
この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。
車の名義変更や住所変更、廃車などをするとき、
「自分で手続きした方が安い?」
「行政書士に頼むほど難しい手続きなの?」
「依頼するといくらくらいかかる?」
と迷うことがあります。
自動車の登録手続きは、必ず行政書士へ依頼しなければならないわけではありません。
必要な書類を自分でそろえ、管轄の運輸支局などへ行けるのであれば、自分で手続きを進めることもできます。
一方、
- 平日に窓口へ行く時間がない
- 車庫証明も必要
- 車検証と現在住所が違う
- 引っ越しを何回もしている
- 相続した車
- 所有者が販売店や信販会社
- ナンバー変更や封印がある
といったケースでは、確認事項や移動回数が増えます。
そのため、「自分でできるか」だけではなく、
自分で行った場合にかかる時間・移動・書類確認の負担と、依頼した場合の報酬を比較する
のが現実的です。
車の手続きは自分でもできる
自分名義の自動車について、本人が必要書類を準備して申請することはできます。
例えば普通自動車では、
- 名義変更(移転登録)
- 住所変更(変更登録)
- 一時抹消
- 永久抹消
- 車検証の再交付
などの手続きを、管轄の運輸支局・自動車検査登録事務所で行います。
国土交通省も、それぞれの手続きについて必要書類や申請方法を公開しています。
したがって、
「車の登録は専門家でなければできない」
というものではありません。
書類関係が単純で、平日に窓口へ行けるのであれば、自分で手続きする選択肢があります。
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自分で手続きする一番のメリットは代行報酬がかからないこと
自分で手続きをするメリットは、行政書士へ支払う代行報酬を抑えられることです。
ただし、自分で申請すれば完全に無料になるわけではありません。
登録の種類によっては、
- 登録手数料
- ナンバープレート代
- 車庫証明の手数料
- 住民票・印鑑証明書などの取得費用
といった実費が発生します。
例えば2026年4月1日現在、普通自動車を窓口申請する場合の登録手数料は、
| 手続き | 窓口申請の登録手数料 |
|---|---|
| 移転登録(名義変更) | 700円 |
| 変更登録(住所変更等) | 500円 |
| 一時抹消登録 | 500円 |
| 永久抹消登録 | 無料 |
| 車検証再交付 | 450円 |
となっています。
これは行政書士へ依頼するかどうかに関係なく、該当する手続きで発生する法定費用です。
したがって、
自分で行う=実費のみ
行政書士へ依頼=実費+行政書士報酬
というのが基本的な違いです。
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行政書士に依頼すると何をしてもらえる?
行政書士は、自動車登録や車庫証明などの手続きを扱っています。
日本行政書士会連合会は、自動車関係業務として、
- 新規登録
- 移転登録
- 変更登録
- 抹消登録
- 車庫証明
- OSS申請
などを案内しています。
愛知県行政書士会も、自動車登録や車庫証明を行政書士の取扱業務として案内しています。
実際にどこまで依頼できるかは事務所や案件によりますが、
- 必要書類の確認
- 申請書の作成
- 運輸支局等への申請
- 車庫証明申請
- 登録後の書類受領
- 希望ナンバー等の手続き
- ナンバー変更に伴う封印関係
などをまとめて依頼できる場合があります。
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自分でやる場合と行政書士へ依頼する場合を比較
大きな違いを整理すると次のようになります。
| 比較 | 自分で手続き | 行政書士へ依頼 |
|---|---|---|
| 行政書士報酬 | かからない | かかる |
| 法定費用 | かかる | かかる |
| 必要書類の判断 | 自分で行う | 確認を依頼できる |
| 申請書作成 | 自分 | 依頼できる |
| 運輸支局への申請 | 自分 | 依頼できる |
| 平日の時間 | 必要 | 負担を減らせる |
| 不備対応 | 自分 | 対応を依頼できる場合あり |
| 複雑な住所履歴 | 自分で調査 | 確認を依頼できる |
| 相続など複雑案件 | 自分で整理 | 手続きを整理して依頼できる |
単純な名義変更なら、
「書類を調べて自分でやった方がよかった」
という人もいます。
反対に、
「仕事を休んで運輸支局へ行き、書類不備で再訪するなら依頼した方がよかった」
というケースもあります。
つまり、金額だけでは判断しにくい部分があります。
行政書士へ依頼する費用の目安
行政書士の報酬は全国一律ではありません。
事務所ごとに、
- 手続きの種類
- 管轄
- 書類作成の有無
- 車庫証明の有無
- ナンバー変更
- 出張封印
- 戸籍・住民票等の取得
- 郵送対応
などによって料金が異なります。
2026年8月時点で公開されている愛知県内の複数の行政書士事務所の料金を見ると、単純な自動車登録ではおおむね数千円から1万円台程度の報酬設定が見られます。
一例では、
- 名義変更:5,500円~1万円前後
- 住所変更:5,500円~1万円前後
- 抹消登録:5,500円~1万円前後
- 車庫証明:5,000円~1万円台
程度の公開料金があります。
ただし、これは法定された「相場」ではありません。
