
この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。
一般貨物自動車運送事業で、古くなったトラックを売却・廃車にしたり、新しい車両へ入れ替えたりするときは、運送業側と自動車登録側の手続きを整理する必要があります。
「古いトラックの緑ナンバーを外せば終わり」とは限りません。
営業所に配置する事業用自動車の数は、運送業許可の事業計画に含まれています。そのため、車両を減らす場合は原則として事前届出が必要です。
また、古い車両を1台外して新しい車両を1台入れる場合でも、同じ日に手続きを完了できるか、車種区分が変わらないかによって、単純な車両入替として扱えるかが変わります。
減車・車両入替・増車の違い
最初に、3つの違いを整理します。
| 手続き | 車両数の変化 | 主なケース |
|---|---|---|
| 減車 | 減る | 売却、廃車、リース返却、事業用から自家用への変更 |
| 車両入替(代替) | 原則として変わらない | 古い車両を外し、同日に新しい車両を入れる |
| 増車 | 増える | 現在の車両を残したまま、新しい車両を追加する |
| 営業所間の配置変更 | 会社全体では変わらない | A営業所からB営業所へ車両を移す |
例えば、現在のトラックを売却し、後日新しいトラックを登録する場合は、一連の計画としては入替であっても、同じ日に減車と増車を完了できないことがあります。
この場合は、先に減車、後日増車として、それぞれの手続きが必要になる可能性があります。
反対に、古い車両を残したまま新しい車両を登録すれば、一時的であっても事業用自動車の数が増えるため、増車として確認します。
また、会社全体の車両数が変わらなくても、営業所間で配置を移す場合は、営業所ごとの事業用自動車数が変わります。単純な車両入替ではなく、営業所間の配置変更として手続きを整理してください。
運送業の減車手続き
一般貨物自動車運送事業で営業所に配置する事業用自動車を減らす場合は、通常、事業計画変更事前届出書を管轄運輸支局へ提出します。
主なケースは次のとおりです。
- 古いトラックを廃車にする
- 車両を中古車販売店や別会社へ売却する
- リース期間の終了により車両を返却する
- 緑ナンバーを外して自家用車として使用する
- 使用していない車両を事業計画から外す
- 営業所に配置する車両数を減らす
減車では、運送業側の手続きと自動車登録側の手続きを分けて考えます。
運送業側では、営業所ごとの事業用自動車数を変更します。自動車登録側では、緑ナンバーを外し、売却、移転登録、抹消登録、自家用への変更など、車両を今後どのように扱うかに応じた手続きを行います。
両方の手続きをつなぐ書類が、事業用自動車等連絡書です。
一般的には次の書類を準備します。
- 事業計画変更事前届出書
- 営業所別の事業用自動車数を記載した書類
- 減車する車両の登録番号などが分かる車両明細
- 事業用自動車等連絡書
- 自動車検査証記録事項
- 委任して手続きを行う場合の委任状
- その他、変更内容に応じて運輸支局から求められる書類
電子車検証だけでは、所有者・使用者の住所や使用の本拠などを確認できない場合があります。電子車検証が交付されている車両は、自動車検査証記録事項も準備してください。
減車後は、次の社内資料や契約も整理します。
- 車両台帳
- 点検整備記録
- 任意保険
- リース契約
- ETCカード・燃料カード
- デジタルタコグラフ・ドライブレコーダー
- 運転者への車両割当て
- 車両管理システムの登録情報
運輸支局への手続きだけを済ませ、車両台帳や保険の登録が残っていると、巡回指導で事業用自動車数との不一致を指摘されたり、使用していない契約の費用を払い続けたりすることがあります。
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減車後に5両未満になる場合は認可申請
一般貨物自動車運送事業では、原則として各営業所に5両以上の事業用自動車を配置することが求められます。
減車後も5両以上を維持する場合は、通常の事前届出として扱われます。
一方、減車後の車両数が5両未満になる場合は、単なる事前届出ではなく、事業計画変更認可申請が必要です。
| 変更例 | 基本となる手続き |
|---|---|
| 7両から6両 | 事前届出 |
| 6両から5両 | 事前届出 |
| 5両から4両 | 認可申請 |
| 4両から3両 | 認可申請 |
| 4両から5両 | 通常は事前届出 |
5両未満になる減車が認められるのは、災害、事故、故障などで車両が使用できなくなり、代わりの車両を確保するまでの一時的な場合などに限られます。
「仕事量が減った」「運転者が足りない」「維持費を削減したい」といった経営上の理由だけで、5両未満の状態を長期間続けることは原則として認められません。
認可申請では、次のような内容を示す必要があります。
- 5両未満になる具体的な理由
- 使用できなくなった車両の状況
- 代替車両を確保する予定
- 再び最低車両数を満たす時期
- 事業を継続できる運行・管理体制
5両で運送事業を行っている会社が1両を売却する場合は、売却を先に決めないでください。
新しい車両への入替で対応するのか、一時的な減車として認可を受けられる事情があるのか、休止・廃止を検討するのかを、車両を手放す前に整理する必要があります。
