運行管理者・整備管理者は誰にする?運送業開始前に人員要件を確認

この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。

一般貨物の運送業を始めようとして、

「運行管理者は自分でもできるのか」

「整備管理者は別の人を用意しないといけないのか」

「トラックと運転者はそろいそうだが、管理者が決まっていない」

と悩むことがあります。

一般貨物の許可では、車両や車庫だけでなく、事業を安全に運営するための人員体制も確認されます。

特に早めに確認したいのが、運行管理者と整備管理者です。

資格を持つ人が社内にいなければ、申請直前になってすぐ用意できるとは限りません。

これから一般貨物を始めるなら、

「誰を運行管理者にするか」

「誰を整備管理者にするか」

を車両や営業所を決めるのと同じ時期に確認しておくことが重要です。

運送業を始める前に管理者候補を決めておく

一般貨物の許可申請では、運行管理や整備管理をどのような体制で行うのかを事業計画に入れます。

そのため、

「許可が出てから誰かを探せばいい」

という進め方ではなく、申請前から候補者を確認します。

まず整理したいのは、

  • 使用する車両数
  • 営業所の数
  • 運行管理者資格を持つ人がいるか
  • 整備管理者の資格要件を満たす人がいるか
  • その人が実際にその営業所で勤務できるか

という点です。

資格だけ持っていても、実際の勤務体制と合わなければ事業計画を作れません。

運行管理者は誰にする?

運行管理者は、営業所に配置して、運転者の乗務や点呼、安全運行などを管理する人です。

一般貨物では、運行管理者資格者証の交付を受けている人の中から選任します。

5台から29台までなら原則1人

一般貨物のトラックでは、営業所ごとの事業用自動車が29両までの場合、必要な運行管理者数は原則1人です。

30両から59両なら2人、60両から89両なら3人と、30両ごとに必要人数が増えていきます。

一般貨物を5台で始める場合なら、まず運行管理者を1人確保できるか確認します。

ただし、単に名前を置くだけでは足りません。

その営業所の運行管理を実際に行える勤務体制を作る必要があります。

社長や役員を運行管理者にできる?

運行管理者資格者証を持ち、実際にその営業所で運行管理業務を行えるのであれば、代表者や役員が運行管理者になることも考えられます。

そのため、

「社長だから運行管理者にはなれない」

というわけではありません。

反対に、社長だから資格がなくても運行管理者になれるわけでもありません。

誰を選ぶかは、

  • 資格者証を持っているか
  • 営業所で勤務できるか
  • 点呼など必要な運行管理業務を行えるか
  • 他の仕事との兼ね合いに問題がないか

まで確認して決めます。

運行管理者資格を持つ人がいない場合はどうする?

運行管理者候補がまだいない場合は、早めに対応方法を決めます。

運行管理者資格者証を取得する代表的な方法には、運行管理者試験に合格する方法があります。

試験を受けるためには、一定の実務経験または基礎講習の受講などの受験資格があります。

また、一定の実務経験と講習受講によって資格者証の交付を受ける方法もあります。

そのため、

「今は資格者がいないが、自分が試験を受ける」

という計画も考えられます。

ただし、試験には実施時期があります。

申請する時期になってから資格者がいないことに気づくと、開業予定そのものを見直すことになる可能性があります。

営業所や車庫を探す段階で、運行管理者候補も確認しておいた方がよいでしょう。

整備管理者は誰にする?

一般貨物では、トラックの点検・整備を適切に管理するため、一定の場合に整備管理者を選任します。

事業用トラックについては、原則として5両以上を使用する使用の本拠ごとに整備管理者が必要です。

通常の一般貨物は原則5両以上で始めるため、新規許可を考える段階で整備管理者の候補も確認することになります。

整備士資格があれば候補にできる

1級・2級・3級の自動車整備士資格を持つ人は、整備管理者の資格要件を満たす候補になります。

社内に整備士資格を持つ人がいる場合は、その人を選任できる勤務体制か確認します。

整備士資格がなくても選任できる場合がある

整備管理者になる方法は、自動車整備士資格を持つ人だけではありません。

整備管理の対象となる自動車と同種類の自動車について、

  • 点検・整備
  • 整備管理

に関する実務経験が2年以上あり、さらに地方運輸局長が行う整備管理者選任前研修を修了している場合なども資格要件を満たせます。

そのため、

「整備士資格を持つ人が会社にいないから一般貨物を始められない」

とすぐ判断する必要はありません。

まず、社内に実務経験を満たす人がいないか確認します。

運行管理者と整備管理者は同じ人でもいい?

