警備会社の営業所・役員・指導教育責任者が変わった|変更届は必要?

この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。

警備業の認定を受けた後、

「営業所を移転した」

「取締役が1人退任した」

「警備員指導教育責任者を別の人へ変更した」

ということがあります。

このような場合は、警備業法上の変更届が必要になる可能性があります。

結論からいうと、

営業所・法人役員・警備員指導教育責任者は、いずれも警備業の認定時に届け出る事項なので、変更があれば原則として変更届が必要です。

ただし、3つとも同じように処理するわけではありません。

営業所なら、

同じ県内の移転なのか。
県をまたぐのか。
警備業務の区分まで変えるのか。

役員なら、

新任・退任なのか。
住所だけ変わったのか。
登記事項証明書が必要なのか。

指導教育責任者なら、

予定して別の資格者へ交代するのか。
退職・死亡等で突然欠けたのか。

によって、期限や必要書類、追加手続が変わります。

変更届の対象になるのは認定申請時に届けた事項

警備業法5条1項では、認定申請時に届け出る事項として大きく次の4つを定めています。

区分主な届出事項
警備業者氏名・名称・住所、法人代表者
営業所名称・所在地・取り扱う警備業務の区分
指導教育責任者営業所・警備業務区分ごとの氏名・住所
法人役員役員の氏名・住所

