
この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。
三河で墓じまいをするとき、
「改葬許可の必要書類はどの市でも同じ?」
「西尾市のお墓と岡崎市のお墓では手続きが違う?」
「郵送で申請できる市はある?」
と疑問に思うことがあります。
改葬許可の基本ルールは全国共通です。
しかし、実際に申請するときの、
- 必要書類
- 申請書の様式
- 複数人の遺骨の書き方
- 墓地使用者と申請者が違う場合の書類
- 郵送申請の可否
- 改葬許可証の交付時期
などは、市町村によって違いがあります。
例えば三河地域でも、
西尾市
→ 戸籍・申述書・受入証明書等まで具体的に案内
安城市
→ 市営霊園や安城市本籍の場合に一部書類を省略できる場合あり
刈谷市
→ 遺骨が多い場合の「多人数用」申請書あり
岡崎市
→ 「焼骨等の一覧」を使用し、郵送申請にも対応
など違いがあります。
そのため、
「別の市で墓じまいをしたときと同じ書類を出せばよい」
とは考えない方がよいでしょう。
この記事では、三河地域のうち、いしかわ行政書士事務所の主な対応地域である、
- 碧南市
- 西尾市
- 高浜市
- 安城市
- 刈谷市
- 岡崎市
について、2026年8月時点の公式情報をもとに改葬許可の違いを整理します。
改葬許可の基本ルールは三河でも共通
まず、自治体ごとの違いを見る前に全国共通のルールを確認します。
墓地、埋葬等に関する法律では、現在の墓地・納骨堂にある遺骨を別の墓地・納骨堂へ移すことを「改葬」としています。
改葬する場合は、市町村長の許可が必要です。
申請先は、
現在、遺骨が納められている墓地・納骨堂の所在地の市町村
です。
例えば、
現在のお墓:西尾市
新しい納骨先:岡崎市
本人の住所:安城市
であれば、改葬許可を申請するのは西尾市です。
本人の住所や、新しい納骨先の所在地ではありません。
また、全国共通の基本として、
- 改葬許可申請書
- 現在の墓地管理者による埋蔵・収蔵等の証明
- 墓地使用者等と申請者が異なる場合の承諾
などを確認します。
そのうえで、自治体ごとの追加書類・申請方法を確認します。
公式資料
三河6市の改葬許可を比較
2026年8月時点で各市が公開している公式情報を比較すると、主な違いは次のようになります。
| 市 | 主な特徴 |
|---|---|
| 碧南市 | 死亡者が多い場合の別紙あり。代理人パターン別の記載例も公開 |
| 西尾市 | 戸籍・申述書・本人確認・受入証明書等まで具体的に案内 |
| 高浜市 | 今回確認した公式サイトでは改葬許可専用ページ・様式を確認できず。事前確認が必要 |
| 安城市 | 本人確認・戸籍等を案内。市営霊園・安城市本籍では一部省略可。許可証は翌日以降 |
| 刈谷市 | 収蔵証明書+申請書+本人確認。多人数専用の申請書あり |
| 岡崎市 | 焼骨等の一覧を使用。一定の場合は承諾書等。郵送提出可能 |
同じ三河地域でも、かなり違います。
特に、
「戸籍が必要か」
「新しい納骨先の証明が必要か」
「複数人をどう書くか」
「郵送できるか」
は、市ごとに確認した方がよい項目です。
碧南市の改葬許可
碧南市内のお墓・納骨堂から遺骨を移す場合は、碧南市へ改葬許可を申請します。
碧南市の公式案内では、
- 改葬許可申請書を記入
- 現在の墓地管理者から埋蔵・埋葬の証明を受ける
- 碧南市へ改葬許可を申請
- 改葬許可証を受け取る
- 新しい墓地・納骨堂へ提出
という流れです。
死亡者が多い場合には、
「改葬許可申請書別紙(死亡者一覧)」
も用意されています。
また碧南市は、
- 墓地使用者本人が申請
- 代理人が窓口へ来る
- 申請者・許可証の名義も代理人
など、ケース別の記載例も公開しています。
墓地使用者本人ではない人が申請する場合には、申請書に墓地使用者等の承諾欄があります。
碧南市営墓園の場合
碧南市営墓園から改葬する場合は、市民課への改葬許可申請とは別に、墓地管理者である環境課で申請書の証明欄を記載してもらいます。
また、改葬後に墓地区画を使わなくなる場合は「返還届」も必要です。
