この記事は、いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令・公的機関の情報を確認して作成しています。
軽バンを用意した。
配送の仕事も始めたい。
次は黒ナンバーを取ればいい?
軽貨物を始めるときは、車を買っただけでは事業用として営業できません。
基本的には、
営業所・車庫などを決める
↓
運輸支局へ貨物軽自動車運送事業の経営届出をする
↓
事業用自動車等連絡書を受け取る
↓
軽自動車検査協会で黒ナンバーへ変更する
という順で進めます。
さらに2025年4月からは、安全対策が強化され、貨物軽自動車安全管理者の選任・講習なども必要になっています。
車を用意したあとに、
「とりあえず軽自動車検査協会へ行けば黒ナンバーになる」
という手続きではありません。
まず、軽貨物事業を始められる状態を整えてから届出を進めます。
まず確認|黒ナンバーを取るまでの順番
初めて貨物軽自動車運送事業を始める場合は、おおむね次の順番です。
1.営業所を決める
2.車庫を決める
3.使用する車両を決める
4.運賃・料金を決める
5.貨物軽自動車運送事業経営届出書などを準備する
6.運輸支局へ経営届出をする
7.事業用自動車等連絡書を受け取る
8.軽自動車検査協会で事業用車両へ変更する
9.黒ナンバーを取り付ける
10.貨物軽自動車安全管理者など、開始後に必要な安全管理体制を整える
重要なのは、
運輸支局の事業届出が先、黒ナンバーの交付が後
という順番です。
車を用意しただけでは黒ナンバーにならない
軽貨物の仕事に使用する車を購入しても、それだけでは事業用車両になりません。
貨物軽自動車運送事業を始める場合は、まず営業所を管轄する運輸支局へ経営届出を行います。
運輸支局で届出内容が確認されると、「事業用自動車等連絡書」が交付されます。
その連絡書を使って軽自動車検査協会で手続きを行い、事業用の黒ナンバーを取得します。
つまり、
車を買う
→黒ナンバーをもらう
ではなく、
車を用意する
→事業の届出
→連絡書
→黒ナンバー
です。
営業所と車庫を先に決める
経営届出をするには、営業所と車庫を決めます。
自宅を営業所として始めるケースもあります。
車庫も自宅敷地や借りた駐車場などを使用することがあります。
ただし、どこでも自由に営業所・車庫として届け出られるわけではありません。
営業所。
休憩・睡眠施設。
車庫。
それぞれについて、使用権原や位置関係などを確認します。
車庫には車を収容できる広さが必要
車庫は、事業で使用する車両を収容できる必要があります。
運輸局の案内でも、増車する場合には、届出している車庫にすべての車両を収容できる広さがあることを確認するよう案内されています。
初めて1台で始める場合も、
実際にその車を置けるか。
事業用車庫として使用できるか。
を確認します。
軽乗用車でも軽貨物を始められる?
現在は、軽バンなどの貨物車だけでなく、一定の軽乗用車も貨物軽自動車運送事業に使用できます。
2022年10月27日から、軽乗用車を貨物軽自動車運送事業に使用できるようになりました。
ただし、
黄色ナンバーの軽乗用車をそのまま配送に使う
という意味ではありません。
軽乗用車を使用する場合でも、
貨物軽自動車運送事業の経営届出
↓
軽自動車検査協会で事業用ナンバー取得
という手続きが必要です。
運輸支局へ何を届ける?
初めて軽貨物を始める場合は、主に次の書類を準備します。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 貨物軽自動車運送事業経営届出書 | 軽貨物事業を始める届出 |
| 運賃料金表 | 荷主などへ適用する運賃・料金 |
| 運賃料金設定届出関係書類 | 運賃・料金の届出 |
| 事業用自動車等連絡書 | 黒ナンバー取得につなぐ書類 |
| 車検証関係書類 | 使用する車両を確認 |
電子車検証の場合は、車検証本体だけでなく、自動車検査証記録事項を求められる場合があります。
新車でまだ車検証が発行されていない場合は、車台番号を確認できる書類を使用するケースがあります。
何台あれば軽貨物を始められる?
貨物軽自動車運送事業は、1台から始めることができます。
一般貨物自動車運送事業のように、複数台の車両を揃えなければ始められない制度ではありません。
そのため、
自分1人。
軽バン1台。
から始めることもできます。
Amazonなどの配送委託。
企業配。
宅配。
スポット配送。
などを始める人も、まず1台で経営届出を行うケースがあります。
運輸支局の手続きが終わったら連絡書を受け取る
経営届出書などを運輸支局へ提出し、内容が確認されると、事業用自動車等連絡書を受け取ります。
この連絡書が、
「この車を事業用として登録する」
ための次の手続きにつながります。
運輸支局で経営届出をしただけでは、車のナンバープレートはまだ黒くなりません。
次に軽自動車検査協会へ進みます。
軽自動車検査協会で黒ナンバーへ変更する
運輸支局で事業用自動車等連絡書を受け取ったら、軽自動車検査協会で車両の手続きを行います。
ここで、
現在の車検証。
事業用自動車等連絡書。
その他必要書類。
を使って、事業用車両として登録します。
手続きが終わると、事業用の黒ナンバープレートが交付されます。
つまり、
運輸支局=軽貨物事業の届出
軽自動車検査協会=車両を黒ナンバーへ変更
と役割を分けると分かりやすくなります。
黒ナンバーを取ったらすぐ仕事を始められる?