運送業で車両を入れ替えるときの手続き
車両入替(代替)とは、古い事業用車両を1両外し、新しい車両を1両入れることで、原則として営業所の配置車両数が変わらない手続きです。
例えば、次のようなケースです。
- 老朽化したトラックを新車へ入れ替える
- リース満了車を新しいリース車へ入れ替える
- 故障車を中古トラックへ入れ替える
- 小型トラックを別の小型トラックへ入れ替える
同じ日に減車と増車を完了し、営業所の車両数や車種別の数が変わらない場合は、事業用自動車等連絡書を使った代替として進められる場合があります。
ただし、次の場合は単純な代替にならない可能性があります。
- 古い車両の減車と新しい車両の増車が別の日になる
- 古い車両を残したまま新しい車両を先に登録する
- 普通車、小型車、牽引車、被牽引車などの車種区分が変わる
- 新しい車両を別の営業所へ配置する
- 車庫の収容能力を超える
- 新しい車両の長さや幅が現在の車庫に収まらない
- 営業所の最低車両数を一時的に下回る
例えば、小型車を1両減らして普通車を1両入れる場合、会社全体の車両数は変わらなくても、事業計画上の車種別台数は変わります。
また、古い車両を金曜日に抹消し、新しい車両を翌週登録する場合は、その間の営業所の車両数を確認しなければなりません。5両の営業所で先に1両減車すると、一時的に4両となるため、単純に手続きを分けることはできません。
代替として進められるかどうかは、車両の契約前に次の内容をそろえて管轄運輸支局へ確認します。
- 現在の車両の登録番号
- 新しい車両の車台番号・車種・寸法
- 減車日と増車日
- 配置する営業所
- 車庫の収容能力
- 車種区分の変更の有無
- 新旧車両の所有者・使用者
- 売却、抹消、リース返却の予定
車両入替のつもりが増車・減車になるケース
社内では「入替」と呼んでいても、実際の手続きが増車または減車になることがあります。
| 車両の動き | 手続き上の考え方 |
|---|---|
| 古い車両と新しい車両を同日に入れ替える | 代替として確認 |
| 新しい車両を先に登録し、古い車両を後日外す | 一時的に増車 |
| 古い車両を先に外し、新しい車両を後日登録する | 一時的に減車 |
| 古い車両を外すだけ | 減車 |
| 現在の車両を残して新しい車両を追加する | 増車 |
| A営業所からB営業所へ車両を移す | 営業所間の配置変更 |
| 小型車を普通車へ入れ替える | 車種別台数の変更を確認 |
新しい車両を先に増車する場合は、認可済み車庫に新旧両方の車両を収容できるか確認します。
一時的な増車だからといって、車庫の収容能力を超えてよいわけではありません。現在の車庫に入らなければ、車庫の追加・拡張に関する事業計画変更認可が先に必要になることがあります。
反対に、古い車両を先に減車する場合は、営業所の最低車両数を下回らないか確認します。
車両数に応じて必要となる運行管理者の人数が変わる場合は、運行管理者の選任・解任届も別途確認します。減車に伴って車庫の一部を返還する場合も、車庫の収容能力変更として事業計画変更認可が必要になる可能性があります。
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減車・車両入替を進めるときの順番
減車や車両入替では、売買契約、納車、運輸支局への手続き、車両登録の順番を合わせる必要があります。
基本的には次の順で進めます。
- 現在の営業所別・車種別の車両数を確認する
- 減車する車両と新しく入れる車両を特定する
- 減車後に5両未満にならないか確認する
- 新しい車両が車庫へ収容できるか確認する
- 減車・増車・代替のどれに当たるか整理する
- 運輸支局へ提出する書類を準備する
- 事業用自動車等連絡書を取得する
- 自動車検査登録事務所で登録・ナンバー手続きを行う
- 車両台帳、保険、リース、ETCなどを更新する
- 届出控えと登録後の車検証情報を保管する
特に確認したいのは、販売店が予定している登録日と、運送業側の手続き日が合っているかです。
販売店が通常の自動車登録だけを予定している場合、事業用自動車等連絡書の準備が間に合わず、希望日に緑ナンバーを付けられないことがあります。
車両契約前または納車日を確定する前に、現在の認可内容、新旧車両の情報、登録日を一つの予定表へまとめておくと手戻りを防ぎやすくなります。
車両を売却・入替する前に手続きを整理したい方へ
減車や車両入替では、古い車両を外す日、新しい車両を登録する日、事業用自動車等連絡書を取得する日を合わせる必要があります。
特に、5両で営業している会社や、車庫に余裕がない会社では、順番がずれると一時的な台数不足や収容能力不足が生じます。
いしかわ行政書士事務所では、現在の認可車両、新旧車両の情報、車庫、納車予定日を確認し、減車・増車・代替のどの手続きになるかを整理します。
碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、三河地域・愛知県内の運送会社からのご相談に対応しています。
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よくある質問
- Q緑ナンバーを返せば、減車の届出は不要ですか?
