雨水浸透阻害行為の許可申請は自分でできる?行政書士に依頼した方がよいケース

この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。

雨水浸透阻害行為の許可が必要と言われると、

「自分で申請できる?」

「行政書士に頼まないといけない?」

「役所へ聞きながら自分で作れば費用を抑えられる?」

と考えることがあります。

結論からいうと、雨水浸透阻害行為の許可申請を必ず行政書士へ依頼しなければならないわけではありません。

愛知県の手続案内では、手続対象者は「雨水浸透阻害行為を行おうとする者」とされており、県も申請者自身が許可要否を確認するためのセルフチェック表を公開しています。

そのため、

自分の土地が対象区域か確認する
許可対象になりそうか確認する
窓口へ事前相談する

ところまでは、自分でも進めやすいでしょう。

ただし、本申請になると話が変わります。

雨水浸透阻害行為の申請では、申請書を埋めるだけではなく、

  • 造成前後の土地利用
  • 対象面積
  • 雨水流出量
  • 雨水貯留浸透施設
  • 調整池容量
  • 計画図

などを整合させる必要があります。

したがって、

申請書を書けるか

ではなく、

必要な計算・図面・計画まで自分で作れるか

で考えた方が実際的です。

まず許可が必要か調べるところまでは自分でできる

愛知県では、新川流域や境川・逢妻川・猿渡川流域などの対象区域で、500㎡以上の雨水浸透阻害行為を行う場合、許可が必要になる可能性があります。

最初に確認するのは、

土地が特定都市河川流域内か。

現在の土地利用は何か。

造成後にどう使うのか。

雨水が地面へ浸透しにくくなる面積は何㎡か。

です。

たとえば、

田畑
↓
アスファルト駐車場

のように土地利用を変える場合は、雨水流出量が増えるため確認が必要になります。

愛知県はセルフチェック表も公開しています。

そのため、

そもそも500㎡以上なのか
対象区域なのか
雨水浸透阻害行為に該当しそうか

という入口確認だけなら、まず自分で調べてみても構いません。

分からなければ、いきなり申請書を作らず事前相談する

自分で進める場合でも、

「たぶん対象だろう」

と判断して申請書を作り始める必要はありません。

愛知県は、個別案件について開発地ごとの窓口へ連絡し、必要事項を整理したうえで事前相談するよう案内しています。

つまり、

土地の場所
現在の状況
造成後の計画
面積

などを整理して、

そもそも許可が必要なのか

から確認できます。

許可不要なら、本申請書を作る必要はありません。

自分で行う場合ほど、

最初に要否確認を済ませる

方が無駄がありません。

本申請になると「書類作成」より計算と図面が中心になる

雨水浸透阻害行為の申請が難しくなるのはここからです。

愛知県の様式を見ると、許可申請書だけではありません。

たとえば、

土地利用別面積集計表

雨水浸透阻害行為前後の雨水流出量

雨水貯留浸透施設の規模

調整池容量計算結果

貯留・浸透施設チェックシート

などがあります。

さらに、対策工事の計画図なども必要です。

つまり、

名前・住所・面積を記入して提出する届出

とは違います。

造成前後の土地利用を分け、その面積を拾い、雨水流出量を計算し、必要な対策施設を計画する必要があります。

計算システムがあるから簡単とは限らない

愛知県では、雨水貯留浸透施設の設計を支援するため、調整池容量計算システムを利用できます。

そのため、

「Excelに数字を入れれば終わりでは?」

と思うかもしれません。

ただし、計算システムへ入力する前に、

  • 造成前後の土地利用区分
  • 行為面積
  • 流出係数
  • 貯留施設の形状
  • 放流口
  • 基準降雨

などの前提を決める必要があります。

計算結果が出ても、その結果と造成図・排水計画・貯留施設計画が一致していなければ申請図書としてまとまりません。

難しいのは、

計算ボタンを押すこと

より、

正しい条件を入れ、計画全体を合わせること

です。

自分で進めやすいのは「既に図面と設計がそろっているケース」

たとえば、

造成設計者がいる。

造成平面図・断面図・排水計画ができている。

土地利用別面積も拾ってある。

雨水施設の計画もほぼ決まっている。

という場合です。

この状態なら、申請者自身が役所と相談しながら書類をまとめるハードルはかなり下がります。

つまり、

