特殊車両通行許可の申請に必要な書類をわかりやすく解説

この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。

大型トラック、トレーラー、重量物輸送、建設機械の運搬などで特殊車両通行許可を申請するときは、車両や経路に関する資料を準備する必要があります。

特殊車両通行許可は、単に「申請書を1枚出せばよい」という手続きではありません。

どの車両で、どの荷物を積み、どの道路を通るのかを確認するための資料が必要になります。

特に初めて申請する場合は、

「何を準備すればよいのか分からない」
「車検証だけで足りるのか」
「トレーラーの場合はどの資料が必要なのか」
「荷物の資料も必要なのか」

と迷いやすい手続きです。

この記事では、特殊車両通行許可の申請に必要な書類や、事前に確認しておきたい情報をわかりやすく解説します。

特殊車両通行許可の申請では何を確認されるのか

特殊車両通行許可の申請で確認されるのは、主に次の3つです。

・車両
・積み荷
・通行経路

特殊車両通行許可は、一定の大きさや重さを超える車両が、道路を通行するための許可です。

そのため、申請では「車両が大きいかどうか」だけではなく、実際に道路を走る状態を確認します。

たとえば、車両本体は基準内でも、荷物を積んだことで高さや重量が基準を超えることがあります。

また、同じ車両・同じ荷物でも、通行する道路が変われば、橋、トンネル、交差点、道路幅などの条件が変わります。

つまり、特殊車両通行許可では、車両だけでなく、積み荷と経路をセットで確認する必要があります。

この前提を理解しておくと、なぜ多くの資料が必要になるのか分かりやすくなります。

関連記事:
特殊車両通行許可とは?必要になるケースをわかりやすく解説

申請に必要になる主な書類・情報

特殊車両通行許可の申請で必要になる書類や情報は、車両の種類、積み荷、経路、申請方法によって変わります。

ただし、基本的には次のような資料を準備します。

申請者に関する情報

まず、申請者の情報が必要です。

会社名、所在地、連絡先、担当者名などを確認します。

運送会社、建設会社、荷主、車両を使用する事業者など、誰が申請者になるのかを整理することが大切です。

行政書士に依頼する場合は、代理申請のための委任関係を確認することもあります。

車検証

車検証は、車両情報を確認する基本資料です。

車両番号、車名、型式、車台番号、車両総重量、最大積載量、長さ、幅、高さなどを確認します。

ただし、車検証だけで申請に必要な情報がすべて分かるとは限りません。

特に、トレーラーや重量物輸送では、軸距、軸重、車両構造、積載時の状態など、追加で確認が必要になることがあります。

車両諸元表・車両図面

車両諸元表とは、車両の詳しい仕様が分かる資料です。

車検証よりも詳しい寸法、重量、軸距、軸数、輪距などを確認するために使います。

トレーラーや特殊な車両では、車両図面や三面図が必要になることもあります。

「トラクタとトレーラーを連結した状態でどうなるか」を確認するため、車両単体の資料だけでは足りない場合があります。

積み荷の資料

重量物や建設機械を運ぶ場合は、積み荷の情報も重要です。

荷物の名称、寸法、重量、形状、積載位置などを確認します。

たとえば、ショベルカー、ブルドーザー、大型機械、鋼材、コンクリート製品などを運ぶ場合、荷物を積んだ状態で高さ・幅・長さ・重量が変わります。

特殊車両通行許可では、実際に道路を走る状態を見ます。

そのため、荷物を積んだ後の全体寸法と重量が分かる資料が必要になります。

通行経路に関する情報

特殊車両通行許可では、どの道路を通るかが非常に重要です。

出発地、到着地、経由地、通行予定ルートなどを確認します。

出発地と到着地だけでは足りないことがあります。

どの道路を通るのか、どの橋を渡るのか、どの交差点を曲がるのかによって、許可の可否や条件が変わるからです。

特に、建設現場、工場、倉庫、港、資材置場などへの搬入では、最後の進入経路まで確認しておくことが大切です。

通行期間・運行予定日

いつからいつまで通行するのかも確認します。

単発の運搬なのか、同じ経路を継続して使うのかによって、申請内容が変わることがあります。

運行予定日が決まっている場合は、申請準備を早めに進める必要があります。

特殊車両通行許可は、資料を集めてすぐに許可が出るとは限りません。

運行直前に準備を始めると、間に合わない可能性があります。

関連記事:
特殊車両通行許可が必要な車両とは?寸法・重量の基準を解説

トレーラー・重量物・建設機械で追加確認が必要になりやすい資料

特殊車両通行許可では、通常の大型トラックよりも、トレーラー、重量物輸送、建設機械の運搬で資料が多くなりやすいです。

それぞれ、確認すべきポイントが異なります。

トレーラーの場合

トレーラーの場合は、トラクタとトレーラーを連結した状態で確認します。

そのため、次の資料が必要になりやすいです。

・トラクタの車検証
・トレーラーの車検証
・トラクタとトレーラーの諸元表
・連結時の全長が分かる資料
・軸距や軸数が分かる資料
・車両の組み合わせが分かる情報

複数のトラクタやトレーラーを使い分けている会社では、どの組み合わせで申請するのかを明確にする必要があります。

「いつものトレーラー」と言っても、実際の組み合わせが変わると、申請内容が変わることがあります。

重量物輸送の場合