ナンバー変更、出張封印、書類取得、車庫証明を一緒に依頼すると、さらに費用が加算されることがあります。
そのため、依頼するときは、
行政書士報酬だけなのか、法定費用・ナンバー代・送料まで含む総額なのか
を確認してください。
「自分なら700円でできるのに、行政書士は高い」は少し違う
例えば普通自動車の名義変更では、2026年4月1日現在、窓口で支払う移転登録手数料は700円です。
ここだけ見ると、
「自分なら700円なのに、行政書士へ頼むと数千円以上する」
と思うかもしれません。
しかし、700円はあくまで国へ支払う登録手数料です。
行政書士の報酬は、
- 書類を確認する
- 申請書を作る
- 管轄を確認する
- 運輸支局へ申請する
- 不備があれば対応する
- 登録後の書類を受け取る
といった業務に対する費用です。
そのため、
700円
対
行政書士報酬
をそのまま比較するのではなく、
実費+自分の時間
と
実費+行政書士報酬
を比べる方が実態に近くなります。
平日に時間を取れるなら自分でやりやすい
運輸支局の登録窓口は平日に開いています。
例えば関東運輸局では、登録窓口の受付時間を平日の
- 午前8時45分~11時45分
- 午後1時~4時
としており、土日・祝日は業務を行っていません。
愛知県でも自動車登録は運輸支局・自動車検査登録事務所などで行います。
さらに車庫証明が必要なケースでは、警察署での手続きも加わります。
日本行政書士会連合会も、自動車登録に必要な車庫証明について、平日に警察署へ出向く負担があることを案内しています。
そのため、
- 平日に自由に動ける
- 運輸支局が近い
- 書類も単純
という人は、自分で手続きしやすいといえます。
反対に、
「手続きのために仕事を休まなければならない」
のであれば、その時間も含めて比較する価値があります。
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自分でやりやすいケース
次のようなケースなら、自分で手続きを検討しやすいでしょう。
- 平日に運輸支局等へ行ける
- 車検証の住所と現在住所が一致している
- 必要書類がすべてそろっている
- 所有者と使用者の関係が単純
- 相続ではない
- ローン会社等の所有権が付いていない
- ナンバー変更がない
- 自分で書類を調べることに抵抗がない
例えば、
「同じ管轄内で、知人から普通車を譲り受ける。売主・買主の書類も全部そろっている」
というケースなら、自分で行う選択肢があります。
行政書士への依頼を検討しやすいケース
反対に、次のような場合は依頼するメリットが大きくなります。
- 平日に運輸支局へ行けない
- 車庫証明からまとめて任せたい
- 売主が遠方にいる
- 書類を取り直すのが難しい
- 車検証の住所が古い
- 引っ越しを何回もしている
- 結婚・離婚で氏名が変わっている
- 所有者が販売店・信販会社
- 相続人が複数いる
- ナンバー変更がある
- 県外からの移転登録
- 何の手続きが必要なのか自体が分からない
特に、遠方の人から実印を押した譲渡証明書や委任状を取り直す必要があるケースでは、一度の書類不備でも時間がかかります。
不備が起きたときに簡単に書類を取り直せるか
も判断材料にするとよいでしょう。
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車検証の住所が何回も変わっている場合は手間が増える
例えば、
車検証:碧南市
↓
西尾市
↓
高浜市
↓
現在:安城市
というように何回も転居している場合、現在の住民票1通だけでは車検証上の住所から現在住所までつながらないことがあります。
この場合は、
- 住民票
- 住民票の除票
- 戸籍の附票
などから住所のつながりを確認します。
つまり、単純な住所変更と比べて、
「何を提出するのか」
を判断する作業そのものが増えます。
自分で調べることもできますが、
「役所へ行って住民票を取ったが足りなかった」
という手戻りを避けたい場合は、依頼を検討する理由になります。
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相続した車は単純な名義変更より確認事項が多い
故人名義の車を相続する場合は、通常の売買による名義変更とは必要書類が異なります。
例えば、
- 相続人は誰か
- 誰が車を取得するか
- 遺産分割協議書が必要か
- 車の価格が100万円以下か
- 売却するのか
- 廃車するのか
によって手続きが変わります。
このような場合は、
「名義変更の申請書を書けるか」
より、
どの手続きを選ぶべきかを整理できるか
が大きなポイントです。
車を取得する人が決まっていて、必要書類も明確なら自分で行うことはできます。
一方、相続人が多い、売却まで同時に進めたい、戸籍収集が必要といった場合は行政書士への依頼を検討しやすくなります。
ナンバー変更がある普通車は封印も考える
普通自動車で管轄が変わる名義変更・住所変更をすると、ナンバープレートの変更が必要になる場合があります。
普通自動車の後面ナンバーには封印があるため、単純に書類だけ提出して終わる手続きとは異なります。
例えば、
県外ナンバー
↓
三河ナンバー
へ変わるケースです。
この場合は、車両を運輸支局へ持ち込んで封印を受ける方法のほか、条件を満たせば行政書士による出張封印などを利用できる場合があります。
そのため、
「登録書類は自分で作れる」
としても、車両の持込みまで含めると依頼した方が便利なケースがあります。