行政書士へ依頼するかどうかは、申請者が一般人か事業者かだけでは決まりません。

手元にどこまで資料がそろっているかで変わります。

逆に「土地だけ決まった」段階では行政書士へ依頼する価値が上がる

たとえば、

畑を500㎡以上造成して駐車場にしたい。

土地は決まった。

しかし、

どこまでが雨水浸透阻害行為面積か分からない。

どれくらい雨水施設が必要か分からない。

造成業者もまだ具体的な雨水計画を作っていない。

という段階です。

この場合は、

申請書の代筆だけ

では済みません。

許可要否の整理から始め、

必要な図面や計算資料を集め、

役所との事前相談結果を造成計画へ反映する必要があります。

この段階から行政書士へ相談した方が、後から設計を戻す可能性を減らせます。

500㎡前後なら要否判定で迷いやすい

たとえば敷地全体が600㎡あっても、

必ず600㎡すべてが雨水浸透阻害行為面積になるとは限りません。

逆に、

「駐車場部分だけなら499㎡だから大丈夫」

と単純に判断できるとも限りません。

確認するのは、

どの範囲で土地利用が変わり、雨水の浸透を妨げるのか

です。

既存宅地部分がある。

一部だけ舗装する。

通路だけ締め固める。

複数の土地利用が混ざる。

という場合は、面積集計そのものが判断になります。

500㎡付近の案件ほど、

測った面積だけで自己判断せず、計画図を基に事前相談

した方が安全です。

行政書士へ依頼した方がよいのは「申請書が書けない人」だけではない

行政書士へ依頼する価値は、申請書を代わりに書いてもらうことだけではありません。

雨水浸透阻害行為では、

許可対象かの整理
↓
役所との事前相談
↓
必要図書の整理
↓
計算・図面との整合
↓
許可申請
↓
着手届
↓
工事完了届

という流れになります。

途中で計画変更があれば、変更許可や変更届の確認も必要です。

したがって、

最初から最後まで手続を管理する負担を減らしたい

場合にも外注価値があります。

開発許可や盛土規制法も関係するなら自分だけで進める難易度が上がる

特に行政書士へ相談する意味が大きくなるのが、他の土地手続と重なるケースです。

たとえば、

建物建築のための造成
↓
都市計画法の開発許可

一定規模以上の盛土・切土
↓
盛土規制法

農地を駐車場・資材置場へ変更
↓
農地転用

さらに、

雨水浸透阻害行為

が重なるケースです。

この場合、雨水申請だけ完成しても造成計画全体が進むとは限りません。

各制度で、

造成高
土地利用
排水
擁壁
工事区域

などの図面を使います。

そのため、

雨水だけ自分で申請し、他の手続は後から考える

と、図面変更が発生することがあります。

複数制度が重なるほど、最初から全体を整理できる人へ依頼する価値が高くなります。

行政書士に頼めば図面も計算も全部できる?

ここは依頼前に確認した方がよいところです。

愛知県行政書士会は、雨水浸透阻害行為許可申請を行政書士の土地開発関連業務として挙げています。

ただし、

すべての行政書士が雨水申請の図面作成や流出計算まで対応しているわけではありません。

実際、雨水浸透阻害行為を扱う行政書士事務所でも、

「土木・測量・計算の知識が必要」

として専門性を打ち出しているところがあります。

また、造成計画自体の設計について、別の設計者や測量・土木関係者との連携が必要になる案件もあります。

依頼するときは、

「申請書だけですか?」

ではなく、

要否判定
事前相談
土地利用面積集計
流出量計算
雨水施設計算
図面
他法令との調整
完了までの届出

のどこまで対応するかを確認した方がよいでしょう。

すでに設計会社がいるなら、役割を分けてもよい

たとえば造成会社や設計事務所が、

造成図
排水図
貯留施設の設計
必要な計算

まで作成するケースもあります。

その場合、

設計会社
→ 技術資料

行政書士
→ 許可要否整理・行政協議・申請書類・提出手続

という分担もできます。

つまり、

全部行政書士
か
全部自分

の二択ではありません。

自分・行政書士・設計者で役割を分けることもできます。

自分で申請する方が向いているケース

次のような状況なら、自分で進める余地があります。

状況自分で進めやすさ
許可要否だけ知りたい高い
土地・計画が単純比較的高い
図面・面積表がすでにある比較的高い
計算システムを扱える高くなる
役所との事前相談に自分で対応できる高くなる
開発許可等の他法令がほぼない高くなる

