盛土規制法を相談したい|最初に用意すると話が早い土地・造成資料

この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。

盛土規制法について相談しようとすると、

「何を持っていけばいい?」

「造成図がまだ完成していなくても相談できる?」

「公図や測量図まで最初から必要?」

と迷うことがあります。

結論からいうと、最初の相談で、本申請に必要な資料をすべて完成させる必要はありません。

ただし、

「この土地を造成したいです」

だけでは、許可が必要か判断する材料が足りません。

最初に重要なのは、

どこの土地か
現在どうなっているか
造成後どう変えるのか

が分かることです。

そのうえで、

面積について確認したい
→ 求積資料

高さ・崖について確認したい
→ 断面図

擁壁について確認したい
→ 擁壁関係図

排水について確認したい
→ 排水関係図

というように、相談したい内容に必要な資料を追加すると話が早くなります。

最初に「何を相談したいか」を決める

同じ盛土規制法の相談でも、内容は違います。

たとえば、

「この工事は許可が必要?」

「600㎡の土地だが、盛土する部分は400㎡くらい。面積基準にかかる?」

「切土で2m近い高低差ができる」

「既存擁壁をやり替えるが許可対象?」

では、行政が見たい資料も変わります。

そのため、

とりあえず持っている図面を全部出す

より、

何について判断してほしいのかを先に整理する

方が効率的です。

まず用意したいのは位置図と土地の平面図

愛知県が許可権者となる区域の事前相談では、

位置図
土地の平面図

が必須資料とされています。

位置図では、

どの土地なのか

を確認します。

平面図では、

盛土する場所
切土する場所
面積
現況地盤高
計画地盤高
崖や擁壁の位置

などを確認します。

つまり平面図は、

土地の形を見るためだけの図面ではなく、「どこをどう変えるか」を説明する資料

です。

現況と計画の両方が分からないと判断しにくい

盛土規制法では、

完成後だけではなく、

工事前から工事後に土地がどれだけ変わるか

を確認します。

たとえば、

計画地盤高100.50

だけでは、

現在が100.00なのか、

99.00なのか分かりません。

前者なら50cmの盛土。

後者なら1.5mの盛土です。

そのため、相談資料では、

現況地盤高
と
計画地盤高

を比較できる状態にします。

計画図に現況地盤高が載っていない場合は、現況図を別に用意します。

面積について相談するなら求積図が重要

「500㎡を超えるか」

「どこまでを盛土面積として数えるか」

という相談なら、土地全体の面積だけでは足りません。

たとえば、

敷地800㎡
盛土部分300㎡
切土部分200㎡
残り300㎡は現況地盤のまま

という工事もあります。

この場合、

敷地800㎡

という数字だけを持って相談しても、許可要否の面積判定には使いにくくなります。

必要なのは、

実際に盛土・切土をする範囲の面積

です。

愛知県の事前相談でも、面積が関係する許可要否相談では、盛土・切土等をする土地の求積に必要な寸法・算式を示す求積図が求められています。

500㎡前後なら「だいたい」で相談を終わらせない

たとえば、

「盛土部分はたぶん490㎡くらい」

という計画です。

許可要否が面積基準の近くにある場合、

概算だけでは結論を出しにくくなります。

逆に、

明らかに100㎡程度

など、基準から大きく離れている場合は、相談初期から精密な求積が必要とは限りません。

つまり、

面積基準に近いほど、求積精度を上げる意味が大きくなる

ということです。

高さや崖について相談するなら断面図を用意する

平面図だけでは、

どこを造成するか

は分かります。

しかし、

何m盛るのか
何m切るのか
どの程度の崖が生じるのか

は分かりにくい場合があります。

そこで必要になるのが断面図です。

特に、

傾斜地
切土
盛土と切土の両方を行う
敷地境界に高低差ができる

といった造成では、断面図が重要になります。

愛知県も、平面図だけで相談内容を把握できる場合は断面図不要としつつ、必要に応じて造成前後の地盤面が分かる断面図を求めています。

つまり、

最初から必ず断面図を付ける

のではなく、

高さが判断材料になるなら付ける

と考えると分かりやすくなります。

切土の相談では断面図が特に重要

たとえば、

300㎡だけ切土する

とします。

これだけでは、

30cm削るのか、

3m削るのか分かりません。

盛土規制法では、切土によって生じる崖の高さも許可要否に関係します。

そのため、

「面積は小さいから大丈夫?」

という相談でも、

大きな高低差が生じるなら断面図を用意した方がよいでしょう。

盛土と切土が混在するなら一つの断面で見せる

傾斜地を平らに造成すると、

高い側を切る。

その土を低い側へ盛る。

という工事があります。

この場合、

盛土図面
切土図面

を完全に別々に考えるより、

造成前から完成後までを一つの断面で見せる

方が、工事全体を把握しやすくなります。

特に、

盛土だけなら基準以下
切土だけでも基準以下

と思っていても、盛土と切土を同時に行う工事として別の判定が必要になる場合があります。

擁壁があるなら擁壁関係図も持っていく

造成に擁壁が関係する場合は、

擁壁の位置
高さ
構造
前後の地盤高

が分かる資料を用意します。

たとえば、

既存擁壁をそのまま使う。

既存擁壁を撤去する。

同じ位置でやり替える。

位置を前へ出す。

高さを変える。

では、盛土規制法上の扱いが変わる可能性があります。

そのため、

「擁壁があります」

だけでなく、

今の擁壁と、工事後の擁壁がどう変わるのか

を説明できる資料があると相談が進みやすくなります。

擁壁をやり替えるなら新旧が比較できる資料がよい

既存擁壁をやり替える場合は、

現況断面
計画断面

を比較できると分かりやすくなります。

同じ位置・勾配での通常改修なのか。

位置変更によって新たな盛土が生じるのか。

敷地側へ下げて切土が生じるのか。

を確認できるからです。

単に、

「2mの擁壁を2mの擁壁に交換します」

だけでは、土地の形が変わるか判断できない場合があります。

排水施設が関係するなら排水図も追加する

盛土規制法の許可申請では、排水施設も技術基準の対象になります。

ただし、

許可が必要かどうかだけを相談する初期段階

なら、常に詳細な排水設計まで完成していなければならないとは限りません。

一方、

既に造成設計が進んでいる。

排水施設の配置について相談したい。

擁壁と排水計画を一緒に確認したい。

という場合には、排水関係図面も用意します。

つまり、

相談内容が許可要否だけなのか、技術計画まで入っているのか

で資料の深さを変えます。

現況写真があると図面だけでは分からない部分を補える

現況写真も有効です。

たとえば、

道路との高低差
既存擁壁
法面
現在の土地利用
水路
側溝
隣地との高低差

などは、平面図だけでは伝わりにくいことがあります。

特に既存造成地では、

「この線が擁壁なのか」

「現況地盤はどこまでか」

が図面だけでは分からない場合があります。

写真があれば、相談担当者が現況をイメージしやすくなります。

写真は「何を撮ったか」が分かるようにする

現況写真を20枚送っても、

どの方向から撮った写真か分からなければ使いにくくなります。

できれば、

平面図に①②③と撮影位置を記載。

写真側にも同じ番号を付ける。

という形にします。

本申請の写真資料でも、撮影箇所・方向が分かる図面が重要になります。

初回相談から同じ考え方で整理しておくと、その後も使いやすくなります。

公図や登記資料は最初から必須?

