車を廃車したのに税金通知が届く原因を解説

この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。

車を廃車したはずなのに、自動車税や軽自動車税の納税通知書が届くと、

「廃車手続きができていないのでは?」

「この税金は払わなくていいのでは?」

と迷うことがあります。

しかし、納税通知書が届いたからといって、必ず廃車手続きに失敗しているとは限りません。

主な原因は、

  • 4月1日時点ではまだ車を所有していた
  • 廃車したのが4月2日以降だった
  • 軽自動車なので年度途中の廃車でも月割還付がない
  • 車を業者へ渡しただけで、登録上の抹消が完了していない
  • 手続きの時期と納税通知書の発送が前後した

といったものです。

まず「普通自動車か軽自動車か」「いつ抹消手続きをしたか」を確認してください。

廃車したのに自動車税の通知が届くのはなぜ?

普通自動車の自動車税(種別割)は、毎年4月1日現在の所有者に課税されます。

愛知県では、4月1日現在の所有者にその年度の1年分の自動車税が課税され、納税通知書が送付されます。

そのため、例えば、

4月1日 車を所有していた
4月10日 廃車した
5月 納税通知書が届いた

という場合、納税通知書が届くこと自体は不自然ではありません。

「納税通知書が届いた=廃車できていない」とは限らないわけです。

普通自動車の場合、4月1日以降に抹消登録をすると、抹消した月の翌月以降分が月割りで減額・還付されます。愛知県は、例えば5月中に廃車した場合、6月から翌年3月までの10か月分が減額・還付されると案内しています。

公式資料

愛知県|自動車税Q&A「自動車を譲渡したり、廃車したら自動車税はどうなるの?」

愛知県|自動車税Q&A「自動車税はいつどうやって納めるの?」

4月2日以降に普通車を廃車した場合

普通自動車は、4月1日時点で所有していれば、その年度の自動車税の納税義務が発生します。

ただし、年度途中で抹消登録をすれば、そのまま1年分を負担することになるわけではありません。

愛知県では、抹消登録をした月の翌月から翌年3月までの分について月割りで減額・還付されます。

例えば6月15日に抹消登録した場合、

  • 4月
  • 5月
  • 6月

までが課税対象となり、7月から翌年3月までの分について還付が生じる形です。

そのため、すでに1年分の納税通知書が届いていても、「全部そのまま負担する」とは限りません。

公式資料

愛知県|自動車税の税額について

愛知県|県税の還付について

軽自動車を廃車したのに税金通知が届く原因

軽自動車は、普通自動車と考え方が違います。

軽自動車税(種別割)は、毎年4月1日現在の所有者に1年分が課税されます。

さらに、普通自動車の自動車税と違い、年度途中に廃車しても月割りによる還付がありません。碧南市も、4月2日以降に廃車・名義変更をしてもその年度分の税金は還付されないと案内しています。

例えば、

4月1日 軽自動車を所有
4月2日 廃車
その後 納税通知書が届く

という場合でも、その年度分の軽自動車税は原則として課税されます。

「廃車したのに1年分の税金が来た」というだけでは、手続きミスとは限りません。

公式資料

碧南市|軽自動車税の税率

軽自動車検査協会|軽自動車税の納税通知書を受領した方へ

3月中に廃車したのに軽自動車税の通知が届いた場合

3月31日までに軽自動車の廃車手続きが完了していれば、翌年度の4月1日時点では所有者として登録されていないため、通常は翌年度分の軽自動車税は課税されません。

それにもかかわらず納税通知書が届いた場合は、手続き状況を確認した方がよいケースです。

軽自動車検査協会では、廃車や譲渡をしたのに納税通知書が届く原因として、

  • 4月1日までに廃車・名義変更の手続きが済んでいない
  • 税申告の手続きがされていない可能性がある
  • 譲渡先や手続きを依頼した人の処理が完了していない

などを挙げています。

「3月に車を業者へ渡した」という日ではなく、実際に廃車手続きがいつ完了したかを確認してください。

公式資料

軽自動車検査協会|軽自動車税の納税通知書を受領した方へ

車を業者へ渡しただけでは廃車になっていないことがある

「3月20日に廃車業者へ車を渡したから、3月20日に廃車した」

とは限りません。

税金を考えるうえで重要なのは、車を物理的に手放した日ではなく、登録上の抹消手続きが完了しているかです。

普通自動車についても、愛知県は抹消登録を基準として自動車税の月割減額・還付を行っています。

例えば、

3月25日 業者へ車を引き渡す
4月3日 実際の抹消登録

となっていれば、4月1日時点ではまだ登録が残っています。

その場合、自動車税の納税通知書が届くことがあります。

業者へ廃車を依頼した場合は、

「車を引き取ってもらった日」

だけではなく、

「抹消登録は何月何日に完了したか」

を確認してください。

廃車手続きが本当に終わっているか確認する

税金の通知が届き、「本当に廃車できているのか分からない」という場合は、抹消手続き後に交付された書類を確認します。

普通自動車で一時抹消登録をした場合は、登録識別情報等通知書が交付されます。

軽自動車を一時使用中止した場合は、自動車検査証返納証明書が交付されます。

業者へ依頼した場合は、

  • いつ抹消したか
  • どの手続きをしたか
  • 手続き完了を確認できる書類があるか

を確認してください。

「廃車をお願いした」と「登録上の廃車が完了した」は分けて考えます。

公式資料

国土交通省|抹消登録

軽自動車検査協会|廃車(返納・解体届出)

普通車と軽自動車で税金の扱いはどう違う?

