
この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。
中古車販売店が車庫証明を依頼するとき、
「納車日の何日前に依頼すれば間に合うのか」 「書類が揃ってから連絡すればよいのか」 「県外の行政書士へ郵送する場合は、何日見ておけばよいのか」
と迷うことがあります。
車庫証明は、依頼した当日や翌日に完成する手続きではありません。
書類確認、原本の郵送、警察署への申請、審査、受取、登録担当者への返送までの日数が必要です。
書類が完成している場合でも、納車日の10日から2週間前を一つの目安として、早めに行政書士へ連絡しておくと安心です。
ただし、本当に基準にしたいのは納車日ではなく、車庫証明を使用する「登録予定日」です。
この記事では、中古車販売店向けに、納車日から車庫証明の依頼時期を逆算する方法を解説します。
結論|納車日の10日から2週間前を目安に相談する
車庫証明の依頼時期は、書類の準備状況や郵送の有無によって異なります。
目安は次のとおりです。
| 書類や依頼の状況 | 依頼・相談の目安 |
|---|---|
| 書類が完成しており、申請・受取だけを依頼する | 納車日の10日から2週間前 |
| 県外から原本を郵送し、完成書類も返送してもらう | 納車日の2週間前程度 |
| 所在図・配置図の作成も依頼する | 納車日の2週間以上前 |
| 使用承諾証明書がまだ揃っていない | 書類取得前の段階で相談 |
| 法人営業所の確認資料などが必要になりそう | 納車日の2週間以上前 |
| 大型連休や年末年始を挟む | 通常よりさらに早く相談 |
これは、必ずこの日数で完成するという意味ではありません。
管轄警察署の交付日数、書類の不備、郵送方法、土日祝日などによって必要な日数は変わります。
また、行政書士へ連絡した日と、警察署へ申請できる日は同じではありません。
行政書士へ相談していても、申請に必要な原本が届いていなければ、警察署への申請は始められません。
そのため、販売店では次の3つを分けて管理することが大切です。
- 行政書士へ相談する日
- 原本を発送する日
- 警察署へ申請する予定日
納車日の直前に書類を発送するのではなく、書類が揃う見込みが立った段階で先に行政書士へ連絡してください。
納車日ではなく登録予定日から逆算する
車庫証明は、車の登録手続きで使用します。
そのため、納車日に車庫証明が完成すればよいわけではありません。
一般的には、次のような順番で進みます。
- お客様から車庫証明書類を預かる
- 管轄警察署へ車庫証明を申請する
- 交付後の車庫証明を受け取る
- 運輸支局などで名義変更や新規登録を行う
- 車両の整備や納車準備を行う
- お客様へ納車する
つまり、車庫証明は登録予定日までに必要です。
たとえば、金曜日に納車する予定でも、登録を水曜日に行うのであれば、水曜日までに車庫証明が登録担当者の手元へ届いていなければなりません。
行政書士から販売店や登録担当者へ完成書類を返送する場合は、返送日数も考える必要があります。
逆算するときに確認する日
納車日が決まったら、次の順番で日程を確認します。
- 納車日 — お客様へ車を引き渡す日です。
- 登録予定日 — 運輸支局などで名義変更や登録を行う日です。納車日の前日とは限らないため、登録担当者へ確認します。
- 車庫証明が登録担当者へ届く日 — 行政書士から郵送する場合は、登録予定日より前に到着する日を決めます。
- 警察署での交付予定日 — 交付された当日に発送して間に合うか、翌日以降の発送になるかを確認します。
- 警察署への申請予定日 — 申請日から交付日までは、管轄警察署の審査日数が必要です。
- 行政書士へ原本が届く日 — 書類確認後に申請するため、郵送日数も逆算します。
- お客様から書類を預かる期限 — 使用承諾証明書や配置図などを、いつまでに受け取る必要があるか決めます。
この順番で逆算すれば、いつまでにお客様から書類を預かる必要があるかが見えてきます。
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実際の日程を例にして逆算する
たとえば、販売店がお客様へ金曜日に納車する予定で、登録手続きをその週の水曜日に行うケースを考えます。
一例として、次のような流れになります。
| 時期 | 対応 |
|---|---|
| 納車日の約2週間前 | お客様へ必要書類を案内する |
| 納車日の10日前前後 | 書類画像を行政書士へ送り、内容を確認する |
| 確認後 | 原本を追跡できる方法で発送する |
| 原本到着後 | 行政書士が管轄警察署へ申請する |
