この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。
一般貨物の許可申請を準備していると、
「申請したら何か月くらいで許可が出るのか」
「許可が出た日からトラックを走らせてもいいのか」
「開業日をいつに設定すればいいのか」
と気になることがあります。
中部運輸局が公示している一般貨物自動車運送事業の新規許可の標準処理期間は3~5か月です。
ただし、3~5か月たてば自動的に開業できるわけではありません。
申請後には法令試験と審査があり、許可後にも車両の事業用登録、運行管理者・整備管理者の選任、社会保険等への加入など、運輸開始までに進める手続きがあります。
そのため開業日を考えるときは、
申請日
→許可日
→許可後の準備
→運輸開始
までを一続きで考える必要があります。
一般貨物の許可は申請から3~5か月が標準処理期間
中部運輸局では、一般貨物自動車運送事業の新規許可について、標準処理期間を3~5か月としています。
特別積合せ貨物運送を行う場合は4~6か月です。
ただし、これは標準的な処理期間です。
申請内容に補正が必要になったり、法令試験への対応に時間がかかったりすれば、予定どおり進まないことがあります。
そのため、
「4月に申請すれば7月1日に必ず営業開始できる」
というように、標準処理期間だけから開業日を確定させるのは避けた方がよいでしょう。
開業希望日がある場合は、許可までの期間だけでなく、許可後の準備期間も含めて余裕を持って申請します。
申請した後は審査と法令試験が進む
一般貨物の許可申請を提出すると、申請内容について審査が行われます。
確認されるのは、たとえば、
- 営業所
- 車庫
- 車両
- 休憩・睡眠施設
- 運転者
- 運行管理者・整備管理者
- 資金計画
- 法令遵守
- 損害賠償能力
などです。
書類を提出すれば、後は許可書を待つだけではありません。
法令試験を受ける
一般貨物の新規許可申請では、法令試験があります。
法人の場合は、申請する事業に専従する役員のうち1人が受験します。
中部運輸局では2026年度も法令試験を実施しており、5月、7月、9月、11月、翌年1月、3月に試験日が設定されています。
開業予定を立てるときは、許可審査だけでなく法令試験の日程も確認します。
補正があれば対応する
審査中に申請内容や添付書類について確認・補正が求められることがあります。
たとえば、
- 営業所や車庫に関する書類
- 車両の使用権原
- 資金計画
- 人員体制
などについて追加確認が必要になれば、その対応が終わるまで審査は進みません。
申請前に要件と書類を確認しておくことが、開業時期をずらさないためにも重要です。
許可が出てもその日から営業開始ではない
審査が終わり許可を受けても、一般貨物の開業準備はまだ終わりではありません。
許可後に、実際にトラックを事業用として動かすための準備を進めます。
主に確認するのは、
- 登録免許税の納付
- 運行管理者の選任・届出
- 整備管理者の選任・届出
- 社会保険等への加入
- 車両の事業用登録
- 運輸開始に必要な準備
などです。
許可日と運輸開始日は別の日になると考えておく方が分かりやすいでしょう。
許可後に車両を緑ナンバーへ登録する
一般貨物で使用するトラックは、事業用自動車として登録して使用します。
許可申請時に、
「購入予定」
「リース予定」
としていた車両についても、許可後に実際の事業用車両として登録する手続きを進めます。
そのため、
「許可が出た翌朝から、今ある白ナンバーのトラックで営業を始める」
という流れではありません。
許可後の車両登録まで開業スケジュールに入れておきます。
車両が複数台ある場合は、販売店、リース会社、登録手続きの日程なども確認しておく必要があります。
運行管理者・整備管理者の選任も運輸開始前に進める
一般貨物では、運行管理者と整備管理者を選任し、必要な届出を行います。
中部運輸局の許可基準では、運行管理者と整備管理者の選任届を運輸開始前に提出することが条件とされています。
整備管理者については、選任後15日以内に運輸開始する場合には、選任後15日以内の提出とする扱いがあります。
許可申請時に候補者を決めていたとしても、許可後に正式な選任・届出を行う段階があります。
そのため、人員は許可後に探し始めるのではなく、申請前から準備しておきます。