つまり、
改葬許可
と
市営墓園の返還
は別の手続きとして確認します。
公式資料
西尾市の改葬許可
6市の中でも、必要書類をかなり具体的に公開しているのが西尾市です。
西尾市公式では、主に次の書類を案内しています。
- 改葬許可申請書
- 改葬対象者の死亡日が分かる戸籍謄本等
- 申請者と改葬対象者の関係が分かる戸籍謄本等
- 申請者が墓の使用者・承継者である旨の申述書
- 申請者の本人確認書類の写し
- 改葬先の受入証明書または使用承諾書の写し
現在の墓地管理者からは、改葬許可申請書へ埋蔵証明を受けます。
また、申請者が墓の使用者・承継者ではない場合は、
使用者からの改葬承諾書
が必要とされています。
さらに西尾市は、新しい納骨先について、
- 受入証明書
- 使用承諾書
などの写しを必要書類として明示しています。
墓地管理者がこれらを発行しない場合には、墓地永代使用料等の領収書の写しでもよいとする取扱いも示されています。
これは「改葬許可なら全国どこでも受入証明書が必須」という意味ではありません。
西尾市では必要書類として明示されている
という点が重要です。
公式資料
高浜市の改葬許可は事前確認から
2026年8月時点で今回確認した高浜市公式サイトでは、他の5市のような、
- 改葬許可専用の案内ページ
- 必要書類一覧
- 改葬許可申請書のダウンロードページ
を確認できませんでした。
これは、
「高浜市では改葬許可が不要」
という意味ではありません。
改葬許可自体は墓地、埋葬等に関する法律に基づく全国共通の制度です。
高浜市内のお墓から別の墓地・納骨堂へ遺骨を移す場合も、現在のお墓の所在地である高浜市への改葬許可を確認する必要があります。
ただし、必要書類・申請方法については、公式サイト上の情報だけで自己判断せず、市へ事前確認する方が安全です。
高浜市公式では、
- 市民窓口グループ:戸籍等
- 経済環境グループ:墓地
の担当連絡先が公開されています。
墓じまいを考えている場合は、
「高浜市内の○○墓地から遺骨を改葬したい」
と現在の墓地を伝えたうえで、申請窓口と必要書類を確認してください。
公式資料
安城市の改葬許可
安城市では、市民課証明係が改葬許可を担当しています。
2026年2月更新の公式案内では、主に、
- 改葬許可申請書
- 申請者の本人確認書類
- 墓地等管理者の証明
- 死亡者の本籍・死亡年月日を確認できる火葬許可証または戸籍証明書
を案内しています。
墓地使用者等以外の人が申請する場合は、申請書に設けられた墓地使用者等の承諾欄を使用します。
安城市には書類を省略できるケースがある
安城市の特徴として、市営霊園に納骨されている場合の取扱いがあります。
対象となる、
- 安城霊園
- 橋目霊園
- 多門霊園
に遺骨がある場合、墓地使用者が市の霊園管理帳簿の閲覧に承諾することで、墓地管理者証明や死亡者情報に関する一部書類を省略できる場合があります。
また、死亡時の本籍地が安城市の場合も、死亡者の本籍・死亡年月日に関する書類を省略できます。
このような取扱いは、他自治体の申請へそのまま使えるものではありません。
改葬許可証は即日ではない
もう一つの違いが交付時期です。
安城市は、
改葬許可証の交付は申請日の翌日以降
と明記しています。
そのため、
午前中に市役所へ申請
↓
午後から墓石撤去
という日程では進められません。
墓石撤去・遺骨取出しの日程から逆算して申請してください。
申請方法についても、安城市公式は市民課本庁窓口への提出を案内しています。
公式資料
刈谷市の改葬許可
刈谷市では、市民課へ改葬許可を申請します。
公式案内で示されている主な書類は、
- 収蔵証明書
- 改葬許可申請書
- 申請者の本人確認書類
です。
代理人が申請する場合には、
- 委任状
- 代理人の本人確認書類
も必要とされています。
遺骨が多い場合の専用申請書がある
刈谷市の特徴の一つが、複数人の遺骨への対応です。
通常の、
「改葬する人が少人数(1~3人程度)の場合」の申請書
とは別に、
- 改葬許可申請書(多人数用)
- 多人数用別紙
- 記入例
