運送会社を設立するには?開業までの流れを解説

運送会社を作りたいと思っても、最初に何から始めればよいのか分からず、不安になる方は少なくありません。

会社を先に作るべきなのか。
トラックを先に用意するべきなのか。
営業所や車庫を借りてから許可申請をするのか。

運送会社の開業は、一般的な会社設立だけで終わるものではありません。

一般貨物自動車運送事業として始める場合は、会社設立に加えて、運送業許可の取得が必要になります。

この記事では、運送会社を設立して開業するまでの流れを、初めての方にも分かるように解説します。

運送会社は会社を作るだけでは開業できない

まず大切なのは、会社を設立しただけでは運送業を始められないという点です。

株式会社や合同会社を設立すれば、会社としての形はできます。

しかし、トラックを使って他人の荷物を有償で運ぶ一般貨物自動車運送事業を行うには、別に運送業許可が必要です。

つまり、運送会社の開業には大きく分けて次の2つがあります。

準備内容
会社設立法人を作る手続き
運送業許可運送事業を始めるための許可

ここを混同すると、順番を間違えやすくなります。

会社を作ったのに営業所が許可要件に合わない。
定款の事業目的に運送業が入っていない。
車庫を借りたのに車両が収まらない。
資金要件を考えずに車両を買ってしまった。

このようなことが起きると、開業までのスケジュールが大きく遅れることがあります。

運送会社を設立するときは、会社設立と運送業許可を別々に考えるのではなく、許可を取る前提で会社を作ることが大切です。

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開業までの大まかな流れ

運送会社を設立して開業するまでの流れは、ざっくり見ると次のようになります。

  1. 事業計画を整理する
  2. 会社の形を決める
  3. 定款の事業目的を決める
  4. 会社を設立する
  5. 営業所・車庫・休憩施設を準備する
  6. 車両・人員・資金を準備する
  7. 運送業許可を申請する
  8. 審査・法令試験などに対応する
  9. 許可後の手続きを行う
  10. 運送会社として営業を開始する

