葬儀や納骨を頼める人がいない場合は?死後事務委任契約を解説

この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。

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おひとりさま終活で特に不安になりやすいのが、自分が亡くなった後の葬儀や納骨です。

「亡くなった後、誰が葬儀社に連絡するのか」
「火葬や納骨は誰が手配するのか」
「親族と疎遠でも頼まなければならないのか」
「お墓がない場合、遺骨はどうなるのか」
「希望する葬儀や納骨方法を生前に決めておけるのか」

このような不安を感じる方は少なくありません。

結論からいうと、葬儀や納骨を頼める人がいない場合は、生前に死後事務委任契約を検討することが大切です。

死後事務委任契約とは、亡くなった後の手続きを第三者に依頼しておく契約です。

葬儀、火葬、納骨、病院や施設への支払い、賃貸住宅の解約、家財整理、公共料金やスマホの解約などを、あらかじめ誰に頼むか決めておくことができます。

この記事では、葬儀や納骨を頼める人がいない場合に、死後事務委任契約でどのような準備ができるのかを解説します。

葬儀や納骨を頼める人がいないと何が困るのか

葬儀や納骨は、本人が亡くなった後に必要になる手続きです。

そのため、生前に何も決めていないと、本人の希望を確認できないまま、周囲の人が対応に困ることがあります。

特に、おひとりさまの場合は、次のような問題が起こりやすくなります。

困りやすいこと内容
葬儀社への連絡誰が葬儀社を手配するのか分からない
火葬の手続き誰が火葬や必要な手続きを進めるのか分からない
納骨先お墓・納骨堂・永代供養などの希望が分からない
費用の支払い葬儀費用や納骨費用をどこから支払うか分からない
親族への連絡誰に連絡すべきか分からない
遺骨の管理火葬後の遺骨を誰が引き取るか分からない

