この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。
雨水浸透阻害行為について役所や行政書士へ相談しようとすると、
「何を持っていけばいい?」
「造成図がまだなくても相談できる?」
「登記簿や公図まで必要?」
と迷うことがあります。
結論からいうと、最初の相談段階で許可申請書類一式を完成させる必要はありません。
ただし、
「この土地を駐車場にしたいです」
だけでは、許可が必要か判断するための情報が足りません。
最初にあると話が早いのは、大きく分けて、
どこの土地か分かる資料
現在どんな土地か分かる資料
造成後にどう変えるか分かる資料
です。
特に雨水浸透阻害行為では、
土地全体が何㎡か
だけではなく、
現在の土地利用から、どの範囲をどう変えるのか
が重要になります。
そのため、完成した申請書より先に、
現況と計画の差が分かる資料
を用意すると相談が進みやすくなります。
最初に必要なのは「申請書」ではなく土地を特定できる情報
相談の入口でまず必要なのは、
どこの土地について相談しているのか
です。
最低限、
- 所在地
- 地番
- おおよその敷地面積
が分かるようにしておきます。
住所だけで土地を特定できる場合もありますが、造成予定地と住居表示が一致しない土地もあります。
農地や空き地では、
「○○市○○町のこの辺り」
だけでは対象地を正確に確認できないことがあります。
地番が分かっているなら、相談時に伝えられるようにしておく方が早くなります。
位置図は簡単なものでも最初からあると早い
土地の場所を説明するときは、位置図があると便利です。
最初の相談なら、
- Googleマップ等で場所が分かるもの
- 公図
- 測量図
- 造成会社からもらった配置図
など、現在手元にある資料から始められます。
重要なのは、
相談担当者が対象地を迷わず特定できること
です。
本申請では所定の図面が必要になりますが、最初の要否相談から精密な申請図面を完成させる必要はありません。
特定都市河川流域か確認できているとさらに早い
雨水浸透阻害行為は、どこでも同じように許可対象になる制度ではありません。
まず対象地が、
特定都市河川流域内か
を確認します。
愛知県では、新川流域や境川・逢妻川・猿渡川流域などが関係します。
愛知県のセルフチェックでも、最初に所在地と特定都市河川流域かどうかを確認する流れになっています。
自分で判断できなければ、無理に結論を出す必要はありません。
所在地・地番が分かれば、相談時に確認できます。
次に重要なのが「今は何の土地なのか」
雨水浸透阻害行為では、造成後だけではなく、
造成前の土地利用
が重要です。
たとえば、
田
畑
山林
裸地
既存宅地
砂利敷き
舗装済み駐車場
などです。
なぜなら、雨水浸透阻害行為は、
土地から流れ出る雨水量を増加させるおそれがある行為
を確認する制度だからです。
畑をアスファルト駐車場にする場合と、
すでに舗装された駐車場を別の舗装駐車場にする場合では、
造成後が同じ「駐車場」でも意味が違います。
「昔から宅地だった」は資料で確認できると話が早い
相談時に、
「ここは昔から宅地です」
「以前から駐車場でした」
と口頭で伝えるだけでは判断しにくい場合があります。
現況だけではなく、過去の土地利用が関係することがあるからです。
手元にあれば、
- 過去の航空写真
- 古い造成図
- 以前の許可書
- 土地利用が分かる写真
- 課税関係資料
- 過去の開発関係資料
なども持っていくと確認が進む場合があります。
特に、すでに雨水浸透阻害行為の許可を受けた経緯や、雨水施設が設置されている土地では、その資料が重要になります。
現地写真はかなり役立つ
図面がまだなくても、
現況写真
は用意しやすい資料です。
敷地全体だけでなく、
- 現在の地表面
- 舗装部分
- 砂利部分
- 畑・草地部分
- 排水側溝
- 既存の雨水ます
- 敷地から道路への高低差
