白ナンバーダンプで土砂を運ぶのは違法?有償運送になる場合を確認

この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。

白ナンバーのダンプで、

  • 残土
  • 砕石
  • 砂
  • 土
  • 合材

などを運んでいると、

「土砂を運ぶだけでも白トラになる?」

「1往復いくらでもらったら有償運送?」

「自分の工事の残土なら白ナンバーで運んでいい?」

と迷うことがあります。

結論からいうと、白ナンバーダンプで土砂を運ぶこと自体が違法なのではありません。

問題になるのは、

他人の需要に応じて、有償で、土砂等の貨物を運送する事業をしているか

です。

たとえば、

  • 自分で所有する砕石・土砂を自分で運ぶ
  • 自分が施工する工事に必要な土砂を運ぶ
  • 自分が施工した工事で発生した残土を、その工事の一部として運ぶ

といった場合には、一般貨物自動車運送事業の許可が不要となることがあります。

一方、

  • 自分は工事をせず、他社の残土を処分場まで運ぶ
  • 他社の砕石を現場へ届けるだけ
  • 1往復○円、1立米○円、1日○万円で運搬だけを請け負う

という場合は、一般貨物自動車運送事業の許可が必要な有償運送にならないか確認します。

まず今の土砂運搬を分けてみる

今やっている仕事最初に見る方向
自分で仕入れた砕石を自分で販売・配送自家運送か確認
自分が施工する工事へ土砂を搬入工事に付帯する運搬か確認
自社工事で発生した残土を搬出工事との一体性を確認
他社工事の残土を処分場まで運ぶだけ一般貨物を確認
他社の砕石を別現場へ届けるだけ一般貨物を確認
1往復○円運送そのものの対価か確認
1立米○円商品代か運搬代か確認
ダンプ1台1日○万円実際の仕事内容を確認

一つの条件だけで違法・合法を決めるのではなく、仕事全体を見ます。

自分で所有する土砂・砕石を運ぶ場合

自ら所有する貨物を自ら運ぶ場合は、通常、一般貨物自動車運送事業の許可は不要となります。

たとえば、

  1. 自分で砕石を仕入れる
  2. 自分の商品として所有する
  3. 自分の白ナンバーダンプで販売先まで運ぶ
  4. 商品代金を受け取る

という場合です。

国土交通省も、自家用ダンプの取扱いについて、建設会社や土砂等販売業者が自ら所有する貨物を自ら運ぶ場合は、通常「他人の需要」と「有償」に該当しないため、許可不要となる考え方を示しています。

ただし、

白ナンバーで運びたいから形式上だけ自分が買ったことにする

という意味ではありません。

実際に誰が仕入れ、誰が所有し、誰が販売し、何の代金を受け取っているのかを見ます。

自分の工事で発生した残土を運ぶ場合

建設工事を自分・自社で施工し、その工事で発生した残土を自社ダンプで搬出する場合です。

この運搬が、

  • 自社が行う工事と密接不可分
  • その工事に付帯する運搬
  • 自社が工事と運搬を一体として行う
  • 運送そのものに独立した対価がない

という関係なら、一般貨物の許可が不要となる場合があります。

重要なのは、

残土だから許可不要

なのではなく、

自分の建設工事に付帯した運搬だから許可不要となり得る

という点です。

他社の残土を運ぶだけなら判断が変わる

たとえば元請から、

「この現場の残土を処分場まで運んで」

と頼まれたとします。

自分・自社はその工事を施工せず、

  • 残土を積む
  • 処分場へ運ぶ
  • 降ろす

ことだけを行い、その運搬に対して料金を受け取るのであれば、他人の需要に応じた有償運送として一般貨物の許可を確認します。

建設現場から出た残土だから、自由に白ナンバーで有償運搬できるということではありません。

残土は「捨てる物」だから貨物ではない?

