この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。
Gマークを取りたいと思ったら、最初に申請書を作るのではなく、今の営業所が申請できる状態かを確認します。
見るポイントは大きく3段階です。
- 新規申請の資格を満たしているか
- 法令遵守や事故・違反の状況に大きな問題がないか
- 安全への取組を証明できる資料が残っているか
「安全運転には気を付けている」
「事故は最近起こしていない」
というだけでは判断できません。
Gマークは営業所単位で、日常の運行管理、法令遵守、事故・行政処分、安全への取組などを評価する制度です。
まず今の営業所を一度棚卸ししてみます。
最初に新規申請の資格を確認する
新規申請では、申請する営業所について資格要件があります。
まず確認したいのは、
- 事業開始後、一定期間を経過しているか
- 営業所に必要な台数の事業用自動車を配置しているか
- 過去に不正申請等による取消しなど、申請資格に影響する事情がないか
です。
これまでのGマーク申請案内では、新規申請について、
- 事業開始後3年以上
- 配置する事業用自動車5両以上
などが資格要件とされています。
ここで条件を満たしていなければ、安全管理が良好でも、その年度の新規申請には進めません。
まず「評価で何点取れるか」より前に、申請資格から確認します。
Gマークは会社全体ではなく申請する営業所を見る
複数の営業所がある会社では、会社全体をまとめて判断しません。
たとえば、
- 本社営業所は10台
- 第2営業所は4台
という会社なら、それぞれの営業所について申請資格を確認します。
巡回指導の状況や安全への取組についても、申請する営業所を基準に整理する項目があります。
そのため、
「会社全体では車両が20台ある」
というだけでは判断できません。
最初に、どの営業所でGマークを取りたいのかを決めます。
次に巡回指導の結果を確認する
Gマークでは、「安全性に対する法令の遵守状況」が評価されます。
その確認で重要になるのが、地方貨物自動車運送適正化事業実施機関による巡回指導です。
過去の巡回指導報告書を出して、
- 点呼
- 運転者台帳
- 指導教育
- 適性診断
- 健康診断
- 運行記録
- 整備管理
- 労務管理
- 事業報告書
- 事業実績報告書
などについて、どこに「否」や改善事項があったか確認します。
昔の指摘だから関係ないとは限らない
Gマークを取りたいと思った時点で改善していても、評価では所定の期間の巡回指導結果などが使われます。
そのため、
「今は直してあるから問題ないだろう」
だけでは判断できません。
まず過去の巡回指導結果そのものを確認します。
指摘を受けている場合は、
- 何を指摘されたか
- 改善報告を提出したか
- 現在も改善後の運用が続いているか
まで確認します。
点呼・教育・整備の状態を自社でも確認する
巡回指導結果だけでなく、現在の運行管理も確認しておきます。
たとえば、
- 点呼を適切に実施しているか
- 点呼記録と運転日報が合っているか
- 初任運転者教育を実施しているか
- 必要な適性診断を受けているか
- 運転者への年間教育を記録しているか
- 日常点検・定期点検を実施しているか
- 運行管理者・整備管理者の届出が現在の体制と合っているか
です。
Gマーク申請のためだけに確認するのではありません。
この段階で不足が見つかるなら、現在の日常管理そのものに改善すべき点があります。
事故や行政処分の状況も確認する
Gマークでは、「事故や違反の状況」も評価されます。
そのため、
- 重大事故等がなかったか
- 行政処分を受けていないか
- 違反点数が付いていないか
などを確認します。
「事故が少ない会社だから取れる」と単純には判断できません。
逆に、過去に何か指摘や行政処分があったから直ちに申請できないとも限りません。
評価対象期間や認定基準との関係を確認する必要があります。
まず社内で、
「過去に何があったか分からない」
という状態をなくしておきます。
毎年の報告・変更届も整理する
Gマーク申請を考え始めると、安全関係の帳票ばかりに目が向きます。
しかし、運送業の法令遵守を見るなら、許可後の行政手続きも確認しておきたいところです。
たとえば、
- 事業報告書
- 事業実績報告書
- 増車・減車
- 営業所の変更
- 車庫の変更
- 運行管理者の変更
- 整備管理者の変更
などです。
最近変更した事項がある会社は、
「実際の営業所の状態」
と、
「運輸支局へ出している内容」
が一致しているか確認します。
申請前になって過去の未提出が見つかるより、早い段階で整理したほうが進めやすくなります。
安全への取組は「やっている」だけでは足りない
Gマーク申請で準備に差が出やすいのが、「安全性に対する取組の積極性」です。
2026年度の新規申請でも、この項目について自社の取組を証明する書類の提出が必要とされています。
評価対象となる取組には、たとえば、
- 自社独自の運転者研修
- 外部研修への参加
- 運転記録証明書を使った指導
- 適性診断の自主的な活用
- 健康起因事故防止の取組
- 安全装置の導入
- 労働時間短縮の取組
- 各種認証の取得
- 安全に関する表彰
- 運行管理システムの活用
などがあります。
問題になりやすいのは、
「やっているけれど証拠がない」
状態です。
安全会議や研修は記録が残っているか
たとえば、毎月ドライバーを集めて安全について話していても、
- 開催日
- 参加者
- 内容
- 使用した資料
が何も残っていなければ、申請時にその取組を説明しにくくなります。
社外研修へ参加した場合も、
- 修了証
- 受講証明
- 研修案内
- 参加者
- 開催日
などが残っているか確認します。
Gマーク申請が近づいてから「去年の研修資料を探す」より、普段から安全活動の記録を残しておくほうが準備しやすくなります。
会社でやっている安全活動を一度全部書き出す
「うちは特別な安全活動なんてしていない」