- 既存の貯留施設
などが分かる写真があると、土地の状態を説明しやすくなります。
写真を大量に撮る必要はありません。
「敷地のどこを撮った写真か」が分かるようにしておく方が重要です。
簡単な平面図に、
①
②
③
と撮影位置を書き、写真にも番号を付ければ確認しやすくなります。
造成後に「何にするか」だけでは足りない
次に必要なのが造成計画です。
たとえば、
「駐車場にします」
だけでは、まだ情報が足りません。
同じ駐車場でも、
全面アスファルト
全面コンクリート
砂利敷き
一部透水性舗装
建物+駐車場
では雨水の扱いが変わるからです。
相談時には、
造成後にどの部分を何にするのか
まで分かるようにします。
完成した造成図がなくても、簡単な計画図があると進みやすい
まだ設計前なら、手書きでも構いません。
たとえば敷地図に、
建物 200㎡
駐車場 400㎡
緑地 100㎡
通路 100㎡
のように書いておきます。
正確な面積が未確定なら、
「おおよそ」
でも最初の相談材料にはなります。
大事なのは、
どの部分の土地利用が変わる予定なのか
が見えることです。
相談後に、
「この部分も行為面積へ含める必要がある」
「ここは既存利用として扱えるか確認が必要」
となれば、その後正確に測ります。
「敷地800㎡だから許可対象」とはまだ決まらない
ここは相談前に特に勘違いしやすいところです。
たとえば敷地全体が800㎡あっても、
800㎡全部で雨水浸透を妨げる行為をするとは限りません。
既存宅地が300㎡あり、
新たに畑から駐車場へ変える部分が500㎡
という場合もあります。
逆に、
「舗装部分は480㎡だから500㎡未満」
と思っていても、それ以外の造成部分を含めて確認が必要になる場合があります。
だから相談では、
土地全体の面積
と
実際に土地利用を変える範囲
を分けて伝えます。
面積が分かる資料があるなら持っていく
すでに、
- 公図
- 地積測量図
- 求積図
- 土地利用計画図
- 造成平面図
- CAD図面
などがあるなら用意します。
500㎡前後の案件では特に、
「だいたい500㎡くらい」
では許可要否を判断できない場合があります。
ただし、最初の相談前から新たに測量を発注しなければ相談できないという意味ではありません。
まず手元の資料で相談し、
正確な求積が必要と分かってから次へ進む
という方法もあります。
排水の行き先が分かると次の相談まで進みやすい
許可対象になりそうな場合は、
雨水をどう処理するか
も問題になります。
既存側溝へ流すのか。
水路へ流すのか。
敷地内に雨水を貯留するのか。
浸透ますや浸透トレンチを使うのか。
まだ決まっていなくても構いません。
ただ、
現在の雨水がどこへ流れているか
だけでも分かると話が進みます。
造成会社や設計者から排水計画をもらっているなら、一緒に用意します。
雨水施設の計画がすでにあるなら必ず持っていく
すでに設計者から、
調整池
地下貯留槽
浸透ます
浸透トレンチ
透水性舗装
などの案が出ているなら、その資料も相談時に提示します。
雨水浸透阻害行為の許可対象になる場合、雨水貯留浸透施設を技術基準に適合させる必要があります。
そのため、
造成計画と雨水施設を別々に決めるより、
事前相談結果を設計へ反映する
方がやり直しを減らせます。
開発許可や盛土規制法の資料もあれば一緒に見る
雨水浸透阻害行為だけ確認して終わらない土地もあります。
たとえば、
建物建築のために造成する
→ 開発許可
一定規模以上の盛土・切土をする
→ 盛土規制法
農地を駐車場へ変える
→ 農地転用
といった手続が重なることがあります。
すでに他部署・市町・行政書士・設計者と相談しているなら、
その相談資料や図面も持っていく方がよいでしょう。
同じ造成なのに、
開発許可では造成高100.0
雨水申請では造成高100.5
となれば、後で整合を取る必要があります。
「他の手続はまだ何も調べていない」でも相談はできる
反対に、
まだ雨水以外は何も分からない
