解体工事を受注したいが技術管理者がいない|誰を選任できる?

この記事は行政書士が監修しています。
いしかわ行政書士事務所の行政書士が、法令や公的機関の情報、実務をもとに、制度や手続きのポイントを分かりやすく解説します。

「解体工事を始めたいが、技術管理者になれそうな人がいない」

「資格を持っていなくても、長年の現場経験があれば技術管理者になれる?」

解体工事業登録では、技術管理者の選任が必要です。

技術管理者は、解体工事の施工について技術上の管理を行う者で、誰でも選任できるわけではありません。

ただし、技術管理者になる方法は国家資格だけではありません。

愛知県では、

  • 一定の国家資格を持っている
  • 所定学科を卒業し、必要な実務経験がある
  • 解体工事の実務経験が8年以上ある
  • 実務経験7年以上+登録講習を修了している
  • 解体工事施工技士に合格している

など、複数のルートが用意されています。

そのため、

「資格者がいないから登録できない」

と判断する前に、社長や従業員の学歴・資格・解体工事の実務経験を確認することが重要です。

この記事では、愛知県の解体工事業登録で技術管理者に選任できる人と、資格がない場合の実務経験要件を整理します。

技術管理者がいなければ解体工事業登録はできない

解体工事業登録を受けるには、技術管理者を選任しなければなりません。

愛知県は、技術管理者について、

「工事現場における解体工事の施工の技術上の管理をつかさどる者」

と説明しています。

また、技術管理者を選任していないことは登録拒否事由の一つです。

そのため、

会社を設立

解体工事業登録

あとから技術管理者を探す

という順番では進められません。

登録申請の前に、技術管理者になれる人がいるかを確認します。

愛知県公式:解体工事業登録の技術管理者要件を確認する

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資格がなくても8年以上の実務経験で技術管理者になれる場合がある

国家資格を持っていなくても、解体工事の実務経験によって技術管理者になれるルートがあります。

愛知県では、所定学科の卒業歴や登録講習がない場合、

解体工事の実務経験8年以上

を一つの基準としています。

したがって、

「資格はないが、長年解体工事に従事してきた」

という人でも、実務経験を証明できれば技術管理者になれる可能性があります。

ただし、単に建設業界で8年間働いていればよいわけではありません。

必要なのは「解体工事」の実務経験です。

登録講習を受けていれば実務経験7年以上のルートもある

国土交通大臣が登録する解体工事施工技術講習を修了している場合は、必要な実務経験年数が短くなるルートがあります。

愛知県では、

実務経験7年以上

登録講習修了

で技術管理者要件を満たす区分を設けています。

つまり、

実務経験が7年ある

8年に達するまで待つ

だけではなく、登録講習の利用を検討できる場合があります。

愛知県公式:解体工事業の技術管理者資格基準を見る

所定学科を卒業している場合は必要な実務経験が短くなる

土木・建築などの所定学科を卒業している場合は、必要な実務経験年数が短くなります。

愛知県の基準では、

高校・中等教育学校の所定学科卒業

解体工事の実務経験4年以上

大学・高等専門学校の所定学科卒業

解体工事の実務経験2年以上

で技術管理者要件を満たすルートがあります。

さらに、登録講習を修了している場合は、

高校等の所定学科卒業

実務経験3年以上

登録講習

大学・高等専門学校の所定学科卒業

実務経験1年以上

登録講習

という区分もあります。

所定学科には、土木工学、建築学、都市工学、衛生工学、交通工学などが含まれます。

そのため、資格だけでなく学歴も確認する価値があります。

国家資格で技術管理者になれる場合もある

愛知県では、一定の国家資格・検定合格者について技術管理者要件を認めています。

主な資格は次のとおりです。

資格等主な対象
1級建設機械施工技士対象
2級建設機械施工技士第一種・第二種に限る
1級土木施工管理技士対象
2級土木施工管理技士種別「土木」に限る
1級建築施工管理技士対象
2級建築施工管理技士種別「建築」「躯体」に限る
1級建築士対象
2級建築士対象
技術士建設部門に限る
解体工事施工技士対象

資格の種類・取得時期などによって、追加の実務経験が必要になる場合があります。

資格証だけを見て自己判断せず、現在の愛知県の資格基準表で確認します。

とび技能士でも技術管理者になれる場合がある

職業能力開発促進法の技能検定についても、一定の「とび・とび工」資格が対象になります。

愛知県では、

1級とび・とび工
→ 技術管理者資格の対象

2級とび・とび工
→ 合格後1年以上の実務経験が必要

という区分を示しています。

「施工管理技士や建築士がいないから無理」と考える前に、現場従業員が持っている技能資格まで確認した方がよいでしょう。

解体工事施工技士も技術管理者資格になる

国土交通大臣が登録する試験である「解体工事施工技士」の合格者も技術管理者要件を満たすルートがあります。

愛知県は、公益社団法人全国解体工事業団体連合会が実施する解体工事施工技士について、合格証等の写しを提出書類として案内しています。

今後解体工事業を継続して行う予定で、

現在は実務経験ルートしかない

という場合には、資格取得を検討する選択肢もあります。

「社長本人」を技術管理者にできる?

