遠方のお墓を墓じまいしたい|何度も現地へ行かずに進める方法

この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。

「実家のお墓が遠くて、何度も現地へ行けない」

「墓じまいのたびに仕事を休んで帰省するのは難しい」

「役所・お寺・石材店へそれぞれ行かないといけない?」

遠方のお墓を墓じまいする場合でも、すべての工程で本人が現地へ行かなければならないとは限りません。

自治体によっては改葬許可申請を郵送で受け付けています。

また、

  • 墓地管理者との書類のやり取り
  • 石材店による現地確認・墓石撤去
  • 改葬許可申請
  • 新しい納骨先との調整

を郵送・電話・オンライン・専門家への依頼で組み合わせることで、現地へ行く回数を減らせる場合があります。

ただし、

一度も現地へ行かずに必ず完了できる

とは限りません。

墓地の規則、寺院との関係、遺骨の確認、閉眼供養、石材店の工事立会いなどによって、本人や親族の立会いを求められる場合があります。

そのため遠方の墓じまいでは、

「全部自分で現地対応する」

のではなく、

自分でなければできないことと、郵送・現地業者・行政書士へ任せられることを分ける

のがポイントです。

遠方のお墓でも墓じまいは進められる

現在住んでいる場所と、お墓がある場所が離れていても墓じまいはできます。

例えば、

現在の住所:愛知県
現在のお墓:他県
新しい納骨先:愛知県

という場合です。

改葬許可の申請先は、自分が住んでいる愛知県の自治体ではありません。

現在遺骨がある墓地・納骨堂の所在地の市区町村

へ申請します。

そのため遠方の墓じまいでは、

現在のお墓がある自治体
+
現在の墓地管理者
+
現地の石材店
+
新しい納骨先

という複数の相手とやり取りすることになります。

一見すると何度も現地へ行く必要がありそうですが、役所手続については郵送対応している自治体もあります。

公式資料

厚生労働省|墓地、埋葬等に関する法律

名古屋市|改葬

改葬許可は郵送できる自治体もある

遠方墓じまいで現地へ行く回数を減らすうえで、まず確認したいのが改葬許可の郵送申請です。

例えば名古屋市では、改葬許可申請書を郵送で提出でき、改葬許可証も返信用封筒を使って郵送で受け取れます。

名古屋市は、

郵送の場合、保健センターへ来庁せず手続き可能

と明記しています。

また豊田市も、事前に申請書の内容をFAXまたはEメールで確認したうえで、郵送申請できる仕組みを設けています。

許可証も、簡易書留やレターパックプラスなど所定の方法で郵送を希望できます。

つまり、

役所へ申請

許可証受領

のためだけに現地へ2回行く必要がない自治体もあります。

ただし郵送対応の有無・条件は自治体によって違います。

公式資料

名古屋市|改葬

豊田市|お墓、お骨の移転に伴う改葬許可申請

まず現在のお墓がある自治体の郵送対応を確認する

遠方のお墓だからといって、最初から現地の市役所へ行く必要はありません。

まず自治体の公式ページで、

  • 改葬許可申請書をダウンロードできるか
  • 郵送申請できるか
  • 許可証を郵送してもらえるか
  • 事前確認が必要か
  • 委任状が必要か

を確認します。

例えば自治体によって、

完全に郵送対応

書類を送ればよい

事前確認後なら郵送対応

メール・FAXで確認してから送付

窓口のみ

本人または代理人が提出

という違いがあります。

遠方墓じまいでは、

「役所へ何回行く必要があるか」を最初に確認する

だけでも、全体の日程を組みやすくなります。

墓地管理者とのやり取りも郵送できる場合がある

改葬許可申請では、現在の墓地・納骨堂の管理者による埋蔵・収蔵の証明が原則として必要です。

寺院墓地なら寺院、公営墓地なら管理事務所などへ依頼します。

ここも必ず現地へ行って証明を受けなければならないとは限りません。

例えば、

申請書を郵送

墓地管理者が証明欄を記入

返送してもらう

という方法が可能な場合があります。

名古屋市の八事霊園・愛宕霊園では、改葬・墓じまいに必要な書類を郵送等で渡し、使用者が必要書類を返送する流れが案内されています。

