この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。
Gマークの更新時期が近づいてきたら、
「前回取れたから、今回もそのまま更新できる」
とは考えないほうがよいでしょう。
Gマークは取得した時点だけを評価する制度ではありません。
更新時にも、
- 法令遵守の状態
- 事故や違反の状況
- 安全への取組
- 必要な届出・報告
- 更新方式に応じた提出資料
などを確認します。
特に、取得後に安全会議や研修を行っていても、その記録を残していなければ、更新時に取組を証明しにくくなることがあります。
更新が近づいてから一気に書類を集めるより、認定期間中から「次回更新で確認されるもの」を残しておくことが大切です。
まず認定証の有効期限を確認する
最初に現在のGマーク認定証を確認します。
Gマークの認定には有効期間があります。
新規認定後と更新後では有効期間が異なり、更新回数が増えると認定期間が長くなる仕組みです。
近年の制度では、
- 新規認定:2年間
- 初回更新:3年間
- 2回目以降の一定の更新:4年間
という認定期間が設定されています。
そのため、
「前回いつ申請したか」
ではなく、
「現在の認定が何年何月何日まで有効か」
を認定証で確認します。
更新対象年度になると、更新対象事業所へ更新案内が送付されます。
更新案内が届いたら申請方式を確認する
Gマーク更新では、すべての事業所が同じ方法で申請するわけではありません。
更新回数やこれまでの評価状況などによって、利用できる申請方式が異なります。
更新対象となる事業所には、更新案内で利用できる申請方式が案内されます。
そのため、更新が近づいたら、
- 何回目の更新なのか
- どの申請方式を利用できるのか
- Web申請だけで終わるのか
- 別途資料提出が必要なのか
を確認します。
2026年度では、初回~5回目更新のA・C方式については、「安全性に対する取組の積極性」を証明する資料の提出が必要でした。
一方、B・E方式や6回目更新の一部方式では、Web申請で手続きが完了するものがあります。
前回と同じ更新方法になるとは限らないため、毎回最新の申請案内を確認します。
更新前に巡回指導の結果を確認する
更新で最初に見直したいのが、取得後の法令遵守状況です。
Gマークを取得した後も、
- 点呼
- 運転日報
- 運転者台帳
- 初任運転者教育
- 適性診断
- 健康診断
- 日常点検
- 定期点検
- 運行管理者
- 整備管理者
- 労務管理
などの日常管理は続きます。
直近の巡回指導報告書がある場合は、どこに指摘があったか確認します。
特に、
- 改善事項が残っている
- 改善報告を提出していない
- 改善したが、その後の運用が続いていない
という状態なら、更新申請だけを先に進めるのではなく、現在の管理状態を確認します。
Gマークを取った後も点呼・教育は続けて記録する
取得後に起きやすいのが、
「更新は数年後だから、申請資料はそのとき考えればよい」
という状態です。
しかし、安全管理は更新年だけ行うものではありません。
たとえば、
- 毎日の点呼
- 運転者への指導教育
- 初任運転者への特別な指導
- 適性診断
- 健康診断
- 定期点検
などは、Gマークとは関係なく運送事業者として日常的に管理するものです。
更新時になってから、
「過去1年分の記録がない」
と気づいても、その期間を後からやり直すことはできません。
安全への取組は実施したときに記録を残す
Gマーク更新で差が出やすいのが、安全性に対する積極的な取組です。
会社では日常的に、
- 安全会議
- ドライバー教育
- 外部研修
- 健康管理
- 安全装置の導入
- 運行管理システムの活用
- 無事故運動
- 労働時間削減の取組
などを行っていることがあります。
しかし、
「実際にはやった」
ことと、
「更新時に証明できる」
ことは別です。
安全会議なら何を残す?
たとえば安全会議なら、
- 実施日
- 参加者
- 話し合った内容
- 使用資料
- 必要に応じて写真等
を残します。
会議を毎月行っていても、何も記録がなければ数年後に再現するのは難しくなります。
外部研修なら受講資料を残す
外部研修を受けた場合も、
- 受講証
- 修了証
- 開催案内
- 参加者
- 開催日
などをまとめます。
更新年になってから、数年前の研修資料を探し始めるより、受講した時点で保存先を決めておくほうが簡単です。
「Gマーク用の資料」として別管理しすぎない
取得後の管理で注意したいのが、Gマーク専用のファイルだけ作ってしまうことです。
実際には、
- 点呼
- 運転者教育
- 整備
- 健康管理
- 安全会議
などは、Gマークのためだけに行うものではありません。
日常の運行管理として適切に実施し、その証拠が結果として更新時にも使える状態にしておくほうが自然です。
たとえば、
「Gマーク用安全会議」
を年に一度だけ開くのではなく、普段の安全会議を毎回記録します。
Gマーク申請のために安全活動を作るのではなく、日常管理の記録を残した結果、更新資料にも使える形が理想です。
事故や行政処分がなかったか確認する
更新時には、事故・違反の状況も確認されます。
取得後に、
- 重大事故が発生した
- 行政処分を受けた
- 違反点数が付いた
ということがないか確認します。
事故があった場合でも、
「事故が一件あったから更新できない」
と単純には判断できません。
対象となる事故や行政処分の内容、評価期間、認定要件との関係を確認します。
重要なのは、更新直前になって初めて事故・処分の有無を調べるのではなく、会社として把握していることです。
変更届・報告書も更新前に整理する
Gマーク更新で安全活動ばかり確認していると、運送業そのものの行政手続きが抜けることがあります。
取得後に、
- 車両を増減した
- 車庫を変更した
- 営業所を変更した
- 運行管理者を変更した
- 整備管理者を変更した
- 会社情報を変更した
という場合は、必要な許認可・届出を確認します。
さらに、
- 事業報告書
- 事業実績報告書
などの定期報告も提出状況を確認します。