社長本人が資格・実務経験などの基準を満たしていれば、技術管理者になることは可能です。

技術管理者について、

必ず従業員を別に雇用しなければならない

という制度ではありません。

例えば個人事業主本人が8年以上の適法な解体工事実務経験を持っている場合など、本人が要件を満たすかを確認します。

重要なのは役職ではなく、国土交通省令で定められた技術管理者の資格基準を満たしているかです。

複数の工事現場を兼任できる場合もある

技術管理者を選任したからといって、必ず一つの工事現場だけを担当するというわけではありません。

国土交通省の建設リサイクル法質疑応答集では、技術管理者の職務である解体工事従事者の監督が可能であれば、複数の工事現場を兼務することは差し支えないとしています。

ただし、

現場が遠く離れている
多数の工事を同時に担当する

など、実際に技術上の管理・監督ができない状態では問題になります。

単に名義だけ技術管理者として登録する制度ではありません。

元請だけでなく下請の解体工事業者にも技術管理者が必要

国土交通省の質疑応答集では、元請・下請のどちらであっても、解体工事業者である場合は技術管理者を置く必要があるとされています。

したがって、

「元請会社に技術者がいるから、自社にはいらない」

とはなりません。

自社が解体工事業者として登録して解体工事を施工するのであれば、自社の技術管理者を確認します。

実務経験は「解体工事なら何でも」認められるわけではない

実務経験ルートを使う場合は、経験の内容を証明できることが重要です。

例えば、

建設現場で働いていた
重機を操作していた
建物工事に携わっていた

というだけでは、それだけで解体工事の実務経験とは判断できません。

実際に解体工事に従事した経験を整理します。

また、愛知県は、必要な建設業許可または解体工事業登録を受けていない事業者の下で従事した工事については、実務経験として扱えない場合があることをFAQで示しています。

そのため、

どの会社で
何年
どのような解体工事に従事したか
当時その会社が必要な許可・登録を受けていたか

まで確認します。

実務経験を使う場合は証明書を準備する

愛知県の登録申請では、技術管理者が資格基準を満たすことを証明する資料を提出します。

実務経験ルートなら「実務経験証明書」です。

資格によっては、

  • 卒業証明書
  • 国家資格証
  • 講習修了証
  • 解体工事施工技士の合格証

などを使用します。

つまり、

「この人なら技術管理者になれそう」

という段階から、

「申請書類で要件を証明できる」

ところまで確認する必要があります。

愛知県公式:解体工事業登録の申請様式・実務経験証明書を見る

技術管理者候補はこの順番で確認する

技術管理者が見つからない場合は、社長・役員・従業員について次の順番で確認すると整理しやすくなります。

  1. 解体工事施工技士など直接使える資格がないか
  2. 土木・建築施工管理技士や建築士等を持っていないか
  3. とび技能士等の対象資格がないか
  4. 土木・建築等の所定学科を卒業していないか
  5. 解体工事の実務経験が何年あるか
  6. 登録講習を利用できないか
  7. 実務経験を証明できるか
  8. 当時の勤務先が必要な許可・登録を受けていたか

この確認をすると、

「資格者がいない」

と思っていた会社でも、実務経験や学歴で技術管理者を選任できる場合があります。

誰も要件を満たさない場合は登録できない

社内の誰も技術管理者要件を満たしていない場合、現在の状態のままでは解体工事業登録を受けることはできません。

その場合は、

  • 要件を満たす人材を確保する
  • 現在の従業員が必要な実務経験を積む
  • 利用できる登録講習を受ける
  • 解体工事施工技士などの資格取得を検討する

といった対応を考えます。

ただし、単に技術管理者の名義だけを借りるような形ではなく、実際に解体工事の施工の技術上の管理を行える体制が必要です。

申請前に「誰を技術管理者にするか」を確定する

解体工事業登録では、申請書を作る前に技術管理者候補を確定しておくことが重要です。

候補者について、

資格

学歴

実務経験

講習

証明資料

の順で確認すると、どの資格基準に該当するか整理できます。

技術管理者の要件が確定してから、登録申請書やその他の添付書類を準備した方が手戻りを防ぎやすくなります。

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「技術管理者になれる資格者が社内にいない」
「長年の解体工事経験で要件を満たせるか確認したい」
「従業員の資格・学歴・実務経験のどれを使えるか分からない」
「実務経験証明書を用意できるか確認したい」

という場合は、技術管理者候補者の資格、学歴、実務経験、過去の勤務先などを確認しながら、どの資格基準に該当するか整理します。

技術管理者になれる人がいるか分からない段階でもご相談ください。

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営業時間 9:00-21:00(土・日・祝日も対応)

出典

愛知県公式:解体工事業登録の対象と要件愛知県公式:2026年4月版 解体工事業登録申請の手引愛知県公式:解体工事業登録様式ダウンロード国土交通省公式:建設リサイクル法質疑応答集

この記事は、2026年8月時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。

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