自宅・土地の終活チェックリスト|名義・相続人・将来の管理を確認

この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。

自宅や土地の終活を始めようと思っても、「最初に何を確認すればよいのか分からない」という方は少なくありません。

売る、残す、貸すといった将来の方針を考える前に、まず確認したいのが、現在の名義、相続人、自分が住まなくなった後の管理方法です。

名義や相続関係を確認しないまま方針を決めると、売却できない、希望する人へ残せない、亡くなった後に管理する人がいないといった問題が起こる可能性があります。

この記事では、自宅や土地の終活で確認したい項目を、順番にチェックできる形でまとめます。

最初に確認するのは名義・相続人・将来の管理です

自宅や土地の終活では、最初から遺言書の文面や売却方法を決める必要はありません。

まずは、次の3点を整理します。

  • 自宅と土地は誰の名義になっているか
  • 自分が亡くなった場合、誰が相続人になるか
  • 入院、施設入所、死亡後に誰が管理するか

この3点が分かると、今後必要な準備が見えてきます。

たとえば、自宅が自分一人の名義で、引き継いでほしい人も決まっている場合は、遺言書の作成を中心に考えられます。

一方、亡くなった親の名義が残っている、兄弟姉妹との共有名義になっている、相続人が誰か分からないといった場合は、自分の希望を決める前に現在の権利関係を整理する必要があります。

終活は、将来の希望を考えるだけでなく、現在の状態を正確に確認することから始めます。

自宅・土地の名義を確認するチェックリスト

固定資産税の納税通知書が自分宛てに届いていても、それだけで登記上の名義が自分一人になっているとは限りません。

自宅と土地の名義は、法務局で取得できる登記事項証明書などで確認します。

名義について確認する項目

□ 土地の名義人を確認した
□ 建物の名義人を確認した
□ 土地と建物が同じ名義になっている
□ 亡くなった親や祖父母の名義が残っていない
□ 兄弟姉妹や親族との共有名義になっていない
□ 建物が登記されているか確認した
□ 土地の地番と自宅の住所の違いを確認した
□ 抵当権や住宅ローンが残っていないか確認した
□ 登記識別情報通知や権利証の保管場所を確認した
□ 固定資産税の納税通知書を保管している

土地と建物は別々に確認します。

土地は自分名義でも、建物は亡くなった親名義のままになっていることがあります。

反対に、建物は自分名義でも、土地は親族から借りていたり、複数人の共有になっていたりする場合があります。

亡くなった人の名義が残っている場合

親や祖父母から相続したつもりで住み続けていても、登記名義が変更されていないことがあります。

そのままでは、将来自宅を売却しようとしたときに、過去の相続関係から確認しなければならない可能性があります。

時間が経つほど関係者が増え、必要な戸籍や話合いが複雑になることもあります。

共有名義の場合

自宅や土地が兄弟姉妹などとの共有名義になっている場合、自分一人の判断だけで不動産全体を売却できるとは限りません。

共有者が誰か、持分がどのくらいか、連絡が取れる状態かを確認します。

建物が未登記の場合

古い家では、固定資産税は課税されていても、建物の登記がされていないことがあります。

自宅の書類を見ても分からない場合は、土地家屋調査士や法務局などへの確認が必要です。

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自分の相続人を確認するチェックリスト

自宅や土地を誰に残したいかを考える前に、遺言書がない場合に誰が相続人になるのかを確認します。

おひとりさまといっても、未婚、離婚、配偶者との死別、子どもの有無などによって相続関係は異なります。

相続人について確認する項目

□ 配偶者の有無を確認した
□ 子どもや養子の有無を確認した
□ 亡くなった子どもに子どもがいるか確認した
□ 両親が存命か確認した
□ 兄弟姉妹が何人いるか確認した
□ 亡くなった兄弟姉妹に子どもがいるか確認した
□ 異父・異母の兄弟姉妹がいないか確認した
□ 相続人候補の住所や連絡先を確認した
□ 長年連絡を取っていない親族がいないか確認した
□ 戸籍を集めて正式に確認する必要があるか検討した

