工場立地法の届出をしたい|配置図・生産施設・緑地面積の確認方法

この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。

「工場立地法の届出が必要なのは分かったが、何を図面に書けばいい?」

「敷地に芝生や植栽はあるが、どこまで緑地面積に入れてよい?」

「工場建屋の全部が生産施設になる?」

工場立地法の届出では、工場の敷地全体について、

  • 敷地面積
  • 建築面積
  • 生産施設面積
  • 緑地面積
  • 緑地以外の環境施設面積
  • 各施設の配置

を整理します。

特に重要なのが配置図です。

配置図上で工場建屋、倉庫、事務所、緑地、駐車場、環境施設などを区分し、それぞれの面積を計算して届出書と一致させる必要があります。

また、工場所在地の市町村によって、緑地面積率等について国の準則とは異なる地域準則が定められている場合があります。

この記事では、愛知県で工場立地法の届出をするときに確認したい配置図、生産施設、緑地・環境施設の面積の考え方を整理します。

まず工場立地法の届出対象か確認する

工場立地法の届出対象となるのは、一定の業種・規模に該当する「特定工場」です。

対象となる主な業種は、

  • 製造業
  • 電気供給業
  • ガス供給業
  • 熱供給業

です。

規模については、

敷地面積9,000㎡以上
または
建築物の建築面積の合計3,000㎡以上

のいずれかに該当する場合に特定工場となります。

届出対象であることを確認したら、次に生産施設・緑地・環境施設を整理します。

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配置図では工場敷地全体の使い方を示す

工場立地法では、生産施設・緑地・環境施設の面積だけでなく、その配置も確認します。

そのため配置図には、少なくとも工場敷地の中で、

  • 工場建屋
  • 生産施設
  • 倉庫
  • 事務所
  • 駐車場
  • 道路
  • 緑地
  • 緑地以外の環境施設

などがどこに配置されているか分かるように整理します。

例えば、

第1工場 1,500㎡
第2工場 800㎡
倉庫 600㎡
事務所 300㎡
緑地A 1,200㎡
緑地B 500㎡

というように、各施設を図面と面積表で対応させます。

重要なのは、

配置図の面積

面積計算資料

届出書

の数値を一致させることです。

工場建屋の全部が「生産施設」とは限らない

工場立地法では、「建築面積」と「生産施設面積」は同じではありません。

愛知県の手引では、生産施設について、製造業の場合、

「製造工程等に係る機械または装置が設置される建築物」

や、

「屋外の機械または装置などの生産プラント」

などとしています。

したがって、一つの建物の中に、

製造ライン

倉庫

事務所

がある場合、建物全体を単純に生産施設面積とするとは限りません。

どの部分が実際の製造工程に使用されているかを確認します。

生産施設面積は業種によって上限が違う

工場立地法では、生産施設について敷地面積に対する割合の上限が定められています。

新設工場の国の準則では、業種によって、

敷地面積の30%~65%

の範囲で生産施設面積率が設定されています。

つまり、

生産施設面積 ÷ 敷地面積 × 100

で算出した割合が、その業種に対応する基準以内になっているか確認します。

例えば、

敷地面積10,000㎡
生産施設面積4,000㎡

なら、

4,000 ÷ 10,000 × 100
=40%

です。

この40%が適合するかどうかは、その工場の業種区分によって判断します。

複数の製品を製造している工場では、業種区分の確認がより重要になる場合があります。

建築面積と生産施設面積は分けて集計する

例えば、建築面積が合計4,000㎡でも、

生産施設 2,500㎡
倉庫 700㎡
事務所 400㎡
福利厚生施設 400㎡

という場合があります。

このケースでは、

建築面積
=4,000㎡

生産施設面積
=2,500㎡

