この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。
白ナンバーダンプでこれまで仕事をしてきたものの、
「元請から今後は緑ナンバーと言われた」
「2026年から白ナンバーでは仕事ができないのか」
「緑ナンバーを取らないと、この仕事を続けられないのか」
と迷っている方もいるでしょう。
2026年4月1日から違法な白トラへの規制は強化されましたが、白ナンバーダンプを使った仕事が一律に禁止されたわけではありません。
自分・自社が所有する貨物を運ぶ場合や、自分・自社の建設工事に密接不可分な運搬で一定の条件を満たす場合には、一般貨物自動車運送事業の許可が不要となることがあります。
一方で、
- 自分は工事をせず、他社の土砂・砕石等を運ぶ
- 運搬すること自体を仕事として受注する
- 1往復、1日、1台などを基準に運搬料金を受け取る
- 今後も複数の会社から運搬だけの仕事を受けたい
という場合は、一般貨物自動車運送事業の許可を検討する必要があります。
さらに、法律上は白ナンバーで行える仕事でも、元請が会社独自の条件として「緑ナンバー事業者にしか発注しない」と決めることがあります。
そのため、今後を考えるときは、
法律上、白ナンバーで続けられるか
と、
今の取引先から白ナンバーで仕事をもらい続けられるか
を分けます。
白ナンバーで仕事を続ける方法は一つではない
現在の仕事を続ける方向は、大きく3つあります。
1.現在の仕事内容なら白ナンバーのまま続ける
自家運送や建設工事に付帯する運搬として、一般貨物の許可が不要な仕事です。
2.現在の契約・施工・雇用関係を整理して、白ナンバーで行える仕事を明確にする
実際には自社工事の一部として運んでいるのに、注文内容や働き方が曖昧で「運搬だけを請け負っている」ように見えている場合などです。
ただし、書類の名称だけを変えるという意味ではありません。実際の仕事と契約内容を一致させる必要があります。
3.一般貨物の許可を取り、運搬業として仕事を続ける
他社の貨物を有償で運ぶ仕事を今後も積極的に受注する場合です。
どれを選ぶかは、今まで白ナンバーだったかではなく、これから何を仕事の中心にするかで考えます。
自分の商品を運んでいるなら白ナンバーで続けられる場合がある
たとえば、
- 自分で砕石を仕入れる
- その砕石を自分の商品として販売する
- 自分のダンプで購入者の現場まで運ぶ
という仕事です。
自分が所有する貨物を自ら運んでいるのであれば、基本的には一般貨物自動車運送事業の許可は不要となる考え方が示されています。
同じように、自社で製造・所有する合材などを自社従業員が自社ダンプで顧客へ運ぶ場合も、自ら所有する貨物の運搬として整理できることがあります。
ただし、「形式上だけ自分が買ったことにする」という意味ではありません。
実際に誰が商品を仕入れ、所有し、販売し、何の対価を受け取っているのかを確認します。
自分の建設工事に必要な運搬なら白ナンバーで続けられる場合がある
他社所有の貨物でも、すぐに一般貨物の許可が必要になるわけではありません。
たとえば、自分・自社が土工事や造成工事を請け負い、その工事で必要となる資材を自社従業員が運ぶ場合です。
国土交通省のQ&Aでは、運搬する者自身が建設工事を行い、雇用関係にある従業員がその工事に必要な物を運び、運送そのものの対価として有償性がない場合には、その生業と密接不可分な付帯運送として許可不要となる考え方が示されています。
つまり、
「元請所有の砕石だから必ず緑ナンバー」
ではありません。
自分・自社が何の工事を請け負っていて、その運搬が工事とどう関係しているかを見ます。
今後も「運搬だけ」の仕事をしたいなら緑ナンバーを検討する
反対に、今の働き方が実質的に運搬業になっている場合です。
たとえば、
「この残土を処分場まで運んで」
「プラントから砕石を持ってきて」
「ダンプ1台、1日お願いします」
という依頼を受け、自分はその工事を施工せず、運搬だけを行っている場合です。
他人の需要に応じ、有償で貨物を運んでいるのであれば、一般貨物自動車運送事業の許可が問題になります。
特に今後、
- 複数の元請からダンプ運搬を受けたい