愛知県の県管轄での事前相談では、

位置図と土地の平面図が必須資料とされており、

公図は必須添付資料としては掲げられていません。

そのため、

公図が取れるまで相談できない

とは限りません。

ただし、

複数筆にまたがる。

土地境界が複雑。

工事区域と所有地の関係を確認したい。

といった場合は、公図や登記資料があると整理しやすくなります。

本申請段階では、公図の写しなども必要になります。

初回相談と本申請を分けて考えます。

最初から本申請用の図面一式を作らなくてよい

盛土規制法の本申請では、

位置図
地形図
平面図
断面図
求積図
擁壁・排水施設関係図
土量計算

など、多くの資料が関係します。

しかし、

許可要否すら分からない段階で、全部を完成させてから相談する

必要はありません。

たとえば、

許可不要となる工事だった。

盛土範囲の考え方が違った。

擁壁位置を変更する必要が出た。

となれば、先に作った詳細図面を修正することになります。

まず行政が判断できる資料を用意し、

相談結果を設計へ戻す方がやり直しを減らせます。

「資料が少ない」と「計画が決まっていない」は違う

図面が少なくても相談できる場合があります。

しかし、

何をするか全く決まっていない

状態では判断できません。

たとえば、

「この土地を何かに使いたい」

だけでは、

盛土するか。

切土するか。

高さを変えるか。

土石を置くのか。

が分かりません。

一方、

「800㎡の畑を駐車場にしたい。道路側へ合わせるため約40cm上げる予定」

まで分かっていれば、次に必要な資料を絞れます。

つまり、

詳細設計は未完成でもよいが、工事の方向は必要

ということです。

施工会社から図面をもらっているなら全部確認する

すでに施工会社や設計者から、

造成平面図
縦横断図
擁壁図
排水図
舗装断面

などが出ているなら、相談時に利用します。

図面があるのに、

「まだ正式図ではないから」

と口頭説明だけに戻す必要はありません。

むしろ、

現時点の計画を見てもらい、

盛土規制法上どこを修正・追加確認する必要があるか

を整理した方が効率的です。

駐車場造成なら舗装断面もあると判断しやすい

駐車場造成では、

完成地盤を50cm上げる

という説明だけでは不十分な場合があります。

たとえば、

土盛り20cm
路盤25cm
アスファルト5cm

なのか、

土盛り50cm
その上に舗装

なのかで違います。

愛知県では通常の舗装部分について、盛土高さとの関係を個別に整理しています。

そのため、

駐車場造成なら、

土・路盤・舗装の内訳が分かる断面

も用意すると相談が進みやすくなります。

建物解体後なら「元の地盤高」が分かる資料を残す

建物を解体して埋め戻す場合も資料の考え方が変わります。

愛知県では、

建物等を撤去した後、

周囲の地盤高さまで埋め戻すだけなら許可不要となる取扱いがあります。

そのため、

解体後の穴の深さだけではなく、

解体前の周囲地盤がどこだったか

が重要です。

解体前写真
既存配置図
地盤高入り図面

などがあれば残しておくと、後から説明しやすくなります。

初回相談の資料は「質問別」に増やす

最初の相談資料を整理すると、こうなります。

相談したいこと特に用意したい資料
まず場所を特定したい位置図
許可対象工事か確認したい平面図・現況/計画地盤高
面積基準を確認したい求積図
盛土・切土高を確認したい断面図
崖の高さを確認したい断面図
擁壁改修を確認したい新旧擁壁図・断面図
排水計画を相談したい排水関係図
現況が複雑現況写真
複数筆・境界が複雑公図等

重要なのは、

全部を必須資料として集めることではありません。

相談したい内容に合わせて、

判断に必要な資料だけ追加する

ことです。

三河では相談先も先に確認する

愛知県内でも、盛土規制法の相談窓口は同じではありません。

たとえば、

碧南市
刈谷市
安城市
西尾市

は各市が許可権者です。

岡崎市も中核市として岡崎市が担当します。

高浜市は愛知県側の西三河管轄です。

そのため、