黒ナンバー取得は重要ですが、現在はそれだけ確認すればよいわけではありません。
2025年4月から、貨物軽自動車運送事業者に対する安全対策が強化されています。
新たに事業を始める場合は、貨物軽自動車安全管理者などの制度も確認する必要があります。
貨物軽自動車安全管理者を選任する
貨物軽自動車運送事業者は、営業所ごとに貨物軽自動車安全管理者を選任する必要があります。
1人で開業する場合は、要件を満たしたうえで自分自身を選任することも考えられます。
安全管理者になる人は、国土交通大臣の登録を受けた講習機関で「貨物軽自動車安全管理者講習」を受講します。
2025年4月以降に新たに経営届出をした事業者について、国土交通省は速やかに講習受講・選任を行うよう案内しています。
安全管理者を選任したら、運輸支局等へ届出も行います。
安全管理者以外にも開始後のルールがある
2025年4月からの安全対策強化では、安全管理者だけでなく、
業務記録の作成・保存。
事故記録の作成・保存。
重大事故発生時の国土交通大臣への報告。
特定の運転者への指導・監督や適性診断。
なども関係します。
そのため、
黒ナンバーを取った
→開業手続きは全部終了
とは考えないほうがよいでしょう。
実際に運送を始めたあとも、安全管理に関するルールを守って運営します。
黒ナンバーになる前に配送を始めてもいい?
運賃を受け取って他人の荷物を運ぶ貨物軽自動車運送事業を行うのであれば、必要な届出・事業用車両の手続きをしてから始めます。
「配送会社との契約が決まったから、とりあえず黄色ナンバーで何日か配送する」
という順ではありません。
仕事開始日が決まっている場合は、
車の準備。
経営届出。
黒ナンバー取得。
安全管理体制。
に必要な期間を考えて準備します。
車を買う前に確認したほうがよいこともある
この記事は「車を用意したあと」を中心にしていますが、本来は車を購入する前に、
営業所をどこにするか。
車庫を確保できるか。
その車を配送に使えるか。
配送会社の条件を満たしているか。
を確認しておくほうが安全です。
特に配送委託では、
車種。
年式。
荷室。
任意保険。
などについて独自の条件が設定されている場合があります。
黒ナンバーを取得できることと、契約したい配送会社の条件を満たすことは別です。
軽貨物を始めるならこの順で進める
車をすでに用意している場合は、次の順で確認します。
1.車検証を確認する
2.営業所を決める
3.車庫を決める
4.運賃・料金を決める
5.経営届出書などを作成する
6.運輸支局へ貨物軽自動車運送事業の経営届出をする
7.事業用自動車等連絡書を受け取る
8.軽自動車検査協会で事業用への変更手続きをする
9.黒ナンバーを受け取る
10.貨物軽自動車安全管理者を選任し、必要な講習・届出を行う
11.その他の安全管理体制を整える
12.配送業務を開始する
特に、
運輸支局→軽自動車検査協会
の順番を覚えておくと分かりやすくなります。
結論|車を用意したら、最初は黒ナンバーではなく経営届出
軽貨物を始めるために車を用意しても、そのまま軽自動車検査協会へ行って黒ナンバーを取得するわけではありません。
まず、
営業所。
車庫。
使用する車。
運賃・料金。
を整理します。
そのうえで、
運輸支局へ経営届出
↓
事業用自動車等連絡書を受け取る
↓
軽自動車検査協会で黒ナンバー取得
という順で進めます。
また、2025年4月以降は貨物軽自動車安全管理者の選任・講習など、安全管理のルールも強化されています。
そのため、
「黒ナンバーを取れば開業準備完了」
ではなく、
事業を始める届出、車両の黒ナンバー化、安全管理体制
までまとめて確認してから配送を始めます。
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軽貨物を始めたい。
車は用意したが次に何をすればよいか分からない。
経営届出の書類を準備したい。
黒ナンバー取得までまとめて進めたい。
という場合も、営業所・車庫・車両など現在の状況から必要な手続きを整理します。
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出典
国土交通省|貨物軽自動車運送事業 申請書様式、近畿運輸局 京都運輸支局|貨物軽自動車運送事業の届出について、国土交通省|貨物軽自動車運送事業における安全対策を強化するための制度改正について、国土交通省|登録貨物軽自動車安全管理者講習機関の一覧
この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。