という段階でも相談自体はできます。
その場合は、
「駐車場にしたい」
だけでなく、
建物を建てる予定があるか
農地か
盛土・切土をするか
くらいは伝えます。
そうすると、
「開発関係も確認してください」
「農地転用も必要か確認してください」
と次の確認先が見えてきます。
土地所有者と造成する人が違うなら、その関係も伝える
土地所有者本人が造成するとは限りません。
たとえば、
土地を借りて事業者が駐車場にする。
地主から借りて資材置場を作る。
土地購入前に造成可能性を調べている。
というケースがあります。
その場合は、
誰が土地を所有し、誰が行為を行う予定なのか
を整理しておきます。
土地購入前なら、
「まだ所有していないが、この土地を買って造成したい」
と最初から伝えた方が相談しやすくなります。
工事時期が決まっているなら必ず伝える
相談時に意外と重要なのが、
いつ工事を始めたいか
です。
許可対象の場合は、許可前に勝手に対象行為へ着手することはできません。
また、申請資料に補正が出れば時間も必要です。
工事会社との契約済み。
○月着工予定。
店舗オープン日が決まっている。
という場合は、最初の相談時に伝えます。
計画が急いでいることを伝えれば必ず早く許可されるという意味ではありません。
むしろ、
必要な申請期間を見込んで工程を組み直すため
に必要な情報です。
「相談だけ」ならここまであればかなり話ができる
最初の相談なら、まず次の資料があれば進めやすくなります。
| 用意したいもの | 分かること |
|---|---|
| 所在地・地番 | 対象地の特定 |
| 位置図 | 土地の場所 |
| 敷地面積が分かる資料 | 500㎡基準等の入口確認 |
| 現況写真 | 現在の土地利用 |
| 現況図・公図等 | 現在の区画・利用状況 |
| 簡単な造成計画 | 何をどこまで変えるか |
| 舗装・建物等の予定面積 | 土地利用変化の範囲 |
| 排水関係資料 | 現在・造成後の雨水処理 |
| 過去の許可・造成資料 | 既存対策の確認 |
| 工事予定時期 | 手続スケジュール |
全部そろっていなくても相談はできます。
むしろ、
何が不足しているかを確認するのも事前相談の役割
です。
本申請の資料を最初から全部集める必要はない
本申請になると、さらに資料が増えます。
愛知県の様式では、
- 雨水浸透阻害行為許可申請書
- 工事・対策工事の計画説明書
- 土地利用別面積集計表
- 行為前後の雨水流出量
- 雨水貯留浸透施設の規模
- 調整池容量計算結果
- 貯留・浸透施設チェックシート
- 計画図・添付図書
などが関係します。
しかし、
これを全部完成させてから初めて相談する
という順番ではありません。
先に相談し、
許可対象か
どの範囲を行為面積とするか
どんな資料が必要か
を確認してから本申請へ進みます。
相談前に調整池容量まで計算する必要はないケースも多い
土地を相談したい段階で、
「雨水計算を全部終わらせないと役所へ行けない」
と思う必要はありません。
まだ許可要否自体が確定していないなら、計算前に確認する意味があります。
特に、
500㎡前後
現況土地利用が複雑
既存許可の有無が不明
既存宅地と農地が混在
といったケースでは、
計算より先に、何を計算対象にするか
を整理した方がよいでしょう。
逆に設計が進んでいるなら資料を隠さず全部出す
すでに造成会社が、
土地利用計画図
排水計画図
造成断面図
雨水施設案
を作っているなら、その資料を全部出した方が相談は早くなります。
「まだ正式図面ではないから」
と簡単な説明だけに戻す必要はありません。
設計が進んでいるほど、
現在の計画を前提に具体的な指摘を受ける
方が効率的です。
行政書士へ相談するときも同じ資料でよい
行政書士へ最初に相談するときも基本は同じです。
必要なのは、
「雨水浸透阻害行為をお願いしたい」
という制度名だけではありません。
まず、
土地はどこか。
