改葬許可は自治体によって何が違う?必要書類・承諾書・郵送申請を比較

この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。

改葬許可について調べていると、

「自治体によって必要書類が違う」

「ある市では受入証明書が必要なのに、別の市では書いていない」

「郵送申請できる市とできない市がある」

と気づくことがあります。

改葬許可の根拠となる法律・省令は全国共通です。

一方、実際の申請では、

  • 申請書の様式
  • 受入証明書の要否
  • 戸籍等の要否
  • 本人確認書類
  • 墓地使用者と申請者が違う場合の書類
  • 複数人の遺骨の書き方
  • 郵送申請の可否
  • 許可証の受取方法

などが自治体によって異なることがあります。

そのため、

「改葬許可の必要書類は全国で○点」

と一律に覚えるより、

全国共通の基本書類+申請先自治体の追加書類

と分けて考える方が正確です。

この記事では、改葬許可で全国共通となる部分と、自治体によって違いやすい部分を整理します。

改葬許可の基本ルールは全国共通

墓地、埋葬等に関する法律では、現在のお墓・納骨堂から別の墓地・納骨堂へ遺骨を移す「改葬」を行う場合、市町村長の許可を受ける必要があります。

申請先は、

現在、遺骨がある場所の市区町村

です。

また、墓地、埋葬等に関する法律施行規則では、改葬許可申請書に主に、

  • 死亡者の本籍
  • 住所
  • 氏名
  • 性別
  • 死亡年月日
  • 埋葬または火葬の場所
  • 埋葬または火葬の年月日
  • 改葬の理由
  • 改葬の場所
  • 申請者の住所・氏名
  • 死亡者との続柄
  • 墓地使用者等との関係

