
この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。
この記事は行政書士が監修しています。いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。
「空いている土地を駐車場にしたい」
「田んぼを造成して会社の駐車場にしたい」
このような計画では、雨水浸透阻害行為の許可が必要になることがあります。
愛知県も、雨水浸透阻害行為の代表例として「田畑などの締め固められていない土地を駐車場にする場合」を挙げています。
ただし、駐車場をつくるという理由だけで許可の要否が決まるわけではありません。
確認したいのは、
- 計画地が対象となる特定都市河川流域内か
- 現在その土地がどのように利用されているか
- 駐車場にすることで雨水が浸透しにくくなるか
- 雨水浸透阻害行為に該当する面積が500㎡以上になるか
という点です。
同じ「駐車場造成」でも、田畑を駐車場にする場合と、すでに舗装された土地をそのまま駐車場として利用する場合では判断が変わる可能性があります。
この記事では、愛知県で駐車場をつくる場合に雨水浸透阻害行為の許可が必要になるケースを整理します。
田畑を駐車場にする場合は雨水浸透阻害行為に該当することがある
愛知県は、雨水浸透阻害行為の具体例として、
「田畑などの締め固められていない土地を駐車場にする場合」
を示しています。
田畑などは雨水が地面へ浸透しやすい土地です。
そこを駐車場として利用するために造成したり、締め固めたり、舗装したりすると、従来よりも雨水が地中へ浸透しにくくなります。
その結果、土地から流れ出す雨水量が増えるため、雨水浸透阻害行為として規制対象になることがあります。
したがって、
「建物を建てないから関係ない」
「駐車場をつくるだけだから開発には当たらない」
とは判断できません。
雨水浸透阻害行為では、建物の有無より、土地利用の変更によって雨水の流出量が増えるかどうかが重要になります。
駐車場なら必ず許可が必要というわけではない
駐車場をつくる計画でも、すべてのケースで雨水浸透阻害行為許可が必要になるわけではありません。
まず確認するのは現在の土地利用です。
たとえば、
田畑から駐車場にする
愛知県が雨水浸透阻害行為の具体例として示しているケースです。
対象流域内で、雨水浸透阻害行為に該当する面積が500㎡以上となる場合は、許可の対象になる可能性があります。
未舗装の土地を舗装する
現在の土地が締め固められた資材置場などであっても、そこをアスファルトなどで舗装する行為は、愛知県が対象行為の例として示しています。
したがって、すでに車を置いている土地であっても、新たに舗装する場合は現在の土地利用と舗装後の土地利用を確認する必要があります。
すでに舗装されている土地を駐車場として利用する
すでに舗装されている土地を、土地の状態をほとんど変えず駐車場として利用する場合には、「駐車場にする」という用途名だけで雨水浸透阻害行為になるとは限りません。
現在と計画後で雨水の流出状況がどのように変わるのかを確認する必要があります。
つまり、
「駐車場だから許可」
ではなく、
「現在どんな土地で、それをどう変えるのか」
から考えることが重要です。
500㎡は駐車場全体の面積だけで判断しない
愛知県では、対象となる流域で500㎡以上の雨水浸透阻害行為を行う場合に許可が必要になります。
ただし、駐車場計画地全体の面積と、雨水浸透阻害行為に該当する面積が必ず一致するわけではありません。
たとえば1,000㎡の土地の中に、
- 既存の舗装部分
- 新たに舗装する部分
- 建物部分
- 緑地として残す部分
がある場合、1,000㎡という敷地面積だけを見て判断するのではなく、現況と計画後の土地利用を整理して雨水浸透阻害行為に該当する部分を算定します。
反対に、「舗装する部分が500㎡未満だから必ず許可不要」とも限りません。
複数の土地を一体的に利用する場合などは、計画全体について確認が必要になることがあります。
関連記事
まず駐車場予定地が対象流域に入っているか確認する
雨水浸透阻害行為の許可制度は、愛知県内すべての土地に一律に適用されるわけではありません。
愛知県では、
- 新川流域
- 境川・逢妻川・猿渡川流域
が特定都市河川流域に指定されています。
そのため、最初に駐車場予定地が対象流域に入っているかを確認します。
同じ市内でも流域の内外が分かれる場合があるため、市名だけで判断するのではなく、土地の所在地を確認することが重要です。
三河地域では、境川・逢妻川・猿渡川流域における雨水浸透阻害行為について、愛知県知立建設事務所が相談窓口となる地域があります。
駐車場計画ではこの順番で許可要否を確認する
駐車場を計画している場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
| 順番 | 確認すること |
|---|---|
| 1 | 駐車場予定地が特定都市河川流域内か |
| 2 | 現在の土地利用が田畑・原野・宅地・舗装地などのどれか |
| 3 | 造成後に未舗装・砕石・舗装など、どのような状態になるか |
| 4 | 雨水が浸透しにくくなる部分はどこか |
| 5 | 雨水浸透阻害行為に該当する面積が500㎡以上か |
| 6 | 隣接地などと一体的な利用がないか |
| 7 | 過去の雨水許可や雨水対策施設がないか |
この段階で許可の可能性がある場合は、駐車場の舗装や排水計画を確定する前に相談しておく方が進めやすくなります。
許可が必要になると雨水対策施設の検討も必要
雨水浸透阻害行為の許可対象となった場合、申請書だけを作ればよいわけではありません。
開発によって増える雨水流出量を抑えるため、技術基準に従った雨水貯留浸透施設を設置する必要があります。
愛知県が示している施設には、
- 駐車場などの地表面を利用した貯留施設
- 地下貯留施設
- 浸透ます
- 浸透トレンチ
- 透水性舗装
などがあります。
どのような施設が必要になるかは、土地利用、面積、排水計画などによって変わります。
駐車場の配置や舗装方法を決めたあとに雨水対策を検討すると、計画変更が必要になることも考えられます。
そのため、土地利用計画と雨水対策は別々に考えず、早い段階で確認しておくことが重要です。
関連記事
駐車場工事を進める前に確認しておきたいケース
特に次のような場合は、許可の要否を先に確認しておくと手戻りを防ぎやすくなります。
- 田畑を事業用駐車場にする
- 田畑を月極駐車場にする
- 未舗装の土地をアスファルト舗装する
- 資材置場を駐車場に変更する
- 500㎡前後の造成を予定している
- 隣接する土地も同じ事業で利用する
- 過去に雨水対策施設が設置されている
重要なのは、「駐車場」という名称だけで判断しないことです。
所在地、現況、計画後の土地利用、面積を順番に整理することで、自分の計画が雨水浸透阻害行為に該当する可能性を絞り込めます。
愛知県三河の駐車場造成・雨水浸透阻害行為についてご相談ください
いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、土地利用に関する許認可手続きのご相談を受けています。
「田畑を駐車場にしたいが雨水の許可が必要か分からない」
「500㎡を超える駐車場造成を予定している」
「舗装計画を進める前に必要な手続きを整理したい」
という場合は、計画地の所在地、現在の土地の状態、予定している駐車場の面積や舗装方法などを確認しながら整理します。
許可が必要か分からない段階でもご相談ください。
お気軽にお問い合わせください
0566-68-5511
営業時間 9:00-21:00(土・日・祝日も対応)
出典
愛知県公式:新川流域 雨水浸透阻害行為許可等、愛知県公式:雨水浸透阻害行為の対象となる開発行為、愛知県公式:雨水浸透阻害行為の許可申請・技術基準等、愛知県公式:知立建設事務所 河川整備課
この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。