重量物輸送では、荷物の重さだけでなく、車両に積んだときの重量配分が重要です。

次のような資料が必要になることがあります。

・荷物の正確な重量が分かる資料
・荷物の寸法が分かる資料
・積載位置が分かる資料
・積載後の総重量が分かる資料
・軸重や輪荷重を確認するための情報

重量物輸送では、「最大積載量の範囲内だから大丈夫」とは限りません。

特殊車両通行許可では、道路や橋への負担を見るため、総重量だけでなく、軸重や輪荷重も重要になります。

建設機械を運ぶ場合

建設機械を運ぶ場合は、機械本体の寸法・重量だけでなく、積載後の状態を確認します。

次のような資料が必要になりやすいです。

・建設機械の名称、型式
・建設機械のカタログや諸元表
・機械本体の寸法、重量
・アタッチメントの有無
・積載後の高さ、幅、長さ
・現場への進入経路

ショベルカー、ブルドーザー、ローラーなどは、重量だけでなく高さや幅も問題になりやすいです。

また、バケットやブレーカーなどのアタッチメントを付けたまま運ぶ場合、寸法や重量が変わることがあります。

本体だけで判断すると、実際の運搬状態とズレる可能性があります。

関連記事:
トレーラーに特殊車両通行許可は必要?判断ポイントを解説

書類準備でよくある失敗

特殊車両通行許可の申請では、書類そのものよりも、必要な情報がそろっていないことで準備が止まることがあります。

よくある失敗を見ていきます。

車検証だけで足りると思っている

車検証は重要な資料ですが、車検証だけで申請に必要な情報がすべて分かるとは限りません。

特に、トレーラー、重量物輸送、建設機械運搬では、車両諸元表や積み荷の資料が必要になることがあります。

車検証だけを用意しても、軸距、積載後の高さ、積載物の重量などが分からず、確認が進まないことがあります。

荷物の寸法・重量があいまい

「だいたい何トンくらい」
「おそらくこのくらいの高さ」

このような情報では、正確な判断が難しくなります。

特殊車両通行許可では、積載後の状態で基準を超えるかどうかを確認します。

そのため、荷物の寸法や重量は、できるだけ具体的に確認しておく必要があります。

トレーラーの組み合わせが決まっていない

トラクタとトレーラーの組み合わせが決まっていないと、連結時の寸法や重量が確定しません。

複数台を使い分ける場合は、どの車両の組み合わせで申請するのかを整理しておく必要があります。

組み合わせが変わると、申請内容も変わる可能性があります。

経路が決まっていない

特殊車両通行許可では、通行経路が重要です。

出発地と到着地だけ分かっていても、どの道路を通るのかが決まっていないと、確認が進みにくくなります。

特に、工事現場や納品先の周辺道路は、最後に問題になりやすい部分です。

主要道路だけでなく、現場や工場への進入経路まで確認しておくことが大切です。

過去の許可資料をそのまま使えると思っている

過去に特殊車両通行許可を取ったことがあっても、今回そのまま使えるとは限りません。

車両、荷物、経路、期間が変われば、新たに確認が必要になることがあります。

過去の許可資料は参考になりますが、今回の運搬内容と一致しているかを確認する必要があります。

申請前に整理しておきたいチェックリスト

特殊車両通行許可の申請をスムーズに進めるには、最初に情報を整理しておくことが大切です。

次の内容を確認しておくと、申請準備が進めやすくなります。

・申請者の会社名、所在地、連絡先
・使用する車両の車検証
・トレーラーの場合はトラクタとトレーラーの車検証
・車両諸元表
・車両図面
・車両の長さ、幅、高さ
・車両総重量、最大積載量
・軸数、軸距、軸重に関する情報
・積み荷の名称
・積み荷の寸法
・積み荷の重量
・積載後の高さ、幅、長さ
・積載位置が分かる情報
・出発地
・到着地
・経由地
・通行予定経路
・通行予定日、通行期間
・過去に取得した許可資料
・元請けや荷主から指定された条件

この中で特に重要なのは、車両・積み荷・経路の3つです。

どれか1つでも情報があいまいだと、申請内容を固めにくくなります。

初回相談の段階では、すべての資料が完璧にそろっていなくても構いません。

ただし、不足している情報が何かを早めに把握しておくことで、運行日までの準備がしやすくなります。

関連記事:
特殊車両通行許可の経路選定とは?通れる道路の考え方を解説

まとめ

特殊車両通行許可の申請では、車両、積み荷、通行経路に関する資料を準備する必要があります。

主な書類・情報としては、車検証、車両諸元表、車両図面、積み荷の寸法・重量、通行経路、通行期間などがあります。

特に注意したいのは、次の点です。

・車検証だけでは足りないことがある
・トレーラーは連結した状態で確認する
・重量物は総重量だけでなく軸重や輪荷重も確認する
・建設機械は積載後の高さや幅も重要になる
・経路が決まらないと申請準備が進みにくい
・過去の許可資料があっても今回使えるとは限らない

特殊車両通行許可の必要書類は、「書類をそろえる」というより、「車両・荷物・経路の情報を正確に整理する」ことが重要です。

運行日や搬入日が決まっている場合は、早めに資料を集め、申請に必要な情報を確認しておくことをおすすめします。

関連記事:
重量物輸送に特殊車両通行許可は必要?注意点を解説
特殊車両通行許可の申請期間はどれくらい?早めに準備すべき理由

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