に何を書けばよいか」から始めるのではありません。

先に、

「この車両をこの営業所へ本当に追加できるか」

を確認します。

トラックを契約する前が一番確認しやすい

増車で一番避けたいのは、

車を購入した
↓
今の車庫には入らない
↓
新しい車庫が必要
↓
候補地が一般貨物の車庫に使えない
↓
納車日は迫っている

という状態です。

増車が決まったら、最初に確認するのは届出書ではありません。

現在の営業所、車庫、車両、人員、過去の届出状況です。

この確認が終わってから車両契約・納車・登録の日程を決めれば、途中で計画を戻すリスクを減らせます。

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まだトラックを購入・登録していない段階でも構いません。

現在の営業所、車庫、車両数、増車する車両、納車予定日などを確認し、増車前に必要な手続きと進める順番を整理します。

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出典

国土交通省 中部運輸局|様式(申請・届出・報告)、国土交通省 中部運輸局|一般貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業の申請事案の処理方針について、国土交通省 中部運輸局|貨物自動車運送事業に関する手続き一覧

この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。

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