Gマーク取得後の管理と更新に向けた書類整理

この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。

Gマークは、認定証やステッカーを受け取れば、その後は更新時まで何もしなくてよい制度ではありません。

点呼、運転者教育、安全会議、健康管理などの取組は、更新申請時に過去の実績として確認されます。申請直前にまとめて実施しても、必要な期間や回数を満たせない項目があります。

また、営業所名や住所を変更した場合は、運輸支局への手続きとは別に、Gマークの登録事項変更届が必要になることがあります。

取得後は、日常の法定帳票、安全への取組を証明する書類、Gマーク固有の管理書類を分けて整理することが、更新時の負担軽減につながります。

Gマーク取得後に必要な管理

取得後も、認定を受けたときの状態を保つため、営業所単位で安全管理を続けます。

特に確認したいのは、次の項目です。

管理する内容主な書類・記録管理上の注意点
点呼点呼記録簿、アルコール検知器の記録運行の実態、運転日報、デジタコなどと時刻が一致しているか確認する
運行運転日報、運行指示書、デジタコ記録記載漏れだけでなく、拘束時間や休息期間の管理も確認する
運転者運転者台帳、適性診断受診記録入社、退職、配置変更に合わせて台帳を更新する
教育年間教育計画、教育記録、使用教材、参加者名簿実施日、内容、参加者を確認できる形で残す
健康管理健康診断結果、再検査・受診勧奨の記録受診させただけで終わらず、異常所見への対応も記録する
車両管理日常点検表、定期点検記録簿、整備記録増車・減車・入替後も配置車両と記録を一致させる
事故・違反事故記録、自動車事故報告書、再発防止記録事故後の指導や再発防止策まで残す
安全への取組安全会議議事録、研修記録、表彰資料など実施日、参加者、内容、写真などを項目ごとに保存する
許可後の手続き認可書、変更届、報告書の控え営業所の実態と運輸支局へ届け出た内容を一致させる

更新申請用のファイルだけを別に作り、日常帳票の不備をそのままにしてはいけません。

Gマークの評価項目Ⅰ「安全性に対する法令の遵守状況」は、巡回指導の結果をもとに評価されます。更新申請用の資料がそろっていても、点呼、教育、健康管理などの日常業務に問題があれば評価へ影響します。

認定証・ステッカー・ロゴの管理

Gマークロゴやステッカーは、認定を受けた営業所の備品、建物、車両などに使用できます。

ただし、有効期限の明示が必要です。指定された色やデザインも守らなければなりません。

次のような管理を行います。

  • 認定証番号と有効期限を社内の管理表へ記録する
  • ステッカーを貼った車両を一覧にする
  • 増車した車両へ使用する場合は、認定営業所への配置を確認する
  • 廃車や減車の際はステッカーを剝がす
  • 有効期限切れや自主返納の際は、ロゴとステッカーの使用を中止する
  • 名刺、ホームページ、パンフレットなどの掲載箇所も確認する
  • 認定証を紛失しないよう原本の保管担当者を決める

有効期限が切れたステッカーを車両に残したままにしないでください。

認定を更新しなかった場合は、車両だけでなく、営業所の看板、ホームページ、会社案内、名刺などに掲載したGマークも確認する必要があります。

営業所名や住所が変わったときは登録事項変更届を確認する

認定後に住所や営業所名などが変わった場合は、Gマークの登録事項変更届を地方実施機関へ提出します。愛知県内の認定営業所では、愛知県トラック協会が提出先です。

登録事項変更届には、変更内容に応じて運輸支局へ提出した届出書の写しなどを添付します。

運輸支局へ営業所移転や名称変更の届出を提出しただけで、Gマークの登録内容まで自動的に書き換わるとは限りません。

変更が生じたときは、次の内容を確認してください。

  • 事業者名
  • 事業所名・営業所名
  • 所在地
  • 電話番号
  • 代表者
  • 認定証の記載内容
  • 全日本トラック協会の認定事業所一覧
  • 車両、ホームページ、会社案内に表示した内容

認定証の記載事項も変わる場合は、変更届で再発行を希望します。認定証を紛失した場合も、登録事項変更届を使って再発行を申し出ることができます。

全国実施機関である全日本トラック協会へ直接提出するのではなく、認定営業所が所在する地方実施機関へ提出します。

Gマークの有効期間と更新時期

Gマークには有効期間があります。

更新回数により、認定の有効期間は次のように変わります。

認定・更新の段階有効期間
新規認定2年間
初回更新3年間
2回目以降の更新4年間

例えば、新規認定を受けてから最初の更新を行う場合と、すでに複数回更新している場合では、次回の更新年度が異なります。

認定証に記載された有効期限を確認し、社内カレンダーには少なくとも次の時期を登録しておきます。

  • 有効期限
  • 更新申請年度
  • 当該年度の申請案内が公表される時期
  • 申請受付期間
  • 安全への取組の評価対象期間
  • 巡回指導結果の評価対象期間
  • 事故や行政処分の評価対象期間