葬儀や納骨は、気持ちの問題だけではありません。

実際には、葬儀社との打ち合わせ、火葬の手配、納骨先との連絡、費用の支払い、親族や知人への連絡など、多くの実務があります。

親族がいる場合でも、遠方に住んでいる、高齢で動けない、長年連絡を取っていないという事情があると、実際に動いてもらえるとは限りません。

また、友人や知人がいても、葬儀や納骨まで頼むのは負担が大きい場合があります。

大切なのは、**「親族がいるかどうか」ではなく、「亡くなった後に実際に動ける人がいるか」**です。

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死後事務委任契約で葬儀や納骨を頼める

葬儀や納骨を頼める人がいない場合、死後事務委任契約を検討することがあります。

死後事務委任契約とは、本人が亡くなった後の事務手続きを、あらかじめ第三者に頼んでおく契約です。

葬儀や納骨については、たとえば次のような内容を整理します。

葬儀の希望

葬儀を行うのか、火葬のみを希望するのか、家族葬に近い形にするのか、宗教者を呼ぶのかを整理します。

おひとりさまの場合、参列者が少ないこともあります。

そのため、一般的な葬儀にこだわらず、自分の希望や費用に合わせて考えることが大切です。

火葬の手配

亡くなった後には、火葬に関する手続きが必要になります。

葬儀社との連絡、日程調整、必要書類の確認など、実際に動く人が必要です。

死後事務委任契約では、これらの手続きについて、誰がどこまで対応するかを整理します。

納骨先の確認

火葬後の遺骨をどこに納めるかも重要です。

お墓があるのか。
納骨堂を利用するのか。
永代供養を希望するのか。
散骨を希望するのか。

希望がある場合は、生前に受け入れ先や費用を確認しておく必要があります。

「どこかに納骨してほしい」というだけでは、亡くなった後に手続きする人が困ることがあります。

費用の準備

葬儀や納骨には費用がかかります。

葬儀費用、火葬費用、納骨費用、永代供養料、専門家報酬などです。

誰に頼むかだけでなく、費用をどこから支払うのかも重要です。

死後事務委任契約を検討する場合は、預託金を用意するのか、預貯金や遺言書とどう連動させるのかも考える必要があります。

親族や知人への連絡

亡くなった後に誰へ連絡してほしいのかも整理しておきます。

連絡してほしい親族、友人、知人、元勤務先、趣味の仲間などを一覧にしておくと、死後事務を行う人が迷いにくくなります。

反対に、連絡しなくてよい人がいる場合も整理しておくと安心です。

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遺言書だけでは葬儀や納骨の実務は足りないことがある

葬儀や納骨の希望がある場合、「遺言書に書いておけばよいのでは」と考える方もいます。

遺言書に葬儀や納骨の希望を書くこと自体はあります。

しかし、遺言書だけで葬儀や納骨の実務まで十分に対応できるとは限りません。

遺言書は主に財産の行き先を決めるもの

遺言書は、預貯金、不動産、株式、車などの財産を誰に残すかを決めるために重要です。

世話になった人へ財産を残したい場合や、団体へ寄付したい場合も、遺言書を検討します。

一方で、葬儀社への連絡、火葬の手配、納骨先との調整、賃貸住宅の解約、家財整理などは、遺言書だけでは対応しにくい場合があります。

遺言書が見つかる前に葬儀が進むことがある

葬儀や火葬は、亡くなった後すぐに対応が必要になることがあります。

遺言書が見つかる前に、葬儀社との打ち合わせや火葬の準備が進むこともあります。

そのため、葬儀や納骨の希望は、遺言書だけでなく、死後事務委任契約やエンディングノートなどで、実際に動く人が分かる形にしておくことが大切です。

死後事務委任契約と遺言書は役割が違う

死後事務委任契約は、亡くなった後の実務を頼む契約です。

遺言書は、財産の行き先を決める書類です。

おひとりさま終活では、次のように分けて考えると分かりやすくなります。

準備するもの主な役割
死後事務委任契約葬儀、納骨、解約、家財整理などを頼む
遺言書財産を誰に残すかを決める
任意後見契約認知症などで判断能力が低下した後の生前支援
財産管理委任契約判断能力があるうちの財産管理や手続き支援