を記載することとされています。

ここは自治体独自のルールではなく、全国共通の基本部分です。

公式資料

厚生労働省|墓地、埋葬等に関する法律

厚生労働省|墓地、埋葬等に関する法律施行規則

全国共通で原則必要になる墓地管理者の証明

改葬許可申請では、原則として、

現在の墓地・納骨堂の管理者が作成した、埋葬・埋蔵・収蔵の事実を証する書面

を添付します。

例えば寺院墓地なら寺院、民営霊園なら霊園管理者、公営墓地なら墓地管理事務所などです。

自治体によって、

  • 改葬許可申請書の証明欄へ記名・押印してもらう
  • 別紙の埋蔵証明書を発行してもらう
  • 複数人用の証明書を使用する

など様式は異なります。

しかし、

現在その遺骨がそこに納められていることを墓地管理者に証明してもらう

という基本部分は全国共通です。

公式資料

厚生労働省|墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条

墓地使用者と申請者が違う場合の承諾も全国共通の基本

改葬許可の申請者が、現在の墓地使用者等本人ではない場合があります。

例えば、

墓地使用者:父
申請者:子

というケースです。

墓地、埋葬等に関する法律施行規則では、この場合、原則として、

墓地使用者等の改葬についての承諾書

を添付することとされています。

したがって、

「承諾書そのものが必要になる考え方」

は全国共通です。

一方で、

  • 自治体指定の承諾書を使うか
  • どこまで記載するか
  • 委任状も別に必要か

などは自治体の受付方法によって異なる場合があります。

公式資料

厚生労働省|墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条

自治体によって違うのは「追加書類」

では、なぜ全国共通の法律なのに必要書類が違うのでしょうか。

墓地、埋葬等に関する法律施行規則では、改葬許可申請について、

「その他市町村長が特に必要と認める書類」

を求めることができると定めています。

この規定があるため、自治体によって、

  • 受入証明書
  • 墓地使用許可証
  • 戸籍・除籍
  • 本人確認書類
  • 現在のお墓の写真
  • 改葬先の契約書

などが追加されることがあります。

つまり、

全国共通
→ 法律・省令で定める基本

自治体ごと
→ 追加確認のための書類

という構造です。

公式資料

厚生労働省|墓地、埋葬等に関する法律施行規則

受入証明書は全国共通の必須書類ではない

改葬許可について検索すると、

「受入証明書が必要」

と説明されていることがあります。

受入証明書とは、新しい墓地・納骨堂が、

「この遺骨を受け入れます」

と証明する書類です。

ただし、墓地、埋葬等に関する法律施行規則では、受入証明書を全国一律の必須添付書類として列挙していません。

一方、自治体によっては、

  • 受入証明書
  • 新しい墓地の使用許可証
  • 契約書
  • 領収書

など、新しい納骨先を確認できる書類を求めています。

そのため、

受入証明書が必要かどうかは、申請先自治体を確認する

必要があります。

「隣の市では不要だった」
から
「自分の市でも不要」

とは限りません。

戸籍・除籍も自治体によって扱いが違う

改葬許可申請書には、死亡者の本籍・死亡年月日・申請者との続柄などを記載します。

その確認のため、

  • 戸籍謄本
  • 除籍謄本
  • 火葬許可証

などを求める自治体があります。

一方、全国一律で戸籍添付が必須と規定されているわけではありません。

自治体によって、

  • 必ず提出
  • 一定の場合だけ提出
  • 不明事項がある場合に提出
  • 自治体側で確認できる場合は不要

など取扱いが異なります。

そのため、

改葬許可をするからといって、最初に戸籍を大量に集めない

方がよいでしょう。

まず申請先の必要書類を確認してから取得する方が無駄を減らせます。

本人確認書類を求める自治体もある

申請者の本人確認方法も自治体によって違います。

例えば、

  • 運転免許証
  • マイナンバーカード
  • パスポート

などを窓口で提示する自治体があります。

郵送申請では、そのコピーを求めるケースもあります。

これは墓地埋葬法施行規則に全国一律で明記された添付書類ではなく、自治体の本人確認・受付方法によるものです。

したがって、

窓口申請と郵送申請で必要書類が変わる

こともあります。

郵送申請できるかどうかも自治体によって違う

遠方のお墓を墓じまいする人にとって大きいのが、郵送申請です。

改葬許可は、

「必ず本人が市役所の窓口へ行かなければならない」

という全国共通ルールではありません。

自治体によって、

  • 郵送申請可能
  • 事前確認をすれば郵送可能
  • 原則窓口
  • 許可証のみ郵送可能

など違いがあります。

郵送申請できる自治体では、

  • 申請書
  • 墓地管理者の証明
  • 必要な添付書類
  • 返信用封筒
  • 必要な郵便料金

などを送ります。

遠方のお墓の場合は、書類を集める前に、

郵送申請できるか

許可証も郵送してもらえるか

を確認するとよいでしょう。

自治体差の具体例

ここで、実際にどの程度違うかを確認します。

2026年現在の公式案内では、例えば次のような違いがあります。

項目自治体例
郵送申請名古屋市は郵送で申請でき、来庁せず手続可能
郵送申請豊田市は事前にFAX・メールで内容確認した場合に郵送受付
複数人豊田市は2人目以降を別紙へ記載
複数人岡崎市は「焼骨等の一覧」を使用
申請者≠墓地使用者岡崎市は専用の承諾書を公開
受入先確認山口市は受入証明書・墓地使用許可証等を求める
本人確認山口市は窓口・郵送それぞれ本人確認書類を案内