廃車後に税金通知が届いたときは、普通自動車と軽自動車を分けて考えると整理しやすくなります。

確認事項普通自動車軽自動車
課税基準日4月1日4月1日
年度途中の廃車翌月以降分を月割減額・還付月割還付なし
4月2日に廃車当年度課税あり・その後月割調整当年度1年分を課税
問い合わせ先県税事務所市区町村
廃車手続き運輸支局等軽自動車検査協会

この違いを知らないと、

「普通車では税金が戻ったのに、軽自動車ではなぜ戻らないのか」

と疑問に感じやすくなります。

軽自動車税は月割りの制度ではないため、4月1日に所有しているかどうかが特に重要です。

自動車重量税の通知とは分けて考える

自動車税・軽自動車税と、自動車重量税は別の税金です。

自動車重量税は、車検などの際に納付する国税です。

使用済自動車を適正に解体し、永久抹消登録または解体届出と同時に還付申請を行い、車検残存期間が一定以上ある場合には還付を受けられる制度があります。

そのため、

「廃車したらすべての車の税金が自動的に戻る」

わけではありません。

  • 自動車税(種別割)
  • 軽自動車税(種別割)
  • 自動車重量税

は、それぞれ別に考える必要があります。

公式資料

国税庁|使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度

具体例|4月10日に普通車を廃車して通知が届いた場合

4月1日時点では普通自動車を所有しており、4月10日に抹消登録したとします。

その後、自動車税の納税通知書が届きました。

この場合、

  1. 4月1日時点では所有者だった
  2. そのため年度分の自動車税が課税される
  3. 4月中に抹消登録している
  4. 抹消した翌月の5月以降分は月割りで減額・還付される

という流れになります。

この場合は「通知が届いた=抹消失敗」とは限りません。

まず抹消登録日を確認します。

具体例|4月2日に軽自動車を廃車した場合

4月1日時点では軽自動車を所有しており、翌日の4月2日に廃車したとします。

この場合、4月1日時点で所有者だったため、その年度分の軽自動車税が課税されます。

さらに、軽自動車税には普通自動車のような月割還付がありません。

そのため、

「1日しか所有していないのに1年分?」

と感じるかもしれませんが、制度上はその年度分が課税されます。

翌年度分を避けるためには、翌年4月1日までに廃車等の手続きを済ませておく必要があります。

具体例|3月に業者へ渡したのに通知が届いた場合

3月20日に軽自動車を廃車業者へ渡したとします。

本人は「3月に廃車した」と考えていましたが、翌年度の軽自動車税の通知が届きました。

この場合は、

  1. 軽自動車検査協会での廃車手続き完了日を確認する
  2. 4月1日時点の登録状況を確認する
  3. 業者へ手続き完了日を確認する
  4. 必要に応じて市区町村の税担当窓口へ確認する

という順番で調べます。

軽自動車検査協会も、業者等へ手続きを依頼した場合は、依頼先へ手続き状況を確認するよう案内しています。

3月に車を渡していても、4月1日までに登録上の廃車が完了していなければ、課税される可能性があります。

廃車後に税金通知が届いたら確認する5項目

納税通知書をすぐに捨てたり、「廃車したから払わなくてよい」と自己判断したりせず、次の5項目を確認してください。

  1. 普通自動車か軽自動車か
  2. 何月何日に廃車・抹消登録したか
  3. 4月1日時点で登録上の所有者だったか
  4. 業者へ依頼した場合、抹消手続きは本当に完了しているか
  5. 届いた通知が自動車税・軽自動車税・還付関係のどれか

普通自動車の場合は、抹消後に還付が発生することがあります。

軽自動車の場合は、年度途中に廃車してもその年度分の月割還付はありません。

3月中に廃車したはずなのに翌年度分の通知が届いた場合は、登録上の廃車日を確認することが特に重要です。

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廃車後の税金通知や登録状況で迷ったらご相談ください

廃車したあとに税金の通知が届いても、すぐに「手続きミス」とは判断できません。

普通自動車か軽自動車か、4月1日時点の登録状況、実際の抹消登録日などによって理由が変わります。

特に、

  • 3月中に業者へ廃車を依頼した
  • 廃車完了日が分からない
  • 抹消したはずなのに翌年度分の通知が届いた
  • 普通車なのに還付がない
  • 車を渡した業者と連絡が取れない

といった場合は、まず登録状況を確認する必要があります。

いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、自動車の抹消登録などの手続きをサポートしています。

車検証や抹消関係の書類を確認しながら、登録上どのような状態になっているかを整理します。

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出典

この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。

愛知県「自動車税Q&A 1」愛知県「自動車税Q&A 2」愛知県「自動車税の税額について」愛知県「県税の還付について」碧南市「軽自動車税の税率」軽自動車検査協会「軽自動車税の納税通知書を受領した方へ」軽自動車検査協会「廃車(返納・解体届出)」国税庁「使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度」

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