Gマークの認定要件には、法に基づく認可申請、届出、報告が適正になされていることも含まれます。
Gマーク側の登録事項変更も忘れない
ここは運輸支局への変更届と分けて考えます。
Gマーク認定後に、
- 事業者名
- 営業所名
- 営業所住所
などを変更した場合、Gマーク側でも登録事項変更の手続きが必要になることがあります。
愛知県トラック協会でも、事業者名・営業所名・営業所住所に変更がある場合は、登録事項変更届出書と挙証書類の提出を案内しています。
つまり、
「運輸支局への変更手続きをしたから、Gマーク側は何もしなくてよい」
とは限りません。
会社情報を変更したときは、
- 運輸支局側
- Gマーク側
の両方を確認します。
更新直前に確認する書類
更新対象になったら、まず次の資料を出します。
- 現在のGマーク認定証
- 更新案内
- 前回のGマーク申請書控え
- 直近の巡回指導結果
- 改善報告書
- 事故・行政処分関係
- 安全活動の記録
- 運転者教育関係
- 健康管理関係
- 各種変更届の控え
- 事業報告書・事業実績報告書の控え
この段階で「ないもの」を確認します。
全部の書類を最初から細かく読むより、
- ある
- ない
- どこにあるか分からない
の3つに分けるところから始めると整理しやすくなります。
前回の申請書控えは更新時の重要な比較資料になる
更新準備では、前回の申請書控えを確認します。
前回、
- どの安全活動を申告したか
- どの資料を提出したか
- どの営業所情報で申請したか
が分かるからです。
ただし、
「前回この項目で点が取れたから今回も同じ」
とは限りません。
制度や評価基準が変更されることがあります。
前回の控えはコピーするためではなく、
「前回から何が変わったか」
を見る資料として使います。
取得後に管理担当者が変わった会社は早めに確認する
数年間の認定期間があると、その間に担当者が変わることがあります。
たとえば、
「前回Gマークを取った担当者が退職した」
「申請資料がどこに保存されているか分からない」
という会社です。
この状態で更新時期を迎えると、
- 前回申請書がない
- 研修資料がない
- 安全会議記録が部署ごとに分散している
といったことが起こります。
担当者が変わった場合は、更新年になる前に、
「Gマーク関係の資料をどこで管理しているか」
だけでも引き継いでおいたほうがよいでしょう。
更新までまだ1年以上ある会社も今確認する意味がある
更新期限がまだ先なら、
「今確認するのは早い」
と思うかもしれません。
しかし、Gマーク更新で必要になる安全への取組には、一定期間継続して行っていることが重要になるものがあります。
更新直前に一度だけ実施しても、同じ評価にならない場合があります。
そのため、更新まで時間がある会社ほど、
- 安全会議を記録する
- 教育記録を残す
- 外部研修資料を保存する
- 健康管理の資料をまとめる
- 届出・報告書控えをまとめる
という準備を日常業務へ組み込みやすくなります。
更新できる状態か確認するチェックリスト
更新が近い営業所は、次を確認します。
- □ 現在の認定有効期限を確認した
- □ 今回が何回目の更新か分かる
- □ 更新案内を確認した
- □ 利用できる申請方式を確認した
- □ 前回申請書の控えがある
- □ 直近の巡回指導結果を確認した
- □ 改善事項を放置していない
- □ 点呼・教育・整備管理が継続している
- □ 事故・行政処分の状況を把握している
- □ 安全活動を継続している
- □ 安全活動を証明する資料がある
- □ 事業報告書・事業実績報告書を確認した
- □ 最近の変更届を確認した
- □ Gマーク側の登録事項変更も確認した
- □ 社会保険等の加入状況を確認した
チェックが付かない項目があれば、
「更新できない」
とすぐ判断するのではなく、
- 手続きが未了なのか
- 資料が見つからないのか
- 取組そのものをしていないのか
を分けます。
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まとめ
Gマークの更新が近づいたら、更新申請書だけを準備するのではなく、取得後の管理状態を確認します。
特に、
- 巡回指導
- 点呼・教育・整備
- 事故・行政処分
- 安全への取組
- 変更届・報告書
- Gマーク側の登録事項変更
を見直します。
更新方式によって必要な資料や手続きが異なるため、更新案内で自社が利用できる方式を確認することも必要です。
取得後に安全活動を続けていても、その記録を残していなければ更新時に証明しにくくなります。
Gマークを維持するために特別な活動を更新直前だけ行うのではなく、普段の安全管理を継続し、その記録を残しておくことが更新準備になります。
Gマーク更新が近い運送会社の方へ
「更新時期は分かっているが、何を準備すればよいか分からない」
「前回の申請担当者がいなくなり、資料の場所が分からない」
「取得後に車両・営業所・管理者を変更している」
という場合は、更新書類を作り始める前に、現在の管理状態と過去の資料を整理します。
いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、一般貨物自動車運送事業の許可後手続きに対応しています。
Gマーク更新を予定している場合も、事業報告書や変更届など行政手続きに漏れがないか確認し、会社側で管理する安全活動資料と分けて整理します。
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出典
公益社団法人 全日本トラック協会|2026年度貨物自動車運送事業安全性評価事業(Gマーク制度)新規申請・更新申請
公益社団法人 全日本トラック協会|2026年度Gマーク申請「安全性に対する取組の積極性」書式等ダウンロード
公益社団法人 全日本トラック協会|Gマーク認定事業者の皆様へ
国土交通省|Gマーク制度(貨物自動車運送事業安全性評価事業)
この記事は、2026年9月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。