この流れを見ると、会社設立は途中の一つの段階にすぎません。

実務上は、会社設立より前に、営業所や車庫の候補地、資金計画、車両台数、人員体制をある程度確認しておく必要があります。

特に、営業所や車庫は運送業許可の審査で重要になります。

「会社を作ってからゆっくり探す」でも進められないわけではありませんが、場所が見つからないと許可申請に進めません。

また、運送業許可は申請してすぐに出るものではありません。

会社設立日だけでなく、許可申請、審査、許可後の準備まで含めて、開業予定日から逆算することが大切です。

会社設立前に確認しておきたいこと

運送会社を作る前に、まず確認したいのは「その計画で本当に運送業許可が取れそうか」という点です。

会社名や資本金だけを先に決めても、許可要件に合わなければ開業できません。

営業所の候補地

営業所は、運送会社の事務を行う拠点です。

自宅や賃貸事務所を営業所にすることも考えられますが、どこでもよいわけではありません。

用途地域、建物の使用目的、賃貸借契約の内容、事務スペースとして使えるかなどを確認する必要があります。

特に賃貸物件では、契約上「事務所使用」や「運送事業の営業所」として使えるかが問題になることがあります。

車庫の候補地

車庫はトラックを置く場所です。

広さだけでなく、車両が安全に出入りできるか、前面道路に問題がないか、営業所との距離が要件に合うかを確認します。

現場では広く見えても、図面に落とし込むと車両が収まらないことがあります。

車庫は運送業許可でつまずきやすい部分なので、早い段階で確認した方が安心です。

資金計画

運送業は、開業前にも開業後にもまとまった資金が必要です。

車両費、保険料、燃料費、人件費、営業所や車庫の賃料などがかかります。

許可申請では資金要件や残高証明も関係します。

会社設立費用だけを見ていると、運送業許可に必要な資金を見落とすことがあります。

人員体制

運送会社には、運転者だけでなく、運行管理者や整備管理者など、安全管理に関わる人員が必要になります。

「トラックを運転できる人がいる」だけでは足りません。

誰が運行管理をするのか、整備管理を誰が担当するのか、開業時から考えておく必要があります。

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会社設立時に注意したいポイント

会社設立では、商号、本店所在地、資本金、役員、事業目的などを決めます。

運送会社として開業する場合は、一般的な会社設立よりも、運送業許可を意識した内容にする必要があります。

定款の事業目的

運送業を行う会社では、定款の事業目的に運送業に関する内容を入れておく必要があります。

ここが抜けていると、運送業許可申請の前に定款変更が必要になることがあります。

会社を作った後で変更することもできますが、余計な手間と費用がかかります。

会社設立の段階で、運送業許可を前提にした事業目的を入れておくことが大切です。

本店所在地と営業所の違い

会社の本店所在地と、運送業許可上の営業所は同じ場合もありますが、必ずしも同じとは限りません。

本店は登記上の所在地です。

一方、営業所は運送事業の事務を行う場所です。

自宅を本店にして、別の場所を営業所にすることもあります。

ただし、営業所として使う場所は、運送業許可の要件に合っている必要があります。

資本金の決め方

資本金は会社設立時に決めますが、運送業では資金要件との関係も意識しておく必要があります。

資本金が少なくても会社設立自体は可能ですが、運送業許可の資金計画では、開業に必要な費用をまかなえるかが見られます。

「資本金は少なくして、あとから何とかする」という考え方だと、残高証明や資金計画で不安が出ることがあります。

役員の欠格事由

運送業許可では、役員に関する確認もあります。

会社設立時に役員を決める段階で、許可申請に影響する事情がないかを確認しておく必要があります。

あとから役員構成を変えることになると、会社設立や許可申請のスケジュールにも影響します。

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運送業許可申請から開業まで

会社設立が終わり、営業所・車庫・車両・人員・資金の準備が整ったら、運送業許可申請に進みます。

ただし、申請書を出せば終わりではありません。

運送業許可では、申請後に審査が行われ、法令試験なども関係します。

審査の中で確認される内容は、営業所、車庫、車両、人員、資金、法令遵守体制など多岐にわたります。

たとえば、次のような点です。

営業所や車庫が要件に合っているか
契約書、図面、使用権原、用途地域、営業所と車庫の距離などが確認されます。

必要な車両を確保できるか
車両台数、使用権限、車両の内容などを確認します。

運行管理者や整備管理者を置けるか
安全管理を行う体制が整っているかが見られます。

資金が足りているか
開業に必要な費用や、一定期間の運転資金をまかなえるかが確認されます。

法令試験に対応できるか
役員が法令試験を受ける流れになるため、事前の準備が必要です。

許可が出た後も、すぐに何もしなくてよいわけではありません。

運輸開始前に必要な届出や、車両の事業用ナンバーへの変更、保険、帳票類、点呼体制、運行管理の準備などがあります。

運送会社の開業では、許可が出た日がゴールではなく、実際に安全に運行を始められる状態にすることがゴールです。

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よくある失敗例

運送会社の設立では、順番を間違えることで余計な費用や時間がかかることがあります。

会社だけ先に作ってしまう

会社設立だけなら比較的早くできます。

しかし、運送業許可の要件を確認しないまま会社を作ると、定款の目的、本店所在地、資本金、役員構成などで見直しが必要になることがあります。

会社設立前に、運送業許可を取る前提で内容を確認しておく方が安全です。

営業所や車庫を契約してから問題に気づく

「広いから大丈夫」「知り合いの土地だから使える」と思って契約しても、運送業許可の要件に合わないことがあります。

車庫の広さ、前面道路、用途地域、営業所との距離、契約書の使用目的などは、契約前に確認したい部分です。

契約後に使えないと分かると、賃料や保証金が無駄になるおそれがあります。

車両を先に買ってしまう

トラックは必要ですが、車両だけ先に買うと資金計画に影響します。

また、車庫に収まらない、予定していた事業内容に合わない、リース契約や使用権限の説明が難しいといった問題が出ることがあります。

車両は、車庫・資金・事業計画とセットで考える必要があります。

運行管理者を後回しにする

運送業では、運行管理者の確保が重要です。

申請直前になってから探すと、予定していた開業時期に間に合わないことがあります。

運送会社は、安全管理の体制があって初めて始められる事業です。

許可後の準備を見落とす

運送業許可が出ればすぐ営業開始できると思っていると、許可後の手続きで慌てることがあります。

事業用ナンバー、保険、点呼記録、運転日報、運行管理体制など、実際に運行するための準備が必要です。

開業日は、許可取得日ではなく、運行開始できる状態になった日として考える方が現実的です。

まとめ

運送会社を設立するには、会社を作る手続きだけでなく、運送業許可を取るための準備が必要です。

会社設立、営業所、車庫、車両、人員、資金、許可申請、許可後の準備まで、順番を間違えずに進めることが大切です。

特に重要なのは、会社設立の前から運送業許可を意識しておくことです。

定款の目的、本店所在地、営業所、車庫、資金計画、人員体制を後から直すことになると、時間も費用もかかります。

運送会社の開業は、書類をそろえるだけではなく、実際に安全に運行できる体制を作ることです。

碧南市、西尾市、高浜市、安城市周辺で、運送会社の設立や一般貨物自動車運送事業の許可を検討している方は、いしかわ行政書士事務所へご相談ください。

元大型ドライバーとしての現場経験も踏まえ、会社設立前の確認、営業所・車庫の要件確認、運送業許可申請まで、状況に合わせてサポートいたします。

運送業許可の取得をご検討中の方や、まずは相談してみたい方は、料金やご依頼の流れなどをまとめた「運送業許可のご案内」もご覧ください。

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