この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。
白ナンバーのダンプを1台、2台、3台ほど持って仕事をしていて、
「緑ナンバーにしたいけど、5台ないと無理?」
「一人親方だから1台だけ特例で認めてもらえない?」
「ダンプは用途が限られるから、普通のトラックと別扱いにならない?」
と考える方もいるでしょう。
結論からいうと、通常の一般貨物自動車運送事業では、営業所ごとに原則5両以上の事業用自動車が必要です。
そのため、建設現場で土砂・砕石・残土などを運ぶ一般的なダンプ運送について、
ダンプ1台だから特例で緑ナンバーを取れる
個人事業主なら2台・3台でも取れる
という一般的な制度はありません。
2026年には、自家用ダンプの事業者側から国土交通省へ、
「軽貨物や個人タクシーのように、ダンプも1台で営業ナンバーを取得できるようにしてほしい」
という趣旨の質問も出ています。
しかし国土交通省は、2026年4月の改正は白トラを利用する荷主等への規制を新たに導入するものであり、従来の白トラの取扱いを変更するものではないとして、
許可要件の緩和は考えていない
と回答しています。
つまり、2026年の白トラ規制強化を受けても、
「ダンプだけ1台で一般貨物を取れるようになった」わけではありません。
一般貨物は営業所ごとに原則5台以上
一般貨物自動車運送事業の許可基準では、営業所ごとに配置する事業用自動車について、原則として5両以上が必要です。
ダンプも普通貨物自動車として一般貨物の事業に使用するなら、この最低車両数を確認します。
たとえば現在、
- ダンプ1台
- ダンプ2台
- ダンプ3台
- ダンプ4台
という状態なら、その台数だけでは通常の一般貨物の新規許可基準に届きません。
「あと何台必要か」を考える前に、まず現在の仕事に本当に一般貨物の許可が必要なのかを確認した方がよいでしょう。
5台未満でも認められる例外はある
一般貨物には、5台未満でも認められる一定の例外があります。
国土交通省の案内では、
- 霊きゅう運送
- 一般廃棄物運送
- 一般的に需要の少ない一定の島しょ地域
などについて、5両未満でも許可となる場合があります。
ただし、
建設現場で土砂・砕石・残土を運ぶ一般的なダンプ運送
が、この理由だけで5台要件の例外になるわけではありません。
「ダンプは特殊な使い方をする車だから1台でよいのでは」と考えたくなりますが、2026年の国交省Q&Aでもダンプについて許可要件を緩和する考えはないと示されています。
個人事業主なら1台で取れる?
個人事業主だから最低車両数が少なくなるわけではありません。
一般貨物自動車運送事業は、法人だけではなく個人でも申請できます。
しかし、
個人なら1台
法人なら5台
という制度ではありません。
個人事業主でも、通常の一般貨物を始めるなら原則5台以上を前提に許可要件を確認します。
法人化しても、この5台要件を回避できるわけではありません。
ダンプ1台の人は、まず「本当に緑が必要か」を確認する
現在1台だけで仕事をしている方にとっては、ここが最も重要です。
たとえば、
- 自分で所有する砕石を自分で運んで販売する
- 自分が施工する工事のためにダンプを使う
- 自社工事で発生した残土を、その工事に付帯して運ぶ
といった仕事なら、白ナンバーで行える場合があります。
つまり、
「白トラ規制が厳しくなった」
↓
「自分も緑ナンバーを取らなければ」
↓
「5台買わなければ」
とすぐ進む必要はありません。
最初に、
今やっている運搬が一般貨物の許可を必要とする仕事なのか
を確認します。
1台のまま他社の荷物を運ぶ仕事を続けたい場合
一方、
- 他社の残土を処分場まで運ぶ
- 他社の砕石・砂・土を現場へ届ける
- 自分は工事をせず運搬だけを行う
- 1往復・1日などで運搬料金を受け取る
という仕事を今後も続けたい場合です。
このような仕事が一般貨物自動車運送事業に該当するなら、
「今は1台だから白ナンバーで続ける」
ということはできません。
通常の一般貨物として事業を行うなら、原則5台以上を含めた許可体制を作ることを検討します。
2台・3台・4台ならあと足りない分だけ用意すればいい?