を公開しています。
先祖代々のお墓で、
「何人もの遺骨が入っている」
という場合には、最初から多人数用の様式を確認できます。
墓石を撤去する直前になって人数を確認するのではなく、早い段階で現在のお墓に納められている遺骨を整理するとよいでしょう。
公式資料
岡崎市の改葬許可
岡崎市では、保健企画課施設整備係が改葬許可申請を受け付けています。
2026年8月更新の公式案内では、基本書類として、
- 改葬許可申請書
- 焼骨等の一覧
- 焼骨の埋蔵または収蔵を証明する書類
を案内しています。
現在の墓地管理者による埋蔵・収蔵証明は、
発行後1年以内のもの
を添付するとされています。
また、
墓地使用者
≠
改葬申請者
の場合は、墓地使用者の署名または記名押印がある承諾書を別途提出します。
岡崎市は郵送提出にも対応
岡崎市公式では、
改葬許可申請を郵送でも提出可能
と明記しています。
遠方に住んでいて岡崎市内のお墓を墓じまいする場合には、現地へ行く回数を減らせる可能性があります。
自分の土地にある墓は別の書類が必要になる場合もある
申請者自身が所有する敷地から改葬するケースでは、
- 申述書
- 焼骨等の一覧
- 対象墳墓の現況写真
などを提出する取扱いも示されています。
また岡崎墓園等から改葬し、区画を返還する場合には、改葬とは別に返還届と原状回復後の写真なども確認します。
公式資料
三河でも「必要書類」はこれだけ違う
6市を比べると、違いが分かりやすくなります。
戸籍
西尾市
→ 死亡日・申請者との関係を確認する戸籍等を案内
安城市
→ 死亡者情報確認の戸籍等。ただし条件により省略できる場合あり
刈谷市
→ 公式の基本必要書類一覧では戸籍を前面には出していない
つまり、
「改葬許可には必ず戸籍が必要」
とは言えません。
新しい納骨先の証明
西尾市
→ 受入証明書または使用承諾書の写しを必要書類として明示
他市
→ 公式基本案内で同じ形の受入証明書を必須としていない市もある
これも自治体差です。
複数人
碧南市
→ 死亡者一覧あり
安城市
→ 2人目以降の別紙あり
刈谷市
→ 多人数専用申請書・別紙あり
岡崎市
→ 焼骨等の一覧を使用
先祖代々のお墓では、自治体の複数人用様式を最初に確認すると効率的です。
郵送
岡崎市
→ 郵送提出可能と公式に明記
安城市
→ 本庁市民課窓口へ提出と案内
その他の市
→ 公式ページだけで郵送可否が明確でない場合は事前確認
「三河なら全部同じ」ではありません。
墓じまいでは改葬許可だけで終わらない
もう一つ重要なのが、自治体への改葬許可と墓地の返還手続きは別ということです。
例えば市営墓地では、
改葬許可
↓
遺骨を取り出す
↓
墓石を撤去
↓
区画を更地にする
↓
墓地返還届
という手続きが必要になることがあります。
碧南市営墓園では、墓碑を撤去して更地にしたうえで返還届を提出します。
岡崎墓園でも、改葬して利用区画を返還する場合には返還手続きを別途確認します。
寺院墓地・町内会墓地などでも、墓地ごとの返還ルールがあります。
つまり、
市役所から改葬許可証をもらった
=
墓じまいが全部完了した
ではありません。
公式資料
寺院・町内会墓地では管理者側のルールも確認する
三河地域には、
- 寺院墓地
- 町内会墓地
- 墓地管理組合
- 市営墓地
などさまざまな墓地があります。
例えば西尾市は、市内の墓地の多くが宗教法人・町内会・墓地管理組合によって管理されていると案内しています。
そのため同じ西尾市内でも、
市役所
→ 改葬許可
現在の寺院・町内会等
→ 埋蔵証明・墓地返還・墓石撤去ルール
という別々の確認が必要になります。
市役所の必要書類だけ確認して墓石撤去を進めるのではなく、現在のお墓の管理者にも先に確認してください。
公式資料
具体例|西尾市のお墓から岡崎市の納骨堂へ移す場合
例えば、
現在のお墓:西尾市
新しい納骨堂:岡崎市
本人の住所:安城市
とします。
この場合、改葬許可申請先は西尾市です。
流れは、
- 岡崎市の新しい納骨先を決める
- 西尾市の必要書類を確認する
- 現在の墓地管理者から埋蔵証明を受ける