申請受付期間だけを登録しても十分ではありません。

安全会議、外部研修、適性診断、健康起因事故防止の取組などは、申請年度より前から実績を積み重ねる必要があります。

Gマーク更新に向けた書類整理

更新申請に向けた書類は、次の4つに分けると確認しやすくなります。

1.法令で作成・保存する帳票

点呼記録簿、運転日報、運転者台帳、日常点検表、定期点検記録簿、教育記録などです。

これらはGマークのためだけに作る書類ではありません。日常的に作成し、巡回指導時にも確認できる状態にします。

保存するときは、書類の有無だけでなく、次の点を照合してください。

  • 点呼記録と出庫・帰庫時刻が一致しているか
  • 運転日報とデジタコの記録が一致しているか
  • 運転者台帳に入退社や適性診断の情報が反映されているか
  • 教育記録に実施日、内容、参加者が残っているか
  • 健康診断の未受診者や再検査未対応者がいないか
  • 点検記録が現在の配置車両と一致しているか

2.安全への積極的な取組を証明する書類

Gマークの評価項目Ⅲ「安全性に対する取組の積極性」に使用する書類です。

主なものとして、次の資料があります。

  • 自社内研修の計画、教材、参加者名簿
  • 外部研修の受講証明書
  • 運転記録証明書と指導記録
  • 安全対策会議の議事録
  • 健康診断結果のフォローアップ記録
  • 適性診断の受診記録
  • 安全装置の装着証明
  • 安全や環境に関する認証書
  • 輸送の安全に関する表彰資料
  • 無事故運転者表彰制度の規程と実施記録

会議の議事録だけでは、出席者や実施内容を確認できないことがあります。

案内文、議事録、参加者名簿、使用資料、写真などを一組にして保存すると、誰が、いつ、何を行ったかを説明しやすくなります。

3.事故・行政処分に関する書類

事故が発生した場合は、事故記録、自動車事故報告書、事故原因の分析、運転者への指導、再発防止策を一つの案件として整理します。

行政処分や警告を受けた場合も、通知書だけでなく、改善内容と実施記録を保存してください。

事故や違反の有無を社内担当者の記憶だけで判断すると、更新時に本社と営業所で認識が食い違うことがあります。

4.変更届・報告書・社会保険等の書類

Gマークは評価点だけでなく、法令に基づく認可申請、届出、報告が適正に行われていることや、社会保険等へ適正に加入していることも認定要件です。

次の書類を年度別に整理します。

  • 営業所・車庫・事業用自動車に関する認可書や届出書
  • 役員・代表者・商号に関する変更届
  • 運行管理者・整備管理者に関する届出
  • 事業報告書・事業実績報告書の控え
  • 社会保険・労働保険の手続き書類
  • Gマークの登録事項変更届
  • 現在の認定証の写し

受付印がない場合でも、電子申請の受付通知や郵送記録など、提出を確認できる資料を併せて保存します。

更新申請の前年から確認したいこと

更新準備は、申請直前ではなく前年から始めます。

更新申請の前年

  • 認定証の有効期限と更新年度を確認する
  • 直近の巡回指導結果と改善報告書を確認する
  • 安全会議、研修、健康管理などの年間実績を点検する
  • 評価項目Ⅲのどの項目で得点を目指すか仮決定する
  • 変更届や報告書の未提出がないか確認する
  • 事故・行政処分の状況を営業所と本社で照合する

更新申請年度の初め

  • 当該年度の申請案内と正誤表を確認する
  • 更新回数と利用できる申請方式を確認する
  • 評価項目と対象期間が前回から変わっていないか確認する
  • 必要な挙証書類を項目別チェックリストで照合する
  • 登録情報と行政データに相違がないか確認する

申請受付前

  • Web申請で入力する情報を確定する
  • 申請書と自認書の内容を挙証書類と照合する
  • 提出が必要な資料とWeb上で完結する資料を区別する
  • 申請ボタンを押す期限と書類提出期限を確認する
  • 申請書控えと申請受付完了メールを保存する

2026年度は、初回から5回目までの更新申請と、6回目以降の更新申請でWeb申請の案内が分かれています。

また、更新申請A・C方式では、Web申請に加えて評価項目Ⅲを証明する資料の提出が必要です。一方、2026年度の6回目更新申請では、評価項目ⅢについてWeb申請で完了し、書類提出が不要とされています。