車両数だけを見れば、
- 2台ならあと3台
- 3台ならあと2台
- 4台ならあと1台
という考えになります。
ただし、一般貨物の許可は「車を5台そろえれば終わり」ではありません。
一般貨物へ移るなら、
- 5台を収容できる車庫
- 営業所
- 必要な運転者
- 運行管理体制
- 整備管理体制
- 必要資金
- 法令試験
なども確認します。
現在4台持っているから「あと1台買えば緑にできる」と単純には考えない方がよいでしょう。
5台全部を今すぐ現金で買う必要はある?
5台すべてを現金で所有していなければならないわけではありません。
一般貨物の事業に使用する車両について、申請者が使用権原を確保できることが重要です。
申請実務では、
- 自己所有車両
- 購入予定車両
- リース車両
などを含めて計画することがあります。
ただし、
「知人のダンプを必要なときだけ借りる」
というだけで、一般貨物の事業用車両として数えられるとは限りません。
許可事業者が継続的にその車両を使用・管理できる関係を作る必要があります。
知り合いの一人親方4人と組めば5台になる?
現在ダンプ1台を持っている人が、
「知り合いの一人親方4人にもダンプを持ってきてもらえば5台になる」
と考えることがあります。
しかし、それぞれが独立した個人事業主として自分のダンプを所有し、
「仕事がある日に集まる」
というだけでは、一般貨物の5台体制とは別です。
許可を受ける事業者が、
- 車両を使用できる権原
- 運転者
- 車庫
- 運行管理
- 整備管理
を一体として管理できる必要があります。
単純に車両の台数を足せばよいわけではありません。
5台にすると車庫も変わる
現在ダンプ1〜2台を置いている車庫では、5台を収容できないことがあります。
一般貨物の車庫は、計画する事業用自動車をすべて収容できる必要があります。
さらに、
- 車両と車庫境界
- 車両相互間
には一定の間隔が必要です。
そのため、
「あと4台調達できる」
だけでなく、
その5台を実際に置ける土地があるか
を確認します。
一人親方が一般貨物へ移るときには、車両より車庫探しで止まることも考えられます。
車が5台になれば、一人でも一般貨物をできる?
ここも注意したいところです。
現在一人で1台を運転している場合でも、5台を事業用車両として配置するなら、その事業を適切に運営できる人員体制を作る必要があります。
5台だけ用意して、
「運転するのは自分一人」
では、実際の運送事業としてどう運行するのかを確認する必要があります。
さらに、必要な運行管理者・整備管理者等の体制もあります。
つまり1台から5台へ移ることは、
車を4台追加する
というより、
一人でダンプを運転する仕事から、複数車両を管理する運送事業へ広げる
という変化です。
5台にするためだけに事業を大きくしてよいか
現在の仕事量が、
「ダンプ1台で毎日仕事がある」
という状態だったとします。
元請から、
「今後は緑ナンバーで」
と言われたために一般貨物を検討すると、
1台
↓
5台以上
まで事業規模を広げることになります。
その場合は、
- あと4台分の仕事があるか
- 運転者を確保できるか
- 車庫を広げられるか
- 固定費を負担できるか
- 主要元請から今後も十分な発注があるか
まで考えます。
許可を取れるかと、許可を取るべきかは別です。
元請から「緑にして」と言われた1台事業者はどうする?
