この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。
元請から突然、
「次の現場から白ナンバーダンプは使えません」
「緑ナンバーにしてください」
と言われたら、
「2026年から法律が変わって、白ナンバーは禁止になったのか」
「今のダンプを緑ナンバーにしないと仕事を続けられないのか」
と迷うでしょう。
最初に確認したいのは、
元請から緑ナンバーを求められた=法律上も必ず緑ナンバーが必要
とは限らないことです。
現在の仕事が、
- 自分・自社所有の貨物を運ぶ
- 自分・自社の建設工事に密接不可分な運搬をする
- 運送そのものを独立した仕事として受けていない
といったケースなら、一般貨物自動車運送事業の許可が不要となる場合があります。
一方、
- 自分は工事をせず運搬だけ
- 他社の残土・砕石・資材を運ぶ
- 運搬そのものに対して料金を受け取る
のであれば、一般貨物の許可を確認します。
そのうえで、
法律上は白ナンバーで使えるが、元請が会社独自の条件として緑ナンバー限定にしている
という場合を分けて考えます。
最初に「なぜ白ナンバーではだめなのか」を確認する
元請から白ナンバー不可と言われたら、まず理由を聞きます。
主に次の2つです。
- 今の仕事は違法な白トラになると判断している
- 違法かどうかにかかわらず、会社方針として緑ナンバーだけに発注している
2026年4月1日からは、違法な白トラへ運送を委託した荷主等も新たに処罰対象となる場合があります。
そのため元請側が、
「白ナンバーへ仕事を出して本当に大丈夫か」
と以前より慎重になること自体は不自然ではありません。
ただし、今回の改正によって適法な自家運送まで禁止されたわけではありません。
自分の仕事に本当に緑ナンバーが必要か確認する
まず、現在の仕事の実態を見ます。
たとえば、自社が造成工事を請け負い、その工事で必要な砕石を自社従業員が自社ダンプで運ぶ場合です。
この運搬が、
- 自社が施工する工事に必要
- 建設業務と密接不可分
- 自社業務の一部として行われる
- 運送そのものに独立した対価がない
のであれば、一般貨物自動車運送事業の許可が不要となる場合があります。
ここでは、
「元請の資材だから緑ナンバー」
とは単純に判断しません。
自分は工事をせず「運搬だけ」なら話が変わる
反対に、
「この残土を処分場まで運んで」
「この砕石を現場まで10往復して」
という仕事を受け、自分・自社は工事を施工していない場合です。
さらに、
- 1往復○円
- ダンプ1台1日○万円
- 1立米○円
など、運搬自体に料金が支払われているのであれば、他人の需要に応じた有償運送にならないか確認します。
この場合は、
元請に言われたから緑にする
のではなく、
そもそも法律上、一般貨物の許可が必要な仕事
である可能性があります。
「常用ダンプ」なら白ナンバーでいい?
建設現場では、
「ダンプ常用」
「1日常用」
という言葉が使われます。
ただし、「常用」という名称だけでは判断できません。
たとえば実際には、
- 元請から積込場所を指定される
- 一日中土砂を運ぶ
- 自分は工事を施工しない
- ダンプ1台1日単位で料金を受け取る
という状態なら、運搬そのものを仕事として提供していないか確認します。
一方で、実際に建設会社との雇用関係があり、その会社の従業員として会社業務に付帯する運搬を行っている場合は別の整理になります。
法律上は白でよくても、元請が緑ナンバー限定にすることはある
ここが今回の重要なところです。
国土交通省の自家用ダンプに関するQ&Aでは、
白ナンバーのままで問題ない状況でも、建設会社等が緑ナンバーを求めるかどうかは、その建設会社等の判断
という整理が示されています。
つまり、
法律上は白ナンバーで適法
でも、
その元請との取引では緑ナンバーが必要
ということがあります。
法律と取引条件は別です。
元請に説明すれば白ナンバーで続けられることもある
現在の仕事が許可不要の自家運送・付帯運送として整理できるなら、元請へ説明する方法があります。
たとえば、
- 自社が請け負っている工事内容
- 運搬と工事の関係
- 運ぶ貨物
- 運転者との雇用関係
- 運送そのものの対価を受け取っていないこと
などを整理します。
国土交通省が公開している2026年の自家用ダンプに関する事務連絡やQ&Aも確認材料になります。
ただし、説明しても元請が、
「当社は一律で緑ナンバーのみ」
という方針を維持するなら、次は取引を続けるかどうかの判断になります。
元請から緑を求められたら確認したいこと
すぐ一般貨物の許可申請へ進む前に、次を確認します。
- 白ナンバー禁止は法律上の判断なのか
- 元請独自の社内ルールなのか
- 自家運送・付帯運送まで一律に禁止なのか
- いつから緑ナンバーが必要なのか
- 許可取得まで待ってもらえるのか
- 緑ナンバー取得後も継続して仕事を出してもらえるのか
- 今後の単価・契約条件はどうなるのか
特に6と7は重要です。
一般貨物へ移るために設備・人員を増やしたのに、その元請から十分な仕事が出なければ、経営として合わないことがあります。
ダンプ1台をそのまま緑ナンバーにできる?