- A
不要にはなりません。自動車登録側で緑ナンバーを外す手続きと、運送業の事業計画から車両を外す手続きは別です。事業用自動車等連絡書を使い、両方の手続きを整合させます。
- Q5両から4両へ減車できますか?
- A
通常の事前届出ではなく、事業計画変更認可申請が必要です。災害、事故、故障などによる一時的な減車で、代替車両を確保する具体的な計画がある場合などに限られます。経営上の都合だけで4両の状態を続けることは原則として認められません。
- Q同じ日に1両減らして1両増やす場合も届出が必要ですか?
- A
営業所の車両数と車種区分が変わらず、同日に手続きを完了する場合は、事業用自動車等連絡書による代替として取り扱われることがあります。ただし、地域や変更内容によって確認が必要なため、登録前に管轄運輸支局へ確認してください。
- Q古いトラックを先に売却してもよいですか?
- A
減車後も最低車両数を維持できる場合は進められますが、5両の営業所から1両を先に外すと、最低車両数を下回ります。新しい車両の登録日と合わせて代替にできるか、売却前に確認してください。
- Q新車を先に登録し、古い車両を後日売却する場合は入替ですか?
- A
古い車両を残した状態で新車を登録すると、一時的に車両数が増えるため、増車として確認します。認可済み車庫に新旧両方の車両を収容できることも必要です。
- Q小型トラックから大型トラックへの入替も代替ですか?
- A
合計台数が変わらなくても、普通車・小型車などの事業計画上の車種区分が変わる可能性があります。新旧車両の車検証情報を確認し、車種別台数の変更として届出が必要か確認します。
- Q車両を減らしたら車庫の一部を解約できますか?
- A
減車とは別に、車庫の位置・使用区画・収容能力を変更する手続きが必要です。認可を受けずに車庫の一部を返還すると、事業計画と実態が一致しなくなる可能性があります。
まとめ
一般貨物自動車運送事業で車両を減らす場合は、通常、事業計画変更事前届出書を提出し、事業用自動車等連絡書を取得して登録手続きを進めます。
ただし、減車後の車両数が原則5両未満になる場合は、事前届出ではなく認可申請が必要です。
古い車両を外して新しい車両を入れる場合も、必ず代替になるとは限りません。
- 同日に減車と増車を完了できるか
- 車種区分が変わらないか
- 新旧車両を車庫へ収容できるか
- 営業所の最低車両数を下回らないか
- 営業所間の配置変更を伴わないか
これらを確認して、減車、増車、代替、営業所間の配置変更のどれに当たるか整理します。
車両を売却してからでは、手続きの順番を戻せないことがあります。売却日や納車日を確定する前に、現在の車両数、車庫、新旧車両の登録予定を確認してください。
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運送業の減車・車両入替をご相談ください
車両入替では、販売店、運輸支局、自動車検査登録事務所の予定を合わせなければなりません。
減車と増車の順番を誤ると、一時的に最低車両数を下回ったり、認可済み車庫へ車両を収容できなくなったりすることがあります。
いしかわ行政書士事務所では、現在の認可車両と車庫、新旧車両、納車予定日を確認し、減車・増車・代替の判定、事業用自動車等連絡書、登録までの進め方を整理します。
社長・担当者が販売店や運輸支局へ何度も確認し直さなくて済むよう、車両を実際に稼働させる日まで見通してご案内します。
碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、三河地域・愛知県内からのご相談に対応しています。
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出典
中部運輸局「様式(申請・届出・報告)|貨物自動車運送事業(緑ナンバー)」、中部運輸局「貨物自動車運送事業に関する手続き一覧」、e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業法施行規則」、近畿運輸局京都運輸支局「連絡票の発行について」
この記事は、2026年8月時点の貨物自動車運送事業法施行規則、中部運輸局の手続一覧・増減車様式、事業用自動車等連絡書の案内をもとに作成しています。増減車の認可基準、代替の取扱い、必要書類、オンライン申請の運用が変更された場合は、記事内容を見直してください。