葬儀や納骨を希望どおりに進めたい場合は、遺言書だけでなく、死後事務委任契約もあわせて考えることが大切です。

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生前に決めておきたい葬儀・納骨の内容

死後事務委任契約を作る前に、まず自分の希望を整理しておくことが大切です。

希望があいまいなままだと、契約内容もあいまいになります。

葬儀をするか、火葬のみか

葬儀を行うのか、火葬のみを希望するのかを考えます。

最近は、参列者を多く呼ばず、簡素な形を希望する方もいます。

ただし、希望する形式によって費用や手続きが変わります。

葬儀社に事前相談しておくと、費用の目安や流れを確認しやすくなります。

宗教やお寺との関係

菩提寺がある場合、お寺との関係を確認しておく必要があります。

葬儀や納骨にお寺が関わる場合、誰が連絡するのか、費用はどのくらいか、納骨の条件はあるのかを整理しておきましょう。

宗教者を呼ばない葬儀を希望する場合も、その希望を明確にしておくと安心です。

納骨先

お墓、納骨堂、永代供養墓、合祀墓、散骨など、遺骨の行き先を考えます。

納骨先によって、受け入れ条件、費用、必要書類、連絡先が異なります。

希望だけでなく、実際に受け入れてもらえるかを確認することが大切です。

遺骨を誰が引き取るか

火葬後の遺骨を誰が受け取り、納骨先まで手配するのかも重要です。

頼める親族がいない場合は、死後事務委任契約でどこまで対応してもらうのかを整理します。

葬儀社や納骨先との調整も必要になるため、契約内容を具体的にしておきましょう。

費用の支払い方法

葬儀や納骨には費用がかかります。

費用を預託金として準備するのか、預貯金から支払うのか、遺言書と連動させるのかを考えます。

死後事務を依頼する場合、報酬や実費も必要になるため、費用の見通しを立てておくことが大切です。

連絡してほしい人

亡くなった後に連絡してほしい人を一覧にします。

親族、友人、知人、元勤務先、趣味の仲間、近所の人などです。

葬儀に呼んでほしい人、死亡後に知らせるだけでよい人、連絡不要な人を分けておくと、手続きする人が迷いにくくなります。

葬儀・納骨以外の死後手続きも忘れない

葬儀や納骨を頼める人がいない場合、あわせて考えたいのが、その後に続く手続きです。

亡くなった後の手続きは、葬儀と納骨だけでは終わりません。

病院や施設の精算

病院や施設で亡くなった場合、入院費、施設利用料、介護サービス費などの精算が必要になることがあります。

請求書を誰が受け取るのか、どこから支払うのかを整理しておきましょう。

賃貸住宅の解約と家財整理

賃貸住宅に住んでいる場合、亡くなった後に賃貸借契約の解約、部屋の明け渡し、家財整理が必要になります。

家具、家電、衣類、書類、貴重品などを誰が整理するのかも決めておく必要があります。

公共料金・スマホ・サブスクの解約

電気、ガス、水道、固定電話、スマホ、インターネット、動画配信、音楽配信、通販サイト、クラウドサービスなども解約が必要になることがあります。

契約一覧がないと、亡くなった後に何を解約すればよいか分からなくなります。

ペットの対応

犬や猫などのペットを飼っている場合、葬儀や納骨よりも先に、ペットの保護や引き取り先の確認が必要になることがあります。

一時的な預け先、最終的な引き取り先、飼育費用、かかりつけ動物病院、フード、持病、性格などを整理しておきましょう。

相続手続き

預貯金、不動産、車、保険、株式などの財産がある場合、相続手続きも必要になります。

死後事務委任契約は、亡くなった後の実務を頼む契約です。

財産の行き先は、遺言書で整理することがあります。

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よくある失敗例

葬儀や納骨の備えでよくある失敗は、「希望はあるけれど、誰にも伝わる形になっていない」ことです。

葬儀の希望をメモだけに書いている

メモやエンディングノートに希望を書くことは大切です。

しかし、それだけでは実際に誰が葬儀社へ連絡し、費用を支払い、納骨先と調整するのかが決まっていないことがあります。

希望を書くことと、実行する人を決めることは別です。

納骨先を決めていない

火葬後の遺骨をどこに納めるかが決まっていないと、手続きする人が困ります。

お墓があるのか、納骨堂にするのか、永代供養を希望するのか、受け入れ先を確認しておきましょう。

遺言書だけで葬儀も納骨も大丈夫と思っている

遺言書は財産の行き先を決めるために重要です。

しかし、葬儀や納骨の実務は、死後事務委任契約で準備した方がよい場合があります。

遺言書と死後事務委任契約は、役割を分けて考えましょう。

費用の準備をしていない

葬儀や納骨には費用がかかります。

希望だけ決めても、費用の準備がなければ実行が難しくなります。

預託金、預貯金、遺言書との連動など、費用の支払い方法を考えておくことが大切です。

ペットや住まいのことを後回しにしている

葬儀や納骨に意識が向きすぎると、ペット、賃貸住宅、家財整理、スマホ解約などが後回しになることがあります。

亡くなった後の手続きは、全体で考える必要があります。

まとめ

葬儀や納骨を頼める人がいない場合は、生前に死後事務委任契約を検討することが大切です。

死後事務委任契約とは、亡くなった後の葬儀、火葬、納骨、病院や施設への支払い、賃貸住宅の解約、家財整理、公共料金やスマホの解約などを、第三者に依頼しておく契約です。

親族がいても、遠方、高齢、疎遠などの事情で、実際に葬儀や納骨を頼めないことがあります。

また、遺言書は財産の行き先を決める書類であり、葬儀や納骨の実務まで十分に対応できるとは限りません。

葬儀や納骨の希望を実現したい場合は、葬儀の形式、納骨先、費用、連絡先、家財整理、スマホ解約、ペットの対応などを具体的に整理しましょう。

碧南市、西尾市、高浜市、安城市周辺で、葬儀や納骨を頼める人がいない場合の死後事務委任契約や、おひとりさま終活に不安がある方は、いしかわ行政書士事務所へご相談ください。

死後事務委任契約、遺言書、任意後見、財産管理委任、相続人や財産の整理など、状況に合わせて分かりやすくサポートいたします。

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