- 必要な戸籍・申述書等をそろえる
- 新しい納骨先から受入証明書等を取得する
- 西尾市へ改葬許可を申請する
- 改葬許可証を受け取る
- 現在のお墓から遺骨を取り出す
- 岡崎市の新しい納骨先へ改葬許可証を提出する
- 遺骨を納める
- 西尾市側の墓地返還手続きを完了する
という流れになります。
本人が安城市に住んでいても、安城市へ改葬許可を申請するわけではありません。
具体例|岡崎市のお墓を遠方から墓じまいする場合
現在は県外に住んでいるものの、実家のお墓が岡崎市にあるケースです。
岡崎市は改葬許可申請の郵送提出を案内しているため、
墓地管理者から証明を取得
↓
申請書・焼骨等一覧等を準備
↓
郵送で改葬許可申請
という方法を検討できます。
その後、
- 閉眼供養
- 遺骨取出し
- 墓石撤去
などで必要な場合だけ現地へ行く方法も考えられます。
遠方の場合は、
役所手続きのためだけに何度も岡崎市へ行く必要があるか
を最初に確認するとよいでしょう。
どの市でも最初に確認したい8項目
三河で墓じまいを考えている場合は、現在のお墓がある自治体の公式ページで次の8項目を確認してください。
- 改葬許可の担当窓口
- 最新の改葬許可申請書
- 墓地管理者の証明方法
- 戸籍等が必要か
- 新しい納骨先の受入証明が必要か
- 複数人の場合の申請方法
- 郵送申請できるか
- 墓地返還の手続きが別にあるか
特に、
現在のお墓がある市のルールを確認する
ことが重要です。
検索で最初に出てきた別自治体の申請方法を、そのまま使わないようにしてください。
三河の墓じまいは「市役所+墓地管理者」の両方を確認する
三河6市を比較すると、改葬許可の基本ルールは同じでも、実際の手続きにはかなり違いがあります。
例えば、
西尾市
→ 必要書類が多く、受入証明書等まで明示
安城市
→ 市営霊園・安城市本籍の場合の省略規定あり
刈谷市
→ 多人数用申請書あり
岡崎市
→ 郵送申請可能
などです。
しかし、市役所だけを見ればよいわけではありません。
墓じまいでは、
市役所
→ 改葬許可
寺院・霊園・町内会等
→ 埋蔵証明・墓地返還・工事ルール
石材店
→ 墓石撤去・原状回復
新しい墓地・納骨堂
→ 遺骨の受入れ
という複数の相手が関係します。
「どこの市のお墓か」+「どんな墓地か」
の両方を確認して進めることが、手戻りを防ぐポイントです。
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三河で墓じまい・改葬を考えている方へ
改葬許可は全国共通の制度ですが、実際に必要となる書類・申請方法は自治体によって違います。
三河地域でも、
- 戸籍が必要か
- 受入証明書が必要か
- 複数人をどの様式へ記載するか
- 郵送申請できるか
- 墓地返還手続きが別に必要か
などを個別に確認する必要があります。
いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、墓じまい・改葬許可に関する手続きをサポートしています。
「どの書類が必要なのか分からない」という段階から、現在のお墓の所在地、墓地管理者、改葬する遺骨、新しい納骨先を確認し、その市で必要となる改葬許可手続きを整理します。
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営業時間 9:00-21:00(土・日・祝日も対応)
出典
この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。
厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律」、厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」、碧南市「改葬許可申請」、碧南市「市営墓園」、西尾市「お墓の移転」、西尾市「墓地」、高浜市「市民窓口グループ」、高浜市「ダイヤルイン(直通電話)番号一覧」、安城市「改葬許可申請について」、刈谷市「改葬許可」、岡崎市「改葬許可申請書」