愛知県の事前相談様式をそのまま全市で使えばよい

とは限りません。

各許可権者の相談方法・必要資料を確認します。

碧南市でも、許可要否チェックシートで判断できない場合には、市への事前相談が案内されています。

市によっては愛知県の手引を準用している

一方、安城市では、盛土規制法の審査基準・手続方法について、愛知県の「許可申請等の手引」「設計指針」に準拠すると案内しています。

つまり、

県と市で制度そのものが別になるわけではありません。

ただし、

相談窓口
提出方法
様式
必要部数

などは異なる可能性があります。

そのため所在地を最初に確認する意味があります。

盛土規制法以外の資料も一緒に持っていくケース

造成工事では、盛土規制法だけが関係するとは限りません。

たとえば、

開発許可の相談資料がある。

雨水浸透阻害行為の計画がある。

農地転用の土地利用計画図がある。

という場合です。

同じ造成なら、

造成高
擁壁位置
排水方向
工事区域

を共通して使うことがあります。

すでに別手続で図面を作っているなら、それも一緒に確認してもらう方が計画の食い違いを防ぎやすくなります。

「何から用意すればいいか分からない」なら3点から始める

まだ資料がほとんどないなら、

まず次の3つを整理します。

1.土地の場所

所在地・地番。

2.現在の土地

平坦なのか、傾斜しているのか。

擁壁があるのか。

現在何に使っているのか。

3.造成後にどうしたいか

駐車場にする。

建物を建てる。

資材置場にする。

土地を何cm程度上げる・下げる。

ここまで分かれば、

次に平面図。

高さが重要なら断面図。

面積が重要なら求積図。

というように、必要資料を増やせます。

まとめ

盛土規制法を相談するとき、最初から本申請用の資料を全部完成させる必要はありません。

まず重要なのは、

土地を特定できること
現在の地盤が分かること
造成後にどう変えるか分かること

です。

愛知県が許可権者となる区域の事前相談では、

位置図と土地の平面図

が基本となります。

そのうえで、

面積を確認したい
→ 求積図

高さ・崖を確認したい
→ 断面図

擁壁を確認したい
→ 擁壁関係図

排水を確認したい
→ 排水関係図

と、相談内容に応じて資料を増やします。

最初から、

「公図・構造図・排水図・土量計算を全部作らなければ相談できない」

と考える必要はありません。

反対に、

何を造成するか全く決まっていなければ、行政も許可要否を判断できません。

詳細設計を完成させる前に、現況と計画の差が分かるところまで整理して相談する。

これが、盛土規制法の初回相談を進めやすくするポイントです。

三河の盛土規制法・造成手続をご相談ください

いしかわ行政書士事務所では、碧南・西尾・高浜・安城・刈谷・岡崎を中心とした三河エリアで、盛土規制法を含む造成関係の行政手続をサポートしています。

現在お持ちの図面や土地資料を確認し、追加で何を用意すべきか整理したうえで、必要に応じて行政窓口との事前相談、許可申請書類の作成・提出まで対応します。開発許可・雨水浸透阻害行為・農地転用などが関係する場合も、周辺手続をあわせて整理します。

造成図面を完成させる前や、施工内容を固める前の段階でもご相談ください。

お気軽にお問い合わせください

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営業時間 9:00-21:00(土・日・祝日も対応)

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出典

愛知県|許可申請等に関する事前相談

愛知県|愛知県における許可申請等の手続

愛知県|盛土規制法に関するよくある質問

愛知県|審査担当窓口

碧南市|盛土規制法に関わる許可の要否および事前相談

安城市|盛土規制法

この記事は、2026年9月時点の愛知県・各自治体等の公的情報をもとに作成しています。

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