増車・車両入替の前に何を準備する?運送会社の車庫証明チェック

この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。

トラックの増車や車両入替が決まったとき、

「車検証が届いてから手続すればいい」

と考えると、登録予定日に間に合わないことがあります。

緑ナンバーの事業用トラックでは、自家用普通車のように警察署で車庫証明を取得するのが基本ではありません。

ただし、

増車後も現在の車庫に収容できるか。

どの営業所へ配置するか。

新しい車両の情報は揃っているか。

増車なのか車両入替なのか。

登録予定日はいつか。

といった確認は必要です。

特に増車では、車庫の収容能力が足りなければ、先に車庫変更が必要になる場合があります。

そのため、トラックの登録直前ではなく、購入・入替が決まった段階から準備を始めます。

まず増車なのか車両入替なのかを決める

最初に確認するのは、今回の変更後に営業所の車両数がどうなるかです。

たとえば、

現在10台。

新しい車両を1台追加。

変更後11台。

なら増車です。

一方、

現在10台。

古い1台を外す。

新しい1台を入れる。

変更後も10台。

なら車両入替です。

この違いによって、車庫の確認方法も変わります。

増車なら、変更後の11台を現在の車庫へ収容できるかを確認します。

車両入替なら台数は変わりませんが、新しい車両が大型化する場合などは、現在の車庫へ収容できるか確認します。

配置する営業所を確認する

複数の営業所を持つ運送会社では、

会社全体で1台増えた

だけでは手続できません。

どの営業所へ配置する車両なのかを確認します。

事業計画変更届では、営業所ごとの事業用自動車数を確認します。

そのため、

本社営業所へ増車するのか。

別の営業所へ配置するのか。

既存車両を営業所間で移すのか。

を先に決めます。

営業所間で車両を移す場合も、移動元では減車、移動先では増車となる場合があります。

現在の届出台数を確認する

実際に車庫に停まっている台数だけで判断しないことも重要です。

確認するのは、運輸支局へ届け出ている現在の配置車両数です。

以前、

増車した。

減車した。

営業所間で車両を移した。

という手続があると、社内で把握している台数と行政上の届出台数がずれていることがあります。

増車前には、

前回の増減車届。

事業計画変更届の控え。

現在の車検証一覧。

などを確認します。

新しく入れる車両情報を揃える

増車・車両入替では、新しいトラックの情報が必要です。

国土交通省の様式では、変更する自動車について、

所属営業所。

増車・減車の別。

車名。

年式。

最大積載量。

登録番号または車台番号。

車体の形状。

などを記載します。

そのため販売店やリース会社から、必要な車両情報を早めに受け取ります。

登録番号がまだなくても車台番号を確認する

新車などでは、まだナンバープレートが付いていません。

この場合でも、車台番号などから車両を特定して準備を進めることができます。

販売店へ、

増車手続に使うので車台番号が分かる資料がほしい

と伝えておくと進めやすくなります。

電子車検証がすでにある中古車なら、自動車検査証記録事項も確認します。

増車前に車庫の収容能力を確認する

増車で特に重要なのが車庫です。

一般貨物自動車運送事業では、増車後の車両数に対して、現在認められている車庫の収容能力が足りている必要があります。

国土交通省の増減車様式には、車庫の必要面積を概算する欄があります。

車両区分ごとに1台当たりの必要収容能力の目安を使い、増車後の必要面積を確認します。

つまり、

今1台分空いているように見える

だけで判断しません。

車庫に余裕が少ない場合は配置まで確認する

車庫の必要面積と認可されている収容能力が近い場合は、実際に車両を配置できるかも確認します。

地方運輸局の増減車手続の案内では、必要面積が認可収容能力の9割を超える場合に、車両配置平面図を添付する運用例があります。

そのため、

数字上はぎりぎり足りる。

しかし大型車を並べると入らない。

という状態は避けます。

大型トラックやトレーラーへ入れ替える場合も、台数だけでなく車両寸法を確認します。

車庫が足りなければ増車より先に車庫変更

現在の車庫で増車後の車両を収容できない場合は、増車届だけを先に出すのではありません。

車庫を追加する。

現在の車庫を拡張する。

認められている別車庫へ配置する。

などを検討します。

国土交通省の地方運輸局の処理方針でも、増減車届の確認によって車庫の収容能力拡大など事業計画変更が必要と分かった場合は、その変更手続を終えてから増減車届を行う考え方が示されています。

