運送業許可で車庫の収容能力はどう考える?ポイントを解説

運送業許可で車庫を探すとき、多くの方がまず気にするのは「トラックを何台置けるか」だと思います。

しかし、運送業許可の車庫では、単に空き地が広いだけでは足りません。

車両がすべて収まるか。
車両同士の間隔は取れるか。
出入口や通路に無理はないか。
将来の増車まで考える必要があるか。

このように、車庫の収容能力は、面積だけでなく、実際の配置まで見て判断する必要があります。

この記事では、運送業許可で車庫の収容能力をどう考えるのか、確認したいポイントを解説します。

車庫の収容能力とは何か

運送業許可でいう車庫の収容能力とは、簡単にいうと、事業で使う車両を車庫内にきちんと収められるかということです。

ただし、「土地が広いから大丈夫」という話ではありません。

運送業の車庫では、予定している事業用車両をすべて保管できるだけの広さが必要です。

さらに、車両同士や車両と境界との間隔、出入りのしやすさ、車庫内での動線も考える必要があります。

確認すること見るポイント
車両台数申請する車両がすべて収まるか
車両の大きさ長さ・幅が図面上でも入るか
車両同士の間隔詰め込みすぎになっていないか
境界との距離壁・フェンス・隣地に近すぎないか
出入口・通路出入りに無理がないか