つまり、公営墓地などでは、

管理事務所との書類往復
+
改葬許可

まで郵送中心で進められるケースがあります。

公式資料

名古屋市|八事霊園・愛宕霊園 よくある質問

名古屋市|八事霊園・愛宕霊園 各種オンライン申請

寺院墓地なら電話・郵送だけで済むとは限らない

一方、寺院墓地の場合は、公営墓地と同じように考えない方がよいでしょう。

寺院とは、

  • 墓じまいの相談
  • 埋蔵証明
  • 墓地返還
  • 離檀
  • 閉眼供養
  • 墓石撤去日

などについて確認する場合があります。

書類については郵送できても、

「長年お世話になったので一度直接話をしたい」

というケースもあります。

また寺院側から、墓じまい前に面談や閉眼供養への立会いを求められる場合もあります。

そのため遠方だからといって、

「寺院とのやり取りも全部郵送で済む」

とは決めつけず、最初に相談してどこまで遠隔で対応可能か確認してください。

石材店の現地確認は本人が立ち会わなくてもできる場合がある

墓石撤去については、石材店が実際に墓地を確認して見積りを出すことがあります。

遠方の場合、

「見積りのためだけに一緒に現地へ行かなければならない?」

と思うかもしれません。

墓地の場所が明確で、墓地管理者の許可が得られれば、石材店だけで現地確認できる場合があります。

例えば、

墓地名
区画番号
墓石の写真
墓地使用者名

などを伝え、

石材店が現地確認

写真・見積りをメール等で送付

という方法です。

ただし、墓地によっては、

  • 使用者本人の立会い
  • 管理者への事前届出
  • 指定石材店の利用

が必要な場合があります。

まず墓地管理者へ確認してください。

墓石撤去工事も本人の立会いが必須とは限らない

石材店による墓石撤去工事についても、本人立会いなしで対応できる場合があります。

例えば、

工事前写真

撤去作業

更地にした後の写真

完了報告

という方法です。

遠方墓じまいでは、

写真による施工前・施工後確認

を利用すると現地へ行く回数を減らせます。

ただし、

  • 遺骨取り出し
  • 閉眼供養
  • 墓地管理者の確認
  • 墓地返還

について本人・親族の立会いが必要かどうかは別です。

「工事に立ち会わなくてよい」

「墓じまい全体で現地へ行かなくてよい」

とは限りません。

遺骨の取り出しは誰が立ち会う?

墓じまいで現地立会いを検討しやすいのが、遺骨の取り出しです。

一般には、

  • 墓地管理者
  • 寺院
  • 石材店
  • 本人・親族

などが関係します。

寺院墓地では、閉眼供養後に遺骨を取り出すことがあります。

ただし、本人・親族の立会いを必須とする法律上の全国共通ルールがあるわけではありません。

墓地管理者・寺院・石材店が対応し、遺骨を指定された方法で渡してもらえる場合もあります。

遠方の場合は、

「遺骨取り出し時に本人立会いが必要ですか」

を早めに確認してください。

ここで1回だけ現地へ行くと決め、

それ以外を郵送・代行

という方法もあります。

現地へ行くなら「1回にまとめる」

遠方墓じまいでは、

役所
お寺
石材店
墓地

へそれぞれ別の日に行くと、交通費と時間が大きくなります。

どうしても現地対応が必要なら、

1回の訪問へできるだけまとめる

ことを考えます。

例えば、

午前
寺院・墓地管理者と打合せ


石材店と現地確認

午後
必要なら役所手続

という組み方です。

ただし改葬許可について郵送できるなら、役所は外せます。

すると、

寺院
+
墓地
+
石材店

だけを同日にまとめることができます。

遠方墓じまいでは、

「現地に行かない」ことだけを目標にするより、「行くなら1回にまとめる」

という発想も有効です。

行政書士へ改葬許可申請を依頼する方法もある

自分で郵送申請することもできますが、

  • 遠方自治体の書類確認が面倒
  • 墓地管理者との証明書のやり取りが分からない
  • 複数人分の遺骨がある
  • 墓地使用者と申請者が異なる
  • 郵送申請に不備がないか不安