| 交付予定日 | 行政書士が完成書類を受け取る |
| 交付日当日または翌日 | 販売店や登録担当者へ発送する |
| 納車日の2日前程度 | 登録手続きを行う |
| 納車日 | お客様へ車を引き渡す |
これはあくまで一例です。
書類が完成しており、販売店と行政書士の距離が近ければ、これより短い日程で進められる場合があります。
一方、使用承諾証明書の取得、図面作成、法人営業所の確認、補正などが必要になると、さらに日数が必要です。
書類が完成している場合
販売店側で次の書類が完成していれば、比較的日程を立てやすくなります。
- 自動車保管場所証明申請書
- 保管場所使用権原疎明書面(自認書)または使用承諾証明書
- 所在図・配置図
- 車両情報を確認できる資料
- 使用者や使用の本拠を確認できる資料
ただし、書類が揃っているように見えても、住所や使用期間、区画番号などに不備があれば、すぐに申請できない場合があります。
原本発送前に画像やPDFを送り、内容を確認してもらう方法が安心です。
使用承諾証明書がまだない場合
月極駐車場や賃貸住宅の駐車場を使用する場合は、管理会社や土地所有者から使用承諾証明書を取得することがあります。
管理会社へ依頼した当日に発行されるとは限りません。
郵送による発行や社内手続きが必要な場合は、数日以上かかることもあります。
使用承諾証明書がまだない場合は、完成するまで待ってから行政書士を探すのではなく、先に納車予定日と現在の準備状況を伝えてください。
所在図・配置図が未完成の場合
図面作成を行政書士へ依頼する場合は、駐車場の位置や形状、駐車区画、道路幅などを確認する時間が必要です。
現地調査が必要になれば、訪問日程も調整しなければなりません。
申請と受取だけの依頼よりも早く相談する必要があります。
依頼が遅れる原因は警察署の審査日数だけではない
納車が遅れる原因として、警察署での審査期間を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、実際には申請前や交付後の時間も見落としやすくなります。
お客様から書類を預かるまでの日数
購入契約後、すぐに書類が返送されるとは限りません。
駐車場管理会社から使用承諾証明書を取得する場合は、さらに時間がかかります。
販売店から行政書士への郵送日数
県外から郵送する場合は、発送した当日に届きません。
発送時間、土日祝日、配送状況によって到着日が変わります。
行政書士による書類確認
原本到着後、申請書、使用承諾証明書、所在図・配置図などを確認します。
大きな不備が見つかれば、その日のうちに申請できない場合があります。
警察署での審査と現地確認
申請後は警察署での確認が行われます。
行政書士へ依頼しても、警察署の審査期間を自由に短縮できるわけではありません。
完成書類の受取と返送
交付予定日になっても、書類が自動的に販売店へ届くわけではありません。
行政書士が警察署へ受け取りに行き、販売店または登録担当者へ発送します。
登録担当者へ届いてからの手続き
車庫証明が完成しても、登録書類に不足があれば自動車登録を進められません。
車庫証明だけでなく、登録に使用する書類全体の準備状況も確認する必要があります。
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納車直前の依頼で起こりやすい失敗
交付予定日=登録できる日と考えてしまう
交付予定日は、警察署で車庫証明を受け取れる予定日です。
販売店や登録担当者へ郵送する場合は、さらに到着までの日数がかかります。
登録予定日と交付予定日を同じ日にすると、間に合わない可能性があります。
土日祝日を日数に含めてしまう
警察署の窓口や登録手続きは、平日の日中が基本です。
金曜日に発送しても、土曜日や日曜日に申請できるとは限りません。
大型連休や年末年始を挟む場合は、通常より早く準備する必要があります。
書類を発送した日を申請日と考えてしまう
販売店が原本を発送しても、行政書士へ到着し、内容を確認してから警察署へ申請します。
発送日と申請日の間には、郵送と確認の日数があります。
不備があっても行政書士が直せると考えてしまう
記入漏れがあっても、行政書士がすべて自由に追記できるわけではありません。
使用者、保管場所、駐車区画、使用期間、管理会社の承諾内容などは、お客様や承諾者への確認・再作成が必要になる場合があります。
完成書類の返送先を決めていない
車庫証明を受け取った後に返送先を確認すると、その分だけ発送が遅れます。
販売店、本社、登録センター、登録担当の行政書士など、どこへ返送するかを依頼時に決めてください。
早く依頼しすぎてもよい?