そして、この内容に変更があった場合は、警備業法11条に基づいて変更届を提出します。

つまり、

認定を取った後も、認定時の情報をそのまま放置してよいわけではありません。

会社や営業所の実態が変われば、警備業側の届出も見直します。

変更届は原則10日以内、登記が必要なら20日以内

警備業法施行規則では、変更届の提出期限を、

変更の日から10日以内

としています。

ただし、

届出書に登記事項証明書を添付する必要がある場合は20日以内

です。

そのため、

「警備業の変更届は全部20日」

でも、

「全部10日」

でもありません。

変更内容ごとに、

登記事項証明書を添付する変更なのか

を確認します。

役員交代は20日になるケースが多い

法人の役員が、

就任した。
退任した。
交代した。

という場合は、法人登記にも変更が生じます。

そのため、変更後の登記事項証明書を添付して届け出ることになり、通常は20日以内で整理します。

一方、

役員本人が引っ越して住所だけ変わった

など、登記事項証明書の添付を要しない変更なら、原則の10日以内となります。

つまり、

「役員変更」という言葉だけで期限を決めず、何が変わったかを見る

ことが重要です。

新しい役員が入った場合は登記簿だけでは終わらない

たとえば取締役を新しく1人追加した場合です。

会社法上の役員変更登記を行えば、

「これで終わった」

と思いやすいところです。

しかし、警備業者である法人については、新しい役員が警備業法上の欠格事由に該当しないことも確認されます。

そのため、警備業の変更届では、変更内容に応じて、

履歴書
住民票
身分証明書
医師の診断書
誓約書

などの資料が必要になります。

つまり、

商業登記の役員変更
と
警備業法上の役員変更届

は別の手続です。

司法書士へ役員登記を依頼していても、警備業の届出が自動的に済むわけではありません。

役員が退任しただけでも変更届は必要

新しい役員を追加した場合だけではありません。

取締役が1人退任し、

5人から4人になった

という場合も、認定時に届けていた法人役員の情報が変わっています。

そのため変更届の対象になります。

「新しい人が入っていないから届出なし」

とはなりません。

役員の、

就任
退任
氏名変更
住所変更

などを確認します。

代表取締役が変わった場合は「役員変更」だけで終わらないことがある

代表取締役が交代した場合は、

法人の代表者

という認定申請事項も変わります。

たとえば、

既存取締役Aが代表取締役へ就任し、旧代表Bが取締役として残る

というケースです。

この場合、

役員そのものの構成は大きく変わらなくても、

代表者情報が変わっています。

したがって、

「取締役は同じだから警備業変更なし」

とはなりません。

会社登記の内容と警備業認定時の届出内容を照合します。

営業所を移転した場合も変更届が必要

警備業法では、

主たる営業所その他の営業所について、

名称
所在地
その営業所で取り扱う警備業務の区分

を届け出ます。

そのため、

営業所を移転した。

営業所名を変更した。

その営業所で扱う警備業務の区分を変えた。

という場合は変更届を確認します。

営業所移転では「住所が変わった」だけを見ない

たとえば、

第2号警備業務を扱う営業所を、

A市からB市へ移転した

とします。

この場合、所在地変更だけでなく、

新しい営業所で警備員指導教育責任者をどう配置するか

も確認します。

警備業法では、警備員が所属する営業所ごと、さらにそこで取り扱う警備業務の区分ごとに、警備員指導教育責任者を選任するのが原則です。

そのため、

営業所移転と指導教育責任者の届出が連動する

ことがあります。

営業所で扱う警備業務を追加した場合も確認する

たとえば現在、

第1号警備業務だけを扱っている営業所で、

新たに第2号警備業務も扱いたい。

という場合です。

営業所で取り扱う警備業務の区分は認定申請時の届出事項なので、変更届が必要になります。

さらに、その営業所で第2号警備業務に従事する警備員が所属するなら、

第2号警備業務について資格を持つ警備員指導教育責任者

も確認する必要があります。

つまり、

警備業務区分を増やす
↓
営業所の変更届
↓
指導教育責任者の配置確認

までつながります。

別の都道府県へ営業所を出すなら単純な所在地変更とは限らない

ここは営業所変更で特に注意したいところです。

同じ愛知県内で営業所を移す場合と、

愛知県から岐阜県など別の都道府県へ主たる営業所を移す場合

では、手続の組み方が変わります。

警備業法では、主たる営業所がある都道府県以外で営業所を設けたり、一定の警備業務を行ったりする場合には、別途「営業所設置等届出」の仕組みがあります。

さらに、主たる営業所そのものを別の都道府県へ変更する場合には、変更後の公安委員会への届出や、従来の都道府県で警備業務を継続するかどうかなども整理する必要があります。

したがって、

県をまたぐ営業所移転を、通常の住所変更だけで処理しない

方がよいでしょう。

警備員指導教育責任者を変更した場合も届出が必要

警備員指導教育責任者の、

氏名
住所

も認定申請時の届出事項です。

そのため、

AさんからBさんへ交代した。

Aさんが別営業所へ異動し、Bさんを選任した。

指導教育責任者が引っ越した。

という場合には変更届を確認します。

通常の指導教育責任者変更では、登記事項証明書は関係しないため、

変更の日から原則10日以内

です。

後任は「指教責の資格を持っていれば誰でもいい」ではない

新しい警備員指導教育責任者を選任する場合は、

その営業所で取り扱う警備業務の区分

に対応した資格者証を持っている必要があります。

たとえば、

第1号の資格しか持っていない人を、

第2号警備業務の指導教育責任者として選任することはできません。

愛知県警察の認定手続でも、指導教育責任者について、

資格者証の写し
履歴書
住民票
身分証明書
医師の診断書
誓約書

などを必要書類として案内しています。

変更届でも、変更内容に対応した資料をそろえます。

指導教育責任者が突然退職したら14日以内に変更届?