と思っていても、実際には評価につながる可能性がある取組を行っていることがあります。
たとえば、
- ドライブレコーダー映像を使った指導
- 運転記録証明書による確認
- 外部講習への参加
- SAS検査
- 脳ドック
- 安全装置の導入
- 無事故表彰
- 省エネ運転の指導
- GPS運行管理システムの利用
などです。
まず「Gマークで何点になるか」を考える前に、自社が現在行っている安全活動を全部書き出します。
その後、
- 評価対象になるか
- 証拠資料があるか
を一つずつ確認します。
今から作った資料で過去の取組を証明しない
申請準備をしていて、
「会議はしていたが議事録がない」
「教育はしていたが参加者名簿がない」
ということに気づく場合があります。
このとき、過去に存在しなかった記録を申請のために新しく作り、当時から存在していた資料のように扱うのは避けます。
まず、
- メール
- 社内予定表
- 配布資料
- 研修資料
- 写真
- 外部機関からの受講証明
- システム記録
など、当時の取組を確認できる資料が残っていないか探します。
確認できないものは、次回以降の申請へ向けて、今後きちんと記録を残すという判断もあります。
80点だけ見て判断しない
Gマークは、総合評価が100点満点中80点以上であることが認定要件の一つです。
ただし、
「80点取れそうだから申請できる」
と判断するのは早いでしょう。
Gマークでは、
- 安全性に対する法令の遵守状況
- 事故や違反の状況
- 安全性に対する取組の積極性
について評価され、それぞれに認定上確認すべき基準があります。
さらに、社会保険等の適正加入など、総合点とは別に確認される要件もあります。
一つの分野だけ得点を増やして総合点を80点にすればよい制度ではありません。
今の会社を3段階で自己判定する
申請を具体的に考える前に、自社を次のように分けてみます。
| 状況 | 現在の判断 |
|---|---|
| 申請資格を満たし、巡回指導も安定、安全活動の資料もある | 申請準備へ進みやすい |
| 申請資格は満たすが、資料不足や一部指摘がある | 不足部分を確認 |
| 点呼・教育・届出など重大な不足がある | Gマークより改善を優先 |
大切なのは、真ん中の状態です。
「全部完璧ではないから申請できない」
とも、
「資格要件さえ満たしていれば申請できる」
とも限りません。
何が不足しているかを項目ごとに確認します。
Gマーク申請前の準備状況チェック
現在の営業所について確認します。
- □ 申請する営業所を決めた
- □ 事業開始から必要な期間を経過している
- □ 営業所の配置車両数を確認した
- □ 過去の巡回指導報告書がある
- □ 巡回指導の改善事項を確認した
- □ 点呼の実施・記録に大きな問題がない
- □ 運転者教育・適性診断を確認した
- □ 日常点検・定期点検を確認した
- □ 事故・行政処分の状況を把握している
- □ 事業報告書・事業実績報告書を確認した
- □ 最近の変更届に漏れがない
- □ 自社で行っている安全活動を書き出した
- □ 安全活動の証拠資料を確認した
- □ 社会保険等の加入状況を確認した
チェックが付かない項目がある場合は、
「申請できない」
とすぐ決めるのではなく、
「資格不足なのか」
「評価上の問題なのか」
「証拠資料がないだけなのか」
を分けます。
今申請できる状態か分かったら、次に申請時期を考える
ここまで確認すると、
- 申請資格を満たしている
- 評価上も大きな問題がなさそう
- 安全活動の証拠もそろっている
という会社と、
- 必要資料がまだ足りない
- 改善途中の項目がある
- 今から安全活動を記録し始める必要がある
という会社に分かれてきます。
次に考えるのは、
「今回の申請に進むのか」
「次の申請まで準備期間を取るのか」
です。
申請資格を満たしていることと、今回の申請に間に合わせるべきことは別の判断です。
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まとめ
Gマークを取りたいと思ったら、最初に確認するのは申請資格です。
その次に、
- 巡回指導
- 点呼や教育
- 事故・行政処分
- 報告・変更届
- 安全への積極的な取組
- その取組を確認できる資料
を見ていきます。
特に安全への取組は、「実施しているか」だけでなく「申請時に証明できるか」が準備状況を左右します。
総合点80点だけを見て判断するのではなく、資格要件、各評価分野、その他の認定要件を分けて確認します。
今の営業所がどこまで準備できているか分かったら、次に今回申請するか、次回まで準備期間を取るかを判断します。
Gマーク申請前の状態を整理したい方へ
「申請資格はありそうだが、今の状態で申請してよいか分からない」
「巡回指導の結果がGマークにどう影響するか分からない」
「安全活動はしているが、何を証拠として残せばよいか整理できない」
という場合は、申請書を作り始める前に、現在の営業所の状態を整理します。
いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、一般貨物自動車運送事業の許可後手続きに対応しています。
Gマーク申請を考える場合も、事業報告書や変更届など行政手続きに漏れがないか確認し、会社側で準備する安全管理資料と分けて整理します。
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出典
公益社団法人 全日本トラック協会|2026年度貨物自動車運送事業安全性評価事業(Gマーク制度)新規申請・更新申請
公益社団法人 全日本トラック協会|2026年度Gマーク申請「安全性に対する取組の積極性」書式等ダウンロード
公益社団法人 全日本トラック協会|Gマーク認定を目指す皆様へ
この記事は、2026年9月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。