ここで大切なのは、収容能力は「面積」ではなく「配置」で考えるという点です。

たとえば、同じ広さの土地でも、形が細長い、出入口が狭い、電柱や側溝がある、奥の車両を出すには手前の車両を動かさないといけないという場合があります。

このような車庫では、数字上の面積は足りていても、実際の収容能力としては不安が残ります。

運送業許可の車庫は、トラックを無理に詰め込む場所ではありません。

安全に保管し、出庫・帰庫ができる場所として考える必要があります。

【関連記事】
運送業許可で車庫の要件とは?確認したいポイントを解説
https://mikawa-office.com/post-1103/

【関連記事】
運送業許可の車庫サイズで不許可になるケース
https://mikawa-office.com/post-375

車両の大きさを前提に考える

車庫の収容能力を考えるときは、まず使う車両の大きさを確認します。

2トン車なのか。
4トン車なのか。
大型車なのか。
ウイング車なのか、平ボディなのか。

同じ「トラック」といっても、長さや幅は大きく違います。

特に運送業許可では、申請する車両を前提に車庫を確認するため、車両の寸法をあいまいにしたまま車庫を決めるのは危険です。

車両寸法を確認する

車両の長さ、幅、高さは、車検証や車両資料で確認します。

現地で見た感覚だけで、「このくらいなら入るだろう」と判断しない方が安全です。

実際に図面に落とし込むと、思ったより余裕がないことがあります。

車両ごとの配置を考える

車両が複数台ある場合は、1台ずつどこに置くかを考えます。

大型車と4トン車が混在する場合は、大きい車両から先に配置を考えると分かりやすくなります。

小さい車両なら入る場所でも、大型車では曲がれない、隣の車両に近すぎる、出入口に近すぎるということがあります。

全車両が同時に収まるかを見る

運送業の車庫では、事業用車両をすべて収容できるかが重要です。

「普段は何台か外に出ているから大丈夫」という考え方は避けた方がよいです。

車庫は、帰庫時に車両を保管する場所です。

全車両が戻ったときに収まらない計画では、収容能力に不安が出ます。

図面で確認しないと分からないこと

車庫の収容能力は、現地を見ただけでは分かりにくいことがあります。

広く見える土地でも、図面に車両を配置すると足りないことがあります。

反対に、現地では少し狭く見えても、車両の大きさや配置を整理すると、使える形が見えることもあります。

敷地の形が影響する

車庫は、正方形や長方形とは限りません。

三角形に近い土地、奥が細くなっている土地、出入口が一か所しかない土地などもあります。

この場合、単純な面積だけでは判断できません。

車両を置ける有効な部分がどれだけあるかを見ます。

障害物を見落としやすい

現地には、電柱、フェンス、側溝、段差、植栽、既存建物、資材置場などがあることがあります。

土地全体の面積は広くても、実際に車両を置ける範囲は限られます。

また、契約上は借りられる土地でも、実際には一部しか使えないというケースもあります。

通路部分も必要になる

車庫内では、車両を置くスペースだけでなく、出入りするための通路や転回スペースも必要です。

車両をぎりぎり並べると、奥の車両を出すたびに手前の車両を動かさなければならないことがあります。

事業用車両の車庫として考えるなら、日々の出庫・帰庫が無理なくできる配置にすることが大切です。

図面と写真で整理する

車庫の収容能力を確認するときは、車庫図面と現地写真を合わせて見ると分かりやすくなります。

車両の寸法、配置、出入口、境界、前面道路との関係を図面に反映させることで、問題点に気づきやすくなります。

「現地では入るように見えた」という感覚だけで進めるより、図面で確認した方が安全です。

【関連記事】
運送業許可の車庫証明と運送業車庫の違いとは
https://mikawa-office.com/post-628/

【関連記事】
運送業許可の車庫要件10kmルールはどこまで厳しいのか
https://mikawa-office.com/post-619/

収容能力でよくある失敗

車庫の収容能力で多い失敗は、広さだけを見て契約してしまうことです。

車両台数だけで判断する

「5台分の駐車場だから5台置ける」と考えるのは危険です。

普通車用の駐車場5台分と、事業用トラック5台分では必要な広さが違います。

トラックは車幅も車長も大きく、出入りの動きも乗用車とは違います。

既存の白線がある駐車場でも、そのまま運送業の車庫として使えるとは限りません。

ぎりぎりの配置にしてしまう

図面上は入っていても、車両同士が近すぎる配置は危険です。

ドアの開閉、点検、乗り降り、誘導、出庫時の切り返しを考えると、余裕が必要です。

車庫は毎日使う場所です。

ぎりぎりの配置は、事故や接触、作業効率の低下につながります。

将来の増車を考えていない

開業時は5台で始めても、将来増車したいと考える場合があります。

そのときに車庫の収容能力が足りないと、増車の前に車庫を追加したり、変更したりする必要が出ます。

もちろん、最初から過大な車庫を借りる必要はありません。

ただし、将来の増車予定があるなら、今の車庫でどこまで対応できるかは確認しておいた方が安心です。

空いている部分を別用途で使ってしまう

車庫内に資材、パレット、私物、使っていない車両などを置いてしまうと、事業用車両を収容するスペースが減ります。

申請時は車両が収まっていたのに、実際の運用では物が増えて車両が置けないという状態は避ける必要があります。

車庫として使う場所は、日常的に車両を保管できる状態を保つことが大切です。

前面道路や出入口を見ていない

収容能力というと車庫内だけを考えがちですが、出入口や前面道路も関係します。

敷地内に車両を並べることができても、出入りに無理があると実際には使いにくい車庫になります。

車庫の中に収まるかと、そこへ安全に出入りできるかはセットで確認します。

契約前に確認したいポイント

車庫の収容能力は、契約前に確認することが大切です。

契約してから「車両が全部入らない」「図面上収まらない」「出入りが難しい」と分かると、賃料や保証金が無駄になるおそれがあります。

確認するときは、次の順番で進めると整理しやすくなります。

  1. 使用予定の車両台数を決める
  2. 各車両の長さ・幅を確認する
  3. 車庫の有効寸法を確認する
  4. 障害物や使えない部分を確認する
  5. 図面に車両を配置する
  6. 出入口や前面道路も確認する
  7. 将来の増車予定があるか考える

ここで大切なのは、「借りられる土地」と「車庫として使える土地」は同じではないということです。

土地全体を借りられても、そのすべてを車庫として使えるとは限りません。

また、車庫として使えると思っていても、契約書上の使用目的、土地の状態、周辺道路、営業所との距離などで別の問題が出ることもあります。

運送業許可の車庫は、営業所や車両、人員、資金ともつながっています。

車庫だけを単独で決めず、許可申請全体の中で使える車庫かを確認する必要があります。

まとめ

運送業許可で車庫の収容能力を考えるときは、土地の広さだけで判断しないことが大切です。

重要なのは、申請する事業用車両をすべて安全に収容できるかです。

車両の台数、長さ、幅、車両同士の間隔、境界との距離、出入口、前面道路、日常の使いやすさまで確認します。

特に、普通車の駐車場の感覚で判断すると、トラックでは足りないことがあります。

車庫は、毎日車両が出入りし、運送事業を支える重要な場所です。

契約前に図面と現地写真で確認し、車両が無理なく収まるかを整理しておくと安心です。

碧南市、西尾市、高浜市、安城市周辺で、運送業許可の車庫選びや収容能力に不安がある方は、いしかわ行政書士事務所へご相談ください。

元大型ドライバーとしての現場経験も踏まえ、車庫の広さ、車両配置、出入口、前面道路、営業所との距離まで確認しながら、運送業許可申請をサポートいたします。

運送業許可の取得をご検討中の方や、まずは相談してみたい方は、料金やご依頼の流れなどをまとめた「運送業許可のご案内」もご覧ください。

【記事末関連記事】
運送業許可の車庫要件で不許可になる典型パターンとは?
https://mikawa-office.com/post-595/

運送業許可の用途地域で不許可になるケースとは?注意点を解説
https://mikawa-office.com/post-1156/

トップへ戻る