このように、改葬許可そのものは同じ制度でも、

「どう証明するか」「何を添付するか」「どう提出するか」

は同じではありません。

公式資料

名古屋市|改葬

豊田市|お墓、お骨の移転に伴う改葬許可申請

岡崎市|改葬許可申請書

山口市|改葬許可申請

承諾書と委任状も自治体案内では混同しない

改葬許可では、

「承諾書」

「委任状」

が出てくることがあります。

この2つは同じではありません。

承諾書

墓地使用者と改葬申請者が違う場合に、

墓地使用者が改葬そのものへ同意していること

を確認する書類です。

委任状

申請者以外の人に、

窓口提出などの手続きを任せること

を示す書類です。

例えば、

墓地使用者:父
改葬申請者:子
窓口提出:行政書士

なら、

父 → 子の改葬について承諾
子 → 行政書士へ提出等を委任

というように両方が関係する可能性があります。

自治体によって委任状の要否も違うため、申請者と実際の提出者が違う場合は確認してください。

複数人の遺骨の申請方法にも自治体差がある

先祖代々のお墓では、複数人の遺骨が入っていることがあります。

この場合、

「1人につき申請書1枚」

と全国共通で決まっているわけではありません。

自治体によって、

  • 人数分の申請書を作る
  • 2人目以降を別紙へ記載
  • 複数人用の一覧を使う

などの方式があります。

そのため、

5人分の遺骨

申請書5枚

と最初から決めつけず、

申請先の「複数人の場合」の様式

を確認してください。

不明事項の記載方法も違う

古いお墓では、

  • 死亡年月日
  • 本籍
  • 火葬年月日
  • 火葬場所

などが分からないことがあります。

この場合の取扱いも自治体によって異なります。

例えば、

  • 「不詳」と記載できる
  • 分かる範囲で記載する
  • 一部の項目は必ず確認する
  • 戸籍等を追加で提出する

という違いがあります。

そのため、

「分からない項目は全部『不詳』でよい」

という全国共通ルールではありません。

分からない情報がある場合は、その項目を具体的に申請先へ確認してください。

改葬許可証が出るまでの日数も同じではない

自治体によっては、

  • 窓口で比較的早く交付
  • 後日交付
  • 郵送で後日返送
  • 審査に一定の日数が必要

など違いがあります。

墓石撤去日を先に決めてしまうと、

「改葬許可証がまだ出ていない」

という可能性があります。

改葬は許可を受けてから行う必要があります。

そのため、

石材店の日程

改葬許可

ではなく、

自治体へ交付目安を確認

改葬許可

遺骨取り出し・撤去日

という順番で考える方が安全です。

公式資料

厚生労働省|墓地、埋葬等に関する法律

「隣の市でできた」は参考程度にする

墓じまいをした親族や知人から、

「うちは申請書だけだった」

「戸籍なんていらなかった」

「郵送でできた」

と聞くことがあります。

その情報が間違っているとは限りません。

しかし、

  • 墓地の所在地
  • 墓地使用者と申請者の関係
  • 遺骨の人数
  • 死亡者情報の不足
  • 改葬先

が違えば必要書類も変わる可能性があります。

さらに自治体そのものの取扱いも違います。

そのため、

他自治体の経験談を、そのまま自分の申請へ使わない

ことが重要です。

自治体の公式ページで最初に確認する8項目

改葬許可申請を始める前に、申請先自治体の公式ページで次の8項目を確認してください。

  1. 最新の改葬許可申請書
  2. 墓地管理者証明の方法
  3. 墓地使用者と申請者が違う場合の書類
  4. 受入証明書の要否
  5. 戸籍・本人確認書類の要否
  6. 複数人の場合の記載方法
  7. 郵送申請できるか
  8. 改葬許可証の受取方法

これを最初に確認しておけば、

不要な戸籍を取得する

必要な受入証明書が足りない

もう一度取り寄せる

といった手戻りを減らせます。

全国共通と自治体独自を整理

最後にまとめると、次のように考えると分かりやすくなります。

全国共通の基本

  • 現在遺骨がある市区町村へ申請
  • 死亡者・改葬先等を申請書へ記載
  • 現在の墓地管理者による埋蔵・収蔵等の証明
  • 墓地使用者等以外が申請する場合は原則として承諾書
  • 改葬許可を受けてから遺骨を移す

自治体によって違いやすいもの

  • 申請書の様式
  • 受入証明書
  • 戸籍・除籍
  • 本人確認書類
  • 複数人の記載方法
  • 不明事項の記載方法
  • 委任状
  • 郵送申請
  • 許可証の受取方法

つまり、

法律は全国共通でも、実際の申請方法は同じではありません。

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改葬許可は全国共通の制度ですが、実際の申請では、

  • 受入証明書
  • 戸籍
  • 承諾書
  • 委任状
  • 本人確認書類
  • 複数人用の別紙
  • 郵送申請

などが自治体によって異なります。

そのため、

「必要書類を全部そろえたつもりだったのに不足していた」

ということもあります。

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出典

この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。

厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律」厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」名古屋市「改葬」豊田市「お墓、お骨の移転に伴う改葬許可申請」岡崎市「改葬許可申請書」山口市「改葬許可申請」

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