今は何に使われているか。
何へ変えるのか。
どのくらいの面積か。
工事はいつか。
を伝えます。
これが分かれば、
許可要否の確認から必要なのか。
申請図面まで作る必要があるのか。
すでに設計者がいるのか。
開発許可等とまとめて整理するのか。
を判断しやすくなります。
資料が何もないなら、まず5つだけ伝える
「まだ図面なんて何もない」
という場合は、まず、
所在地・地番
敷地のおおよその面積
現在何に使われている土地か
造成後何に使いたいか
いつ頃工事したいか
の5つから始めます。
ここまで分かれば、
次に位置図が必要。
公図を確認したい。
現況写真が欲しい。
簡単な造成計画を作りたい。
という次の作業を決められます。
最初から完璧な資料を作る必要はありません。
一番困るのは「造成内容がまだ何も分からない」状態
逆に相談が進みにくいのは、
土地は決まっている。
でも、
何㎡舗装するか不明。
建物を建てるか不明。
盛土するか不明。
土地を何に使うかもまだ不明。
という段階です。
この状態では、
造成前後で雨水の流れがどう変わるのか
を判断できません。
相談前に完成図面は不要ですが、
少なくとも、
この土地をこう使いたい
という計画の方向は必要です。
雨水浸透阻害行為の相談で重要なのは「今」と「後」を並べること
資料をたくさん持っていくこと自体が目的ではありません。
最も重要なのは、
造成前
と
造成後
を比較できることです。
たとえば、
現在
畑800㎡
造成後
アスファルト駐車場600㎡
緑地200㎡
というように並べるだけでも、相談内容が具体的になります。
さらに、
どこまで舗装するのか。
建物はあるのか。
排水先はどこか。
が加われば、本申請へ向けた話に進みやすくなります。
雨水浸透阻害行為の相談なら、造成計画が固まる前でも対応できます
雨水浸透阻害行為は、
500㎡以上だから申請書を書けば終わる
という手続ではありません。
現在の土地利用と造成後の利用を確認し、対象面積を整理したうえで、必要に応じて雨水貯留浸透施設を計画します。
「この土地は対象になる?」
「駐車場にしたいが、まだ造成図は完成していない」
「土地を買う前に雨水の手続を確認したい」
という段階からでも整理できます。
所在地・地番、現在の土地利用、造成後にしたいことが分かれば、そこから必要資料を確認します。
図面を完成させてからではなく、造成計画を固める前に一度ご相談ください。
[雨水浸透阻害行為について相談する]
まとめ
雨水浸透阻害行為を相談するとき、最初から許可申請書類一式を完成させる必要はありません。
まずあると話が早いのは、
土地を特定できる資料
現在の土地利用が分かる資料
造成後の計画が分かる資料
です。
具体的には、
所在地・地番
位置図
おおよその面積
現況写真
公図や現況図
簡単な造成計画
舗装・建物などの予定範囲
排水計画
過去の許可資料
などです。
全部そろっていなくても構いません。
特に最初の相談では、
現況と造成後を比較できること
が重要です。
そして、
500㎡前後で要否が微妙。
既存宅地や農地が混ざる。
過去の雨水対策がある。
開発許可・盛土規制法・農地転用も関係する。
という場合は、完成図面を作る前に相談する方がよいでしょう。
相談して許可対象と分かってから、
正確な求積
流出量計算
雨水施設計画
申請図面
へ進めます。
「資料を全部そろえてから相談」ではなく、「判断に必要な最低限を持って、足りない資料を相談で確定する」。
この順番の方が、造成計画のやり直しを減らしやすくなります。
お気軽にお問い合わせください
0566-68-5511
営業時間 9:00-21:00(土・日・祝日も対応)
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出典
愛知県|境川・猿渡川流域 雨水浸透阻害行為許可等/窓口・問合せ先
この記事は、2026年9月時点の愛知県・国土交通省等の公的情報をもとに作成しています。