ただし、自分で行えば必ず早くなるわけではありません。

補正や計画修正が多くなれば、かえって時間がかかる場合があります。

行政書士へ依頼する価値が上がるケース

一方、次のような案件は外注を検討しやすくなります。

許可要否から分からない

対象流域・行為面積・既存土地利用の判定から必要になる場合。

500㎡前後で判断が微妙

対象面積の拾い方によって許可要否が変わりそうな場合。

貯留施設の計画が必要

どの程度の施設を確保するか造成計画との調整が必要な場合。

図面・計算を作れない

土地利用集計や調整池容量計算まで自分で行うのが難しい場合。

開発許可・盛土規制法・農地転用も関係する

複数の手続を同時に整合させる必要がある場合。

造成工事の日程が決まっている

補正ややり直しで工事開始が遅れる影響が大きい場合。

このあたりから、

自分でできるか

より、

自分でやる時間とやり直しリスクに見合うか

で考えた方がよくなります。

自分でやるか迷ったら「要否確認だけ自分」で一度止める

最初から、

全部自分で申請する。

全部行政書士へ任せる。

と決める必要はありません。

まず、

土地の所在地
敷地面積
現在の土地利用
造成後の用途
舗装範囲

を確認する。

愛知県のセルフチェックを使う。

窓口へ事前相談する。

ここまで自分で行い、

許可対象だと分かってから、本申請だけ依頼する

方法もあります。

逆に事前相談の段階で、

「土地利用図を作ってください」
「面積を区分してください」
「雨水計算が必要です」

となり、自分では難しいと感じたところで行政書士へ切り替えても構いません。

自分で申請するかの境目は「申請書」ではなく「計画を説明できるか」

雨水浸透阻害行為許可で本当に必要なのは、

申請書の空欄を埋めることではありません。

役所から、

「この部分の造成前の土地利用は何ですか」

「この面積はどう算出しましたか」

「対策施設の容量はどう計算しましたか」

「この図面と面積表が一致していません」

と聞かれたときに、

自分の計画を資料で説明できること

です。

ここまで自分で対応できるなら、自分で申請する余地があります。

難しいなら、行政書士や設計者へ依頼する意味が大きくなります。

雨水浸透阻害行為の申請でお困りなら

雨水浸透阻害行為は、

500㎡を超えたから申請書を出す

だけの手続ではありません。

土地の現況・造成後の利用・雨水流出量・対策施設を整理し、必要な図面と計算をそろえて申請します。

また、土地によっては開発許可・盛土規制法・農地転用などが同時に関係します。

「この土地は許可が必要?」

「駐車場造成を考えているが、何から確認すればいい?」

「役所から雨水浸透阻害行為の確認をするよう言われた」

という段階から、必要な手続を整理します。

造成計画を固める前の段階でもご相談ください。

[雨水浸透阻害行為・土地造成について相談する]

まとめ

雨水浸透阻害行為の許可申請は、

必ず行政書士へ依頼しなければならない手続ではありません。

許可要否の確認や事前相談までなら、自分でも進めやすいでしょう。

ただし、本申請では、

土地利用別面積
行為前後の雨水流出量
雨水貯留浸透施設の規模
調整池容量
各種図面

などが必要になります。

そのため、

自分で申請できるか

を、

「申請書を書けるか」

だけで判断しない方がよいでしょう。

一つの境目になるのは、

必要な図面・計算をそろえ、自分の造成計画を役所へ説明できるか

です。

さらに、

開発許可
盛土規制法
農地転用

などが重なる場合は、個別の申請だけでなく造成計画全体の整合も必要になります。

自分で進めるなら、まずセルフチェックと事前相談。

そこで許可対象となり、

図面・計算・他法令調整まで必要になったら、行政書士や設計者への依頼を検討する。

「全部自分」か「全部依頼」ではなく、どこから専門家を入れるか

で考えると判断しやすくなります。

お気軽にお問い合わせください

0566-68-5511

営業時間 9:00-21:00(土・日・祝日も対応)

出典

愛知県|雨水浸透阻害行為の許可, 愛知県|雨水浸透阻害行為許可等/様式集, 愛知県|雨水浸透阻害行為許可等/技術基準等, 愛知県|新川流域 雨水浸透阻害行為許可等/窓口・問合せ先, 愛知県|境川・猿渡川流域 雨水浸透阻害行為許可等/窓口・問合せ先, 国土交通省|雨水浸透阻害行為の事務に関する参考資料

この記事は、2026年9月時点の愛知県・国土交通省・日本行政書士会連合会等の公開情報をもとに作成しています。

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