
この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。
「個人名義の車を会社名義に変えたい」
「会社の車を代表者個人へ譲りたい」
「会社名が変わったが、車検証の名義も変更する必要がある?」
法人が関係する車の名義変更では、
- 個人から法人へ所有者を変える
- 法人から個人へ所有者を変える
- 法人から別法人へ譲渡する
- 同じ法人のまま社名だけ変わる
- 本店所在地だけ変わる
など、状況によって手続きが異なります。
特に重要なのは、
「所有者そのものが変わるのか」
それとも
「同じ所有者の名称・住所だけが変わるのか」
を分けることです。
例えば、
個人
↓
株式会社
へ車を移す場合は、個人と法人は別の所有者なので、普通車では移転登録を確認します。
一方、
株式会社ABC
↓
株式会社XYZ
のように同じ法人が商号変更しただけで、法人格そのものが同じであれば、通常は移転登録ではなく変更登録です。
この記事では、法人名義の車について、個人から法人、法人から個人、法人間の譲渡、社名変更・本店移転など場面別に必要な手続きを整理します。
最初に「所有者が変わるか」を確認する
普通車の登録では、車検証上の所有者が変わる場合は「移転登録」を行います。
一方、所有者自体は変わらず、
- 氏名・名称
- 住所
などの登録事項だけが変わる場合は「変更登録」です。
愛知運輸支局でも、
所有者を変えたい
→ 移転登録
所有者はそのままで住所・名称を変えたい
→ 変更登録
として手続きを分けています。
そのため、法人が関係する場合も、
誰から
誰へ
所有権を移すのか
を最初に整理します。
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個人名義の車を法人名義に変える場合
例えば、代表者個人が所有している車を会社名義へ変更する場合です。
変更前
所有者
→ 代表者個人
変更後
所有者
→ 株式会社○○
となるので、所有者が変わります。
代表者と会社は同じ人のように見えても、個人と法人は別の主体です。
そのため、
「自分の会社だから車検証の名義変更は不要」
とはなりません。
普通車では、個人から法人への移転登録を確認します。
法人から代表者個人へ変更する場合も移転登録
反対に、
法人名義の車
↓
代表者個人名義
へ変更する場合も、所有者が変わるため移転登録です。
例えば、
会社で使用していた車を代表者へ譲渡する
会社の車を役員へ売却する
廃業・事業縮小に伴い個人へ移す
といったケースです。
会社と代表者本人は別の所有者なので、法人から個人への譲渡として必要書類を準備します。
法人間で車を譲渡する場合
法人Aから法人Bへ車を譲渡する場合も、所有者が変わるので移転登録です。
例えば、
株式会社A
↓
株式会社B
へ売却・譲渡する場合です。
両社が同じ代表者であっても、別法人であれば別の所有者です。
グループ会社間の車両移動でも、
「同じ経営者だから変更不要」
とは限りません。
車検証上の所有者が別法人へ変わるなら、移転登録を確認します。
法人から個人・法人への移転登録で必要になる主な書類
普通車の移転登録では、一般的に旧所有者・新所有者それぞれについて書類を準備します。
法人が旧所有者になる場合には、主に、
- 自動車検査証
- 譲渡証明書
- 法人の印鑑証明書
- 委任状
などを確認します。
新所有者が法人の場合には、
- 法人の印鑑証明書
- 委任状
- 必要な場合の車庫証明
などを準備します。
印鑑証明書については、国土交通省の移転登録案内では発行後3か月以内のものが基本です。
車検証の法人名・住所と現在の登記が違う場合
法人名義の車で注意したいのが、
車検証に記録されている法人情報
と
現在の登記情報
が違うケースです。
例えば、
車検証
→ 株式会社ABC・碧南市
現在
→ 株式会社XYZ・安城市
となっている場合です。
旧所有者として車を譲渡する場合でも、
車検証上の法人
↓
現在の法人
が同じ法人であることを確認できる必要があります。
国土交通省は、法人について名称・住所が変わっている場合、商業登記簿謄本・抄本等で変更のつながりを確認するよう案内しています。
