雨水浸透阻害行為とは?愛知県で許可が必要になるケース

この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。

土地を造成して駐車場にしたい、田畑に建物を建てたい、資材置場として使いたい。

このような計画では、農地転用や開発許可だけでなく、「雨水浸透阻害行為」の許可が必要になることがあります。

愛知県では、新川流域と境川・逢妻川・猿渡川流域が特定都市河川流域に指定されており、一定規模以上の雨水浸透阻害行為には許可が必要です。

ただし、「敷地が500㎡以上なら必ず許可」という単純な判断ではありません。

最初に確認するのは、次の3点です。

  • 計画地が特定都市河川流域に入っているか
  • 現在の土地利用から計画後の土地利用へ変えることで、雨水の流出量が増えるか
  • 雨水浸透阻害行為に該当する部分の面積が500㎡以上になるか

この記事では、愛知県で雨水浸透阻害行為の許可が必要になるケースを、この順番で整理します。

雨水浸透阻害行為とは

雨水浸透阻害行為とは、土地の使い方を変えることで、雨水が地面に浸透しにくくなり、土地から流れ出す雨水量を増加させる行為です。

たとえば、田畑は雨水が地中へ浸透しやすい土地ですが、そこに建物を建てたり、舗装した駐車場を整備したりすると、雨水が地中へ浸透しにくくなります。

その結果、雨水が短時間に河川や水路へ流れ込む量が増えるため、特定都市河川浸水被害対策法によって一定の行為が規制されています。

愛知県のセルフチェック表では、雨水浸透阻害行為の主な例として、次のような土地利用の変更が示されています。

現在の土地利用計画後の土地利用
田畑宅地
田畑駐車場
田畑グラウンド
原野未舗装の資材置場
未舗装の資材置場舗装した駐車場
未舗装の駐車場宅地

舗装する場合だけが対象とは限らない点には注意が必要です。

たとえば、原野を未舗装の資材置場に変更するケースも、愛知県のセルフチェック表では雨水浸透阻害行為の主な事例として示されています。

愛知県のどこでも許可が必要になるわけではない

雨水浸透阻害行為の許可制度は、愛知県全域に一律に適用されるものではありません。

愛知県では、

  • 新川流域
  • 境川・逢妻川・猿渡川流域

が特定都市河川流域に指定されています。

そのため、土地利用を変更する計画があっても、計画地が対象流域の外であれば、この制度による雨水浸透阻害行為許可の対象にはなりません。

一方で、同じ市内でも対象流域に入る場所と入らない場所があるため、「○○市だから対象」「○○市だから対象外」と市名だけで判断しないことが重要です。

計画地が対象流域に入っているかは、愛知県の「マップあいち」にある特定都市河川流域図で確認できます。

愛知県公式:特定都市河川流域図

三河地域では、刈谷市・安城市・知立市内の対象地域について、愛知県知立建設事務所が雨水浸透阻害行為の相談窓口となっています。

500㎡以上なら必ず許可というわけではない

愛知県では、対象流域において500㎡以上の雨水浸透阻害行為を行う場合に許可が必要になります。

ここで注意したいのが、「土地全体の面積」と「雨水浸透阻害行為に該当する面積」は必ずしも同じではないことです。

たとえば1,000㎡の土地を所有していても、その1,000㎡全体が雨水浸透阻害行為に該当するとは限りません。

反対に、土地をいくつかに分けて工事する場合でも、隣接地と一体的な利用があるときなどは、単純に1区画ずつ500㎡未満として判断できない場合があります。

愛知県のセルフチェック表でも、隣接地と一体的な利用がある場合には事前相談するよう示されています。

したがって、500㎡の判定では、

  1. 現在の土地利用を確認する
  2. 計画後の土地利用を確認する
  3. 土地利用ごとの面積を整理する
  4. 雨水浸透阻害行為に該当する面積を算定する

という順番で確認します。

敷地面積だけを見て「500㎡未満だから大丈夫」「500㎡以上だから必ず許可」と判断しないことが重要です。

関連記事

雨水浸透阻害行為は500㎡以上で許可が必要?面積判定を解説

駐車場をつくる場合も対象になることがある

駐車場造成は、雨水浸透阻害行為が問題になりやすい代表的なケースです。

たとえば、

  • 田畑をアスファルト舗装して駐車場にする
  • 未舗装の土地を舗装した駐車場にする
  • 田畑を事業用の車両置場にする