一般貨物自動車運送事業は、単純なナンバープレート交換ではありません。
一般貨物の許可を取得したうえで、対象車両を事業用自動車として登録します。
通常の一般貨物では、原則として営業所ごとに一定数の事業用自動車をそろえる必要があります。
そのため、
「今あるダンプ1台だけ、すぐ緑にしたい」
という希望がそのまま実現できるとは限りません。
現在1台だけで仕事をしている場合は、
- 車両
- 車庫
- 営業所
- 運転者
- 運行管理体制
- 整備管理体制
- 資金
まで確認して、一般貨物の許可を取る体制を作れるか考えます。
法人にすれば1台でも大丈夫、ではない
個人事業主だから緑ナンバーが取れないわけではありません。
個人でも一般貨物の許可申請は可能です。
逆に、
「株式会社にすればダンプ1台でも一般貨物が取れる」
ということでもありません。
法人化と車両要件は別の問題です。
緑ナンバーにすると管理も増える
一般貨物へ移ると、他社から有償で運搬を受けられる一方、運送事業者としての管理が必要になります。
たとえば、
- 点呼
- アルコールチェック
- 運転者教育
- 健康管理
- 適性診断
- 車両管理
- 事業報告書
- 事業実績報告書
- 増減車等の変更手続き
などです。
「今の現場に入るためだけに緑が必要」
という場合でも、その後は運送会社として管理を続けなければなりません。
緑ナンバーへ移る価値がある場合
たとえば、
- 今後もダンプ運搬を主力にしたい
- 他社の残土・砕石を有償で運びたい
- 複数の元請から運搬だけの仕事を受けたい
- 現在の主要元請が緑ナンバー限定
- 必要な車両・人員・車庫・資金を確保できる
のであれば、一般貨物への移行を検討する意味があります。
つまり、
今後も「運ぶこと」で売上を作るのか
が重要です。
白ナンバーで続ける方が合う場合
反対に、
- 自分・自社の商品を運ぶ
- 自分・自社の建設工事に付帯してダンプを使う
- 運搬だけの仕事は受けない
- 今後も建設業主体で仕事をする
- 取引先も適法な白ナンバー利用を認める
のであれば、一般貨物へ移る必要性が低い場合があります。
「白より緑の方が安全」というだけで許可を取るのではなく、事業内容に合うかを考えます。
元請の仕事が売上の大半なら採算まで考える
たとえば今の元請からの仕事が売上の8割を占めており、
「緑ナンバーでなければ今後発注しない」
と言われた場合です。
この場合、法律上白ナンバーで可能だったとしても、取引継続のために一般貨物化を検討する意味はあります。
ただし、
- 車両を増やす費用
- 車庫
- 人員
- 管理コスト
まで負担したうえで、その元請からどれだけ仕事を受けられるかを見ます。
許可が取れるかではなく、取った後に採算が合うか
まで確認します。
判断する順番
元請から「白ナンバーは使えない」と言われたら、次の順番で考えます。
- 今の仕事は法律上、一般貨物の許可が必要か
- 白で適法なら、元請の独自ルールか確認する
- 元請へ白ナンバーで適法な根拠を説明できるか確認する
- それでも緑限定なら、その元請との取引を続けたいか決める
- 一般貨物へ移る体制を作れるか確認する
- 許可取得後の仕事量・採算まで考える
最初から、
「緑ナンバーをどう取るか」
へ進まないことがポイントです。
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まとめ
元請から、
「白ナンバーは使えない」
と言われても、すぐにダンプを緑ナンバーへ変えなければならないとは限りません。
最初に確認するのは、
今の仕事が法律上、本当に一般貨物自動車運送事業の許可を必要とする仕事なのか
です。
自分・自社所有の貨物の運搬や、自社工事と密接不可分な付帯運送で一定の条件を満たす場合は、白ナンバーで行えることがあります。
一方、
- 自分は工事をしない
- 他社の貨物を運ぶ
- 運搬そのものに料金を受け取る
のであれば、一般貨物の許可を確認します。
そして法律上白ナンバーで問題ない場合でも、元請が会社独自の条件として緑ナンバー限定にすることはあります。
そのため、
法律上緑ナンバーが必要なのか
と、
その元請との仕事を続けるために緑ナンバーが必要なのか
を分けることが重要です。
一般貨物へ移るなら、ナンバーだけでなく車両・車庫・人員・管理体制・資金まで含めて事業として成立するかを確認します。
元請から緑ナンバーを求められて迷っている方へ
「元請から来月から白ナンバー禁止と言われた」
「自社工事の運搬なので白でよいと思うが確認したい」
「一般貨物へ移るべきか迷っている」
という場合は、現在の仕事内容と元請の要求を分けて確認します。
いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、自家用ダンプカーによる運搬について、一般貨物自動車運送事業の許可が必要かを整理しています。
現在の契約、施工内容、運搬物、車両、人員、車庫などから、白ナンバーで続けられる仕事なのか、一般貨物へ移る必要があるのかを確認します。
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出典
国土交通省|建設現場等で使用する自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて
国土交通省|資材・骨材関連事業Q&A(2026年3月31日時点)
国土交通省|違法な「白トラ」への規制が2026年4月1日から強化
国土交通省|荷主等の違反原因行為・無許可経営等原因行為の通報窓口
この記事は、2026年9月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。