ここは区別が必要です。

警備業法22条では、

選任していた警備員指導教育責任者が欠けた場合、

その日から14日間は指導教育責任者を選任しておかなくてもよい

と定めています。

しかし、

変更届の通常の提出期限が14日になる

という意味ではありません。

変更届そのものは、警備業法施行規則17条の原則である10日以内を基準に確認します。

14日という数字は、

突然退職・死亡等で指導教育責任者がいなくなったときに、後任を置かなくてもよい猶予期間

です。

届出期限と後任選任の猶予期間は別のルールです。

予定された退職なら14日間待つ必要はない

たとえば、

指導教育責任者Aが9月30日付で定年退職することが、2か月前から決まっている。

という場合です。

この場合、

9月30日まで何もせず、

10月1日から14日間かけて後任を探す

という進め方をする必要はありません。

あらかじめ後任候補の、

資格区分
資格者証
欠格事由
勤務体制

などを確認し、

AからBへ途切れなく交代できるよう準備する方が実務的です。

14日間の例外は、

後任準備を遅らせるための期間

ではありません。

営業所を移したら指導教育責任者も変更になるとは限らない

営業所を移転しても、

同じ営業所組織がそのまま移り、

同じ指導教育責任者が引き続き担当する

というケースもあります。

この場合、

営業所所在地の変更

はありますが、

指導教育責任者本人は変わっていません。

一方、

移転に伴って所属者を変更し、

別の指導教育責任者を選任する

なら、両方の変更を確認します。

つまり、

営業所変更=必ず指導教育責任者変更

ではありません。

実際に誰がどの営業所・警備業務区分を担当するのかで判断します。

変更が複数同時に起きたら一つずつ期限を整理する

たとえば株主総会後に、

代表取締役変更
取締役1人退任
新取締役1人就任

が同時に発生。

さらに人事異動で、

営業所長変更
指導教育責任者変更

も行う。

というケースがあります。

ここで、

「全部まとめて20日以内でいい」

と考えるのは避けた方がよいでしょう。

登記事項証明書を伴う役員変更と、

登記に関係しない指導教育責任者変更では、

本来の期限が異なります。

同じ変更届へまとめられる場合でも、

最も早い期限を意識して準備する

方が安全です。

会社の人事部だけで変更を管理すると漏れやすい

役員変更は人事・総務。

営業所移転は営業部門。

指導教育責任者変更は警備部門。

というように、社内の担当部署が分かれている会社があります。

そのため、

役員変更登記は終わっているのに警備業変更届が出ていない。

営業所移転は済んだのに公安委員会側が旧住所のまま。

指導教育責任者が退職したのに届出が残っている。

ということが起こり得ます。

警備業者では、

会社に変更があったら、警備業認定時の届出事項に影響しないかを見る

仕組みにしておくと漏れを減らせます。

変更日を基準に期限を管理する

届出期限は、

「変更を知った日」

「登記が終わった日」

「担当者から総務へ連絡が来た日」

ではなく、

実際の変更日

を基準に確認します。

たとえば役員就任なら、

登記事項証明書を取得した日ではなく、

役員変更の効力が発生した日

から考えます。

登記が完成するのを待っている間に、変更届の期限も進んでいます。

そのため、役員変更を予定しているなら、

変更後に登記事項証明書を取ってから考えるのではなく、変更前から警備業の届出準備も始める

方がよいでしょう。

届出が遅れそうなら放置しない

変更届の期限を過ぎてしまった場合、

「今さら出しても仕方ない」

として放置するのが一番よくありません。

まず、

どの変更がいつ発生したのか。

どの届出が未提出なのか。

現在の営業所・役員・指導教育責任者がどうなっているのか。

を整理し、管轄警察署へ相談します。

期限後の取扱いや追加資料については、個別の状況に応じて確認します。

複数年分の変更が積み重なっている場合ほど、

現在の状態だけ合わせるのではなく、変更経緯から整理する

必要があります。

複数県で警備業務をしている会社はさらに確認する

警備会社によっては、

主たる営業所は愛知県。

岐阜県にも営業所がある。

三重県でも継続的に警備業務をしている。

ということがあります。

この場合、警備業法9条による営業所設置等届出との関係もあります。