として整理することになります。

そのため、

建築確認図面に書かれた建築面積
をそのまま
生産施設面積

として転記しないことが重要です。

各建物・区画が何に使われるかを確認します。

緑地面積は「緑色の場所なら全部入る」とは限らない

工場立地法上の緑地には、一定の条件があります。

愛知県の手引では、例えば、

  • 樹木が生育する区画された土地
  • 芝などの地被植物で表面が覆われ、適切に管理されている土地
  • 一定の屋上緑化施設

などが緑地として整理されています。

そのため、

雑草が自然に生えている空き地

をそのまま工場立地法上の緑地として計算できるとは限りません。

芝生、植栽、樹木などについて、

どの範囲を緑地として管理するのか

を配置図上で明確にします。

国の準則では緑地面積率20%以上が基本

新設工場について、国の準則では原則として、

緑地面積
→ 敷地面積の20%以上

とされています。

例えば敷地面積10,000㎡なら、

10,000㎡ × 20%
=2,000㎡

が一つの基準になります。

ただし、これは全国一律で必ず20%という意味ではありません。

市町村が地域準則条例等を定めている場合は、その工場所在地に適用される緑地面積率を確認します。

愛知県では工場立地法の届出先も各市町村になっているため、具体的な計画では所在地の自治体へ確認します。

愛知県公式:工場立地法の届出先・県の手引きを確認する

緑地を含む環境施設は25%以上が国準則の基本

工場立地法では、緑地だけでなく「環境施設」も確認します。

国準則では、新設工場について原則として、

緑地を含む環境施設面積
→ 敷地面積の25%以上

とされています。

例えば敷地面積10,000㎡なら、

10,000㎡ × 25%
=2,500㎡

です。

この2,500㎡の中に、緑地も含まれます。

したがって、

緑地20%

環境施設25%

として合計45%必要という意味ではありません。

緑地を含めた環境施設全体として25%以上という関係です。

緑地以外の環境施設には何がある?

愛知県の手引では、緑地以外の環境施設として、例えば、

  • 噴水
  • 水流
  • その他の修景施設
  • 屋外運動場
  • 広場
  • 屋内運動施設
  • 教養文化施設
  • 雨水浸透施設
  • 太陽光発電施設

などを挙げています。

ただし、施設があるだけで自動的にすべて環境施設面積として算入されるわけではありません。

工場周辺地域の生活環境の保持に寄与する施設であることなど、工場立地法上の要件を確認します。

環境施設は配置にも基準がある

工場立地法では、環境施設の総面積だけでなく配置も確認します。

国準則では、新設工場について、

環境施設のうち敷地面積の15%以上に相当する面積を、敷地周辺部へ配置する

ことが基本とされています。

例えば敷地面積10,000㎡なら、

10,000㎡ × 15%
=1,500㎡

です。

単に敷地の中央へ緑地をまとめて確保すればよいとは限りません。

工場周辺の生活環境との調和という制度目的から、配置も含めて確認します。

駐車場の中の緑地などは「重複緑地等」に注意する

工場敷地では、

駐車場の緑化
屋上緑化
壁面緑化
藤棚
配管下の芝生

など、他の施設と重複する緑地を設けることがあります。

工場立地法では、これらを「重複緑地等」として扱う場合があります。

国準則では、新設工場について、緑地面積に算入できる重複緑地等には上限があります。

愛知県の概要版手引では、緑地面積の4分の1以内と整理されています。

そのため、

「駐車場を全面緑化すれば緑地基準を全部満たせる」

とは限りません。

通常の緑地と重複緑地等を分けて面積計算します。

配置図と面積表をセットで確認する

工場立地法の届出準備では、各施設を次のように整理すると確認しやすくなります。

区分面積配置図上の表示
敷地全体10,000㎡敷地境界
生産施設A2,000㎡A
生産施設B1,000㎡B
倉庫700㎡C
事務所300㎡D
緑地A1,200㎡G1
緑地B800㎡G2
広場500㎡E1