という場合は、行政書士へ改葬許可申請書の作成・提出を依頼する方法があります。

行政書士へ依頼するメリットは、

「本人の代わりに現地へ行くこと」

だけではありません。

むしろ、

  • 自治体の必要書類確認
  • 墓地管理者証明の整理
  • 申請書作成
  • 添付書類の確認
  • 郵送・代理申請

を一つにまとめられることにあります。

遠方墓じまいでは、現地へ行く交通費だけではなく、

何度も電話・郵送・書類確認をする時間

も負担になります。

公式資料

日本行政書士会連合会|行政書士の業務

行政書士へ頼んでも石材店の仕事まで全部できるわけではない

行政書士へ墓じまいを依頼した場合でも、墓石撤去を行政書士自身が行うわけではありません。

役割は分かれます。

内容主な担当
改葬許可申請自分または行政書士
墓地管理者の証明寺院・霊園等
墓石撤去石材店
閉眼供養寺院等
新しい納骨新しい墓地・納骨堂

行政書士事務所によっては、石材店との連絡調整などをサポートする場合もあります。

ただし、

どこまで行政書士報酬に含まれるか

は事務所ごとに違います。

遠方墓じまいを依頼する場合は、

  • 改葬許可だけ
  • 墓地管理者との事務連絡も含む
  • 石材店との日程調整まで含む

など、対応範囲を確認してください。

新しい納骨先も遠方なら郵送・配送方法を確認する

墓じまい後、遺骨を新しい納骨先へ移します。

新しい納骨先が自宅近くなら、自分で遺骨を運ぶ方法があります。

一方、

現在のお墓
→ 遠方

新しい納骨先
→ 別の遠方地域

というケースもあります。

この場合は、新しい墓地・納骨堂へ、

  • 本人持参が必要か
  • 郵送・配送を受け付けるか
  • 寺院・業者による移送が可能か

を確認します。

改葬許可証は新しい墓地・納骨堂へ提出する必要があります。

遺骨だけを送って終わりではありません。

公式資料

厚生労働省|墓地、埋葬等に関する法律の概要

遠方墓じまいで現地へ行く可能性が高い場面

遠隔でかなり進められる一方、現地訪問を検討した方がよい場面もあります。

寺院へ直接説明したい

長年お世話になった寺院なら、最初の相談だけ直接行うことがあります。

遺骨取り出しに立ち会いたい

故人への気持ちから、本人・親族が立ち会いたいケースです。

墓石撤去前に墓所を確認したい

石材店から写真だけでは判断しにくい場合があります。

閉眼供養へ参列する

宗教上・気持ちの面から参列を希望する場合です。

つまり、

現地へ行かなければ法律上墓じまいできない

というより、

墓地のルールや本人の希望によって現地訪問が必要になる

と考える方が正確です。

何度も現地へ行かずに進める基本の流れ

遠方のお墓を墓じまいする場合、次のように整理できます。

STEP1 親族と墓じまいの方針を決める

電話・オンライン等でも話し合えます。

STEP2 現在の墓地管理者へ電話する

墓じまい、証明、撤去業者、立会いの必要性を確認します。

STEP3 新しい納骨先を決める

自宅近くなど、今後管理しやすい場所を検討します。

STEP4 自治体の改葬許可を確認する

郵送申請できるか確認します。

STEP5 墓地管理者の証明を郵送等で受ける

可能なら現地訪問を省略します。

STEP6 改葬許可を郵送または行政書士へ依頼する

自治体の取扱いに従います。

STEP7 石材店へ現地確認を依頼する

本人立会いなしで可能か確認します。

STEP8 必要なら現地訪問を1回にまとめる

寺院との面談、閉眼供養、遺骨取り出しなどを同日に調整します。

STEP9 墓石撤去を行う

施工前後の写真を受け取る方法もあります。

STEP10 墓地を返還する

郵送・オンライン申請に対応している墓地もあります。

STEP11 新しい納骨先へ遺骨を移す

改葬許可証を提出します。

「一度も現地へ行かずにできる」とは限らない

遠方墓じまいについて、

「完全オンライン」
「立会い不要」
「現地へ一度も行かず完了」

と案内する業者もあります。

実際、改葬許可の郵送申請と現地業者への依頼を組み合わせれば、本人が現地へ行かずに進められるケースはあります。

一方で、

  • 寺院が直接面談を希望する
  • 墓地管理者が本人確認を求める
  • 遺骨の状態を確認する必要がある
  • 墓地規則で立会いを求められる

場合もあります。

そのため、

「絶対に0回でできる」ではなく、「何回必要かを最初に確認し、不要な訪問を減らす」

という考え方が安全です。

遠方墓じまいで最初に確認したい8項目

現地へ行く回数を減らしたい場合は、最初に次の8項目を確認してください。

  1. 改葬許可は郵送できるか
  2. 改葬許可証も郵送してもらえるか
  3. 墓地管理者の証明は郵送で受けられるか
  4. 墓地返還手続きは郵送・オンライン対応か
  5. 石材店の現地見積りに立会いが必要か
  6. 墓石撤去工事に立会いが必要か
  7. 遺骨取り出し・閉眼供養に本人立会いが必要か
  8. 行政書士・石材店へどこまで依頼するか

この8項目が分かれば、

現地0回で進められる部分
現地1回にまとめられる部分
どうしても本人対応が必要な部分

を切り分けられます。

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遠方のお墓の墓じまいで迷ったらご相談ください

遠方のお墓でも、

  • 改葬許可の郵送申請
  • 墓地管理者との郵送対応
  • 行政書士への申請依頼
  • 石材店による現地確認
  • 写真による工事完了確認

などを組み合わせることで、現地へ行く回数を減らせる場合があります。

重要なのは、

最初から何度も帰省する予定を組むのではなく、郵送・代理・現地業者で対応できない部分だけを確認すること

です。

いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、墓じまい・改葬許可に関する手続きをサポートしています。

現在は遠方にお住まいで、西三河地域などにお墓がある場合についても、自治体の改葬許可、墓地管理者の証明、必要書類などを確認しながら、現地へ行く回数をできるだけ減らせる進め方を整理します。

お気軽にお問い合わせください

0566-68-5511

営業時間 9:00-21:00(土・日・祝日も対応)

出典

この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。

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