社名変更だけなら通常は「変更登録」
例えば、
株式会社三河物流
↓
株式会社ミカワロジスティクス
へ商号変更した場合です。
法人格自体は同じで、所有者そのものが別法人へ変わったわけではありません。
この場合は、通常は移転登録ではなく、法人名称の変更登録を行います。
国土交通省は、法人の名称変更について、
発行後3か月以内で
名称変更の事実を証明できる
商業登記簿謄本・抄本または登記事項証明書
を必要書類として案内しています。
本店移転による住所変更も変更登録
法人そのものは変わらず、本店所在地を移転した場合も確認が必要です。
例えば、
旧本店
→ 西尾市
新本店
→ 安城市
となった場合です。
所有者は同じ法人なので、原則として変更登録です。
法人の場合、商業登記簿謄本・抄本等によって、
車検証上の住所
↓
現在の住所
までのつながりを確認します。
現在の登記事項証明書だけで旧住所からの経緯を確認できない場合は、閉鎖登記簿等が必要になることがあります。
社名変更と本店移転を同時にしている場合
会社の組織変更などで、
社名変更
+
本店移転
を同時に行っている場合もあります。
この場合も、同じ法人が継続しているのであれば、基本的には変更登録として整理します。
ただし、
車検証
旧名称・旧住所
現在
新名称・新住所
となっているため、登記事項証明書等で両方の変更経緯を確認できることが重要です。
「会社を作り直した」場合は社名変更とは限らない
注意したいのが、
旧会社を廃止
↓
新会社を設立
したケースです。
名称が似ていても、法人格が別なら単なる社名変更ではありません。
例えば、
株式会社ABCを解散
↓
新しく合同会社ABCを設立
した場合です。
この場合、新会社は別法人なので、旧法人から新法人への所有権移転を確認する必要があります。
「会社名がほぼ同じ」
ではなく、
法人番号や登記上、同一法人か
を見ることが重要です。
個人事業から法人化した場合も名義変更を確認する
個人事業主が法人成りした場合にも注意します。
例えば、
個人事業主 山田太郎
↓
株式会社山田運送
となった場合です。
事業そのものは引き継いでいても、
個人
と
法人
は別の所有者です。
そのため、個人名義の車を法人名義へ変更するなら移転登録を確認します。
単に会社を設立しただけでは、個人名義の車が自動的に法人名義へ変わるわけではありません。
法人名義に変える前に使用目的も確認する
個人名義の車を法人名義へ変える場合は、
「会社名義にしたい」
というだけでなく、
- 誰が実際に使用するのか
- 使用の本拠をどこにするのか
- 駐車場所はどこか
- 事業用車両か自家用車か
も確認します。
使用の本拠が変わる場合は、車庫証明やナンバープレート変更が関係することがあります。
特に会社の本店所在地と実際の営業所が違う場合は、使用の本拠をどこにするか整理します。
法人名義でも所有者と使用者が違う場合がある
法人名義の車でも、
所有者
→ 信販会社・リース会社
使用者
→ 株式会社○○
となっている場合があります。
この場合、会社は使用者であって所有者ではありません。
そのため、
会社から代表者個人へ車を譲りたい
と思っても、まず車検証上の所有者を確認します。
所有者が信販会社等の場合は、所有権解除や契約終了手続きが先に必要になる可能性があります。
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法人の印鑑証明書を取る前に車検証を確認する
法人の名義変更でも、先に書類を集め始めるより車検証確認が重要です。
確認したいのは、
- 所有者の法人名
- 所有者住所
- 使用者
- 使用の本拠
- 現在の法人名称
- 現在の本店所在地
- ローン・リース会社等の所有権
です。
例えば車検証の法人名が古い場合には、
現在の印鑑証明書
だけでは
同一法人と確認できない
ことがあります。
登記上の変更履歴を確認してから必要書類を集めた方が手戻りを防ぎやすくなります。
社名変更・本店移転の変更登録に必要になる主な書類
所有者である法人自体は同じで、名称・住所のみ変更する一般的なケースでは、主に、