運行管理者と整備管理者について、それぞれの資格要件を満たし、実際に両方の業務を適切に行える体制であれば、同じ人を候補として検討することがあります。

ただし、

「1人で済ませられるから」

という理由だけで決めるのは避けます。

運行管理者には点呼や運転者管理などの業務があります。

整備管理者には車両の点検・整備に関する管理業務があります。

小規模な営業所であっても、その人が実際に両方の業務を行える勤務体制なのか確認します。

資格要件を満たすことと、実際の管理体制として成立することは分けて考えます。

運行管理補助者も最初から考えておく

運行管理者を1人確保できれば、それだけで日々の点呼体制まで必ず成立するとは限りません。

運行時間や運転者の出退勤時間によっては、運行管理者だけですべての点呼を行うことが難しい場合があります。

そのような場合には、運行管理補助者を置くことも検討します。

補助者として運行管理業務を補助するには、必要な講習などの条件があります。

たとえば、

「社長が運行管理者になるが、早朝便と夜間便がある」

という場合は、実際に点呼を誰が行うのかまで考えます。

許可申請時の名前だけではなく、営業開始後の勤務時間まで想定して人員を決めることが重要です。

運転者の人数も一緒に確認する

一般貨物の人員要件を考えるときは、運行管理者と整備管理者だけを決めれば終わりではありません。

事業計画を実際に遂行できる運転者も必要です。

たとえばトラック5台を用意していても、実際に予定している運行を行えるだけの運転者がいなければ計画に無理が出ます。

確認するのは、

  • トラックを何台稼働させるのか
  • どの時間帯に運行するのか
  • 必要な運転者を確保できるか
  • 運行管理者の勤務時間と合うか
  • 休みや欠員が出た場合も運営できるか

といった点です。

「5台あるから運転者も5人でよい」と一律に決めるのではなく、実際の仕事の組み方から必要人数を考えます。

家族や知人に名前だけ借りるのは避ける

開業準備をしていると、

「資格を持っている知人に名前だけ借りればよいのでは」

と考えることがあるかもしれません。

しかし、一般貨物の管理者は名義だけ置くための人ではありません。

運行管理者も整備管理者も、それぞれ必要な管理業務を実際に行う前提で選任します。

別の会社で常勤していて、自社の営業所では実際に管理業務をできない人を形式だけ選任するような計画では進めません。

候補者を決めるときは、

「資格を持っているか」

だけでなく、

「この会社で実際に勤務し、管理できるか」

まで確認します。

人員要件はこの順番で確認する

これから一般貨物を始める場合は、次のように整理すると分かりやすくなります。

  1. 営業所ごとの車両数を決める
  2. 必要な運行管理者数を確認する
  3. 運行管理者資格者証を持つ候補者を確認する
  4. 整備管理者の資格要件を満たす候補者を確認する
  5. 必要な運転者数を確認する
  6. 点呼時間や勤務時間を確認する
  7. 必要なら運行管理補助者も検討する
  8. 実際に営業開始できる勤務体制になるか確認する

まだ候補者がいない場合は、

「資格者を採用する」

「社内の人が資格を取る」

「実務経験や研修で整備管理者要件を満たせないか確認する」

など、足りない部分から準備します。

開業予定日から逆算して人を決める

営業所や車庫は見つかっている。

トラックも5台用意できる。

しかし、運行管理者が決まっていない。

この状態では、一般貨物の開業計画は完成していません。

特に資格取得が必要な場合は、講習や試験の日程によって準備期間が変わります。

開業予定日が決まっているなら、

  • 誰を運行管理者にするか
  • 誰を整備管理者にするか
  • 資格取得や研修が必要か
  • 運転者をいつまでに確保するか

を早めに確認します。

車両や物件はお金を払えば比較的早く確保できる場合がありますが、人員や資格は同じようにはいきません。

一般貨物を始めると決めた段階で、人員要件も並行して確認することが重要です。

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まだ運行管理者・整備管理者が決まっていない段階でも構いません。

現在いる人員、保有資格、使用予定の車両、営業所の状況などを確認し、一般貨物を始めるために不足している人員や資格を整理します。

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出典

国土交通省|事業用自動車の安全対策・運行管理者制度、国土交通省|貨物自動車運送事業の運行管理に関する基本的考え方、国土交通省 中部運輸局|運送事業者の事故防止・運行管理、国土交通省 中部運輸局|整備管理者が必要な自動車の使用者

この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。

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