このように、

図面上の記号

面積計算表

を対応させます。

そのうえで、

生産施設面積率
緑地面積率
環境施設面積率

を計算します。

数値だけを届出書へ記入するのではなく、その根拠を配置図から確認できる状態にすることが重要です。

増設・変更では「変更後」だけでなく「変更前」も確認する

既存の特定工場で変更届を行う場合は、新設とは少し考え方が異なります。

例えば生産棟を増設する場合、

現在の生産施設

今回増える生産施設

変更後の生産施設

を整理します。

緑地についても、

既存緑地

増築で減少する部分

新しく設置する緑地

変更後の緑地

という形で確認します。

そのため、既存工場の変更届では過去の工場立地法届出書が重要です。

過去の届出内容と現在の工場配置が一致しているかを確認したうえで、今回の変更を反映します。

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工場所在地の市町村の基準を必ず確認する

工場立地法の国準則では、

生産施設
→ 業種別30~65%

緑地
→ 20%以上

緑地を含む環境施設
→ 25%以上

などが基本となっています。

しかし、市町村が地域準則条例等を定めている場合は、工場所在地によって適用される割合が異なることがあります。

したがって、実際の届出では、

「ネットの記事に20%と書いてあった」

だけで緑地面積を確定しません。

工場所在地の市町村へ、

  • 適用される準則
  • 緑地面積率
  • 環境施設面積率
  • 届出様式
  • 提出方法

を確認します。

愛知県内では、工場立地法の届出先は特定工場所在地の各市町村です。

工場立地法の届出準備はこの順番で進める

届出を準備する場合は、次の順番で整理すると分かりやすくなります。

  1. 特定工場に該当するか確認する
  2. 新設届か変更届か確認する
  3. 工場所在地の市町村へ相談する
  4. 適用される準則・地域準則を確認する
  5. 敷地面積を確認する
  6. 建物・施設の用途を分類する
  7. 生産施設を特定する
  8. 緑地を特定する
  9. 緑地以外の環境施設を特定する
  10. 配置図へ各施設を表示する
  11. 各施設の面積を算定する
  12. 生産施設・緑地・環境施設の面積率を計算する
  13. 届出書と配置図・面積表の数値を照合する
  14. 着工予定日から届出時期を確認する
  15. 市町村へ届出する

特に重要なのは、

配置図
面積計算
届出書

の3つの数字を一致させることです。

届出が必要なら原則90日の実施制限も確認する

特定工場の新設・変更について届出が必要な場合、原則として届出が受理された日から90日を経過した後でなければ工事に着手できません。

対象となるのは建物本体の工事だけとは限らず、変更に必要となる最初の、

  • 埋立工事
  • 造成工事
  • 施設建設工事

なども含まれます。

内容が相当である場合には、実施制限期間が短縮されることがあります。

届出資料が完成してから工事日程を考えるのではなく、計画段階で市町村へ相談しておくことが重要です。

配置図を作る前に「何が生産施設・緑地なのか」を整理する

工場立地法の届出では、配置図をきれいに描くこと自体が目的ではありません。

まず、

この建物は生産施設か
この場所は緑地として算入できるか
この施設は環境施設になるか

を判断します。

その判断をもとに、

配置図

面積計算

面積率

届出書

へ落とし込んでいきます。

既存の建築図面やCADデータがある場合は、それを基礎資料として利用できる可能性があります。

一方、実際の配置と図面が異なっている場合や、緑地面積の根拠が不明な場合は、現況確認や再計算が必要になることがあります。

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愛知県三河の工場立地法の届出についてご相談ください

いしかわ行政書士事務所では、碧南市・西尾市・高浜市・安城市・刈谷市・岡崎市を中心に、工場立地法を含む工場・事業用地に関する行政手続きのご相談を受けています。

「工場立地法の届出をしたい」
「どこまでが生産施設になるのか分からない」
「現在ある芝生・植栽を緑地面積に含められるか確認したい」
「配置図と面積計算を整理したい」
「増設後も緑地面積率を満たせるか確認したい」

という場合は、工場所在地、敷地面積、建物用途、配置図、既存の届出書、緑地・環境施設の状況などを確認しながら必要な届出資料を整理します。

届出書類がそろっていない段階でもご相談ください。

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出典

愛知県公式:工場立地法について愛知県公式:工場立地法届出の手引き(概要版)経済産業省公式:工場立地法経済産業省公式:工場立地法の概要

この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。

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