- 自動車検査証
- 商業登記簿謄本・抄本または登記事項証明書
- 委任状
- 申請書
- 必要な場合の車庫証明
- 管轄が変わる場合のナンバープレート
などを確認します。
法人の名称変更では、国土交通省は変更事実を確認できる登記事項証明書等を求めています。
また、住所変更については、車検証上の住所から現在住所までのつながりを確認できることが必要です。
本店移転で管轄が変わればナンバー変更も確認する
法人の本店・営業所移転によって車の使用の本拠も変わり、運輸支局等の管轄が変わる場合は、ナンバープレートの変更が必要になることがあります。
愛知運輸支局も、
所有者そのままで住所・名称を変更する場合について、
ナンバー変更あり
ナンバー変更なし
を分けて案内しています。
普通車でナンバー変更が発生する場合は封印も関係するため、書類提出だけで終わらない場合があります。
法人車両が多い場合はまとめて確認する
会社で複数台の車を保有している場合、
社名変更
本店移転
によって複数車両の車検証変更が必要になることがあります。
例えば10台の社用車がすべて旧社名・旧住所のままなら、1台ずつ放置せず対象車両を一覧化します。
確認したいのは、
- 車両番号
- 車検証上の所有者
- 使用者
- 使用の本拠
- 現在のナンバー
- ナンバー変更の有無
- リース・所有権留保の有無
です。
法人変更時には、車だけでなく保険・ETC・リース契約等の変更も別に確認するとよいでしょう。
法人名義の変更はこの順番で整理する
法人が関係する車の名義変更は、次の順番で整理すると分かりやすくなります。
- 車検証を確認する
- 現在の所有者・使用者を確認する
- 今後の所有者・使用者を確認する
- 所有者そのものが変わるか確認する
- 個人⇔法人・法人⇔法人なら移転登録を確認する
- 同じ法人の社名・住所変更なら変更登録を確認する
- 車検証と現在の法人登記がつながるか確認する
- 所有権留保・リースの有無を確認する
- 車庫証明が必要か確認する
- ナンバー変更の有無を確認する
- 法人の印鑑証明書・登記事項証明書等を準備する
- 運輸支局等で登録手続きを行う
最初に、
「同じ法人なのか」
「別の法人・個人へ移すのか」
を分けることがポイントです。
「法人名義を変える」だけでは手続きは判断できない
法人車両の相談では、
「会社名義を変更したい」
という言葉だけでは、
移転登録
なのか
変更登録
なのか判断できません。
例えば、
個人から会社へ
→ 所有者変更
会社から個人へ
→ 所有者変更
別法人へ
→ 所有者変更
同じ法人で社名変更
→ 名称変更
同じ法人で本店移転
→ 住所変更
と手続きが分かれます。
まず車検証と法人登記を確認し、
誰から誰へ
何が変わったのか
を整理してから必要書類を判断します。
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車の名義変更が必要になる場面まとめ|購入・譲渡・親子・夫婦・共同名義
愛知県三河の法人車両の名義変更についてご相談ください
いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、法人名義の自動車登録・名義変更に関するご相談を受けています。
「個人名義の車を会社名義へ変更したい」
「法人所有の車を代表者個人へ譲りたい」
「会社名が変わったので車検証も変更したい」
「本店移転で複数台の社用車を変更したい」
「車検証の法人名が古く、現在の登記と一致しない」
という場合は、現在の車検証、法人登記、今後の所有者・使用者、車両台数などを確認しながら必要な登録手続きを整理します。
移転登録か変更登録か分からない段階でもご相談ください。
出典
国土交通省公式:車を売買等により名義変更するために必要な書類、国土交通省公式:車検証の住所・氏名・名称を変更するために必要な書類、中部運輸局 愛知運輸支局公式:自動車の登録手続案内、中部運輸局 愛知運輸支局公式:申請別手続案内、中部運輸局 愛知運輸支局公式:登録関係様式
この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。