まず元請へ確認します。
- なぜ緑ナンバーが必要なのか
- 法律上の理由なのか
- 会社独自の発注条件なのか
- 白ナンバーで適法な付帯運送も一律禁止なのか
- いつから必要なのか
- 一般貨物を取った後も十分な仕事を出してもらえるのか
法律上は白ナンバーで行える運搬でも、元請が会社独自のルールとして緑ナンバーを求める場合があります。
そのときは、
5台規模へ広げてまでその元請との取引を続ける価値があるか
という経営判断になります。
1台・少数台のまま続けるなら仕事の取り方を確認する
一般貨物へ移らず、現在の1〜4台の白ナンバーダンプを使って仕事を続けるなら、
- 自家運送
- 自社の販売に付帯する運搬
- 自社の建設工事に付帯する運搬
など、一般貨物の許可が不要となる範囲で行う必要があります。
反対に、
「車は少ないから白で仕方ない」
という理由で、一般貨物の許可が必要な他社貨物の有償運送を続けられるわけではありません。
車両台数と白トラになるかどうかは別の問題です。
5台未満の人が確認する順番
ダンプが1〜4台しかない状態で緑ナンバーを考えるなら、次の順番で確認します。
- 現在の仕事に一般貨物の許可が必要か
- 白ナンバーのまま適法に続けられる仕事か
- 今後も他社貨物の有償運送を主力にしたいか
- 5台以上の車両を確保できるか
- 5台を置ける車庫を確保できるか
- 必要な運転者・管理体制を作れるか
- 必要資金を確保できるか
- 5台規模でも仕事量を確保できるか
この順番なら、
「5台ないからどうやって5台にするか」
だけで考えずに済みます。
ケース別|1台・少数台ならどう考える?
| 現在の状態 | 最初に考えること |
|---|---|
| ダンプ1台・自社工事主体 | 白で続けられる仕事か確認 |
| ダンプ1台・他社の運搬だけが主力 | 一般貨物化を検討 |
| ダンプ2〜4台・仕事量は少ない | 5台化の採算を確認 |
| ダンプ4台・仕事は十分ある | あと1台だけでなく全許可要件を確認 |
| 元請から緑限定と言われた | 法律か元請独自ルールか確認 |
| 5台にできるが運転者がいない | 人員計画から確認 |
| 5台にできるが車庫がない | 車庫候補を先に確認 |
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まとめ
通常の一般貨物自動車運送事業では、営業所ごとに原則5両以上の事業用自動車が必要です。
そのため、一般的な土砂・残土・砕石等のダンプ運送について、
- ダンプ1台
- ダンプ2台
- ダンプ3台
- ダンプ4台
のまま通常の一般貨物の新規許可を取ることは、原則としてできません。
霊きゅう運送や一般廃棄物運送等には5台未満の例外がありますが、通常の建設ダンプについて同じ特例があるわけではありません。
2026年には、ダンプについて1台から営業ナンバーを取得できるよう許可要件を緩和してほしいという質問も国土交通省へ出ていますが、国は許可要件の緩和は考えていないと回答しています。
ただし、
ダンプが5台ない=仕事を続けられない
という意味ではありません。
現在の運搬が、
- 自家運送
- 自分・自社の販売に付帯する運搬
- 自分・自社の建設工事に付帯する運搬
として一般貨物の許可が不要なら、白ナンバーで続けられる場合があります。
一方、今後も他社の貨物を有償で運ぶこと自体を事業にするなら、5台以上を含む一般貨物の許可体制を作ることを検討します。
1台・少数台の個人事業主にとって大事なのは、
「どうやって5台そろえるか」から考えるのではなく、「5台規模の運送事業へ本当に広げるのか」を先に決めること
です。
ダンプが5台なく、一般貨物へ移るか迷っている方へ
「ダンプ1台しかないが元請から緑ナンバーを求められた」
「3台持っているので、あと2台増やせば許可を取れるのか知りたい」
「5台に増やすほど仕事があるか分からない」
という場合は、まず現在の仕事内容と一般貨物の許可要否から確認します。
いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、ダンプ1台・少数台から一般貨物自動車運送事業へ移行する場合の条件を整理しています。
現在の車両台数、車庫、仕事内容、人員、今後の仕事量などから、白ナンバーで続けるのか、5台以上の体制を作って一般貨物へ移るのかを確認します。
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出典
国土交通省 中部運輸局|一般貨物自動車運送事業の申請事案の処理方針
国土交通省 関東運輸局|一般貨物自動車運送事業の許可申請等に関するQ&A
国土交通省|資材・骨材関連事業Q&A(2026年3月31日時点)
国土交通省 中部運輸局|一般貨物自動車運送事業の申請・届出・報告様式
この記事は、2026年9月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。