- 工事を請け負わず運搬だけでも売上を作りたい
- 他社の残土・砕石等を継続して運びたい
のであれば、白ナンバーで可能な仕事だけに限定するより、一般貨物へ移る方向を検討する意味があります。
「常用ダンプ」で仕事をしている場合は実態を確認する
建設現場では「常用」という言葉がよく使われます。
しかし、
「常用だから運送業ではない」
とも、
「1日単価だから必ず運送業」
とも決められません。
たとえば一日の仕事が、
- 元請から積込場所を指定される
- 土砂を積む
- 指定された場所へ運ぶ
- 一日中それを繰り返す
- ダンプ1台1日単位で報酬を受け取る
というもので、自分は施工をしていないのであれば、運搬そのものが仕事になっていないか確認します。
逆に、実際に建設会社との雇用関係があり、その会社の従業員として会社業務に付帯する運搬をしている場合は別に考えます。
契約書に何と書いてあるかだけではなく、実際の働き方を見ます。
元請から「緑ナンバーにして」と言われても、すぐ許可申請とは限らない
ここが2026年以降、特に迷いやすいところです。
元請から、
「次の現場から白ナンバーは使えない」
と言われたとします。
このとき、最初に確認したいのは、
現在の仕事が法律上、本当に一般貨物の許可を必要とする仕事なのか
です。
現在の運搬が適法な自家運送や建設業務に付帯する運搬なら、法律上は緑ナンバーが必須ではない場合があります。
それでも元請が緑ナンバーを要求する場合は、次に理由を確認します。
法律上は白でよくても、元請が緑ナンバー限定にすることはある
国土交通省の資材・骨材関連事業Q&Aでは、
「白ナンバーのままで問題ない状況でも、建設業者等から緑ナンバーを求められた場合はどうするのか」
という質問が掲載されています。
回答では、建設業者等が白ナンバー・緑ナンバーのどちらを求めるかは、その建設会社等の経営判断とされています。
つまり、
法律上白ナンバーで適法
でも、
その元請との取引では緑ナンバーが必要
という状態はあり得ます。
ここは別々に判断します。
法律上白で続けられるのに緑を求められたらどうする?
選択肢はいくつかあります。
まず、現在の仕事内容を整理して、国土交通省の自家用ダンプに関する資料などを元請へ示し、白ナンバーで許可不要となる運搬であることを説明する方法があります。
それでも元請が会社方針として緑ナンバー限定を続けるのであれば、
- その元請との仕事を続けるため一般貨物へ移る
- 白ナンバーで取引できる仕事を選ぶ
- 建設工事主体の仕事へ寄せる
などを経営判断として考えます。
「法律上問題ない」と分かっただけでは、取引条件の問題までは解決しないことがあります。
緑ナンバーにする前に、その元請の仕事量を確認する
一般貨物の許可取得には、車両だけでなく営業所、車庫、人員、管理体制、資金などが必要です。
そのため、
「元請から緑にしろと言われた」
だけで設備投資を決めるのは慎重に考えた方がよいでしょう。
たとえば、
- 緑ナンバー取得後も継続して発注してもらえるのか
- 年間でどの程度の仕事量を見込めるのか
- 現在より運搬単価は変わるのか
- 他の元請からも運搬仕事を受けられる見込みがあるのか
を確認します。
許可が取れるかだけではなく、許可を取った後の仕事があるかを見る必要があります。
ダンプ1台だけなら、さらに慎重に考える
現在、ダンプ1台で一人で仕事をしている場合です。
一般貨物自動車運送事業では、通常、営業所ごとに原則5両以上の事業用自動車が必要です。
そのため、
「今のダンプ1台をそのまま緑ナンバーへ変える」
という感覚で進めることはできません。
一般貨物へ移るなら、
- 原則5台以上の車両
- その車両を置ける車庫
- 必要な運転者
- 運行管理・整備管理体制
- 営業所
- 資金
などを確認します。
今の売上がダンプ1台でちょうどよいのであれば、緑ナンバー取得のために5台規模へ拡大することが本当に合うのかも考えます。
緑ナンバーにすると、できる仕事だけでなく管理も増える
一般貨物へ移れば、他社から有償で貨物運送を受注できる範囲は広がります。
その一方で、運送事業者として、
- 点呼