申請方式や提出方法は年度ごとに変更される可能性があります。前回と同じ方式だと決めつけず、更新年度の申請案内を確認してください。

書類整理を続けるための管理方法

更新用資料を一人の担当者のパソコンだけに保存すると、担当者の異動や退職時に経緯が分からなくなるおそれがあります。

営業所ごと、年度ごとに次のようなフォルダーを作ります。

  1. 認定証・Gマーク届出
  2. 巡回指導・改善報告
  3. 点呼・運行記録
  4. 運転者台帳・教育
  5. 健康診断・適性診断
  6. 車両・整備管理
  7. 事故・行政処分
  8. 安全会議・研修
  9. 変更届・報告書
  10. 更新申請・提出控え

紙で保管する場合も、同じ分類でファイルを分けます。

毎月すべての資料を見直す必要はありません。日常帳票は月ごと、安全への取組は実施の都度、変更届や事故関係は事案が発生した都度保存します。

さらに、半年ごとに不足資料を確認すれば、更新直前に過去数年分の記録を探す負担を減らせます。

よくある質問

Q
Gマークを取得した後、毎年手続きが必要ですか?
A

毎年の更新申請はありません。ただし、点呼、教育、健康管理、安全会議などの記録は継続して残します。営業所名や住所などに変更があれば、Gマークの登録事項変更届が必要になることがあります。

Q
新規認定後の有効期間は何年ですか?
A

新規認定は2年間です。初回更新後は3年間、2回目以降の更新後は4年間が基本です。実際の有効期限は認定証で確認してください。

Q
安全会議の議事録だけを保存すれば更新に使えますか?
A

議事録だけでは、参加者や使用資料を確認できないことがあります。開催案内、参加者名簿、議事録、使用資料、写真などを一組にして保存してください。

Q
営業所を移転した場合、運輸支局への届出だけでよいですか?
A

運輸支局への手続きに加え、Gマークの登録事項変更届も確認します。運輸支局へ提出した届出書の写しなどを添えて、営業所が所在する地方実施機関へ提出します。

Q
認定証を紛失した場合は再発行できますか?
A

登録事項変更届を使って再発行を申し出ることができます。変更届の再発行希望欄に事由を記載し、地方実施機関へ提出します。

Q
車両を廃車にした後もGマークステッカーを残してよいですか?
A

廃車時にはステッカーを剝がします。有効期限切れ、自主返納、認定失効の場合も、ロゴやステッカーの使用を速やかに中止してください。

Q
前回の更新で使った書類をそのまま提出できますか?
A

前回と評価項目や対象期間、必要書類が同じとは限りません。更新年度の申請案内とチェックリストを確認し、対象期間内の実績を証明する資料を準備してください。

Q
更新期限を過ぎると自動的に更新されますか?
A

自動更新ではありません。更新申請をせず有効期間が満了すると認定は失効します。期限後はGマークロゴやステッカーを使用できません。

まとめ

Gマーク取得後は、更新年度まで認定証を保管するだけでは足りません。

次の管理を継続してください。

  • 点呼、運行、教育、健康管理、車両管理の記録を日常的に残す
  • 安全会議や研修の資料を実施の都度まとめる
  • 事故、行政処分、改善内容を案件ごとに整理する
  • 変更届、報告書、社会保険等の手続状況を確認する
  • 営業所名や住所が変わったらGマークの登録事項変更届も確認する
  • 認定証とステッカーの有効期限を管理する
  • 更新年度の前年から評価項目と不足資料を点検する

更新申請直前に書類を集めても、過去の取組実績は後から補えません。

認定を受けた年度から営業所ごと、年度ごとに資料を分け、更新担当者が交代しても確認できる状態にしておくことが重要です。

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Gマーク更新に向けた書類と手続状況を整理します

Gマークを取得していても、日常帳票、安全への取組を証明する資料、変更届・報告書が別々に管理されていると、更新時に不足を見落とすことがあります。

いしかわ行政書士事務所では、認定証の有効期限、巡回指導結果、点呼・運行・教育・健康管理の記録、安全への取組、変更届・報告書の提出状況を確認し、次回更新までに整える内容を整理します。

碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、三河地域・愛知県内の運送会社からのご相談に対応しています。

次回のGマーク更新を予定している場合は、現在の認定証、前回の申請書控え、直近の巡回指導結果、現在使用している帳票をご用意のうえお問い合わせください。

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出典

全日本トラック協会「Gマーク制度について」
全日本トラック協会「Gマーク認定事業者の皆様へ」
全日本トラック協会「安全性優良事業所(Gマーク)認定後の『よくあるお問い合わせ』」
全日本トラック協会「2026年度貨物自動車運送事業安全性評価事業(Gマーク制度)新規申請・更新申請」
全日本トラック協会「安全性に対する取組の積極性に係る説明・書式等ダウンロード」

この記事は、2026年8月時点の公的情報をもとに作成しています。有効期間、申請方式、評価項目、対象期間、提出書類は変更される可能性があるため、更新年度の申請案内を確認してください。

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