残土について、

「商品じゃない」

「処分するだけだから貨物ではない」

と考えることがあります。

しかし、貨物自動車運送事業法上の判断は、商品価値があるかだけで決まりません。

国土交通省の建設事業Q&Aでも、建設工事で発生する残土等の運搬について、運搬者自身が工事をしているか、運送そのものに有償性があるかといった観点から整理されています。

そのため、

売り物ではない=白ナンバーで有償運搬してよい

とは考えません。

1往復○円なら有償運送?

たとえば、

「処分場まで1往復8,000円」

「砕石を1往復1万円」

という料金で仕事をしている場合です。

この料金体系だけで直ちに白トラと決まるわけではありません。

ただし、自分は工事を施工せず、

  • 土砂を積む
  • 指定場所へ運ぶ
  • 運搬回数に応じて料金を受け取る

という仕事なら、運送そのものへの対価である可能性が高くなります。

一般貨物自動車運送事業の許可を確認した方がよい場面です。

1立米○円の場合は何を見る?

「1立米○円」という支払いもあります。

ここでは、

何の1立米なのか

を確認します。

たとえば、自分で仕入れた砕石について、

「材料代・配送込みで1立米○円」

として販売している場合があります。

一方、元請所有の土砂について、

「運んだ量1立米につき○円」

を受け取っているのであれば、運送量に応じた対価になっていないか確認します。

単価の単位ではなく、

商品販売の対価なのか、土砂運搬の対価なのか

を見ます。

ダンプ1台1日○万円の「常用」は?

建設現場では、

「明日ダンプ1台、常用で」

という形で仕事を受けることがあります。

たとえば一日の仕事が、

  • 朝、指定された現場へ行く
  • 指示された土砂を積む
  • 処分場や別現場へ運ぶ
  • 一日中それを繰り返す
  • ダンプ1台について日額を受け取る

という場合です。

「常用」という名前だけで建設工事の請負になるわけではありません。

実際には運搬だけをしていて、そのダンプ・運転者を提供することに対して日額を受け取っているのであれば、有償運送として確認が必要です。

工事代金に含めれば有償運送ではなくなる?

請求書の書き方だけでは決まりません。

たとえば請求書に、

「土工事一式」

と書いていても、実際には自分は施工せず、一日中ダンプ運搬だけをしている場合です。

名称を工事費に変えても、仕事の実態までは変わりません。

逆に、自分・自社が本当に土工事や造成工事を請け負い、その工事を完成させるために残土搬出・土砂搬入をしているのであれば、運搬が建設工事に付帯するものとして整理できる可能性があります。

見るべきなのは、

請求書の名前ではなく実際の仕事です。

燃料代だけなら大丈夫?

「運賃はもらっていない。燃料代だけもらっている」

というケースもあります。

この場合も、名称だけでは判断できません。

本当に実費精算なのか、それとも燃料代という名前で実質的に運送の対価を受け取っているのかを確認します。

有償性は、

「利益が出ているか」

だけで判断するものではありません。

何の対価として金銭等を受け取っているのかを見ます。

自分が工事もしている場合はどう判断する?

土砂運搬と建設工事の両方を行っているなら、

  • 自分・自社が実際にその工事を施工する
  • 運搬する土砂がその工事に必要、またはその工事から発生したもの
  • 工事と運搬を自社が一体として行う
  • 運転者が自社業務として運転する
  • 運送そのものに独立した対価がない