といった計画では、現在と計画後の土地利用によって雨水の流出係数が変わるため、許可対象になる可能性があります。

一方で、「駐車場をつくる」という言葉だけでは許可の要否は決まりません。

現在の土地がすでに宅地や舗装された土地なのか、田畑や原野なのかによって判断が変わるからです。

同じ500㎡の駐車場でも、

田畑から駐車場に変更するケースと、すでに舗装されている土地を駐車場として使うケースでは、雨水浸透阻害行為の判定が同じになるとは限りません。

関連記事

駐車場をつくると雨水浸透阻害行為の許可が必要?

自分の計画が許可対象か確認する順番

雨水浸透阻害行為の許可が必要か分からない場合は、最初から図面や計算書を作るのではなく、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

確認すること主な確認内容
1. 所在地特定都市河川流域に入っているか
2. 現況現在は田畑・原野・宅地・駐車場など何に使われているか
3. 計画建物・駐車場・資材置場など何に変更するか
4. 面積雨水浸透阻害行為に該当する部分が何㎡あるか
5. 一体利用隣接地などと一体的に利用する計画がないか
6. 過去の経緯以前の雨水許可や対策施設がないか

愛知県も、所在地、土地区画整理事業、土地開発の内容、雨水浸透阻害行為面積の順に確認するセルフチェック表を公開しています。

愛知県公式:雨水浸透阻害行為に関するセルフチェック表

すでに雨水浸透阻害行為の許可を受けた土地である場合や、現地に雨水対策施設・標識などがある場合は、新しい計画だけを見て判断せず、過去の許可内容も確認した方がよいでしょう。

許可が必要な場合は雨水対策施設の検討も必要

許可対象と判断された場合は、申請書を提出するだけでは手続きは終わりません。

開発によって増える雨水流出量を抑えるため、技術基準に従った雨水貯留浸透施設を計画する必要があります。

愛知県が示している施設には、

  • 地表面や地下に雨水を一時的に貯める施設
  • 浸透ます
  • 浸透トレンチ
  • 透水性舗装

などがあります。

どの施設を設置するかは、計画地の面積、土地利用、排水計画などによって変わります。

そのため、許可対象であることが分かってから初めて準備を始めると、造成計画や工事日程の見直しが必要になることがあります。

土地の購入、造成設計、工事発注を進める前の段階で、雨水浸透阻害行為に該当する可能性を確認しておくことが重要です。

関連記事

雨水浸透阻害行為の許可申請|必要書類・図面・手続きの流れ

雨水浸透阻害行為に必要な図面とは?どこまで作成する?

雨水浸透阻害行為の許可対象か迷ったら

雨水浸透阻害行為の判断では、「500㎡以上か」だけでなく、計画地の場所、現在の土地利用、計画後の土地利用、対象面積を順番に確認する必要があります。

特に、

  • 田畑を駐車場や宅地にする
  • 原野を資材置場として利用する
  • 未舗装部分を舗装する
  • 複数の土地を一体的に利用する

といった計画では、工事を進める前に許可の要否を確認しておくと手戻りを防ぎやすくなります。

愛知県三河の雨水浸透阻害行為許可についてご相談ください

いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、土地利用に関する許認可手続きのご相談を受けています。

雨水浸透阻害行為については、まず計画地が対象流域に含まれるか、現在と計画後の土地利用はどう変わるか、許可対象となる面積はどの程度かを整理することが出発点です。

「自分の土地が対象なのか分からない」
「駐車場や資材置場の計画を進める前に確認したい」
「許可が必要と言われたが、何から準備すればよいか分からない」

という場合は、計画地の所在地、土地の現況、予定している工事内容が分かる資料をご用意のうえ、ご相談ください。

お気軽にお問い合わせください

0566-68-5511

営業時間 9:00-21:00(土・日・祝日も対応)

出典

愛知県「雨水浸透阻害行為許可等」、愛知県「新川流域 雨水浸透阻害行為許可等」、愛知県「境川・猿渡川流域 雨水浸透阻害行為許可等」、愛知県「雨水浸透阻害行為に関するセルフチェック表」、愛知県「雨水浸透阻害行為許可等 技術基準」
この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。

トップへ戻る