OSSなら自宅から手続きできる場合もある
自動車関係手続きには、自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)があります。
OSSでは、
- 検査登録
- 車庫証明
- 税
- 手数料
などの手続きをインターネット上で一括して行える仕組みがあります。
そのため、
「自分で手続きする=必ず運輸支局へ何度も行く」
とは限りません。
対象となる手続きや利用条件を確認し、オンラインで進める方法もあります。
ただし、電子証明書などの準備や、ナンバープレート・封印が関係する手続きでは別の対応が必要になることがあります。
行政書士もOSS申請に対応しています。
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費用だけで決めない方がよいケース
行政書士へ依頼するか迷う場合、次の式で考えると分かりやすくなります。
行政書士へ支払う報酬
と
自分で調べる時間+役所・警察・運輸支局への移動+書類不備のリスク
を比較します。
例えば、単純な手続きで、
- 運輸支局が近い
- 平日に休みが取れる
- 書類も分かる
なら、自分で行う方が合理的です。
一方、
- 平日の仕事を休む必要がある
- 車庫証明も必要
- 運輸支局まで遠い
- 売主が県外
- 書類を間違えると再取得が必要
なら、行政書士報酬を払っても負担が小さくなることがあります。
「全部依頼」か「全部自分」の二択ではない
依頼方法は、
「すべて行政書士に任せる」
か
「全部自分で行う」
の二択とは限りません。
事務所によっては、
- 必要書類は本人が取得
- 車庫証明だけ依頼
- 登録だけ依頼
- 希望ナンバーだけ追加
- 戸籍・住民票取得も依頼
- 登録+出張封印を依頼
といった組み合わせが可能です。
例えば、
「車庫証明は勤務先の近くの警察署なので自分で行くが、名義変更は平日に運輸支局へ行けないので依頼する」
という方法も考えられます。
費用を抑えたい場合は、
自分で無理なくできる部分だけ自分で行い、負担の大きい部分を依頼する
という考え方もあります。
具体例|書類がそろった同一管轄の名義変更
西尾市に住む人が、同じ三河ナンバー管轄に住む知人から普通自動車を譲り受けたとします。
- 売主・買主の書類がそろっている
- 車検証の住所も一致
- ナンバー変更なし
- 平日に西三河自動車検査登録事務所へ行ける
というケースです。
この場合は、自分で名義変更をする選択肢があります。
必要書類を公式ページで確認し、申請書を作成して窓口へ行けば、行政書士報酬を抑えることができます。
具体例|県外から車を購入してナンバー変更もある場合
県外の個人から普通自動車を購入し、三河ナンバーへ変更するとします。
さらに、
- 売主が遠方
- 車庫証明が必要
- ナンバー変更あり
- 普通車なので封印あり
- 平日は仕事
というケースです。
この場合、
- 売主から必要書類を受け取る
- 車庫証明を準備する
- 名義変更を申請する
- ナンバーを変更する
- 封印を受ける
という複数の作業があります。
自分で行うことはできますが、時間と移動の負担は大きくなります。
このようなケースは、行政書士への依頼を比較しやすいケースです。
自分でやるか依頼するか迷ったときの判断基準
最後に、次の8項目を確認してください。
- 平日に運輸支局等へ行けるか
- 必要書類を自分で判断できるか
- 車検証と現在の住所・氏名は一致しているか
- 車庫証明も必要か
- 売主・相続人などから書類を取り直しやすいか
- ナンバー変更・封印があるか
- 相続・所有権留保など複雑な事情があるか
- 行政書士報酬と自分の時間・移動負担のどちらを優先するか
目安として、
単純+平日に動ける
→ 自分で手続きを検討
複雑+平日に動きにくい
→ 行政書士への依頼を検討
と考えると分かりやすくなります。
「自分でできるか」だけでなく、
自分でやるメリットが本当にあるか
まで考えて選ぶことが大切です。
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自動車登録を行政書士へ依頼するときの流れと依頼先の選び方
自動車手続きを自分で行うか迷ったらご相談ください
自動車登録は、自分でできる手続きも多くあります。
そのため、単純なケースなら無理に行政書士へ依頼する必要はありません。
一方、
- 平日に時間が取れない
- 書類が複雑
- 車庫証明も必要
- 過去の住所変更が残っている
- 相続した車
- ナンバー変更や封印がある
という場合は、依頼することで負担を減らせることがあります。
いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、自動車登録・車庫証明などの手続きをサポートしています。
「自分でできる手続きなのか」「どこまで依頼した方がよいのか」も含めて、現在の車検証や手続き内容から整理します。
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出典
この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。
国土交通省「自動車検査登録総合ポータルサイト」、国土交通省「登録・検査手数料一覧表(2026年4月1日現在)」、中部運輸局 愛知運輸支局「自動車の登録」、日本行政書士会連合会「運送業・自動車」、愛知県行政書士会「自動車関係」、自動車保有関係手続のワンストップサービス