といった関係を確認します。

建設現場に関係しているというだけでは足りません。

自社の本来の建設業務の中に、その運搬が包摂されているかを見る必要があります。

一人親方でも判断は同じ

個人事業主・一人親方だから白ナンバーダンプを使えないわけではありません。

自分の商品を自分で運んだり、自分の建設工事の一部として土砂を運んだりするのであれば、一般貨物の許可が不要となる場合があります。

一方、

「ダンプ1台と自分をセットで他社へ出して、土砂を運ぶことだけで報酬をもらう」

のであれば、運送そのものを事業として行っていないか確認します。

法人か個人かより、仕事内容の実態が重要です。

土砂運搬が有償運送になるか確認するポイント

判断に迷ったら、次の点をまとめて確認します。

  1. その土砂は誰のものか
    自分・自社所有なのか、元請や他社所有なのか。
  2. 自分・自社も工事を施工しているか
    自社工事に付帯した運搬なのか、運搬だけなのか。
  3. 何に対して料金を受け取っているか
    商品・工事代金なのか、往復・日数・運搬量などに応じた運送代なのか。
  4. 誰の仕事として運転しているか
    自社業務として行う運搬なのか、独立した運搬事業として受けているのか。
  5. 仕事全体の中心が何か
    土工・造成・販売等なのか、ダンプによる貨物運搬なのか。

一つだけで機械的に決めるのではなく、実際の契約・働き方・料金を合わせて見ます。

2026年4月以降は元請・荷主側も注意が必要

2026年4月1日からは、必要な許可等を持たない違法な白トラへ有償で貨物運送を委託した荷主等も、貨物自動車運送事業法違反となる可能性があります。

国土交通省の荷主向け資料では、違反した場合に100万円以下の罰金となる可能性があることも案内されています。

そのため、元請側も、

「これまで頼んでいた白ナンバーダンプだから大丈夫」

ではなく、実際の仕事が適法な自家運送・付帯運送なのかを確認する必要があります。

ケース別|白ナンバーで土砂を運べる?

ケース考え方
自分で購入した砕石を自分で販売・配送許可不要となる可能性
自社施工に必要な土砂を自社で搬入付帯運送か確認
自社工事で発生した残土を自社で搬出付帯運送か確認
他社工事の残土を処分場へ運ぶだけ一般貨物を確認
他社の砕石を現場へ届けるだけ一般貨物を確認
1往復○円で運搬だけ運送対価を確認
1立米○円商品代か運搬代か確認
ダンプ1台1日○万円で運搬実態を確認

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まとめ

白ナンバーダンプで土砂を運ぶこと自体が違法なのではありません。

判断するのは、

その土砂運搬が自家運送・建設工事に付帯する運搬なのか、他人の需要に応じた有償運送なのか

です。

自分・自社所有の土砂や砕石を自ら運ぶ場合は、一般貨物自動車運送事業の許可が不要となる場合があります。

また、自分・自社が施工する工事に密接不可分な土砂搬入・残土搬出についても、運送そのものの独立した有償性がないなど一定の場合には、許可不要となることがあります。

一方、

  • 自分は工事を施工しない
  • 他社の土砂・残土・砕石を運ぶ
  • 1往復・1日・1立米などを基準に、運搬そのものの料金を受け取る

のであれば、一般貨物の許可を確認します。

特に、

1往復○円
1立米○円
ダンプ1台1日○万円

という仕事は、金額そのものより、

何に対して支払われているお金なのか

を見ることが重要です。

2026年4月からは違法な白トラへ仕事を出した荷主等への規制も強化されているため、ダンプ側だけでなく発注側も、今の仕事の実態を確認する必要があります。

白ナンバーダンプの土砂運搬が有償運送になるか確認したい方へ

「残土を運んで1往復いくらでもらっている」

「1立米単価で砕石を運んでいる」

「常用で1日いくらのダンプ仕事をしている」

「工事もしているので白ナンバーでよいと思うが判断できない」

という場合は、料金名目だけでなく実際の仕事内容から確認します。

いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、自家用ダンプカーによる土砂・残土・砕石等の運搬について、一般貨物自動車運送事業の許可が必要かを整理しています。

注文書、見積書、請求書、施工内容、運搬物、料金の決まり方などから、白ナンバーで行える運搬なのか、一般貨物を検討する必要があるのかを確認します。

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出典

国土交通省|建設現場等で使用する自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて

国土交通省|自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて(簡易版)

国土交通省|トラック適正化二法について

国土交通省 中国運輸局|白ナンバーのトラックに有償で貨物の運送を委託してませんか?

この記事は、2026年9月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。

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