家族関係を自分の記憶だけで整理すると、相続人を見落とすことがあります。

たとえば、先に亡くなった兄弟姉妹に子どもがいる場合、その甥や姪が関係することがあります。

両親の再婚などにより、会ったことのない異父・異母の兄弟姉妹がいる可能性もあります。

家系図やメモは整理の入口として役立ちますが、正式な相続人の確認には戸籍をたどる必要があります。

相続人と自宅を残したい人は同じとは限りません

法律上の相続人が、自宅を引き継いでほしい人とは限りません。

親族以外の世話になった人へ残したい、特定の甥や姪へ残したい、団体へ寄付したいと考えている場合は、希望を実現するための遺言書などを検討します。

ただし、遺言書を作る前に、相手が自宅や土地を本当に引き受けられるか確認することも大切です。

古い家や遠方の土地は、固定資産税、草刈り、修繕、売却などの負担を伴います。

「財産を残すつもり」が、相手に管理負担を残す結果にならないよう、事前に話しておきます。

入院・施設入所後の管理を確認するチェックリスト

自宅が空き家になるのは、亡くなった後だけではありません。

長期入院や施設入所によって自宅へ戻れなくなった場合、所有者が生きていても管理する人が必要になります。

生前の管理について確認する項目

□ 入院したときに連絡する人を決めている
□ 自宅の鍵を預けられる人がいる
□ 郵便物を確認する方法を決めている
□ 定期的な換気を頼める人がいる
□ 庭木や雑草を管理する方法を決めている
□ 台風や大雨の後に確認する人を決めている
□ 電気・ガス・水道の契約状況を整理している
□ 火災保険の内容と連絡先を確認している
□ マンション管理会社の連絡先をまとめている
□ 固定資産税や管理費の支払方法を確認している

近くに親族がいない場合は、管理を誰か一人へ任せることだけを考えず、不動産管理会社、見守りサービス、庭の管理事業者などへ分けて依頼する方法もあります。

施設へ入った後に自宅を売る予定でも、すぐに売却できるとは限りません。

家財整理、査定、修繕、境界確認などに時間がかかることがあります。

また、本人の判断能力が低下した後は、自分の意思だけで売却手続きを進めることが難しくなる可能性があります。

将来売却する可能性がある場合は、元気なうちに名義や必要書類を整理し、相談先を決めておきます。

亡くなった後の管理・処分を確認するチェックリスト

亡くなった後は、自宅の相続手続きだけでなく、鍵の管理、家財の片付け、公共料金の解約なども必要になります。

遺言書で自宅を相続する人を決めても、生活上の手続きまですべて自動的に進むわけではありません。

死後の管理について確認する項目

□ 死後に最初に自宅へ入る人を決めている
□ 鍵の保管場所を伝えている
□ 自宅を誰に引き継いでほしいか決めている
□ 引き継ぐ予定の人へ事前に相談している
□ 自宅を売る、残す、貸すの希望を整理している
□ 家財の片付けを誰に頼むか決めている
□ 残してほしい物と処分してよい物を分けている
□ 電気・ガス・水道などの契約先を一覧にしている
□ 固定資産税や管理費の支払資金を考えている
□ 遺言執行者を決める必要があるか検討した
□ 死後事務委任契約が必要か検討した
□ 不動産会社や家財整理事業者の候補を確認した