- アルコールチェック
- 運転者教育
- 健康管理
- 適性診断
- 車両管理
- 事業報告書
- 事業実績報告書
- 増減車などの変更手続き
も継続して行います。
「緑ナンバーを取れば今の仕事を続けられる」
だけでなく、
その後、運送会社として管理していけるか
まで見ます。
白のまま続ける方が合う場合
次のような仕事であれば、一般貨物へ移らず、現在の事業内容を整理して白ナンバーで続ける方が合うことがあります。
- 自社の商品を運ぶことが中心
- 自分・自社の建設工事のためにダンプを使う
- 運搬だけの仕事は受けない
- 今後も建設業を中心にしたい
- 取引先も適法な白ナンバー運搬を認めている
一般貨物の許可を持つこと自体が目的ではありません。
今後の仕事の取り方と合うかで判断します。
緑ナンバーへ移る方が合う場合
反対に、
- ダンプ運搬自体を主力にしたい
- 他社の貨物を運んで売上を作りたい
- 複数の元請から運搬だけの仕事を受けたい
- 主な取引先が緑ナンバー限定へ移行している
- 一般貨物の車両・人員・車庫等の体制を作れる
のであれば、一般貨物への移行を具体的に検討します。
ここでは「白が使えるか」ではなく、運送業として事業を続けたいかが判断軸になります。
今後を決めるならこの順番で確認する
白ナンバーダンプの今後に迷ったら、次の順に考えます。
- 現在の仕事は法律上、白ナンバーで行えるか
- 元請は白ナンバーを認めているか
- 白不可なら法律上の理由か、元請独自ルールか
- その元請との取引を今後も続けたいか
- 今後、工事主体で働くのか、運搬主体で働くのか
- 一般貨物へ移るなら必要な車両・人員・車庫・資金を確保できるか
- 許可取得後の仕事量が見込めるか
「白ナンバーを続けられるか」だけではなく、最後は事業として判断します。
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まとめ
白ナンバーダンプで仕事を続けられるかは、
「2026年から白ナンバーが禁止されたか」
だけで判断するものではありません。
まず、現在の仕事が、
- 自分・自社所有貨物の自家運送
- 自分・自社の建設工事に付帯する運搬
- 他人の貨物を運ぶ有償運送
のどれに当たるのか確認します。
白ナンバーで適法に行える仕事なら、一般貨物へ移らず続けられる場合があります。
一方、他社の貨物を有償で運ぶこと自体を今後も仕事にするなら、一般貨物自動車運送事業への移行を検討します。
そして、2026年以降はもう一つ、
元請が白ナンバーへ仕事を出すか
という取引上の問題があります。
法律上は白ナンバーで問題なくても、元請が会社独自の条件として緑ナンバー限定にすることはあります。
そのため、
法律上白で続けられるか
↓
今の取引先と白で続けられるか
↓
今後は建設工事で稼ぐのか、ダンプ運搬で稼ぐのか
の順番で考えます。
緑ナンバーを取ること自体を目的にせず、今後の仕事の取り方に合うかで決めることが重要です。
白ナンバーダンプで今後どう仕事を続けるか迷っている方へ
「元請から緑ナンバーを求められた」
「白ナンバーで適法だと思うが、今後も仕事をもらえるか不安」
「運搬仕事を続けるため一般貨物を取るべきか迷っている」
という場合は、現在の仕事内容と今後の仕事の取り方を分けて確認します。
いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、自家用ダンプカーによる運搬について、白ナンバーで継続できる仕事なのか、一般貨物自動車運送事業の許可を検討する必要があるのかを整理しています。
施工内容、運搬物、契約・料金、車両台数、車庫、人員などから、現在の働き方に合う進め方を確認します。
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出典
国土交通省|資材・骨材関連事業Q&A(2026年3月31日時点)
国土交通省 中部運輸局|一般貨物自動車運送事業の申請事案の処理方針
この記事は、2026年9月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。