社会保険等への加入も確認する
社会保険等への加入義務がある事業者については、運輸開始前に加入することが許可条件とされています。
そのため、法人を新しく設立して一般貨物を始める場合などは、
- 健康保険
- 厚生年金
- 労働保険
- 雇用保険
など、自社に必要な手続きも開業準備に含めます。
許可申請の審査が終わってから初めて調べるのではなく、許可後すぐ動けるよう事前に必要な手続きを整理しておきます。
申請から運輸開始まではこの順番で進む
一般貨物の申請後から運輸開始までは、おおむね次の流れで考えます。
- 一般貨物の新規許可申請
- 運輸局による審査
- 法令試験
- 必要な補正への対応
- 許可
- 登録免許税の納付
- 運行管理者・整備管理者の選任・届出
- 社会保険等の必要な手続き
- 車両の事業用登録
- 運輸開始
具体的な手続きの前後関係は、車両や会社の状況によって確認が必要です。
重要なのは、
「許可=開業完了」
と考えないことです。
申請から許可までと、許可から運輸開始までの二段階で予定を立てます。
いつ開業できるかは許可後の準備でも変わる
たとえば、中部運輸局の標準処理期間どおり4か月程度で許可が出たとしても、
- 車両の納車が間に合わない
- 運行管理者の準備ができていない
- 社会保険の手続きが進んでいない
- 車両登録の日程が取れていない
という状態なら、すぐに運輸開始できません。
反対に、許可後に必要な準備をあらかじめ整理しておけば、許可後の手続きを進めやすくなります。
そのため開業日を決めるなら、
「許可がいつ出そうか」
だけではなく、
「許可が出た後、何日で運輸開始できる状態にできるか」
まで確認します。
許可前にトラックを営業運行することはできない
一般貨物の許可を申請したからといって、許可が出るまでの間に一般貨物として有償運送を始めることはできません。
申請は、許可を受けたこととは別です。
「もう申請したから」
「許可が出る予定だから」
という理由で先に一般貨物の営業を始めないようにします。
荷主との契約や仕事の開始日を決める場合も、許可日だけでなく事業用車両の準備などを含めて設定します。
許可後は1年以内に運輸を開始する
中部運輸局の一般貨物の許可基準では、新規許可事業者に対し、許可後1年以内に運輸を開始する条件が付されます。
そのため、
「とりあえず許可だけ取って、数年後に事業を始める」
という前提では進めません。
許可を申請する段階で、
- 車両をいつ用意するか
- 運転者をいつ採用するか
- 運行管理者・整備管理者をいつ選任するか
- いつ荷主との運送を始めるか
まで見通しを立てておく必要があります。
開業希望日があるなら逆算して準備する
たとえば、
「来年4月から一般貨物を始めたい」
と決まっている場合は、4月から3~5か月を単純に逆算するだけでは十分ではありません。
その前に、
- 営業所・車庫を決める
- 5台以上の車両計画を決める
- 運転者・管理者を確保する
- 資金計画を作る
- 申請書類を準備する
期間があります。
さらに申請後には審査・法令試験があり、許可後には運輸開始準備があります。
そのため、開業希望日から、
運輸開始準備
←許可
←審査・法令試験
←許可申請
←営業所・車庫・車両・人員の準備
と逆算します。
開業日が決まっている会社ほど、早い段階で全体のスケジュールを作ることが重要です。
申請したら「許可日」ではなく「運輸開始日」まで見る
一般貨物の新規許可は、中部運輸局の標準処理期間では3~5か月です。
しかし、実際に運送業を始められる日は、許可日そのものとは限りません。
許可後にも、車両、運行管理者・整備管理者、社会保険等の準備を進めます。
そのため、
「申請から何か月で許可が出るか」
だけでなく、
「申請から何か月で実際にトラックを営業運行できるか」
というところまで予定を組みます。
開業希望日がある場合は、申請する時期だけでなく、許可後の準備期間まで含めて逆算しておくと進めやすくなります。
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出典
国土交通省 中部運輸局|法令・公示、国土交通省 中部運輸局|法令試験、国土交通省 中部運輸局|様式(申請・届出・報告)
この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。