自宅の相続と、自宅の片付けは別に考えます。

自宅を相続する人が遠方に住んでいる場合、家財整理や日常的な管理まで対応できないことがあります。

遺言執行者、死後事務を行う人、不動産会社、家財整理事業者など、それぞれに何を依頼するのかを整理します。

自宅を売却してほしい場合

「亡くなったら自宅を売ってほしい」と終活ノートに書くだけでは、売却する人や売却代金を受け取る人が確定するわけではありません。

誰が手続きを進めるか、売却代金を誰に渡すかまで、遺言書などで整理する必要があります。

自宅を残してほしい場合

特定の親族へ残す場合も、その人が住むのか、貸すのか、売るのかまで本人と話しておきます。

自宅を残すことだけを優先すると、将来、使われないまま空き家になる可能性があります。

チェック後は「今やること」を3つに絞る

チェックリストに空欄が多くても、すべてを一度に解決する必要はありません。

まずは、次の3つから始めます。

1.登記事項証明書などで名義を確認する

土地と建物を分けて、現在の名義人、共有者、抵当権の有無を確認します。

権利証が見つからなくても、それだけで名義を確認できないわけではありません。

まずは現在の登記内容を把握することが先です。

2.相続人候補を書き出す

配偶者、子ども、両親、兄弟姉妹、甥姪まで、分かる範囲で書き出します。

連絡先が分からない人や、長年疎遠になっている人には印を付けておきます。

正式な確認が必要な場合は、戸籍の収集を検討します。

3.自分が住まなくなった後の第一連絡先を決める

入院、施設入所、死亡後に、自宅の鍵や書類を確認する人を一人決めます。

すべてをその人に任せる必要はありません。

まず連絡を受ける人を決め、その後、不動産会社、行政書士、司法書士、家財整理事業者などへつなげられる形にします。

よくあるのは書類だけ集めて希望を伝えていないケースです

自宅や土地の書類をきれいにまとめても、本人の希望が分からなければ、残された人は判断に迷います。

一方、希望だけを終活ノートへ書いても、名義や相続人が整理されていなければ、実現できないことがあります。

よくある準備不足は次のとおりです。

固定資産税の通知書だけで自分名義だと思っている

登記上は亡くなった親名義のままという場合があります。

土地と建物の登記内容を確認します。

相続人は兄弟一人だけだと思っている

先に亡くなった兄弟姉妹の子どもや、異父・異母の兄弟姉妹が関係する可能性があります。

記憶だけでなく、必要に応じて戸籍で確認します。

甥や姪に家を任せるつもりだが、本人へ伝えていない

相手が遠方に住んでいる、すでに持ち家がある、管理費用を負担できないといった事情もあります。

引き継いでほしい人には、早い段階で相談します。

遺言書を作れば自宅の片付けも終わると思っている

遺言書は財産の承継を決めるために重要ですが、鍵の管理、公共料金の解約、家財整理などは別途準備が必要です。

誰が何を行うかを分けて考えます。

まとめ

自宅や土地の終活では、最初に次の3点を確認します。

  • 土地と建物の現在の名義
  • 自分が亡くなった場合の相続人
  • 入院、施設入所、死亡後に管理する人

名義を確認せずに売却や相続先を考えても、現在の権利関係によっては希望どおりに進められません。

相続人を確認せずに遺言書を作ると、考慮すべき親族を見落とす可能性があります。

また、自宅を誰に残すかだけでなく、鍵、家財、公共料金、固定資産税などを誰が管理するのかも決めておく必要があります。

まずは登記事項証明書などで名義を確認し、相続人候補を書き出し、自分が住まなくなった後の第一連絡先を決めるところから始めましょう。

おひとりさまの自宅・土地の終活について

いしかわ行政書士事務所では、愛知県三河地域(碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市・豊田市・半田市など)を中心に、おひとりさまの自宅や土地に関する終活相談に対応しています。

自宅や土地の名義、相続人、将来の管理方法を整理し、遺言書や死後事務委任契約書など、現在の状況に応じて必要な準備を確認します。

登記、不動産売却、家財整理などが必要な場合は、それぞれを担当する専門家や事業者と連携して進めます。

「自宅をどうするかまだ決めていない」という段階でも、現在の状態と今後確認すべきことを整理できます。

おひとりさま終活をご検討中の方や、まずは相談してみたい方は、料金やご依頼の流れなどをまとめた「おひとりさま終活のご依頼案内」もご覧ください。

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