主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会への変更届だけで処理される情報と、

他都道府県側でも別途変更届が必要になる事項

を分ける必要があります。

特に、

主たる営業所自体を県外へ変更する。

県外営業所を新設・廃止する。

県外で警備業務を始める・やめる。

といった変更は、通常の社内人事変更より慎重に確認します。

変更届はオンラインでも可能になっている

愛知県警察では、2025年12月15日からe-Gov電子申請による警備業関係手続が開始されています。

対象には、

認定申請
認定更新
営業所設置等届出
変更届

などが含まれています。

そのため、変更内容によってはオンライン申請を利用できます。

ただし、

オンラインで提出できること

と、

どの届出が必要かを正しく判断できること

は別です。

役員・営業所・指導教育責任者が同時に変わった場合や、複数県に営業所がある場合は、提出前に手続を整理した方がよいでしょう。

変更内容を整理するとこうなる

代表的な変更を整理すると、次のようになります。

変更内容変更届期限の基本
営業所の名称変更必要原則10日
営業所の所在地変更必要原則10日
営業所の警備業務区分変更必要原則10日
役員の就任・退任必要登記証明添付なら20日
役員の住所変更必要原則10日
代表者変更必要登記証明添付なら20日
指導教育責任者の交代必要原則10日
指導教育責任者の住所変更必要原則10日

ただし、複数の変更を一緒に届け出る場合や、県外営業所が関係する場合は個別に確認します。

変更届だけでなく社内書類も見直す

変更届を提出したら、それで社内の更新作業も全部終わりとは限りません。

たとえば指導教育責任者が変われば、

教育計画
教育実施関係記録
営業所の備付書類

など、旧担当者の情報が残っていないか確認します。

営業所を移したなら、

標識等の表示場所や営業所備付書類。

役員を変更したなら、

認定関係資料。

なども確認します。

公安委員会への届出と、営業所内の書類を同時に更新する

方が後から不整合が起きにくくなります。

まとめ

警備会社で、

営業所
役員
警備員指導教育責任者

が変わった場合は、原則として変更届を確認します。

警備業法では、これらが認定申請時の届出事項だからです。

ただし、すべて同じ期限ではありません。

基本は、

変更の日から10日以内。

登記事項証明書の添付が必要な変更は、

20日以内。

です。

そのため、

役員の就任・退任など
→ 20日になるケースが多い

指導教育責任者の通常の変更
→ 原則10日

という違いがあります。

さらに、指導教育責任者が突然欠けた場合の、

14日間

は変更届期限ではありません。

後任を選任しておかなくてもよい例外期間です。

営業所についても、

同一県内で移転する。

別県へ営業所を出す。

主たる営業所を県外へ移す。

では必要手続が変わります。

つまり、

「会社情報が変わったから変更届を1枚出す」ではなく、何が・いつ・どこで変わったかを分ける。

これが警備業の変更手続を漏らさないためのポイントです。

三河の警備業変更届をご相談ください

いしかわ行政書士事務所では、碧南・西尾・高浜・安城・刈谷・岡崎を中心とした三河エリアで、警備業認定後の変更手続をサポートしています。

営業所移転・役員変更・警備員指導教育責任者の交代などについて、変更日と現在の認定内容を確認し、必要な届出・添付書類を整理したうえで、変更届の作成・提出手続まで対応します。

県外営業所や複数の変更が同時に発生している場合も、警備業法上どの手続が必要か整理します。

人事異動・役員変更・営業所移転が決まった段階でご相談ください。

お気軽にお問い合わせください

0566-68-5511

営業時間 9:00-21:00(土・日・祝日も対応)

出典


愛知県警察「警備業の認定申請手続等」
愛知県警察「警備業法等に基づく各種申請・届出様式」
愛知県警察「警備業法等に基づく添付書類の様式」
愛知県警察「警察行政手続のオンライン申請(警備業)」
警察庁「警備業法等の解釈運用基準」
e-Gov法令検索「警備業法」
e-Gov法令検索「警備業法施行規則」

この記事は、2026年9月時点の警備業法・警備業法施行規則・警察庁・愛知県警察等の公的情報をもとに作成しています。

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