納車遅れを避けるために早く準備することは大切ですが、数か月前に車庫証明だけ取得すればよいというわけではありません。
車庫証明は、取得後の自動車登録で使用できる期間を考える必要があります。
一般的には、証明日からおおむね1か月以内の登録を想定して日程を組みます。
納車日がまだ決まっていない段階では、すぐに申請するのではなく、次の準備を先に進める方法があります。
- 使用者の住所を確認する
- 保管場所の住所を確認する
- 管轄警察署を確認する
- 自認書と使用承諾証明書のどちらが必要か確認する
- 所在図・配置図の準備方法を決める
- 行政書士の対応地域と料金を確認する
- 原本の送付先や返送方法を確認する
相談や書類準備は早く始め、実際の申請日は登録予定日から逆算して決めるのが基本です。
まとめ
車庫証明を依頼する時期は、書類が完成している場合でも、納車日の10日から2週間前が一つの目安です。
ただし、本当に確認すべきなのは納車日ではなく、車庫証明を使用する登録予定日です。
次の順番で逆算してください。
- 納車日を決める
- 登録予定日を確認する
- 車庫証明が登録担当者へ届く期限を決める
- 警察署の交付予定日を確認する
- 警察署への申請日を決める
- 行政書士への原本到着日を決める
- お客様から書類を預かる期限を決める
使用承諾証明書や図面がまだ揃っていない場合は、完成を待たず、現在の準備状況と納車予定日を行政書士へ伝えることが大切です。
行政書士へ早く相談しても、警察署の審査期間そのものを短縮できるわけではありません。
一方、発送前に書類を確認し、申請日・交付日・返送日を先に整理しておけば、書類不備や郵送による納車遅れを防ぎやすくなります。
よくある質問
- Q交付予定日が分かれば、その日に登録できますか?
- A
できるとは限りません。交付予定日は警察署で受け取れる予定日で、そこから販売店や登録担当者へ郵送する日数が別途必要です。登録予定日と交付予定日を同じ日にすると間に合わない可能性があります。
- Q使用承諾証明書が完成してから相談したほうがよいですか?
- A
完成を待つ必要はありません。先に納車予定日と現在の準備状況を伝えていただければ、取得と並行して準備を進められます。
- Q車庫証明は早く取得しておけばしておくほど安心ですか?
- A
そうとは限りません。証明日からおおむね1か月以内の登録を想定するため、数か月前に取得すればよいわけではありません。相談や書類準備は早く始め、申請自体は登録予定日から逆算して行います。
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いつまでに書類を準備し、発送する必要があるかを整理してご案内します。
そのほかの地域については、保管場所や日程を確認したうえで対応可否をご案内します。
車庫証明の取得をご検討中の方や、まずは相談してみたい方は、料金やご依頼の流れなどをまとめた「車庫証明取得のご案内」もご覧ください。