そのため、

納車してから車庫を考える

のではなく、購入前または登録前に確認します。

車両入替でも新しい車の大きさを見る

車両入替なら台数は増えません。

ただし、

2トン車から大型車。

平ボディから大型ウイング。

小型車からトレーラー。

などに変更する場合は、必要な車庫スペースが変わります。

そのため、

台数が同じだから車庫確認不要

とは限りません。

新旧車両の、

長さ。

幅。

最大積載量。

車体形状。

を比較します。

増車・入替の実施予定日を決める

増減車は、実際に登録を行う予定日から逆算して準備します。

地方運輸局の案内では、増減車は事前の届出であるため、実際に登録する予定日を実施予定日として記載するよう案内されています。

そのため先に、

販売店の登録予定日。

納車予定日。

ナンバー取得予定日。

を確認します。

「納車は来週」とだけ分かっていても、登録予定日が分からないと手続日程を組みにくくなります。

事業用自動車等連絡書に使う情報も揃える

緑ナンバー車の登録では、事業用自動車等連絡書が関係します。

この書類には、車両や事業者に関する情報を記載します。

地方運輸局では、

車台番号。

自動車登録番号。

などの記載間違いに注意するよう案内しています。

発行後の有効期間にも注意が必要です。

そのため、

とりあえず連絡書だけ先に取っておく

のではなく、登録予定日と合わせて準備します。

増車では追加書類が必要になる場合がある

増車の場合は、単純な車両情報だけでなく、現在の事業状況に関する書類が必要になることがあります。

地方運輸局の案内では、増車時に宣誓書などの添付を求める例があります。

また、増車の規模や過去の行政処分などの状況によっては、通常の事前届出ではなく認可が必要になる場合があります。

そのため、

1台増えるだけだから必ず同じ書類

とは考えず、現在の事業者の状況も確認します。

車庫証明が必要かも車両区分で確認する

運送会社だからといって、所有する車すべてが緑ナンバーとは限りません。

たとえば、

営業用の乗用車。

役員車。

事務担当者用の普通車。

など、白ナンバーの社用車があります。

これらを増車する場合は、一般の車庫証明が必要になることがあります。

一方、一般貨物自動車運送事業の緑ナンバートラックについては、通常の自家用普通車と同じ警察署の車庫証明を取って増車する仕組みではありません。

そのため、

今回増やす車が緑ナンバーなのか。

白ナンバーの社用車なのか。

を最初に確認します。

関連記事

運送業の車庫があれば社用車の車庫証明にも使える?2つの車庫要件の違い

増車・車両入替前のチェックリスト

手続前に確認したい項目をまとめると、次のようになります。

確認項目確認する内容
増車・入替の別変更後の営業所車両数
配置営業所どの営業所に入れるか
現在の届出台数前回届出との一致
新車両情報車名・車台番号・最大積載量・車体形状など
外す車両入替なら減車車両を特定
現在の車庫認可・届出されている車庫を確認
車庫収容能力増車後も足りるか
車両配置大型化しても実際に収まるか
登録予定日増減車の実施予定日との調整
事業用自動車等連絡書車両情報・有効期間を確認
車庫変更の有無足りなければ増車前に対応
車両区分緑ナンバーか白ナンバーか

この段階まで整理できれば、必要書類も決めやすくなります。

販売店へ先に伝えておくとよい情報

販売店からトラックを購入する場合は、

事業用の緑ナンバーとして登録する。

どの営業所へ配置する。

登録希望日。

行政書士が増車手続を行うか。

を先に伝えておくと進めやすくなります。

販売店側から必要になるのは、

車検証情報。

車台番号。

登録に必要な書類。

などです。

運送会社側の増車手続と、販売店側の登録準備が別々に進むと、書類待ちで止まることがあります。

納車直前ではなく購入が決まった段階で確認する

増車・車両入替の準備は、納車直前から始めるより、購入車両が決まった段階から進めるほうが安全です。

特に増車では、

車庫が足りない。

車庫変更が必要。

届出台数が社内管理と違う。

増車ではなく営業所間移動だった。

登録予定日まで時間がない。

といったことが後から分かる場合があります。

車両そのものの登録書類だけでなく、

営業所。

車庫。

現在の車両数。

まで同時に確認します。

結論|増車・入替は車両情報より先に営業所と車庫を確認する

緑ナンバートラックの増車・車両入替では、まず車検証を揃えることから始めるのではありません。

最初に、

増車か入替か。

どの営業所へ配置するか。

現在何台届け出ているか。

現在の車庫で収容できるか。

を確認します。

そのうえで、

新しい車両情報。

登録予定日。

事業用自動車等連絡書。

必要な増減車書類。

を揃えます。

特に増車後に車庫の収容能力が不足する場合は、車庫変更を先に進める必要があります。

そのため、

「トラックが来てから手続する」

ではなく、

「トラックを入れることが決まった時点で、営業所・車庫・登録まで確認する」

のがポイントです。

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いしかわ行政書士事務所では、一般貨物自動車運送事業の増車・減車・車両入替、車庫変更、自動車登録に関する手続に対応しています。

新しいトラックを購入する。

古い車両を入れ替える。

今の車庫で増車できるか確認したい。

納車日までに必要な手続を整理したい。

という場合は、現在の営業所・車庫・車両数と、新しい車両情報から必要な手続を整理します。

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出典

国土交通省|一般貨物自動車運送事業の事業計画変更認可申請・届出様式、北陸信越運輸局|一般貨物自動車運送事業者の増車・減車手続の留意事項、北陸信越運輸局|一般貨物自動車運送事業の事業計画変更届出書の記載方法・留意事項

この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。

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